総合評価
アンカラは政治の街であり、イスタンブールに比べて一般犯罪は少ないですが、テロの標的になりやすく政治的デモが頻発するため警戒が必要です。
身体的安全 (B)
警察の警備は非常に厳重ですが、2024年のTUSAŞ事件のような大規模テロや、政治的対立による突発的な暴力事件が懸念材料です。
医療・衛生 (A-)
ギュベン病院やメモリアル病院など、JCI認定を受けた欧米水準の私立病院が複数あり、外国人への対応も非常にスムーズです。
詐欺 (B)
Ulus周辺での靴磨き詐欺やKızılayのパビヨンでのぼったくりなどが見られますが、観光客向けの詐欺の頻度は他都市より低めです。
テロ (D+)
首都として政府機関や大使館が集中しており、PKKやISISによる攻撃の優先順位が高いエリアです。2025年も複数の計画が未然に防がれています。
スリ (B)
Kızılay駅やアンカライなどの公共交通機関の混雑時に発生しますが、警戒を怠らなければ被害に遭う確率は抑えられます。
暴力犯罪 (B+)
外国人旅行者が被害に遭う殺人や強盗事件は極めて稀ですが、AltındağやMamakの一部の危険地区では夜間の治安が著しく低下します。
最新インテリジェンスレポート
アンカラはトルコの行政の中心地であり、一般犯罪率は比較的低く保たれていますが、地政学的な緊張と国内政治の対立により、テロ警戒とデモ対策が最優先事項となっています。観光客は政府施設周辺の厳重な警備に注意し、政治的集会を避ける必要があります。
現在の状況
2025年から2026年にかけて、アンカラの治安情勢は「横ばいから不安定」な状況にあります。2024年10月の航空宇宙産業(TUSAŞ)本社テロ事件以降、防衛関連施設や公共交通機関での検問が恒久化されています。2025年末にはISIS関係者による年末年始を狙ったテロ計画が摘発されるなど、警察当局は高い警戒レベルを維持しています。また、中東情勢(イスラエル・パレスチナ紛争)に伴う反米・反イスラエルデモがKızılay広場や米国大使館周辺で頻繁に発生しており、一時的な道路封鎖や警察との衝突が報告されています。一般犯罪については、当局の「Narkokapan」作戦により薬物関連の検挙が進み、学校周辺などの治安は一部改善傾向にあります。
背景分析
トルコ国内の経済不安と持続的な高インフレ(通貨リラ安)が、一部の層における窃盗や詐欺を誘発する背景となっています。特に再開発が遅れているAltındağ地区などの旧市街周辺では、社会格差の拡大が治安の不安定化を招いています。また、シリアやイラクにおけるトルコ軍の作戦に対する報復として、PKKが首都での攻撃を企図する構図が続いています。一方で、行政主導のKGYS(監視カメラシステム)の網羅的な導入により、街頭犯罪の犯人検挙率は向上しています。
政治・社会情勢
2025年は主要野党勢力の拘束を巡る抗議活動が数回にわたり数万人規模で発生しました。KızılayのGüvenparkはデモの象徴的な拠点となっており、政治的な裁判の判決や祝祭日に合わせて警察による催涙ガスの使用や放水車が配備されるのが常態化しています。また、米国大使館の業務遅延通知が象徴するように、地政学的な摩擦が外交施設周辺の治安に直接影響を与えており、国際情勢の悪化とともに警備体制が即座に引き上げられる傾向にあります。
重要ポイント
- ! 政治的デモや集会には興味本位で近づかず、速やかにその場を離れること。
- ! 政府機関、軍事施設、および警察官の写真を許可なく撮影しないこと(スパイ容疑をかけられるリスク)。
- ! Ulus地区の裏通りやAltındağ地区は日没後の治安が悪化するため、観光客のみでの立ち入りを避ける。
- ! タクシー利用時は「BiTaksi」等のアプリを使い、メーターの使用と走行ルートを常に監視する。
- ! 「日本語を勉強している」と話しかけてくる人物による土産物店や绒毯店への誘導には乗らない。
- ! Kızılay広場付近では常に周囲の状況を確認し、不審な手荷物や集団から距離を置く。
- ! パスポートの紛失に備え、原本はホテルのセーフティボックスに保管し、写しを携帯する。
- ! 緊急連絡先(112)と当番薬局(Nöbetçi Eczane)のシステムを事前に理解しておく。
- ! 中東情勢の悪化時には大使館からの安全情報を毎日確認し、外交施設周辺を避ける。
- ! 冬のアンカラは路面凍結による転倒や車両スリップ事故が多いため、足元の安全に留意する。
エリア別安全情報(タクティカルマップ)
アンカラは「北(Ulus/Altındağ)」が古く、治安に課題があるのに対し、「南(Çankaya)」に向かうほど近代化され安全になる構造です。中心部のKızılayは全ての活動の結節点であるため、便利ですが常に政治的リスクを伴います。移動はメトロが最も安全で信頼できますが、タクシー利用時は配車アプリ「BiTaksi」の利用が必須です。
Doantepe / Çinçin
危険アンカラで最も犯罪率が高いスラム化したエリア。組織犯罪や薬物取引が公然と行われており、昼夜を問わず立ち入りは極めて危険です。
Kızılay Square / Güvenpark
注意アンカラの中心地であり、政治的デモの主会場。突発的な集会や警察との衝突、スリの被害が多発する場所です。
Ulus Old City (裏通り)
注意歴史的なバザールがあり昼間は活気がありますが、日没後は治安が急激に悪化します。浮浪者や酔っ払い、詐欺師が多くなります。
Tuzluçayır (Mamak)
注意政治的な緊張が高まりやすい住宅街で、政府に対する抗議デモや警察の強制捜査が頻繁に行われるエリアです。
Gaziosmanpaşa (GOP) / Tunalı Hilmi
安全大使館街および高級住宅地。24時間体制で警察がパトロールしており、アンカラで最も安全なエリア。夜間の食事や散策も可能です。
Çayyolu / Ümitköy
安全新興の高級住宅街。完全に現代的な街並みで、一般犯罪の発生率が極めて低く、家族連れや長期滞在者に最適です。
Kahramankazan 工業地帯
注意航空宇宙産業などの戦略的施設が集中。2024年のテロ以降、検問が非常に厳しく、不用意な写真撮影は即座に拘束の対象となります。
Bahçelievler (7. Cadde)
安全学生街で活気があり、深夜まで明るく人通りがあります。警察の目も行き届いており、若者や一人旅でも比較的安全です。
脅威プロファイリング
アンカラの犯罪概況は、行政都市という特性から一般犯罪率はイスタンブールなどの他都市に比べ低く保たれているが、2025年から2026年にかけては経済不安を背景とした巧妙な詐欺が多発している。特に夜間のウルスやクズライでの「パビヨンぼったくり」は致命的な金銭被害に繋がりやすく、単独行動の男性観光客が主な標的となっている。また、首都として政治的デモの主会場となることが多く、中東情勢や国内の司法判断に連動した突発的な騒乱リスクが存在する。テロの脅威についても、過去に大規模な事件が発生していることから、政府施設周辺の警備は最高レベルにあり、旅行者は常に警戒を怠らず、集会やデモには絶対に近づかないという基本的な安全対策を徹底する必要がある。全体としては、注意点を守れば比較的安全に滞在できるが、詐欺手口の把握と、政治情勢に対する敏感な情報収集が不可欠である。
パビヨンぼったくり勧誘員
Pavyon Scammers
グループ規模: 2-3人の男性グループ
ターゲット: クズライやウルス地区を夜間に一人で歩く外国人観光客、特に警戒心の薄そうな男性や、現地の娯楽に興味を示しているように見える者。
活動場所: Kızılay, Ulus, Çankaya
活動時間: 21:00-04:00
手口:
主にクズライやウルス地区の裏通りで活動する。標的に対して英語や片言の日本語で「良いバーを知っている」「安くて楽しい場所がある」と親しげに声をかける。案内される先は『パビヨン』と呼ばれるトルコ独自のナイトクラブで、客が着席した途端に頼んでいない高額な酒や店側の女性が同席する。15分程度の滞在でも、支払い時には数百ユーロから数万トルコリラに及ぶ法外な金額の請求書が提示される。支払いを拒否すると、隠れていた屈強なボディガードたちが現れて威圧し、最寄りのATMまで強制的に連行され、現金を引き出させられるまで解放されない。2025年も組織的な犯罪グループとして活動が確認されており、巧妙に観光客を罠にはめる手口が続いている。
対策:
路上で声をかけてくる見知らぬ人物の誘いには、どれほど親切に思えても絶対に乗らないことが最大の防御である。特に「一緒に飲みに行こう」というフレーズは警戒すべきサインである。もし誤って入店してしまい、不当な請求を受けた場合は、その場での物理的な抵抗は避け、安全が確保できる状況であれば速やかに112番通報を行うか、翌朝に警察署で被害届(Tutanak)を作成する。アンカラの警察はパビヨン被害に精通しているため、早急な相談が推奨される。
偽警察官・当局者詐欺
Fake Police Fraudsters
グループ規模: 2人の男性(一人が警察官役、もう一人が協力者)
ターゲット: アンカラ中央駅周辺やアタテュルク廟付近で、大きな荷物を持っている外国人旅行者や、道に迷っているように見える歩行者。
活動場所: Ankara Garı, Kızılay, Anıtkabir
活動時間: 10:00-18:00
手口:
私服警官を装った男が標的に近づき、警察手帳のようなものを一瞬見せて「このエリアで偽札や薬物の捜査を行っている」と告げる。信用させるために、まず近くにいる協力者(観光客のふりをした男)の所持品を検査する演技を見せる。その後、標的に対して財布の中身を見せるよう要求し、確認するふりをしながら指先の技術で高額紙幣を抜き取る、またはクレジットカードを別の無効なカードにすり替える。2025年に入り、地政学的緊張を口実に「テロ対策の特別検査だ」と称するバリエーションも報告されている。犯行は数分で終わり、標的に気づかれる前に立ち去るのが特徴である。
対策:
トルコの警察が路上で一般市民や観光客に対し、財布の中身(現金)を見せるよう要求することは絶対にない。身分証の提示を求められた場合は、本物の警察官であっても「ここではなく最寄りの警察署(Karakol)で行う」と主張し、周囲に人が多い場所へ移動する。また、提示されたバッジやIDカードを安易に信じず、スマートフォンのカメラで撮影する素振りを見せることで犯人を退散させることができる。少しでも不審に感じたら、周囲に助けを求めるか、112番に電話をかけるフリをすること。
靴磨きブラシ落とし詐欺
Shoe Brush Scammers
グループ規模: ソロ(単独犯)
ターゲット: ウルス地区のバザールやアンカラ城周辺を歩く、清潔な靴を履いた外国人観光客、特に一人歩きの旅行者。
活動場所: Ulus, Ankara Kalesi, Atatürk Bulvarı
活動時間: 09:00-17:00
手口:
靴磨き職人の男が、標的の目の前を通り過ぎる際にわざとブラシを地面に落とす。親切な旅行者が「ブラシが落ちましたよ」と拾ってあげると、男は過剰に感謝し、「お礼に無料で靴を磨かせてほしい」と申し出る。断っても強引に磨き始め、終わった途端に態変貌し、材料費やサービス料として法外な金額(数千円相当)を要求する。無視して去ろうとすると、周囲の仲間が寄ってきたり、大声を出して周囲の注目を集め、標的が恥ずかしさや恐怖から支払わざるを得ない状況を作り出す。2026年現在も古典的だが非常に多く発生している手口である。
対策:
ブラシが目の前で落ちても、絶対に拾わず、無視して通り過ぎることが最も有効な対策である。もし拾ってしまい、磨き始めようとした場合は、強い口調で「No thank you」と断り、足を動かし続けて立ち止まらないこと。万が一、磨かれてしまい金を要求された場合は、現地相場(数リラ程度)を投げ渡して速やかにその場を離れるか、相手の主張を無視して人混みに紛れる。最初から目を合わせないことが重要である。
テロ関与疑惑・電話詐欺
Terror-Link Phone Scammers
グループ規模: 組織的なコールセンターグループ
ターゲット: トルコに滞在中の外国人、留学生、ビジネスマン。トルコの電話番号(SIM)を所有している者。
活動場所: Citywide
活動時間: 09:00-20:00
手口:
検察官や高位の警察官を名乗り、標的に電話をかける。内容は「あなたの銀行口座がPKKやFETÖなどのテロ組織の資金洗浄に使われていることが発覚した。今すぐ身の潔白を証明しなければ逮捕される」という強硬なもの。その後、容疑を晴らすための『捜査協力』として、指定された安全な口座に全財産を一時的に送金するよう指示する。2025年末には、アンカラを拠点とするグループが数億円規模の被害を出し摘発された。被害者は、相手が公式の用語を使い、背景音で警察無線のような音を流すため、パニックに陥り指示に従ってしまうケースが多い。
対策:
トルコの公的機関が電話で金銭の送金を要求したり、パスワードを尋ねたりすることは100%あり得ない。このような電話がかかってきた場合は、即座に電話を切り、着信拒否設定を行う。心配な場合は、自分で調べた番号を使って最寄りの警察署に直接出向いて確認すること。また、家族や友人にすぐに相談し、一人で判断を下さないことが重要である。個人情報を電話で伝えないことを徹底する。
クズライ混雑スリ集団
Kızılay Pickpocket Gangs
グループ規模: 3-4人のグループ
ターゲット: 地下鉄クズライ駅や周辺のバス停で、カバンを無防備に持っている人やスマートフォンを操作しながら歩いている人。
活動場所: Kızılay Metro Station, Ankaray, Güvenpark Bus Stops
活動時間: 08:00-10:00, 17:00-20:00
手口:
混雑した地下鉄内や乗換駅のエスカレーターで活動する。一人が標的の目の前でわざとつまずく、または偽の情報を聞いて注意を逸らす役を担い、その隙に別のメンバーが標的のカバンやポケットから財布や携帯電話を抜き取る。盗んだ品はすぐに第三のメンバーに渡され、現場から離脱させるため、捕まえることが非常に困難である。2025年の統計では、夕方の帰宅ラッシュ時(17時から19時)に被害が集中しており、特にアンカライ(Ankaray)線での発生率が高いことが報告されている。
対策:
混雑した場所では、バックパックやカバンを必ず体の前に持ち、ジッパー部分を自分の手で押さえておく。スマートフォンをズボンの後ろポケットに入れるのは避ける。エスカレーターでは不自然に近づいてくる人物に注意し、周囲で誰かが騒ぎを起こしても、まずは自分の持ち物の安全を確認する。財布には多額の現金を入れず、分散して所持することも有効な防御策となる。
非公認エセガイド詐欺
Unofficial Fake Guides
グループ規模: ソロまたは2人
ターゲット: アンカラ城やアタテュルク廟、アナトリア文明博物館の周辺でガイドブックを読んでいる外国人旅行者。
活動場所: Ankara Kalesi, Anıtkabir, Anadolu Medeniyetleri Müzesi
活動時間: 10:00-17:00
手口:
「私はここで働いている」「日本語を勉強中の学生だ」と親しげに近づき、無料で観光案内を申し出る。案内が終わると、本来は公共エリアであるはずの場所で『入場料』を請求したり、知り合いの絨毯店や高額なお土産物店に強引に連れて行き、商品を買うまで帰さないような圧力をかける。彼らは公式なライセンスを持っておらず、誤った情報を教えることもある。2025年には日本人の増加に伴い、日本語を巧みに操り信頼を得ようとする手口が目立っている。
対策:
公認ガイドは必ず首から顔写真付きのライセンス証を下げている。路上で声をかけてくる自称ガイドはすべて拒絶すべきである。もし案内が始まってしまったら、早い段階で「ガイドは必要ない」と明確に告げる。絨毯店などに連れて行かれそうになったら、毅然として断り、タクシーやバスに乗ってその場を離れる。親切心に付け込まれないよう、適度な距離感を保つことが重要である。
過激デモ煽動グループ
Political Agitators
グループ規模: 数十人から数百人の群衆
ターゲット: デモ発生場所を偶然通りかかった外国人、または物珍しさから撮影を行っている野次馬的な観光客。
活動場所: Kızılay Square, Güvenpark, Atatürk Bulvarı
活動時間: Weekend afternoons
手口:
中東情勢や国内政治の緊張が高まった際、クズライ広場や米国・イスラエル大使館周辺に突発的に集結する。平和的な抗議から始まり、一部の煽動者が警察に対して投石や爆竹の使用を開始すると、警察側も催涙ガスや放水車を用いて応戦する。この混乱の中で、周囲にいる無関係な歩行者がガスを吸引したり、パニックによる転倒、さらには過激派による外国人へのヘイトクライムに発展する恐れがある。2025年には野党指導者の拘束を巡り、大規模な衝突がアンカラ中心部で発生した。
対策:
現地のニュースや大使館からのメールでデモ情報を事前に把握し、予告されているエリアには絶対に近づかない。もし街中で不自然な群衆や警察の機動隊(TOMA)を見かけたら、即座にその場を離れる。スマートフォンでのデモの撮影は、煽動者からも警察からも疑われる原因となるため厳禁である。万が一催涙ガスに遭遇した場合は、目をこすらず、風上に向かって移動し、近くの建物内に避難して沈静化を待つ。
戦略的テロ・セル
Strategic Terrorist Cells
グループ規模: 2-5人の訓練された戦闘員
ターゲット: 特定の個人ではなく、政府施設、軍事関連企業、外交施設、または象徴的な大通り。無差別テロを狙う。
活動場所: Kızılay, Kahramankazan (Industrial areas), Government district (Bakanlıklar)
活動時間: Unpredictable
手口:
PKKやISISに関連する過激派組織による攻撃。2024年のTUSAŞ襲撃事件のように、銃器や爆発物を用いた直接的な攻撃、または車両爆弾(VBIED)や自爆テロの形態をとる。ターゲットは常に政府中枢や防衛産業拠点、地下鉄の乗り換え駅など、社会に大きな衝撃を与える場所である。犯行前には綿密な偵察が行われ、警備の隙を突く。アンカラ市内では常に厳戒態勢が敷かれているが、イベント時や記念日にはリスクが特に高まる傾向にある。
対策:
常に周囲の状況に気を配る「シチュエーショナル・アウェアネス」を維持する。放置された不審物や、厚着をして周囲を伺う不審な人物を見かけたら即座にその場を離れ警察に通報する。政府施設や軍事拠点の周辺では長居をせず、写真を撮るなどの不審な行動を控える。万が一、銃撃や爆発に遭遇した場合は「RUN(逃げる)、HIDE(隠れる)、TELL(知らせる)」の原則に従い、まずは姿勢を低くして遮蔽物を探す。大使館の緊急連絡先を常に携帯しておくこと。
時間帯別リスク評価
アンカラの治安は時間帯よりも「場所」と「政治状況」に大きく左右されます。日中はスリや伝統的な詐欺に注意し、夕方以降はデモの発生しやすいクズライ広場を避けることが基本です。深夜は一部の危険地区が深刻な犯罪の温床となるため、チャンカヤ地区以外の夜間外出は控え、移動には信頼できる配車アプリを使用してください。政治的中枢であるための警戒態勢は常に高いことを意識しましょう。
早朝
やや安全05:00-08:00
早朝のアンカラは、行政都市らしく非常に静かです。公共交通機関が動き出す時間帯で、通勤客以外の姿は少なく、治安は概ね安定しています。しかし、中心部のクズライ広場やウルス地区では、清掃員や早朝営業の店主以外に、稀に酔っ払いや浮浪者が残っていることがあります。観光地であるアンカラ城周辺や古い路地裏は、まだ人通りが少なく死角が多いため、一人で歩くのは避けるべきです。この時間帯の最大の懸念は、不審な犯罪よりも交通車両のスピード出しすぎによる事故です。横断歩道であっても車両には細心の注意を払ってください。
脅威:
- ・人気のない路地での浮浪者との遭遇
- ・車両のスピード出しすぎによる交通事故
- ・野良犬の集団による威嚇
推奨:
- ・メインストリート以外の移動は控える
- ・移動にはタクシー配車アプリBiTaksiを使用する
- ・野良犬の集団には近づかず無視する
- ・横断歩道でも信号を過信せず左右を確認する
日中
やや安全08:00-18:00
日中はビジネスマンや学生で溢れ、非常に安全な時間帯です。しかし、観光地や混雑したバス・メトロ内では、スリや置き引きなどの軽犯罪が発生しやすくなります。特にウルス地区のバザールやアンカラ城への参道では、「靴磨きブラシ落とし詐欺」や「自称ガイド」による執拗な勧誘が報告されています。また、政治の中心地であるため、政府機関や大使館周辺での不用意な写真撮影は警察の職務質問を招く恐れがあります。クズライ広場周辺では、突発的な政治集会やデモが行われることがあり、群衆が集まっている場合は速やかにその場を離れることが重要です。
脅威:
- ・混雑したメトロ内でのスリ
- ・観光地での靴磨き詐欺や偽ガイド
- ・公共施設周辺での職務質問(写真撮影関連)
推奨:
- ・バッグは体の前に持ちジッパーに手を添える
- ・不用意に政府・軍関連施設を撮影しない
- ・見知らぬ人物からの親しげな誘いは毅然と断る
- ・デモや集会を見かけたら即座に離れる
夕方〜夜
注意18:00-23:00
夕方から夜にかけては、クズライ広場やバフチェリエブレルなどの繁華街が非常に賑わいます。この時間帯は政治的デモが激化しやすく、警察による催涙ガスの使用や道路封鎖が発生するリスクが高まります。また、ウルス地区やクズライの裏通りでは、「パビヨン」と呼ばれるナイトクラブへのぼったくり勧誘が活発になります。「安く飲める」と誘われて入店すると、高額な請求を突きつけられ、監禁・恐喝される被害が後を絶ちません。繁華街を歩く際は、周囲の状況を常に確認し、警察の緊急通知やニュースをチェックしておくことが不可欠です。
脅威:
- ・クズライ広場周辺での政治デモへの巻き込まれ
- ・ナイトクラブ(パビヨン)へのぼったくり勧誘
- ・混雑した夕食時の置き引き
推奨:
- ・デモが予告されているクズライ周辺には近づかない
- ・客引きには一切反応せず目を合わせない
- ・飲食店では荷物を椅子の背もたれにかけない
- ・移動は明るいメインストリートを選ぶ
深夜
警戒23:00-05:00
深夜のアンカラは、地区によって危険度が極端に異なります。アルトゥンダー地区のドアンテペやチンチン、ウルスの路地裏などは、麻薬取引や暴力犯罪のリスクがあり、観光客が立ち入ることは絶対に避けるべきです。中心部でも酔っ払いによるトラブルや、偽警察官を装った詐欺師が現れることがあります。また、深夜のタクシー利用では、メーターを回さない、お釣りを誤魔化すといったトラブルが増加します。歩行中に不審な車に声をかけられても無視し、速やかに屋内に避難してください。この時間帯の一人歩きは、安全と言われるチャンカヤ地区であっても最小限に留めるのが賢明です。
脅威:
- ・レッドゾーン(アルトゥンダー等)での暴力犯罪
- ・偽警察官による所持品検査詐欺
- ・タクシーのメーター不正やぼったくり
推奨:
- ・深夜の外出は極力控え、一人歩きは絶対しない
- ・流しのタクシーより配車アプリBiTaksiを優先する
- ・警察を名乗られても路上で財布は渡さない
- ・危険地区(アルトゥンダー、ママク)には立ち入らない
旅行者タイプ別アドバイス
女性一人旅
★★★★☆アンカラは保守的な行政都市であり、イスタンブールに比べて女性に対する執拗な客引きやナンパは少ない傾向にあります。しかし、夜間のウルス地区やクズライの裏通りなど、男性客主体の店が多いエリアでは視線や声をかけられることがあり、不快な思いをすることもあります。服装は極端な露出を避け、スマートカジュアルを心がけると周囲に溶け込みやすく、トラブルを回避できます。チャンカヤ地区(GOPやトゥナル周辺)であれば、夜間のカフェ利用なども比較的安心して楽しめます。常に周囲への警戒を怠らず、地元の女性が歩いているエリアを基準に行動するのがコツです。
特有のリスク:
- ・ウルス地区等の古いエリアでの執拗な視線やナンパ
- ・タクシー内での運転手による私的な質問
- ・夜間の人気のない地下鉄通路での不安感
推奨事項:
- ・宿泊は安全なGOPやバフチェリエブレル地区を選ぶ
- ・タクシーは配車アプリを利用し走行ルートを常に監視する
- ・露出の多い服装を避け、地元のファッションに合わせる
- ・見知らぬ男性からの過度な親切には警戒心を持つ
- ・夜間のメトロはなるべく車両の真ん中、人の多い場所に乗る
- ・現地SIMを確保し、常にGPSで自分の居場所を確認できるようにする
避けるべきエリア:
夜間のウルス地区(Ulus), アルトゥンダー地区(Altındağ)全域, クズライのパビヨンが並ぶ裏通り
おすすめ宿泊エリア: チャンカヤ地区の4つ星以上のホテル、または女性専用フロアのある宿泊施設
家族連れ
★★★★★アンカラはトルコの中でも家族連れにとって非常に過ごしやすい都市です。特に西部のチャユヨルやオーラン地区は治安が良く、大型のショッピングモール内には安全なキッズパークが充実しています。トルコ人は一般的に子供に非常に優しく、公共交通機関での優先やレストランでのサポートも期待できます。主なリスクは混雑した場所での迷子や、不慣れな長距離移動による体調不良です。デモが発生しやすいエリアを避け、移動に専用車や信頼できるタクシーを利用すれば、治安面での心配はほとんどありません。アタテュルク廟などの広い施設では、日差し対策を万全にしてください。
特有のリスク:
- ・クズライ広場など混雑地での迷子
- ・急な坂道や石畳でのベビーカー移動の困難さ
- ・デモによる道路封鎖で移動が長時間化するリスク
推奨事項:
- ・ショッピングモール内のホテルなど、安全が確保された施設を選ぶ
- ・移動はBiTaksiなどの配車アプリを活用し、歩行を最小限にする
- ・デモ情報はニュースサイトや大使館メールで毎日確認する
- ・子供にGPSトラッカーや連絡先を記載したカードを持たせる
- ・食事は衛生管理の行き届いたショッピングモール内の店を優先する
- ・ギュベン病院などの英語対応病院の位置を事前に把握しておく
- ・長距離バス移動は避け、余裕のあるスケジュールを組む
避けるべきエリア:
クズライ広場(Kızılay)の群衆, ウルス地区の入り組んだ路地, アンカラ城周辺の急な階段エリア
おすすめ宿泊エリア: オーランやチャユヨル地区のキッチン付きサービスアパートメント
ビジネス
★★★★★首都アンカラを訪れるビジネス客にとって、最大のリスクは治安よりも政治的な騒乱による「スケジュールの遅延」と「テロ警戒レベルの上昇」です。政府機関が集まるエリアでは警察の検問が厳しく、通行止めが頻繁に発生します。会議の場所が大使館や官庁に近い場合は、時間に余裕を持って行動する必要があります。一般犯罪については、チャンカヤ地区の高級ホテルに滞在していればほぼリスクはありません。ただし、身なりの良さが「金持ちのターゲット」に見えることがあるため、路上での偽警察官詐欺や財布抜き取りには注意してください。現地企業との会食では、信頼できる人物からの紹介以外の店には行かないことが鉄則です。
特有のリスク:
- ・政府機関周辺の厳重な検問による移動遅延
- ・高級ホテル周辺を狙うスリや置き引き
- ・重要施設周辺での不用意な撮影による拘束リスク
推奨事項:
- ・宿泊はGOPまたはククルアンバルの高級ホテルに限定する
- ・移動はホテルの専属ドライバーかハイヤーを予約する
- ・ID(パスポートのコピー)を常に携帯し、検問に備える
- ・空港から市内への移動はHAVAŞまたは公認タクシーのみ利用する
- ・公共WiFiは避け、VPN経由でセキュアな通信を確保する
- ・会食の誘いには慎重になり、パビヨン系(ナイトクラブ)は厳禁とする
- ・米国大使館や警察の安全アラートをリアルタイムで受け取る設定にする
避けるべきエリア:
クズライ広場の集会場所, ウルス地区のナイトクラブ街, 政治的なデモが予想される大使館通り
おすすめ宿泊エリア: Sheraton, JW Marriott, Hilton SA などの国際ブランドホテル
バックパッカー
★★★★☆アンカラはカッパドキアへの通過点になりがちですが、安宿が集まるウルス地区は治安が不安定なため、バフチェリエブレルのドミトリーや格安ホテルを選ぶのが賢明です。最大の罠は、親しげに話しかけてくる「自称大学生」や「親切な地元民」による詐欺です。日本語を練習したいと言って誘われ、絨毯屋や高額な茶店に連れて行かれるケースが散発しています。また、アンカラ城周辺では「靴磨き詐欺」のターゲットになりやすいため、無視するスキルが必要です。公共交通機関はメトロが非常に安全で使いやすいため、これを活用して移動コストとリスクを下げましょう。
特有のリスク:
- ・ウルス地区での深夜の客引き・薬物トラブル
- ・親切心を装った絨毯詐欺やぼったくり茶店
- ・格安ホテルのセキュリティ不足による室内盗難
推奨事項:
- ・宿はウルスではなく、学生街のバフチェリエブレル付近で探す
- ・貴重品はセーフティボックスではなく、マネーベルトで身に付ける
- ・靴磨きブラシを目の前で落とされても絶対に拾わない
- ・親しげな誘いには「予定がある」と即座に英語かトルコ語で断る
- ・メトロのICカード「AnkaraKart」を早めに購入しスムーズに移動する
- ・深夜の長距離バス到着時は、AŞTİバスターミナルから公式タクシーを使う
- ・地元の学生が集まるカフェを情報交換の場として利用する
避けるべきエリア:
深夜のウルス旧市街, チンチン(Çinçin)周辺の住宅街, クズライ周辺の怪しいバー
おすすめ宿泊エリア: バフチェリエブレルの高評価ホステル、またはトゥナル周辺のゲストハウス
安全な宿泊エリア
トゥナル・ヒルミ (Tunalı Hilmi) / ガズィオスマンパシャ (GOP)
★★★★★アンカラで最も洗練された外交官や富裕層が集まるエリアです。各国大使館が集中しているため、警察のパトロールが24時間体制で非常に頻繁に行われており、街灯も多く夜間の一人歩きも比較的安全です。高級ホテルや高級アパートメントが多く、治安の安定度は市内最高レベルです。政治的なデモが発生しやすいクズライ広場からは適度に距離があるため、騒乱の影響を受けにくいのも大きなメリットです。おしゃれなカフェやショップが並び、外国人慣れした住民が多いため、初めてのアンカラ滞在でもストレスなく過ごすことができます。
例: Sheraton Ankara Hotel & Convention Center, Lugal, A Luxury Collection Hotel
チャユヨル (Çayyolu) / ウミトキョイ (Ümitköy)
★★★★★アンカラ西部に位置する新興の高級住宅街です。中心部の喧騒から離れており、計画的に整備されたモダンな街並みが特徴です。犯罪率が極めて低く、家族連れの長期滞在者に非常に人気があります。ショッピングモールや公園が充実しており、警備員のいるゲート付きコミュニティも多く存在します。政府機関が集まる中心部から離れているため、テロやデモの標的になるリスクが低く、非常に平穏な環境です。地下鉄M2号線で中心部へ一本でアクセスできる利便性と、郊外の静けさを兼ね備えた、安全性重視の旅行者に最適なエリアです。
例: Holiday Inn Ankara - Cukurambar (周辺エリア), Wyndham Ankara (周辺エリア)
バフチェリエブレル (Bahçelievler)
★★★★☆学生や若者に人気の活気あるエリアで、特に「7番通り(7. Cadde)」周辺は夜遅くまで明るく人通りが絶えません。若者が多いため開放的な雰囲気があり、外国人観光客が目立ちすぎることもありません。比較的安全なカフェやレストランが多く、地元の人々の生活感を感じながら安心して滞在できます。夜間もメインストリートは賑やかで安全ですが、一本路地に入ると暗い場所もあるため注意が必要です。クズライ広場に近すぎず、かつアクセスも良いため、利便性と安全性のバランスを求めるバックパッカーや一人旅の旅行者に強く推奨されるエリアです。
例: Inn 14 Hostel, Hotel Midas
オーラン (Oran)
★★★★★アンカラ南部の高台に位置する閑静な高級住宅街です。高層マンションが立ち並び、パノラ・ショッピングモールなどの現代的な施設に隣接しています。エリア全体が非常に静かで治安が良く、ビジネス客や家族連れに適しています。中心部からは少し距離がありますが、その分、突発的な騒乱やデモとは無縁の環境です。24時間営業のスーパーや薬局も近くにあり、生活利便性が高いのも特徴です。中心部へはタクシーやバスでの移動が必要ですが、安全性と快適さを最優先にするのであれば、チャンカヤ地区の中でも特に安定した選択肢と言えます。
例: Movenpick Hotel Ankara (周辺エリア), Divan Ankara (周辺エリア)
クク・エスアト (Küçükesat)
★★★★☆チャンカヤ地区の一部で、地元住民が多く住む住宅街と落ち着いたカフェが混在するエリアです。観光地化されていないため、詐欺や客引きのリスクがほとんどなく、アンカラの「日常の安全」を体験できます。住民同士のコミュニティ意識が高く、不審者が目立ちやすいため、自然な防犯機能が働いています。クズライ広場やトゥナル・ヒルミ通りへも徒歩圏内であり、観光の拠点としても便利です。大規模なホテルよりも小規模で家族経営のアットホームな宿泊施設が多く、中価格帯で治安の良い場所を探している旅行者にぴったりのエリアです。
例: Hotel Best, Grand Ankara Hotel (周辺)
交通機関の安全情報
地下鉄・メトロ
アンカラの地下鉄(M1-M4)と軽軌道(Ankaray)は非常に清潔で安全性が高く、各駅の改札にはX線検査機と警備員が配置されています。しかし、中心駅であるKızılay駅や乗換地点では、混雑に紛れたスリ集団が活動しており、特に夕方のラッシュ時にはカバンの管理に細心の注意が必要です。また、AnkarayのDikimevi駅方面は深夜になると治安が不安定な地区へ向かうため、夜遅い時間の利用は控え、なるべく中央車両に乗車することを推奨します。車内でのスマートフォン操作に夢中になり、周囲への警戒を解かないようにしてください。
タクシー・配車アプリ
アンカラのタクシーは黄色い車体が目印で、イスタンブールに比べると比較的誠実ですが、依然としてメーター不使用や遠回り、お釣りのすり替え詐欺は報告されています。必ず配車アプリ「BiTaksi」を使用して配車し、ルートと料金目安を記録に残すことが最大の防御です。路上で拾う場合は、乗車前に「Taksimetre?(メーターを使うか?)」と確認し、支払いはなるべく細かい紙幣で行うか、アプリ経由のカード決済を選択してください。夜間のパビヨン街周辺で客待ちをしているタクシーはぼったくりグループと結託している可能性があるため避けるべきです。
バス
市営バス(EGO)はアンカラ全域をカバーしており便利ですが、ラッシュ時の過密状態はスリにとって格好の現場となります。特にKızılayのGüvenpark周辺のバス停は非常に混雑し、乗り降りの際にカバンが開けられる被害が多発しています。夜間の長距離路線(MamakやKeçiören方面)では、乗客同士のトラブルが発生しやすいため注意が必要です。支払いはAnkaraKartのみの路線が多いため、事前にキオスクでチャージを済ませておきましょう。運転が荒いことが多いため、乗車中は必ず手すりや吊革を掴んでください。
徒歩・自転車
チャンカヤ(Çankaya)地区のTunalı HilmiやBahçelievlerなどは歩道が整備されており比較的安全に歩けますが、夜間のウルスやアルトゥンダー地区の路地裏は街灯が少なく、ひったくりや暴行のリスクが高まります。アンカラは地形的に坂が多く、自転車での移動は一般的ではありません。また、運転手の歩行者に対する優先意識が低いため、横断歩道であっても車両が止まらないことを前提に行動してください。冬季は歩道が凍結し非常に滑りやすくなるため、転倒による怪我にも注意が必要です。
空港からのアクセス
エセンボーア空港(ESB)から市内への移動は、公式シャトルバス「HAVAŞ」または「AnkaraAir」の利用が最も安全で経済的です。これらはクズライやAŞTİ(バスターミナル)まで運行されており、深夜でも安心して利用できます。空港のタクシーを利用する場合は、必ず公式の乗り場から乗車し、メーターが回っていることを確認してください。空港の到着ロビーで「Taxi?」と小声で声をかけてくる非公式な客引き(白タク)は、法外な料金を請求されるだけでなく、犯罪に巻き込まれる恐れがあるため、絶対に無視してください。
緊急連絡先
アンカラでの緊急時は、警察・救急・消防が統合された「112」へ電話してください。オペレーターに「English, please」と伝えれば、英語対応者に転送されます。パスポート紛失時はまず最寄りの警察署(Polis Merkezi)へ行き、紛失届(Kayıp Tutanağı)を作成する必要があります。これがないと日本大使館での再発行手続きが進められません。病気や怪我の際は、英語が通じるギュベン病院やメモリアル病院へ向かうのが確実です。在トルコ日本国大使館はチャンカヤ地区のGOPエリアにあり、平日の日中以外でも緊急時は電話での転送サポートが受けられます。常にパスポートのコピーと海外旅行保険の情報を携帯してください。
日本国大使館・領事館
名称: 在トルコ日本国大使館
住所: Reşit Galip Caddesi No: 81, Gaziosmanpaşa (GOP), 06680 Çankaya, Ankara
電話: +90-312-446-0500
メール: [email protected]
アンカラの治安に関するよくある質問
アンカラの治安は良い?悪い? ▼
アンカラの治安は、トルコ国内では比較的安定しています。行政・政治の中心地であるため警察の警備が非常に厳重で、イスタンブールのような大都市に比べると一般犯罪の発生率は低く抑えられています。しかし、首都ゆえに政治的デモやテロの標的になりやすいという側面があり、2024年の航空宇宙産業本社襲撃事件など、地政学的なリスクは依然として存在します。日常生活での安全性は高いものの、政治的な動向には常に注意を払う必要があります。
アンカラで危険なエリアはどこ? ▼
最も注意すべきはドアンテペ(Doantepe)やチンチン(Çinçin)地区で、これらはスラム化しており組織犯罪や薬物取引が多いため、観光客は絶対に立ち寄ってはいけません。また、中心部のクズライ広場周辺やママク地区のトゥズルチャユルは、政治的デモが頻発する場所として知られています。歴史地区のウルス(Ulus)は、昼間は観光客で賑わいますが、夜間は裏通りの治安が急激に悪化するため、日没後の独り歩きは避けるべきです。
アンカラ旅行はやばい?本当に行って大丈夫? ▼
「やばい」と言われるような無差別な犯罪が横行しているわけではありませんが、テロ警戒レベルが高い点は理解しておく必要があります。2025年以降も公共交通機関や政府施設周辺では厳しい検問が行われています。一般的な観光地を巡る分には、デモや集会に近づかない、夜間の危険エリアを避けるといった基本を守れば過度に恐れる必要はありません。ただし、中東情勢の影響で反米・反イスラエル感情が高まり、突発的な抗議活動が起こるリスクは常に意識してください。
アンカラは女性一人でも怖くない? ▼
アンカラはトルコの中でも近代的で教育水準が高い層が多く、女性一人での日中の行動は比較的安全です。しかし、ウルス地区の裏通りやクズライの特定エリアにある「パビヨン」と呼ばれるナイトクラブ周辺では、強引な勧誘や不審な声掛けが発生することがあり、女性一人の場合は「怖い」と感じる場面もあるでしょう。夜間の外出は人通りの多い大通りを選び、移動には信頼できる配車アプリ(BiTaksiなど)を利用することをお勧めします。
アンカラでスリに遭わないための対策は? ▼
地下鉄クズライ駅や乗換駅、混雑するバス車内でのスリ被害が報告されています。複数人のグループで一人が注意を逸らし、その隙に別の人間がバッグから貴重品を抜き取る手口が典型的です。対策としては、バッグは必ず体の前で抱えるように持ち、リュックサックを背負ったままにしないことが重要です。また、エスカレーターでわざとつまずく不自然な動きをする人物がいたら、すぐにその場から離れるなど警戒を怠らないようにしましょう。
アンカラで多い詐欺の手口は? ▼
代表的なものに「靴磨きブラシ落とし詐欺」があります。目の前でブラシを落とした男を呼び止めると、お礼と称して強引に靴を磨き、後に高額な料金を要求されます。また、私服警官を装い「偽札捜査」を名目に財布を見せるよう要求し、中身を抜き取る偽警察官詐欺や、電話で「あなたの口座がテロ組織に狙われている」と脅して送金をさせる電話詐欺も発生しています。公的機関を名乗る不審な接触には一切応じないことが鉄則です。
アンカラで日本人が巻き込まれやすい犯罪は? ▼
日本人は「親切で断り下手」というイメージを持たれており、前述の靴磨き詐欺やパビヨン(ぼったくりバー)への勧誘のターゲットになりやすい傾向があります。片言の日本語で近づいてくる人物には注意してください。また、混雑したバザールや公共交通機関でのスリ被害も少なくありません。基本的には軽犯罪が中心ですが、首都という性質上、政治的混乱に起因するデモの衝突に巻き込まれる可能性も否定できないため、集会を見かけたら即座に離脱してください。
アンカラ旅行で注意すべきことは? ▼
まず、軍事施設や政府関連施設の写真撮影は厳禁です。拘束される恐れがあります。また、アンカラは政治の街であるため、街中での政治的な議論は避けるのが無難です。金曜日の礼拝時間やイスラム教の祝祭日、年末年始などはテロ警戒レベルが上がるため、主要な広場や観光施設での警備が強化されます。検問に備えて、常にパスポートの原本またはコピーを携帯しておく必要があります。交通ルールも荒いため、歩行時も車への注意が必要です。
アンカラで起こりやすいトラブルは? ▼
観光客に最も多いトラブルは、クズライ周辺での「パビヨン」によるぼったくりです。「面白い場所がある」と誘われて着席した瞬間に高額な酒代を請求されます。次に、デモによる交通規制や道路封鎖です。主要道路が予告なしに封鎖されることがあり、空港への移動が遅れるなどの影響が出ることがあります。また、タクシーでのメーター不使用や遠回りによる料金トラブルも散見されるため、乗車前の確認が欠かせません。
アンカラで被害に遭ったらどうする? ▼
緊急時は警察・救急・消防共通の「112」に電話してください。トルコ語が話せない場合は、周囲の人に助けを求めるか、宿泊先のスタッフに連絡を依頼しましょう。パスポートの紛失や重大な事件に巻き込まれた場合は、クズライ地区近くにある「在トルコ日本国大使館」へ連絡してください。盗難被害の場合は、保険請求のために最寄りの警察署(カラコル)で被害届を発行してもらう必要があります。常に連絡先をメモしておきましょう。
アンカラの治安詳細
アンカラの治安概要
アンカラはトルコの首都として警察の警備が非常に厳しく、一般犯罪についてはイスタンブールなどの観光都市より少ない傾向にあります。しかし、行政の中心地であるがゆえに、地政学的リスクや国内政治の緊張を直接反映しやすい都市です。2025年から2026年にかけて、テロ警戒レベルは依然として高く維持されており、政府施設や防衛産業関連、公共交通機関での検問が日常的に行われています。観光客は安全に過ごせますが、政治的集会やデモが行われるクズライ広場などの特定のエリアでは、突発的な混乱に対する警戒が常に必要です。
アンカラは危険?やばい?
「アンカラは危険か?」という問いに対しては、場所と状況によると言えます。ドアンテペやチンチン地区のようなスラムエリアは非常に危険で立ち入り厳禁ですが、観光の中心地は基本的に安全です。ただし、政治情勢によっては「やばい」状況が突発的に発生します。2024年末のテロ事件や、中東情勢に伴う反米デモのように、特定のタイミングで緊張が一気に高まることがあります。外務省の海外安全ホームページを事前に確認し、現地で大規模な集会や厳重な警備を見かけた場合は、速やかにその場を離れることが最大の安全策となります。
アンカラは怖い?一人旅でも大丈夫?
女性の一人旅や初めての訪問者が「怖い」と感じる要素は、主にクズライやウルス地区の夜間の雰囲気でしょう。アンカラの夜は、大通りは明るく賑やかですが、一本裏に入ると照明が少なく、パビヨンと呼ばれるナイトクラブの客引きが目立ちます。また、タクシーや靴磨き業者による強引な営業も恐怖を感じさせる原因になります。これらを回避するには、夜間は人通りの少ない路地を避け、BiTaksiなどの信頼できるアプリを利用することが効果的です。現地の人々は親切ですが、過剰な親しさを演出してくる勧誘員には毅然とした態度で接してください。
スリ・詐欺・犯罪の実態
アンカラでの主な犯罪はスリ、置き引き、そして巧妙な詐欺です。クズライの地下鉄駅などでは、組織的なスリ集団が「わざと物を落とす」「道を尋ねる」といった方法で注意を逸らしている間に貴重品を盗みます。また「靴磨き詐欺」はアンカラの風物詩的なトラブルで、ブラシをわざと落として拾わせ、お礼として無料で磨くと言いながら後に数千円相当を請求します。さらに深刻なのは「偽警察官」で、捜査を装い財布の中身を確認するふりをして紙幣を抜き取ります。電話を使った「テロ関与疑惑詐欺」も横行しており、当局を名乗る人物からの不審な連絡には細心の注意が必要です。
アンカラ旅行で注意すべきポイント
旅行者が最も注意すべきは、政府機関や軍事施設の周辺です。トルコではこれらの施設の写真撮影は厳しく制限されており、知らずにカメラを向けると拘束や機材没収の対象になります。また、クズライ広場はアンカラの心臓部ですが、デモの拠点でもあるため、警察車両が集まっている場合は近づかないでください。金曜日の大規模礼拝や祝祭日はテロの標的になりやすいため、ショッピングモールや公共施設での持ち物検査には協力し、常に周囲に警戒を払う必要があります。パスポートは常に携帯し、当局の要求には冷静に応じましょう。
よくあるトラブル事例
実際のトラブル事例として多いのは、クズライの裏通りで「良いバーがある」と誘われた日本人が、15分程度の滞在で数十万円の請求を受ける「パビヨン被害」です。店側は用心棒を立てて支払いを強要するため、非常に厄介です。また、観光中に靴磨きのブラシを拾ってあげただけで、断っても無理やり靴を磨かれ、最終的に100リラ以上の支払いを求められた事例も後を絶ちません。他にも、政治デモに遭遇し、警察が使用した催涙ガスの影響を受けて動けなくなった、あるいは地下鉄の封鎖により空港行きのバスに乗り遅れたといったトラブルも報告されています。
被害に遭った場合の対応
万が一被害に遭った場合は、まず身の安全を確保し、トルコの緊急連絡先「112」(警察・救急共通)へ通報してください。盗難などの被害で保険を請求する場合は、最寄りの警察署(Karakol)へ行き、ポリスレポートの発行を依頼する必要があります。その際、トルコ語が通じない場合は翻訳アプリを活用するか、日本語が通じる「在トルコ日本国大使館(アンカラ)」に電話で相談してください。パスポートを紛失した際も、大使館での再発行手続きが必要です。クレジットカードを盗まれた場合は、即座に発行会社へ連絡して利用停止措置を取ることが最優先です。
その他の情報
ベストシーズン
安全と快適さの観点からは、春(4月〜6月)と秋(9月〜11月)がベストシーズンです。この時期は気候が穏やかで、大規模な祝祭日による混雑や閉鎖も比較的少ないため、観光がスムーズに行えます。冬(12月〜2月)はマイナス10度を下回ることもあり、路面凍結による事故リスクが高まります。また、夏(7月〜8月)は非常に乾燥し高温になりますが、バカンスシーズンで治安が安定する一方、一部の政治的緊張が高まることが稀にあります。犠牲祭などの宗教祝祭日は年間で最大の混雑となり、公共機関の休業や治安の隙が生じやすいため、事前確認が不可欠です。
言語のヒント
アンカラでは観光地以外では英語が通じにくいことが多いため、基本フレーズを覚えることが安全に繋がります。「Merhaba(メルハバ/こんにちは)」「Teşekkür ederim(テシェッキュル・エデリム/ありがとう)」は信頼関係の構築に役立ちます。緊急時には「İmdat!(イムダット!/助けて!)」「Polis!(ポリス!/警察!)」「Hırsız var!(フルスズ・ヴァル!/泥棒がいる!)」「Hastane nerede?(ハスタネ・ネレデ?/病院はどこですか?)」が有効です。また、しつこい勧誘には「Hayır(ハユル/いいえ)」よりも「Yok(ヨック/ない、ダメ)」と言いながら顎を少し上げると、トルコ文化的に強い否定を意味し、効果的です。
文化・マナー
アンカラは保守的な公務員の街であるため、公共の場での節度ある振る舞いが重要です。政治的な話題、特に現政権やアタテュルク(建国の父)、宗教に関する批判は、トラブルや拘束の元になるため厳禁です。政府施設や軍事拠点の写真撮影は厳しく制限されており、知らずに撮影すると警察からカメラやスマートフォンの確認を求められます。また、モスクを訪れる際は、女性はスカーフで頭を覆い、男女ともに露出を控えた服装をするのがマナーです。ラマダン期間中は、日中の屋外での飲食や喫煙を控えることが、現地の文化への敬意とトラブル回避に繋がります。お酒は許可された場所(メイハネやバー)で楽しむのが一般的です。