総合評価
欧州主要都市の中では殺人等の凶悪犯罪は少ないが、観光客を狙った組織的なスリや詐欺が常態化しており、近年は刃物を用いた暴力事件が増加傾向にあるため警戒が必要。
身体的安全 (B)
殺人などの凶悪犯罪率は低いが、南部地区を中心に若者グループによる刃物を用いた乱闘や強盗が散発しており、体感治安に影響を及ぼしている。
医療・衛生 (A)
医療水準は非常に高く、HM Hospitalesなどの私立病院では英語対応もスムーズ。ただし公立病院は混雑が激しいため、旅行者は私立病院の利用が推奨される。
詐欺 (C-)
ニセ警官詐欺やケチャップスリ、署名詐欺など、古典的かつ組織的な詐欺が観光中心地で頻発。特に親切を装う人物への強い警戒が必要とされる。
テロ (B-)
スペイン全土でテロ警戒レベル4(高)が継続されており、主要駅や観光施設では警察による厳重な警備が敷かれている。過激派の摘発も定期的に行われている。
スリ (D+)
地下鉄1号線や8号線、プエルタ・デル・ソル周辺はスリの世界的激戦区。プロの集団がチームで活動しており、荷物から目を離すことは致命的。
暴力犯罪 (B-)
強盗致傷事件は減少傾向にあるが、2025年末には刃物襲撃が月平均150件に達するなど、特定のエリアや夜間の特定状況下での暴力リスクが顕在化している。
最新インテリジェンスレポート
マドリードの治安は統計上改善傾向にあるものの、観光客を標的とした窃盗犯罪は依然として高水準で推移しています。2025年後半からは「刃物(armas blancas)」を用いた若年層の小競り合いが増加しており、警察は「Azul y Verde」作戦を展開して武器の没収を強化しています。テロ警戒レベルは4を維持しており、公共交通機関や大規模イベント周辺では常に高い警戒意識が求められます。
現在の状況
2024年の犯罪認知件数は人口1,000人あたり69.5件と、前年の74.4件から減少しました。2025年上半期も前年比2.7%減と改善を見せていますが、窃盗が全犯罪の約60%を占める構造は変わっていません。直近の2026年1月には、サイバー詐欺や車窃盗に関与する国際犯罪組織「ブラック・アクス」が摘発されるなど、組織犯罪への対策も進んでいます。一方で、夜間の路上での乱闘事件や刃物による襲撃がマドリード州全体で月150件ペースで発生しており、深夜の繁華街や南部地区での安全性には課題が残ります。
背景分析
治安悪化の要因として、若年層のギャンググループによる縄張り争いや、麻薬販売所(ナルコピソ)に関連するトラブルが特定の地区(ラバピエス、南部各区)で根強く残っています。経済的には観光需要の完全回復により、潤沢なターゲットを求めて欧州全域から窃盗のプロ集団が流入していることが、スリ被害が減少しない背景にあります。また、サイバー犯罪が全犯罪の約20%にまで急増しており、宿泊予約に関連したフィッシング詐欺やID窃取などの新しい形態の犯罪も市民や旅行者の脅威となっています。
政治・社会情勢
政治的情勢は比較的安定していますが、プエルタ・デル・ソルやフェラス通りの政党本部前、セラーノ通りの米国大使館周辺では、国際情勢や国内政治に端を発したデモが頻繁に発生します。2026年1月初旬にも米国大使館付近で抗議活動が行われ、交通規制や混雑が生じました。これらは概ね平和的に進行しますが、突発的な衝突の可能性を排除できないため、群衆が見えた場合は速やかに離脱することが推奨されます。また、空港地上職員によるストライキも定期的に発生し、物流や移動に影響を与えます。
重要ポイント
- ! プエルタ・デル・ソル周辺では「ニセ警官」による財布検査詐欺に注意。警察が路上で現金を数えることはない。
- ! 地下鉄のドア付近では、閉まる直前のスマホひったくりを警戒し、端末を露出させないこと。
- ! 「Azul y Verde」作戦による検問が強化されており、夜間の娯楽施設周辺では身分証の携帯が必須。
- ! レストランのテラス席では、バッグを椅子の背もたれにかけず、常に足の間や膝の上に置く習慣を徹底する。
- ! ラバピエス地区は文化的に魅力的だが、夜間の裏路地は麻薬関連のトラブルが多く避けるべき。
- ! 「ケチャップスリ」は依然として有効な手口。汚れを指摘されても立ち止まらず安全な場所まで移動すること。
- ! 空港から市内へのタクシーは一律33ユーロの固定料金。客引きをする未認可車両には絶対に乗らない。
- ! 宿泊予約サイト外でのID送信要求は詐欺の可能性が高い。治安警察も強く警告している。
- ! 日曜の「エル・ラストロ」蚤の市はスリの巣窟。財布は前ポケットに入れ、リュックは前に抱えること。
- ! 緊急時には多言語対応の警察窓口「SATE」を積極的に利用する。カード停止などの支援も受けられる。
エリア別安全情報(タクティカルマップ)
マドリードの街路構造は放射状に広がっており、中心部のセントロ地区(ソル、マヨール広場)に犯罪が集中しています。北部はビジネス街や高級住宅街が多く安全ですが、南部(バジェカス、カラバンチェル等)は所得水準と治安が相関して悪化する傾向にあります。地下鉄は概ね安全ですが、1号線、6号線、8号線はスリの重要警戒路線です。
プエルタ・デル・ソル / グラン・ビア
注意観光の最中心地であり、スリ、ひったくり、ニセ警官詐欺が最も集中するエリア。特に地下鉄駅構内や混雑した路上での被害が絶えない。
サラマンカ地区
安全高級住宅・商業街。警察の巡回が非常に多く、昼夜問わず治安は極めて安定している。主要なリスクは高級車を狙った車上荒らし程度。
ラバピエス
注意多文化エリアで人気だが、薬物取引や「ナルコピソ(麻薬販売所)」に関連するトラブルが報告されている。夜間の独り歩きは推奨されない。
プエンテ・デ・バジェカス
危険市内南部。統計上、薬物関連や暴力犯罪の発生率が市内で最も高い地区の一つ。観光客が立ち入るメリットは少なく、特に夜間は非常に危険。
レティーロ / チャンベリ
安全落ち着いた住宅街。家族連れが多く、夜歩きも比較的安全。公園内は夜間人通りが減るため、暗い場所には近づかないこと。
カラバンチェル / ウセラ
注意南部住宅街。一部の区画で若者グループによるトラブルや強盗が発生している。宿泊先として選ぶ場合は大通り沿いを推奨。
マラサーニャ
注意ナイトライフの中心地。週末の深夜は過度な飲酒による喧嘩や騒動が発生しやすい。酔客を狙ったスマホ盗難が多発。
アトーチャ駅周辺
注意主要鉄道拠点。不慣れな旅行者を狙う「親切な荷物運び」詐欺や、駅南側の暗い路地でのひったくりに注意が必要。
脅威プロファイリング
マドリードの治安状況は、殺人などの凶悪犯罪が少なく統計上は安定していますが、観光客を狙った組織的な窃盗犯罪は欧州でも有数の発生率を維持しています。特にスリや詐欺の手口は非常に巧妙かつ多様化しており、複数人のチームによる『注意逸らし(distraction)』を基本とした犯行が中心です。2025年末以降の新たな懸念事項として、南部地区を中心とした若年層グループによる刃物を用いた乱闘事件が増加しており、観光エリア以外での夜間の行動にはこれまで以上の慎重さが求められます。警察当局は観光客保護のための専門部隊SATEを配置し、巡回を強化していますが、個々人の防犯意識と情報のアップデートが被害を未然に防ぐための不可欠な要素となっています。
汚れ指摘スリ集団(ケチャップ・トリック)
Ketchup Scam Pickpockets
グループ規模: 2-3人の男女グループ
ターゲット: 高価なカメラを提げている、または大きな荷物を持って移動中の観光客。特に地理に不案内で周囲への警戒が薄れている到着直後の旅行者が狙われやすいです。
活動場所: グラン・ビア通り, プエルタ・デル・ソル, アトーチャ駅周辺, プラド美術館付近
活動時間: 10:00-20:00(観光客の移動が多い時間帯)
手口:
マドリード中心部や地下鉄駅周辺で頻発する手口です。実行犯がターゲットの衣服やバッグに、ケチャップ、マスタード、泥などを気づかれないように付着させます。その後、共犯者が親切な通行人を装い『背中が汚れていますよ』と話しかけてきます。パニックになったターゲットが荷物を置いたり、汚れを確認するために注意をそらした隙に、もう一人の共犯者が足元のバッグやポケットから貴重品を鮮やかに盗み出します。彼らは非常に礼儀正しく、親身になって汚れを拭くフリをするため、被害者は盗まれたことに気づくのが遅れる傾向があります。最近ではスプレー状の液体を使用するケースも報告されており、ターゲットの混乱をより大きく誘う手法が取られています。
対策:
路上で面識のない人物から汚れを指摘されても、決して立ち止まらず、その場を離れてください。親切を装う人物の申し出を断り、ホテルのロビーや銀行、カフェ、公衆トイレなどの安全な屋内に入ってから、自分自身で汚れを確認してください。その際も、荷物は必ず自分の足の間に挟むか、片手で保持し、決して放置しないことが重要です。また、犯人グループはターゲットをしばらく追跡することが多いため、一度指摘された後は周囲の状況を再確認し、警戒を高めてください。背後にぴったりと付いてくる人物がいないか意識することが、この種のスリを未然に防ぐ最大の防御策となります。
偽私服警官強盗
Bogus Plainclothes Police
グループ規模: 2-4人の男性グループ
ターゲット: 中高年の観光客や、高額な買い物袋を持っている裕福そうな外国人。抵抗が少なそうな一人歩きの旅行者が狙われます。
活動場所: プエルタ・デル・ソル, 王宮周辺, カジェ・セラーノ(サラマンカ地区)
活動時間: 12:00-22:00
手口:
私服姿の男たちが、偽の警察手帳を一瞬だけ見せながら『麻薬捜査』や『偽札の確認』を理由に近づいてきます。威圧的な態度でパスポートと財布の提示を求め、確認するフリをしながら財布の中の現金を巧妙に抜き取る、あるいはクレジットカードをスキミングまたは盗み取ります。犯人グループは非常に手際が良く、被害者が現金を抜かれたことに気づかないまま財布を返却し、そのまま足早に立ち去ります。多くの場合、別の共犯者が観光客を装って先に職務質問を受けている『サクラ』を演じ、ターゲットに安心感や服従心を抱かせる巧妙な演出が含まれます。プエルタ・デル・ソルや王宮周辺などの主要観光スポットで、白昼堂々と行われるケースもあります。
対策:
スペインの警察官が路上で財布の中身(現金)を確認したり、暗証番号を聞き出すことは法律上あり得ません。もし私服警官を名乗る人物に呼び止められたら、その場で財布を出さず、『制服警官を呼んでください』と言うか、最寄りの警察署(Comisaría)への同行を提案してください。本物の警察官であれば、必ず公的な身分証明書を提示し、必要があればパトカーで警察署へ誘導します。相手が強引な場合は、周囲に助けを求めるか、即座に緊急電話112番へ通報する姿勢を見せてください。また、多額の現金を持ち歩かず、財布を複数に分ける『ダミー財布』の活用も有効な防御手段となります。
偽署名・ボランティア詐欺
Fake Petition/Signature Scam
グループ規模: 3-5人の若者または女性グループ
ターゲット: 若い観光客や、集団で歩いている家族連れ。親切心が強そうで断りにくい日本人旅行者が頻繁に標的となります。
活動場所: マヨール広場, プラド美術館周辺, アルムデナ大聖堂
活動時間: 11:00-19:00
手口:
クリップボードを持ったグループが『障害者支援』や『環境保護』を装い、署名を求めて近づいてきます。ターゲットが署名に応じようと立ち止まり、書類に目を向けている間、クリップボードでターゲットの手元や視界を遮り、その下で仲間がカバンやポケットから財布・スマホを抜き取ります。署名後に強引な寄付金を要求してくるパターンも多く、支払いを拒否すると複数人で取り囲んで威圧してくることもあります。マヨール広場やプラド美術館周辺で非常に多く見られ、一度ターゲットにされると執拗に追いかけてくるのが特徴です。彼らは一見するとボランティア活動をしている学生のように見えますが、実際には組織化された窃盗・詐欺グループです。
対策:
路上で署名を求められても、一切関わらずに『NO』とはっきり拒絶して通り過ぎてください。彼らが差し出すクリップボードは、視線を逸らすための道具であることを認識する必要があります。万が一取り囲まれた場合は、大声を出して周囲の注意を引きながら、速やかにその場を離れてください。公式なボランティア団体が路上で無差別に署名を求め、その場で現金を要求することは稀です。特に観光地での署名活動は100%詐欺であると判断して間違いありません。常にカバンは体の前に抱え、ファスナーをしっかりと閉じておくことで、署名に応じるふりをして近づいてくるスリの被害を最小限に抑えることができます。
高級腕時計強奪グループ
Luxury Watch Robbery Gang
グループ規模: 2-3人の男性(バイク使用)
ターゲット: ロレックスやパテック・フィリップなどの高額な腕時計を着用している単独の男性。高級ホテル周辺やサラマンカ地区を歩いている人物が狙われます。
活動場所: サラマンカ地区, カステジャーナ通り, 高級ホテルロビー周辺
活動時間: 20:00-03:00(ディナーや夜の外出時)
手口:
マドリード市内の富裕層エリアや高級ショッピング街、五つ星ホテル周辺で獲物を物色しています。ターゲットが高級腕時計を着用していることを確認すると、バイクや徒歩で追跡を開始します。人通りが少なくなったタイミング、あるいはターゲットが車やタクシーに乗り込もうとする瞬間、あるいは歩道で不意を突いて襲いかかります。手口は非常に暴力的で、力ずくで腕から時計をもぎ取ったり、刃物(armas blancas)を見せて脅したりすることもあります。犯行後は待機していたバイクで一気に逃走します。最近では、道を聞くふりをして近づき、手首を掴んで時計を確認し、そのまま奪い去るという手口も報告されており、身体への危害リスクが非常に高い脅威です。
対策:
マドリード滞在中は、たとえ高級地区であっても高額な腕時計や宝石類を目立つように身に付けるのは避けてください。外出時は長袖の服で手首を隠すか、そもそも高価な時計は日本に置いてくるのが最も安全です。高級レストランやパーティーに参加する場合は、ホテルから会場まで必ず信頼できるタクシーや配車アプリ(Cabify等)を利用し、路上での徒歩移動を最小限に抑えてください。もし襲撃に遭った場合は、絶対に抵抗せず、時計を渡してください。犯人は武装している可能性があり、命に代える価値のある物品はありません。被害後は速やかに警察(091)に通報し、目撃情報や犯人の逃走経路を伝えてください。
地下鉄ドア際スマホひったくり
Metro Door Grab-and-Run
グループ規模: 単独または2人組
ターゲット: 地下鉄車内のドア付近に立ち、スマートフォンを操作している乗客。ヘッドフォンをして周囲への注意が散漫な若者が多いです。
活動場所: メトロ1号線(ソル駅・アトーチャ駅), メトロ6号線, メトロ8号線(空港線)
活動時間: ラッシュ時および週末の夜間
手口:
地下鉄1号線や6号線など、混雑する路線の駅停車中が犯行現場となります。犯人はターゲットがスマホに集中しているのを背後や横から観察し、ドアが閉まる直前のチャイムが鳴る瞬間に、手元からスマホを強引に奪い取ります。犯人は閉まりゆくドアの隙間をすり抜けてホームへ飛び出し、そのまま階段を駆け上がって逃走します。車内の被害者はドアが閉まってしまうため、追いかけることが物理的に不可能になります。これはマドリードの地下鉄で最も多い盗難被害の一つであり、スマホだけでなく、手に持っているバッグやタブレットが狙われることもあります。非常に短時間で行われるため、周囲の乗客も反応できないことがほとんどです。
対策:
地下鉄車内、特にドア付近ではスマートフォンの操作を控えてください。スマホを使用する必要がある場合は、ドアから離れた車両中央部の座席に座り、両手でしっかりと保持してください。立っている場合は、ドアの開閉時には特に周囲を警戒し、不審な人物が近くにいないか確認してください。また、スマホにはストラップを付け、手首に通しておくことも有効です。最も重要なのは、発車ベルが鳴る瞬間に最大の警戒を払うことです。万が一奪われた場合は、追いかけようとして無理にドアに挟まれないようにしてください。すぐに車内の非常通報ボタンを押すか、次の駅の駅員に状況を伝えて警察への通報を依頼してください。
アトーチャ駅の親切な荷物運び詐欺
Fake Porter Scam at Atocha
グループ規模: 1-2人の男性
ターゲット: アトーチャ駅に到着したばかりの、大きなスーツケースを持つ旅行者。階段やエスカレーターで苦労しているように見える人が狙われます。
活動場所: アトーチャ鉄道駅構内, モンクロア・バスターミナル, 空港到着ロビー
活動時間: 長距離列車の発着が多い時間帯
手口:
鉄道駅のホームや出口付近で、いかにも親切な駅スタッフや地元の通行人を装って近づいてきます。『手伝いますよ』と声をかけ、ターゲットの荷物を階段の上まで運んだり、タクシー乗り場まで案内したりします。目的地に着いた途端、態度を一変させ、『サービス料』として50ユーロから100ユーロといった法外な現金を要求します。断ろうとすると大声を出して騒ぎ立てたり、荷物を返さないようにして脅したりします。また、荷物を運んでいる最中に、共犯者が背後からターゲットのリュックを開けて財布を盗むといった、スリとの合わせ技で行われることも少なくありません。
対策:
駅の公式なポーターサービス以外の人物からの『手伝い』の申し出は、すべて丁重かつ毅然とお断りください。『No, gracias(ノー、グラシアス)』と一言告げ、自分の荷物は決して手放さないようにしましょう。もし荷物を持って行かれてしまった場合は、すぐに周囲の駅員や警察官(国家警察が構内を巡回しています)を呼ぶ仕草を見せてください。自分一人で解決しようとせず、人通りの多い明るい場所へ移動することが大切です。アトーチャ駅のような巨大ターミナルでは、最初からエレベーターの場所を確認しておき、自力で移動できる経路を選択することが防犯に繋がります。
若年層刃物集団(レイエルタス)
Knife-wielding Youth Gangs
グループ規模: 5-10人以上の集団
ターゲット: 夜間に南部地区(バジェカスやウセラ等)を歩いている通行人、または特定の娯楽施設周辺にいる人々。直接的なターゲットというより、縄張り争いや小競り合いに巻き込まれるリスクが高いです。
活動場所: プエンテ・デ・バジェカス, ウセラ, カラバンチェル, テトゥアン地区の特定のクラブ周辺
活動時間: 22:00-05:00(特に週末)
手口:
2025年後半から統計的に増加している脅威です。主にマドリード南部の特定の地区で活動する若年層のストリートギャング(DDPやTrinitarios等)のメンバーが、縄張り争いや対立グループとの抗争として、刃物(マチェーテやナイフ)を使用した乱闘(reyertas)を起こします。通常、観光客が直接の攻撃対象になることは稀ですが、彼らが集まる広場、地下鉄駅、娯楽施設付近で突発的な衝突が発生した場合、極めて危険な状況に置かれます。警察は『Azul y Verde』作戦により厳重な検問を行っていますが、週末の深夜にはウセラやバジェカスなどの住宅街で集団による暴力沙汰が報告されています。
対策:
最も重要な対策は、リスクの高い地区(プエンテ・デ・バジェカス、ウセラ、カラバンチェルの一部)の夜間の単独歩行を避けることです。週末の深夜に駅や広場で大声を出している若者の集団を見かけたら、決して近づかず、速やかにその場を離れてください。マドリード市警察や国家警察が検問を行っている場所は、逆に言えば警戒が必要なエリアです。もし乱闘に遭遇した場合は、野次馬にならず、即座に建物の中に入るか、反対方向へ逃げてください。警察は刃物対策を強化していますが、自分自身の安全を確保するためには、こうしたトラブルが発生しやすい『場所』と『時間』を避ける知恵が必要です。
エスカレーター急停止スリ
Escalator Emergency Stop Pickpockets
グループ規模: 3-4人のグループ
ターゲット: 地下鉄の深い駅でエスカレーターに乗っている、荷物の多い観光客。前のめりになって移動を急いでいる人が狙われやすいです。
活動場所: メトロ・ソル駅, オペラ駅, カジャオ駅, アトーチャ駅
活動時間: 08:00-22:00(駅の混雑時)
手口:
地下鉄駅の長いエスカレーターで、ターゲットを挟むようにグループが配置されます。ターゲットの前方にいる共犯者が、頂上に着く直前や途中でわざと緊急停止ボタンを押すか、あるいは躓いたふりをしてエスカレーターを急停止させ、意図的に混乱と玉突き状態を引き起こします。ターゲットがバランスを崩したり、前の人にぶつかったりして動揺している数秒の間に、ターゲットの背後にいた別の共犯者がリュックやズボンのポケットから財布を抜き取ります。被害者は転倒しないことに必死で、背後からの接触を事故だと思い込み、スリに遭ったことに気づきません。ソル駅やオペラ駅などの、エスカレーターが長く深い駅で頻繁に発生します。
対策:
エスカレーターに乗る際は、リュックは必ず体の前に抱えてください。不自然に自分の前後を囲んでいるグループがいると感じたら、一旦降りるか、警戒していることを示すために後ろを振り返るなどしてください。もし急停止が発生しても、パニックにならず、まずは自分の手元と荷物をしっかり押さえてください。周囲の人間が助けるふりをして体に触れてくる場合は、特に注意が必要です。エスカレーターでは常に手すりを持ち、周囲の状況を確認する余裕を持つことが、この種のスリを回避する鍵となります。特に混雑した駅では、プロのスリ集団が常に獲物を探していると意識してください。
時間帯別リスク評価
マドリードは日中の「プロによるスリ・置き引き」と深夜の「特定エリアでの暴力・刃物事案」という二層のリスク構造を持っています。日中はソル広場などの観光中心地での徹底した防犯、深夜は中心部から離れた南部の危険地区の回避と、登録済み配車アプリによる移動を徹底することで、ほとんどのトラブルを未然に防ぐことが可能です。テロ警戒レベルは4(高)が継続中のため、公共施設での警備指示には速やかに従ってください。
早朝
やや安全05:00-08:00
早朝のマドリードは、一般的にリスクは低いものの、特定の場所での注意が必要です。この時間帯は夜通し営業していたクラブの閉店時間に重なり、中心部のグラン・ビア周辺やテトゥアン地区のAZCA周辺では、泥酔した若者や薬物影響下にある人物による小競り合いが発生しやすくなっています。一方で、住宅街やビジネス街は清掃員や通勤客が動き出し、清々しく安全な雰囲気です。空港へ向かうための移動では、人気の少ない通りを歩くよりもタクシーや配車アプリ(Cabify/Uber)をドア・ツー・ドアで利用するのが最も安全です。地下鉄の始発直後は乗客が少なく、車両内で不審者に絡まれるリスクが稀にあるため、常に他人の目が届く車両中央部付近に乗車することを心がけてください。特にアトーチャ駅やチャマルティン駅周辺の裏通りは、ホームレスの移動時間と重なり、威嚇されるケースが報告されています。
脅威:
- ・泥酔者による偶発的な暴力
- ・早朝の地下鉄での単独狙いのひったくり
- ・人気のない裏路地での待ち伏せ強盗
- ・空港送迎を装う未認可タクシー
推奨:
- ・ホテルから駅までは必ずタクシーを利用する
- ・地下鉄では乗客の多い車両を選ぶ
- ・グラン・ビア裏の路地を避ける
- ・明るく人通りのある大通りを優先して歩く
- ・イヤホンで周囲の音を遮断しない
日中
注意08:00-18:00
日中は暴力犯罪の発生率は極めて低いですが、マドリード最大の脅威である「組織的スリ」が活発化するピーク時間帯です。特にプエルタ・デル・ソル、マヨール広場、プラド美術館周辺、および地下鉄1号線内は、世界中から集まるプロの窃盗団が常に獲物を探しています。彼らは観光客を装った若者グループや、親切を装う老人、偽の署名活動を行う女性など、一見して犯罪者とは見えない姿をしています。特に14時から16時のランチタイムは、レストランのテラス席で食事に夢中になっている観光客のバッグが、椅子の背もたれから消える事件が多発します。また、王宮周辺では「ローズマリー詐欺」や「汚れ指摘詐欺」が常態化しており、見知らぬ人から話しかけられた瞬間に自分の所持品への注意が逸れることが最大の危険信号です。美術館の入場待ち行列や、路上パフォーマンスに見入っている最中も、背後のバックパックが開けられやすいタイミングです。
脅威:
- ・地下鉄内での集団スリ
- ・テラス席での置き引き
- ・署名活動を装った募金詐欺
- ・ケチャップや汚れを用いた注意逸らし詐欺
推奨:
- ・リュックサックは必ず体の前で抱える
- ・スマホをズボンの後ろポケットに入れない
- ・食事中はバッグを膝の上に置くか足にストラップを絡める
- ・見知らぬ人からの話しかけは一切無視する
- ・財布はカバンの奥深くのチャック付きポケットに収納する
夕方〜夜
注意18:00-23:00
マドリードの夕食時間は20時以降と遅く、夜23時頃までは多くの家族連れや観光客が街に出ており、体感治安は非常に良好です。しかし、暗くなるにつれて「ひったくり」のリスクが徐々に高まります。特にスマートフォンを操作しながら歩く「歩きスマホ」は、背後から近づくバイクや自転車、あるいは走り去る窃盗犯にとって絶好の標的となります。ラバピエス地区(Lavapiés)やティルソ・デ・モリーナ周辺では、夜間の雰囲気の急変に注意が必要です。多文化で魅力的なエリアですが、細い路地に入り込むと薬物取引や浮浪者によるトラブルに遭遇する確率が高まります。また、プラド通りやレティーロ公園周辺など、日中は安全な場所でも、照明が不十分な公園の奥深くに留まるのは避けるべきです。ショッピングバッグを大量に持っていると「富裕層」と見なされ、ホテルまでの道筋をつけられる可能性があるため、買い物後は一度ホテルへ荷物を置きに戻るなどの対策が有効です。
脅威:
- ・歩きスマホ中のひったくり
- ・ラバピエス地区の路地での恐喝
- ・公園内の暗がりでの強盗
- ・大量の買い物袋を狙った尾行
推奨:
- ・夜間の移動は照明の明るい幹線道路を選ぶ
- ・歩きスマホを避け周囲の動きを常に確認する
- ・治安の懸念がある地区の細い路地には入らない
- ・レストランでの食事中も貴重品を手放さない
- ・不審なグループが視界に入ったら速やかに距離を置く
深夜
警戒23:00-05:00
深夜のマドリードは、特定のエリアで深刻な犯罪リスクが上昇します。近年、マドリード州政府が警戒を強めている「刃物(armas blancas)」を使用した事件の多くはこの時間帯に発生しています。特に対象となるのは、マラサーニャ地区やテトゥアンのクラブ周辺、および市南部のカラバンチェルやプエンテ・デ・バジェカス地区です。これらは若年層のギャンググループによる小競り合いが主ですが、巻き込まれるリスクは否定できません。深夜0時を過ぎた地下鉄は本数が減り、駅構内が閑散とするため、単独行動の女性や酔客を狙った暴力的な強盗が報告されています。また、深夜のソル広場周辺では、酔客に「ハグ」をしてくる親しげな人物(ハグスリ)や、偽警官が活動を強めます。警察の「Azul y Verde」作戦により武器の摘発は進んでいますが、娯楽施設周辺での警戒は怠るべきではありません。移動は必ずCabifyなどの登録された配車アプリを利用し、路上での流しのタクシー拾いは避けるのが賢明です。
脅威:
- ・刃物を使用したグループ間の乱闘(巻き添え)
- ・偽警官による所持品検査詐欺
- ・深夜のハグスリや無理な客引き
- ・閑散とした地下鉄駅での強盗
推奨:
- ・深夜1時以降は公共交通機関ではなく配車アプリを使う
- ・マラサーニャ等の繁華街での過度な飲酒を控える
- ・南部の危険地区(Vallecas等)には絶対に立ち入らない
- ・偽警官に遭遇したら「警察署へ行く」と強く主張する
- ・複数人で行動し、一人の時間を極力作らない
旅行者タイプ別アドバイス
女性一人旅
★★★★☆マドリードは女性の一人旅にとって、欧州の中でも比較的安全な都市です。日中の街歩きやショッピング、カフェでの滞在は大きな問題ありません。ただし、2025年の統計で性犯罪の認知件数が微増傾向にあることは留意すべき点です。これは主に住宅内での発生ですが、旅行者としても夜間の単独歩行には警戒を強める必要があります。特にラバピエスやマラサーニャの裏通り、中心部の暗い小道は深夜一人で歩かないようにしましょう。スペインの男性は友好的ですが、過度に馴れ馴れしい客引きや見知らぬ人からの誘いには明確に「No」と意思表示をすることが重要です。宿泊先は、治安の安定したサラマンカ地区やチャンベリ地区の、24時間フロントが対応しているホテルを選ぶと安心感が高まります。公共交通機関は深夜まで利用可能ですが、一人で利用する場合は常に運転手に近い席や、他の乗客(特に女性や家族連れ)が多い車両を選んでください。
特有のリスク:
- ・夜間の単独歩行時におけるつきまとい・声掛け
- ・混雑した場所での不審な身体接触(痴漢行為)
- ・見知らぬ人から提供された飲み物による昏睡強盗
- ・人気のない地下鉄通路での待ち伏せ
推奨事項:
- ・夜間の移動は必ずドア・ツー・ドアの配車アプリを利用する
- ・服装は現地の雰囲気に合わせ、過度に目立つ露出や高価な装飾品を避ける
- ・不快な視線や声掛けを感じたらすぐに店舗やホテルのロビーに逃げ込む
- ・バルなどで飲み物から目を離さない。離れた場合は新しく注文する
- ・常にモバイルバッテリーを携帯し、連絡手段とGPSを確保する
- ・宿泊先は評価が高く、入り口のセキュリティが厳重な場所を選ぶ
- ・現地のSIMカードを挿入し、常にネットワークに繋がる状態にする
避けるべきエリア:
ラバピエス地区の夜間の裏路地, カジェ・デ・バリェスタ(売春・薬物の懸念エリア), プエンテ・デ・バジェカス地区全域
おすすめ宿泊エリア: 女性専用フロアのあるホテル、または治安が良いサラマンカ地区の中級以上のホテル
家族連れ
★★★★★マドリードは子供を非常に大切にする文化があり、家族連れには非常にフレンドリーで安全な都市です。レティーロ公園やマドリード・リオなどの広大な公園、多くの家族向け博物館があり、日中の治安は極めて安定しています。最大のリスクは、子供に意識が向いている隙に大人のバッグが狙われる「置き引き」です。特におむつ替えやベビーカーでの移動中、広場での記念撮影の瞬間が狙われやすい傾向にあります。スペインの夕食時間は遅いため、子供を連れて夜21時過ぎまでレストランにいることは一般的ですが、繁華街の混雑は子供にとって迷子やトラブルの元になるため、22時前には滞在先へ戻るスケジュールが理想的です。公共交通機関はエレベーターの設置が進んでいますが、古い駅では階段のみの場合もあるため、事前のルート確認が推奨されます。全体として、中心部の喧騒を避け、レティーロやアルガンスエラのような落ち着いた地区を拠点にすれば、不安なく滞在を楽しむことができます。
特有のリスク:
- ・ベビーカーにかけているバッグの抜き取り
- ・混雑する広場(ソル広場など)での子供の迷子
- ・子供の世話をしている最中に足元に置いた荷物の紛失
- ・公園内の人通りの少ない場所でのひったくり
推奨事項:
- ・荷物は分散させず、大人の一人が貴重品管理に専念する
- ・ソル広場などの激混みエリアでは子供と手を繋ぐ、または迷子防止札を着用させる
- ・ベビーカーのフックに貴重品をかけない(切り裂きや抜き取り防止)
- ・レストランは「ファミリーフレンドリー」な地区の広めの店舗を選ぶ
- ・移動にはスペースの広い公式タクシーを活用する
- ・マドリード・リオなどの整備された公園を遊び場にする
- ・子供の体調不良に備え、HM Hospitalesなどの国際病院の場所を把握しておく
- ・夏季は40度を超えるため、安全面よりも熱中症対策を最優先する
避けるべきエリア:
深夜のマラサーニャ地区(酔客による混乱), エル・ラストロ(日曜の蚤の市)の超混雑エリア, アトーチャ駅周辺の暗い脇道
おすすめ宿泊エリア: レティーロ地区やアルガンスエラ地区のキッチン付きアパートメントホテル
ビジネス
★★★★☆マドリードは国際的なビジネス都市であり、主要なビジネスエリアであるカステジャーナ通りやチャマルティン周辺は、インフラも整い治安も良好です。ビジネス出張者にとっての主なリスクは、ノートPCや重要書類の入ったバッグを狙った「置き引き」や、高級時計を狙った「強盗」です。ホテルのチェックイン・チェックアウト時や、ビジネスディナーのレストラン、空港のラウンジ周辺は、プロの窃盗団が「価値のあるものを持っていそうなターゲット」を常に監視しています。また、レンタカーを利用する場合、車内にバッグを残して美術館やレストランへ行くことは、窓ガラスを割られる「車上荒らし」を招く極めて危険な行為です。タクシーを利用する際は、必ず赤い斜め線の入った「公式タクシー」またはCabifyを利用し、車内でも窓側にバッグを置かない(信号待ちでのひったくり防止)よう徹底してください。デモ活動が計画されている米国大使館周辺(セラーノ通り)などは、交通規制や混乱に備えて事前に情報を確認する必要があります。
特有のリスク:
- ・ホテルのロビーや空港でのPCバッグの置き引き
- ・高級腕時計(ロレックス等)を狙った組織的強盗
- ・レンタカーの車上荒らし(トランク内の荷物も含む)
- ・レストランの椅子に掛けた上着内からの財布抜き取り
推奨事項:
- ・ノートPCは常に手放さず、足の間に挟むかストラップを体に固定する
- ・目立つ高級腕時計や宝飾品は、打ち合わせ時以外は身に着けない
- ・移動はホテルの配車サービスかCabifyを徹底利用する
- ・レンタカー内には空の袋一つ残さず、全ての荷物をトランクまたはホテルへ
- ・領収書やカード控えの処理に気を取られている間の隙を作らない
- ・デモ予告情報を事前に日本大使館やニュースでチェックする
- ・重要なデータはクラウドにバックアップし、万が一のデバイス紛失に備える
- ・公共の無料WiFiではなく、自身のVPNまたはローミングを利用する
避けるべきエリア:
AZCA(テトゥアン地区)の地下広場の深夜帯, アトーチャ駅周辺の混雑する入り口, 夜間の中心部(ソル・グランビア)の裏路地
おすすめ宿泊エリア: カステジャーナ通り沿いやチャマルティン地区の国際チェーンホテル
バックパッカー
★★★☆☆マドリードは安宿やタパスバーが豊富でバックパッカーに魅力的ですが、最も「スリ・詐欺・薬物」のリスクにさらされやすいタイプでもあります。低予算で滞在するためにラバピエス地区や中心部の格安ホステルを選ぶことが多いですが、これらの周辺は夜間の治安が不安定な場所が含まれます。ホステルのドミトリー内での貴重品盗難は日常茶飯事であり、シャワー中や就寝中もロッカーに二重の鍵をかける等の自衛が必要です。また、節約のために深夜バスや徒歩での移動を増やすと、泥酔者や不審者との遭遇率が高まります。エル・ラストロ(蚤の市)のような混雑地はバックパッカーが好む場所ですが、スリのプロ集団にとって最も「抜きやすい」獲物としてマークされやすいです。親切を装って近づいてくる「ローズマリー詐欺」や「署名詐欺」は、一度立ち止まると断るのが難しくなるため、毅然とした態度で無視し続けるタフさが求められます。警察による刃物検問「Azul y Verde」が実施されている場所では、不必要に疑われないよう身分証(パスポートのコピー可)を常備してください。
特有のリスク:
- ・ホステルの共同部屋における現金・スマホの盗難
- ・安いバルでのハッピーアワー中に狙われるバッグ
- ・深夜の安宿周辺での薬物使用者による威嚇・恐喝
- ・「偽警官」による薬物・偽札捜査を装った現金抜き取り
推奨事項:
- ・ホステルのロッカーには自前の頑丈な南京錠を必ずかける
- ・財布は二つに分け、一つはダミーの少額、本命は腹巻き等のセキュリティポーチへ
- ・深夜のラバピエスやバジェカス地区への興味本位での立ち入りを避ける
- ・スマートフォンの「探す」機能をオンにし、外部バッテリーも常備する
- ・知らない人から提供されたタバコやアルコールは絶対に口にしない
- ・パスポートの原本はホテルの金庫またはロッカーに入れ、コピーを携帯する
- ・無料のウォーキングツアーの最中こそスリに警戒する
- ・ATM利用時は必ず銀行の建物内にあるものを選び、暗証番号を完全に隠す
避けるべきエリア:
プエンテ・デ・バジェカス(特に夜間), ラバピエス地区のネルソン・マンデラ広場周辺, ティルソ・デ・モリーナ広場(夕方以降)
おすすめ宿泊エリア: 口コミでセキュリティが評価されている、中心部から少し離れたホステル
安全な宿泊エリア
サラマンカ地区 (Salamanca)
★★★★★マドリードで最も格式高く、治安が安定している高級住宅街です。各大使館や高級ブランドショップが立ち並び、24時間体制で警察のパトロールが行われているため、夜間の独り歩きも他の地区に比べて格段に安全です。道幅が広く街灯も明るいため、視認性が高く犯罪が発生しにくい環境が整っています。観光客を狙った組織的なスリグループもこのエリアでは活動が控えめであり、落ち着いた滞在を希望する家族連れやビジネス、女性の一人旅に最適です。街並みも美しく清掃されており、高級レストランやカフェが多いため、食事帰りの徒歩移動も不安がありません。
例: Hotel Ritz Madrid, NH Collection Madrid Colombo
レティーロ地区 (Retiro)
★★★★★巨大なレティーロ公園の東側に位置する閑静な住宅街で、マドリード随一の「生活の質」を誇ります。住民の多くが地元の富裕層やファミリー層であり、コミュニティの意識が高いため、街全体に清潔感と安心感が漂っています。公園周辺は日中多くの市民で賑わいますが、夜間は非常に静かです。観光の中心地であるソル広場からは少し離れているため、スリなどの観光客狙いの軽犯罪が少なく、落ち着いた環境でリラックスしたい旅行者に適しています。朝のジョギングや夕方の散歩を楽しむ市民が多く、健康的な雰囲気がこのエリアの安全性を裏付けています。
例: Hotel Wellington, Novotel Madrid City Center
チャンベリ地区 (Chamberí)
★★★★☆マドリードの伝統的な生活様式が色濃く残る、地元住民に愛されるエリアです。観光地化されすぎていないため、観光客を狙うプロのスリや詐欺師の活動が非常に少ないのが最大の特徴です。学生からシニアまで幅広い世代が暮らしており、夜遅くまで地元のタパスバーが賑わっていますが、その賑わいは健康的でトラブルに発展することは稀です。高級感と親しみやすさが共存しており、マドリードの日常を安全に体験したい長期滞在者にも非常におすすめです。警察署も近隣に点在しており、地域全体の防犯意識が高く維持されています。
例: Hotel Fenix Gran Meliá, NH Madrid Chamberí
チャマルティン地区 (Chamartín)
★★★★☆北部の主要駅チャマルティン駅を中心としたビジネス・住宅エリアです。整然と区画整理された大通りが多く、近代的なオフィスビルと高級マンションが立ち並んでいます。ビジネス客が多いため、セキュリティのしっかりした大型ホテルが多く、夜間も人通りが絶えません。観光中心部からは離れますが、その分治安は安定しており、喧騒を避けて静かに眠りたい旅行者には最適です。サンティアゴ・ベルナベウ・スタジアムも近く、試合日以外は非常に平穏です。交通の便も極めて良く、空港や地方都市への移動にも適した戦略的な宿泊地点です。
例: Eurostars Madrid Tower, Barceló Imagine
アルガンスエラ (Arganzuela)
★★★★☆近年、川沿いの再開発エリア「マドリード・リオ」を中心に人気が急上昇している地区です。広大な緑地公園が整備されており、子供連れの家族やランナーが多いため、日中から夕方にかけての雰囲気は非常に良好です。以前は古い工業地区でしたが、現在はモダンなマンションや文化施設が立ち並び、夜間も明るく整備されています。アトーチャ駅から徒歩圏内でありながら、駅周辺の喧騒からは適度に離れているため、利便性と安全性のバランスが取れています。地元の人々の生活感が心地よく、マドリードの新しい一面を感じながら安心して滞在できます。
例: Occidental Madrid Urban, NH Madrid Ribera del Manzanares
交通機関の安全情報
地下鉄・メトロ
マドリードの地下鉄(Metro)は清潔で効率的ですが、スリの主戦場です。特に空港を結ぶ8号線、観光の中心を通る1号線、利用者の多い環状線6号線は、プロのスリ集団が24時間活動しています。エスカレーターでの急停止トリックや、ドアが閉まる瞬間のスマホひったくりに細心の注意を払ってください。リュックは常に前に抱え、ファスナーを視界に入れておくことが基本です。夜間(23時以降)は乗客が減るため、なるべく他の乗客がいる車両の、運転席に近い位置に乗るようにしてください。ソル駅などの主要駅構内は非常に複雑で、迷っている観光客は格好の標的となります。
タクシー・配車アプリ
公式タクシーは車体に赤い斜め線が入った白塗りの車両です。空港から市内中心部(M-30内)へは一律33ユーロの定額料金が設定されており、端数や荷物代の不当請求には毅然と対応してください。非公式の白タク利用は、法外な請求だけでなく強盗リスクもあるため厳禁です。配車アプリはスペインで主流の『Cabify』または『FreeNow』を強く推奨します。これらは料金が事前に確定し、GPSで走行ルートが記録されるため、最も安全な移動手段です。深夜の移動や、治安に不安のある南部地区へ行く際は、必ずアプリで呼んだ車両を利用してください。
バス
マドリードの市バス(EMT)は比較的安全で、地下鉄よりもスリの被害報告は少ないです。しかし、プラド美術館周辺などの混雑する路線では置き引きに注意してください。週末の深夜に運行される深夜バス(Búhos/ブオス)は、シベーレス広場を起点に市内各地を結んでおり便利ですが、酔客が多く小競り合いが発生することもあります。深夜バスを利用する際は、なるべく運転手の近くに座り、周囲の状況に注意を払ってください。また、長距離バスターミナル(メンデス・アルバロ駅等)は、荷物を狙う置き引きグループが常駐しているため、足元に荷物を置く際もストラップを足にかける等の対策が必要です。
徒歩・自転車
マドリードは徒歩観光に適した街ですが、地区によって安全性が劇的に変わります。サラマンカ地区やチャンベリ地区は夜間も比較的安全ですが、セントロ地区の裏路地(特にグラン・ビアの北側やラバピエスの一部)は街灯が暗く、ひったくりが発生しやすいです。自転車利用については、近年整備が進んでいますが、駐輪中の盗難が非常に多いため、短時間の駐輪でも頑丈なU字ロックが必須です。また、歩行者天国であっても、スマホを見ながらの歩行はひったくりの標的となるため避けてください。夕暮れ時のデボッド神殿周辺など、景色に見とれている隙を突く犯行も報告されています。
空港からのアクセス
バラハス空港からの移動は、33ユーロの定額タクシーが最も安全かつ推奨される手段です。空港の到着ロビーで声をかけてくる非公認の運転手(偽タクシー)は無視し、必ず正規のタクシー乗り場から乗車してください。安価な手段としては黄色の『Express Aeropuerto(5ユーロ)』がありますが、非常に混雑するため、バス車内でのスリ被害が絶えません。地下鉄8号線を利用する場合も、大きな荷物を持った到着直後の観光客を狙ってグループが接近してくるため、ホームや車内での荷物管理を徹底してください。深夜便で到着した場合は、多少のコストをかけても定額タクシーかCabifyの利用を推奨します。
緊急連絡先
マドリードでの緊急時は、欧州共通の緊急番号「112」をダイヤルしてください。警察・救急・消防の全てに繋がり、英語対応も可能です。特に犯罪被害に遭った場合は、ソル広場近くにある外国人観光客専用の警察サービス「SATE (Servicio de Atención al Turista Extranjero)」へ行くことが最も強く推奨されます。ここでは英語を含む多言語で被害届(Denuncia)を作成できるほか、クレジットカードの利用停止手続きの電話サポート、家族や領事館への連絡補助、盗難に伴う緊急書類の作成などをワンストップで行ってくれます。被害届は保険請求やパスポート再発行に必須です。私立病院を受診する際は非常に高額になるため、必ず海外旅行保険の証券を手元に用意し、事前に保険会社の提携病院を確認しておくとスムーズです。警察官を名乗る人物から路上で財布を出すよう指示された場合は、詐欺を疑い、周囲に人がいる場所へ移動するか、警察署への同行を求めてください。本物の警官が路上で現金の検査をすることはありません。
日本国大使館・領事館
名称: 在スペイン日本国大使館 (Embajada del Japón)
住所: Calle de Serrano, 109, 28006 Madrid
電話: +34 915 907 600
メール: [email protected]
マドリードの治安に関するよくある質問
マドリードの治安は良い?悪い? ▼
マドリードの治安は欧州の主要都市の中では比較的安定しており、殺人などの凶悪犯罪は少ない傾向にあります。2024年の犯罪認知件数も前年比で減少していますが、全犯罪の約60%を窃盗が占めている点に注意が必要です。観光客を標的とした組織的なスリやひったくりが常態化しており、数字上の改善以上に、現地での警戒意識が強く求められる都市と言えます。
マドリードで危険なエリアはどこ? ▼
市南部のプエンテ・デ・バジェカスは、薬物関連や暴力犯罪の発生率が高く、観光客が立ち入るべきではない危険な地区です。また、観光の中心地であるプエルタ・デル・ソルやグラン・ビア周辺はスリの最重点エリアです。多文化エリアのラバピエスは日中は賑やかですが、夜間は薬物取引に関連するトラブルが報告されているため、独り歩きは避けるのが賢明です。
マドリード旅行はやばい?本当に行って大丈夫? ▼
「命の危険」を感じるような場面は稀ですが、持ち物管理に関しては「やばい」と感じるほどの警戒が必要です。特にプロのスリ集団は日本人の隙を常に狙っています。2025年以降、若年層による刃物を用いた小競り合いも報告されていますが、基本的には観光ルートを外れず、深夜の繁華街や南部地区を避ければ、旅行自体に大きな支障はありません。事前の対策が鍵となります。
マドリードは女性一人でも怖くない? ▼
日中の主要観光地であれば、女性一人旅でも過度に怖がる必要はありません。ただし、地下鉄でのスマホひったくりや、親切を装った「汚れ指摘スリ」には注意が必要です。夜間のラバピエスやカラバンチェルなどの一部地域、および人通りの少ない路地裏は一人歩きだと「怖い」と感じるリスクがあるため、移動は明るい大通りを選ぶか、信頼できるタクシーや配車アプリを利用しましょう。
マドリードでスリに遭わないための対策は? ▼
バッグは必ず体の前に持ち、チャックに手を添える習慣をつけましょう。地下鉄ではドア付近に立たず、停車直前のスマホ利用を控えることが「ドア際ひったくり」対策になります。また、見知らぬ人から話しかけられた際は、相手が誰であれ(例え警察を名乗っても)荷物から意識を逸らさないことが重要です。レストランの椅子にバッグをかける等の行為も厳禁です。
マドリードで多い詐欺の手口は? ▼
代表的なものに「ケチャップ・トリック(汚れ指摘)」や「偽私服警官詐欺」があります。また、クリップボードを持って署名を求める「偽ボランティア詐欺」も頻発しています。これらは全てターゲットの注意を逸らすための罠です。知らない人に話しかけられたら、その場をすぐに立ち去る勇気を持ってください。高級腕時計を狙った強奪グループにも注意が必要です。
マドリードで日本人が巻き込まれやすい犯罪は? ▼
最も多いのは「ケチャップ・トリック」によるスリ被害です。日本人の「親切心」や「パニックになりやすい性質」を突いた組織的な犯行が目立ちます。また、偽の警察手帳を見せて財布の中身を確認するフリをし、現金を抜き取る「偽警官」の被害も報告されています。さらに、無防備にスマホを操作している際、地下鉄の閉まりゆくドアの隙間からひったくられる事例も後を絶ちません。
マドリード旅行で注意すべきことは? ▼
テロ警戒レベルが4(高水準)を維持されているため、公共交通機関やイベント会場では常に周囲の状況に注意を払いましょう。また、2025年後半から刃物を用いた事件が増加しており、警察が武器の没収を強化しています。深夜の繁華街での乱闘に巻き込まれないよう、不穏な空気を感じたら即座に避難してください。見た目が派手な服装や高級品の着用も狙われる要因になります。
マドリードで起こりやすいトラブルは? ▼
パスポートや財布、スマートフォンをスリに盗まれるトラブルが圧倒的に多いです。盗難に遭うと、その後の旅行日程を警察署や大使館での手続きに費やすことになり、大きな時間的・精神的ロスが生じます。また、レストランやカフェでの「置き引き」や、偽私服警官に強引に所持品を検査されるといった、威圧的な態度の犯罪グループとのトラブルも散見されます。
マドリードで被害に遭ったらどうする? ▼
緊急時は「112」に電話してください。盗難などの被害届を出す場合は、外国人観光客専用の警察サービス(SATE)を利用すると、多言語での対応を受けられます。パスポートを紛失した場合は、速やかに日本大使館へ連絡し、再発行の手続きを行ってください。被害を最小限に抑えるためにも、クレジットカードの利用停止番号や大使館の連絡先は事前に控えておくことが必須です。
マドリードの治安詳細
マドリードの治安概要
マドリードの治安は、統計上では改善傾向にあります。2024年の犯罪認知件数は人口1,000人あたり69.5件と前年から減少しましたが、全犯罪の約60%が窃盗であるという構造的な課題は続いています。組織的な犯罪集団によるスリや詐欺が常態化しており、特に観光客が集まる中心部では高い警戒が必要です。また、スペイン全土でテロ警戒レベルが5段階中4に設定されており、駅や空港、観光スポットでの警備が強化されています。総じて、身体への直接的な危害は少ないものの、財産犯罪のリスクが非常に高い都市と言えます。
マドリードは危険?やばい?
マドリードは「非常に危険」な都市ではありませんが、持ち物の安全に関しては「やばい」レベルの警戒が必要です。2025年後半からは「刃物」を用いた若年層の小競り合いが市内で月150件ペースで発生しており、一部の治安が不安定な地区(南部など)では暴力事件のリスクも高まっています。観光客が通常訪れるエリアでは物理的な攻撃を受ける可能性は低いですが、プロのスリ集団による「一瞬の隙」を突いた犯行は非常に巧妙であり、常に狙われているという意識を持つことが、トラブルを避ける最大のポイントです。
マドリードは怖い?一人旅でも大丈夫?
女性の一人旅や初めてのスペイン旅行でも、基本的な防犯知識があれば過度に「怖い」と感じる必要はありません。日中のプエルタ・デル・ソルやグラン・ビアは多くの人で賑わい、警察の姿も頻繁に見かけます。ただし、ラバピエスや南部の住宅街を夜間に一人で歩くのは避けるべきです。また、地下鉄でのひったくりは「閉まりゆくドア」を利用した逃走が定番であり、その瞬間に恐怖を覚える旅行者も少なくありません。深夜の移動にはUberやCabify、公式タクシーを利用することで、夜の不安を大幅に軽減できます。
スリ・詐欺・犯罪の実態
マドリードで最も警戒すべきは「汚れ指摘スリ(ケチャップ・トリック)」です。服に汚れが付いたと親切に話しかけ、拭くフリをしながら荷物を奪う手口です。また、偽の警察手帳を見せて所持品検査を装い、現金を抜き取る「偽私服警官」や、署名活動を装いながら視界を遮って盗む「偽ボランティア」も横行しています。さらに最近では、高級腕時計を狙った専門の強奪グループが五つ星ホテル周辺で獲物を物色しています。地下鉄1号線や6号線などの混雑路線では、停車直前にスマホを奪ってホームへ逃走する「ドア際ひったくり」も頻発しています。
マドリード旅行で注意すべきポイント
旅行者が注意すべき第一のポイントは「地下鉄のドア付近」です。スマホに熱中せず、バッグは常に抱え込んでください。第二に、いかなる理由でも見知らぬ人に話しかけられたら、即座に荷物を守り、その場を離れる「ノー」の姿勢を徹底することです。第三に、プエンテ・デ・バジェカスやラバピエスといった要注意エリアを把握し、特に夜間の立ち入りを控えることです。また、2026年現在はテロ警戒レベルが高いため、警察による検問や手荷物検査が行われる場合もあり、指示には素直に従うことがトラブル回避に繋がります。
よくあるトラブル事例
地下鉄でスマホを操作中、ドアが閉まる瞬間に背後からスマホを奪われ、犯人はホームへ飛び出して逃走したという事例があります。また、歩行中に「背中が汚れている」と言われ、見ず知らずの人物に衣服を拭かれている間に、足元に置いていたバッグを持ち去られたトラブルも報告されています。さらに、私服警官を名乗る男たちにパスポート提示を求められ、財布の中の現金を「偽札チェック」の名目で確認された後、返された時には数万円分のユーロが抜き取られていたという悪質なケースも発生しています。
被害に遭った場合の対応
万が一、盗難や詐欺の被害に遭った場合は、直ちに緊急電話番号「112」へ通報してください。観光客をサポートするための専用窓口「SATE(Servicio de Atención al Turista Extranjero)」がマドリード市内に設置されており、警察への被害届作成や盗難品の照会を多言語で支援してくれます。パスポートの紛失・盗難時は、在スペイン日本国大使館(マドリード所在)で「帰国のための渡航書」やパスポートの再発行を申請してください。クレジットカードの停止手続きも、被害発生から数分以内に行うことが二次被害を防ぐ鍵となります。
その他の情報
ベストシーズン
安全面と健康面から見て、マドリード訪問に最適な時期は春(4月〜6月)と秋(9月〜10月)です。この時期は気候が穏やかで、日中の極端な猛暑による熱中症や健康被害のリスクが低く、活発に観光が楽しめます。7月・8月は気温が40度を超える「カニクラ」と呼ばれる猛暑となり、脱水症状や体調不良で病院へ搬送される旅行者が急増します。また、12月のクリスマスシーズンは街中が非常に美しく魅力的ですが、プエルタ・デル・ソル周辺が通行規制されるほどの凄まじい混雑となり、スリの被害が年間で最も多発するピークとなります。安全かつ快適に歩き回るなら、混雑が適度で気候の良い5月や10月がベストと言えるでしょう。3月〜4月の「セマナ・サンタ(聖週間)」は宗教行事による大混雑に注意が必要です。
言語のヒント
マドリードでは観光地であれば英語が通じますが、警察官やタクシー運転手、ローカルなバルではスペイン語が必要になる場面が多いです。緊急時のフレーズを覚えておくことは自衛に直結します。 【緊急フレーズ】 ・Socorro! (ソコーロ!):助けて! ・Ayuda! (アユーダ!):手伝ってください! ・Me han robado (メ アン ロバード):盗まれました。 ・Llame a la policia, por favor (ジャメ ア ラ ポリシア ポルファボール):警察を呼んでください。 ・Necesito un medico (ネセシト ウン メディコ):医者が必要です。 【コミュニケーションのコツ】 スペイン語は「Hola (オラ/こんにちは)」や「Gracias (グラシアス/ありがとう)」を添えるだけで相手の態度が非常に軟化し、トラブル時の対応もスムーズになります。また、相手と目を合わせて挨拶をすることは「私は周囲を警戒している」というサインにもなり、隙を狙う犯罪者への牽制にもなります。緊急時に英語が通じない場合は、指差し会話帳や翻訳アプリの活用を検討してください。
文化・マナー
マドリードの文化には治安維持に役立ついくつかの特徴があります。まず「ID携帯義務」です。スペインでは外国人は常に写真付き身分証の携帯が義務付けられており、警察の検問時に提示できないと警察署へ一時同行を求められることがあります。パスポートの原本はホテルのセーフティボックスに預け、カラーコピーを常に携帯してください。 次に「時間感覚」です。スペイン人のランチは14時過ぎ、ディナーは21時過ぎからが本番です。このため、夜遅くまで子供連れが街にいますが、これは「安全だから」ではなく「生活習慣」です。深夜0時を過ぎればリスクは着実に高まります。また「シエスタ(昼休憩)」の習慣により、14時〜17時頃は一部の商店が閉まり、特定のエリアの人通りが極端に減ることがあります。無人になる路地はスリや強盗の標的になりやすいため、賑やかな大通りを歩くようにしましょう。 さらに、警察に対する態度は「協力」が基本です。マドリードの警察(特に国家警察)は観光客を保護する意識が非常に高いですが、指示に従わない場合は厳格に対処されます。デモ現場などで解散命令が出た場合は、速やかにその場を立ち去ってください。