マルセイユ (Marseille)

フランス (France)

最終更新: 2026年1月15日

45
安全スコア
D+
身体的安全
B+
医療・衛生
C-
詐欺
B-
テロ
D
スリ
D-
暴力犯罪

総合評価

麻薬抗争の影響で特定の北部地区と中心部の一部が非常に危険な一方、南部や再開発エリアは比較的安全という二極化が顕著です。

身体的安全 (D+)

北部地区を中心に麻薬組織間の抗争(ナコサイド)が多発しており、自動小銃を用いた銃撃戦に巻き込まれるリスクが排除できません。

医療・衛生 (B+)

ラ・ティモーヌ病院など欧州トップクラスの医療機関が整っており、緊急医療の質は非常に高いですが、中心部の衛生状態には課題があります。

詐欺 (C-)

旧港周辺や主要駅での署名詐欺、ATMトラップ、不当なタクシー料金請求が常態化しており、旅行者は常に警戒を解くことができません。

テロ (B-)

フランス全土でテロ警戒レベルが最高水準にあり、マルセイユでも観光地や宗教施設、公共交通機関での警察・軍の巡回が常時行われています。

スリ (D)

メトロ車内、サン・シャルル駅の階段、旧港の混雑エリアでのスリやひったくりが頻発しており、特に日本人は狙われやすい傾向にあります。

暴力犯罪 (D-)

特定のNO-GOゾーンでの暴力犯罪率は欧州最悪水準です。中心部でも夜間の強盗や武器を用いた対人暴力が報告されており、注意が必要です。

最新インテリジェンスレポート

マルセイユの治安は、北部地区の組織犯罪と観光エリアの軽犯罪という二重構造になっています。2025年以降の警察の「Place Nette」作戦により改善傾向も見られますが、2026年に入り中心部ベルサンス地区での銃撃事件が発生するなど、依然として抗争の余波が市民生活圏に及んでいます。旅行者は滞在エリアの選択を慎重に行う必要があります。

現在の状況

2026年1月現在、マルセイユでは「DZ Mafia」と「Yoda」という二大麻薬組織の対立が続いています。2025年にはナコサイド(麻薬殺人)の件数が一時減少しましたが、2026年早々に1区の中心部で自動小銃による殺害事件が発生し、緊張が再燃しています。警察は監視カメラ500台の増設と、公共交通機関内への「セーフ・ゾーン」設置を急ピッチで進めています。街頭犯罪では、特にスマートフォンのひったくりがメトロ2号線沿いで増加しており、公共の場でのデバイス露出はリスクを高めます。

背景分析

治安悪化の背景には、欧州最大級の港湾都市としての地理的要因による薬物密輸ルートの存在と、3区や北部地区に見られるフランス国内最高水準の貧困率があります。若者の失業率が高く、犯罪組織が「見張り役」や「運び屋」として若者を勧誘する構造が固定化されています。一方で、2区のジョリエット地区のような大規模な再開発(Euroméditerranée)により、経済的な改善が見られる地域も増えており、都市内の社会的分断が治安の二極化を加速させています。

政治・社会情勢

2026年3月の市議会議員選挙を控え、治安対策は最大の政治的争点となっています。右派・左派問わず、薬物取引の撲滅と警察官の増員を公約に掲げています。また、パレスチナ支持や労働環境改善を訴えるデモが週末に旧港や県庁周辺で行われることが多く、これに伴う交通規制や一部暴徒化のリスクに注意が必要です。1月中旬には、劣悪な治安環境に抗議する警備員によるストライキも発生しており、社会的な不満が治安維持体制に影響を与えています。

重要ポイント

  • ! 北部(13-16区)および3区のフェリックス・ピヤ周辺には絶対に入らない。
  • ! 1区のベルサンス、ノアイユ地区での夜間の一人歩きを避ける。
  • ! DZ MafiaやYodaなど、組織名が書かれた落書きがあるエリアは即座に離脱する。
  • ! サン・シャルル駅構内では自称「親切な案内人」を完全に無視する。
  • ! メトロ内ではドア付近に立たず、スマートフォンを手に持たない。
  • ! タクシーは正規乗り場かUber/Boltを利用し、メーターの作動を確認する。
  • ! レストランでの支払いの際は、必ず明細を1行ずつチェックする。
  • ! ビーチでは貴重品を1人にせず、可能であれば防水ポーチで携帯する。
  • ! 金銭的被害に遭った場合は即座に17番通報し、保険用に受理証を取得する。
  • ! 在マルセイユ日本国総領事館の緊急連絡先を事前に登録しておく。

エリア別安全情報(タクティカルマップ)

マルセイユは南側の7区・8区・9区が非常に安全な一方、北側の13-16区および中心部の3区が極めて危険という、南北の治安格差が激しい都市です。観光ルートからわずか数ブロック外れるだけで雰囲気が一変することが多いため、移動にはトラムやUberを利用し、徒歩での深追いは避けてください。ミストラル(強風)の日は公共交通が乱れ、路上でのトラブルが増える傾向にあるため注意が必要です。

危険エリア
注意エリア
安全エリア

Quartiers Nord (13-16区)

危険

マルセイユ北部。麻薬組織の拠点が点在し、住民以外が立ち入ると非常に危険です。観光客が誤入しないよう注意。

リスク: 自動小銃による抗争, 強盗, 薬物取引
終日回避推奨

Félix Pyat (3区)

危険

フランスで最も貧しい地区の一つ。NO-GOゾーンとされ、暴力犯罪の発生率が極めて高いエリアです。

リスク: 集団暴行, 薬物中毒者によるトラブル, 不法占拠
終日回避推奨

Belsunce (1区北側)

注意

中心部に位置するが、近年薬物取引の拠点が移動しており、治安が悪化中。夕方以降は非常に不穏な雰囲気になります。

リスク: ひったくり, 偽物販売詐欺, 銃撃戦の飛火
18:00以降は特に危険

Vieux-Port (1区南側)

安全

観光の中心地。警察の巡回が非常に多く昼間は安全ですが、人混みでのスリには警戒が必要です。

リスク: スリ, 署名詐欺, ミサンガ詐欺

Prado / Périer (8区)

安全

市内屈指の富裕層エリア。街並みが整い、夜間の歩行も比較的安全。滞在に最も推奨される地区です。

リスク: 車上荒らし, 空き巣

La Joliette (2区)

安全

再開発が進むビジネス街。監視カメラが多く、大型商業施設周辺は近代的な警備体制が整っています。

リスク: 置き引き, 夜間の人通りの減少

Noailles (1区)

注意

活気ある市場があるが、混雑に紛れたスリやひったくりが多発。路地裏には入らないことが原則です。

リスク: スリ, 集団ひったくり
日没後は回避推奨

Gare Saint-Charles (1区)

注意

主要駅構内。置き引きやスリ、強引な客引きが集中。大階段周辺は夜間に浮浪者が多くなります。

リスク: 置き引き, ATM詐欺, 不当料金タクシー
深夜の利用は要警戒

Pharo / Endoume (7区)

安全

海沿いの高級住宅街。中心部から離れており、静かで非常に治安が良いエリア。女性の一人歩きも可能です。

リスク: なし

Le Panier (2区)

安全

旧市街。観光客に人気だが細い路地が多い。昼間は安全だが、夜間に人通りのない場所へ迷い込むのは危険。

リスク: 背後からのひったくり, 迷子による孤立
22:00以降の細い路地

脅威プロファイリング

マルセイユの犯罪情勢は、特定の「北部地区(Quartiers Nord)」における麻薬組織間の凶悪犯罪と、観光客が集まる「中心部・沿岸部」におけるスリ・詐欺という、明確な二層構造になっています。2026年現在は、組織犯罪の勢力争いがベルサンス地区などの中心部まで染み出しており、一般市民が銃撃戦の二次被害に遭うリスクが以前より高まっています。一方で、観光客が最も遭遇しやすいのはスクーターによるスマートフォンのひったくりや、巧妙に注意を逸らすグループによるスリです。全体として、立ち入り禁止区域を厳守し、公共の場でのスマートフォンの露出を控えることで、被害リスクの大部分を回避可能です。

麻薬組織抗争集団(DZマフィア等)

Narcotic Cartel Hitmen (DZ Mafia/Yoda)

脅威度: 高 時々 武装あり

グループ規模: 2-4名の武装グループ

ターゲット: 直接のターゲットは対立組織員ですが、抗争多発エリアに迷い込んだ者や、公共の場での銃撃戦に巻き込まれる一般市民・旅行者が二次的被害者となります。

活動場所: Belsunce (1区), Quartiers Nord (13-16区), Félix Pyat (3区)

活動時間: 24時間(深夜および早朝に激化する傾向)

手口:

マルセイユ北部地区(13-16区)や中心部のベルサンス地区を拠点とする、DZ MafiaやYodaといった巨大麻薬組織の実行部隊です。主な手法は「ナルコサイド(麻薬殺人)」と呼ばれる報復攻撃で、自動小銃(カラシニコフ等)を使用した公開銃撃や、車両への放火を伴う遺体遺棄が特徴です。2026年1月には市内の目抜き通りカヌビエール付近で白昼堂々銃撃事件が発生しており、かつての「北部限定」という境界線が崩れています。彼らはスクーターや盗難車を利用して急接近し、標的に対して過剰なまでの火力を浴びせます。犯行後は車両を放火して証拠を隠滅し、迅速に逃走します。一般人が彼らの取引現場(ポイント)を意図せず目撃したり、カメラを向けたりした場合、極めて暴力的な反応を示すことがあります。

対策:

まず、13区から16区の北部地区にはいかなる理由があっても立ち入らないでください。中心部(1区)のベルサンス地区やノアイユ地区でも、建物に組織名のグラフィティ(DZ等)がある路地や、若者が椅子に座って見張りをしている場所(Guetteurs)を察知したら、即座にその場を離れてください。万が一、銃声を聞いた場合は、カメラを取り出すなどの野次馬行為は厳禁です。即座に伏せるか、頑丈な壁の背後に隠れ、「Run, Hide, Tell(逃げる、隠れる、通報する)」の原則を徹底してください。地元のニュースや警察のSNSで、最新の抗争発生場所を確認することが生存率を高めます。

二人乗りバイクによる携帯ひったくり

Scooter-borne Smartphone Snatchers

脅威度: 中 頻発

グループ規模: 2名(ライダーと実行役)

ターゲット: 歩きスマホをしている観光客、地下鉄出口付近で地図を見ている旅行者、カフェのテラス席でテーブルの上にスマホを置いている人。

活動場所: Vieux-Port, La Canebière, Saint-Charles Station

活動時間: 10:00 - 20:00 (人混みの多い時間帯)

手口:

マルセイユで最も頻繁に発生する犯罪の一つです。犯人は盗難されたスクーターを使用し、ヘルメットで顔を隠しています。一人が運転し、もう一人が後部座席から手を伸ばして通行人のスマートフォンやバッグを強奪します。特に地下鉄駅の入り口、旧港(Vieux-Port)周辺、カヌビエール通りの歩道が主な狩り場です。彼らは歩行者の背後から音もなく接近し、スマートフォンの操作に集中している一瞬の隙を突きます。奪った直後にバイクで歩道を逆走したり、狭い路地に逃げ込んだりするため、追跡はほぼ不可能です。抵抗した場合、引きずられて怪我をするリスクもあります。2025年の統計では、この種の手口が市街地犯罪の30%以上を占めています。

対策:

屋外、特に歩道や地下鉄の入り口付近では、スマートフォンを手に持ったまま歩かないことが最大の防御です。地図を確認する必要がある場合は、背後が壁になっている安全な建物内や、人通りの多い店の中に入ってから操作してください。また、ストラップを指や手首に通しておくことも有効ですが、バイクによる強引なひったくりの場合、指の骨折や転倒のリスクがあるため、無理に保持し続けない判断も必要です。カフェのテラス席では、スマートフォンをテーブルの上に放置せず、常にバッグの中に仕舞い、バッグのストラップは足や椅子に固定してください。

ATM操作介入スリ

ATM Distraction Thieves

脅威度: やや低 時々

グループ規模: 2-3名のグループ

ターゲット: 言語の壁がある外国人観光客、操作に手間取っている高齢者、多額の現金を引き出す可能性のある旅行者。

活動場所: Gare Saint-Charles, Noailles, Rue de Rome

活動時間: 銀行の閉まっている夜間や週末

手口:

ATMのカード挿入口に薄いフィルムやプラスチック片を仕込み、カードが吸い込まれたまま出てこないように工作します。利用者が困惑していると、親切な通行人を装って近づき、「私も同じ目に遭ったが、暗証番号を再度入力すれば出てくる」などと嘘をつきます。利用者が番号を入力するのを背後から盗み見、その後「係員を呼んできたほうがいい」と促してその場を離れさせます。利用者がいなくなった隙に、仕込んだ道具を使ってカードを抜き取り、近くの別のATMで現金を限界まで引き出します。また、単純に現金が出てくる瞬間に、一人が「お金を落としましたよ」と声をかけ、注意を逸らしている隙にもう一人が現金を奪う力技のパターンも存在します。

対策:

銀行の営業時間内に、銀行の建物内部にあるATMを使用してください。路上に面した無人のATMは極力避け、夜間の利用は厳禁です。もしカードが戻ってこない場合は、絶対にその場を離れず、すぐに銀行の緊急連絡先に電話してカードを停止させてください。見知らぬ人間が助けを申し出てきても、決して暗証番号を入力して見せてはいけません。また、周囲に不自然にたむろしている若者がいないか確認し、少しでも違和感を感じたら操作を中断してください。

偽署名活動グループ

Fake Petition Scammers

脅威度: 低 頻発

グループ規模: 3-5名の若者(主に女性が多い)

ターゲット: 旧港や美術館周辺を歩く、善良そうな外国人観光客、特に団体客や家族連れ。

活動場所: Mucem周辺, Vieux-Port, Palais du Pharo

活動時間: 10:00 - 18:00 (観光施設の開館時間)

手口:

「障害者のための支援」や「環境保護」などの名目が書かれたクリップボードを持ち、「英語は話せますか?」と声をかけてきます。被害者が署名に応じようとボードに目を向けている間、ボード自体が死角となり、被害者のバッグやポケットから財布やスマートフォンが抜き取られます。署名が終わると執拗に寄付を要求し、財布を出させようとします。財布を出した瞬間に中身をひったくるケースもあります。彼らはグループで行動しており、一人が注意を逸らし、一人が実行、もう一人が盗品を受け取って即座に立ち去るという役割分担がなされています。2025年以降、Mucem周辺で特に活発化しています。

対策:

路上でクリップボードを持って近づいてくる若者のグループには、一切関わらないでください。彼らが視界に入った時点で距離を置き、声をかけられても「Non, merci(ノー、メルシー)」と強く言って立ち止まらずに歩き続けてください。署名をしてしまった場合でも、絶対にお金(寄付)を払ってはいけません。彼らはプロのスリ集団であることを認識し、物理的な距離を保つことが最大の防御です。

汚れ付着指摘スリ(ケチャップ・スリ)

Stain Distraction Thieves

脅威度: やや低 時々

グループ規模: 2名構成

ターゲット: サン・シャルル駅などの大きな荷物を持った旅行者、警戒心の薄そうな一人旅の日本人。

活動場所: Gare Saint-Charles, Metro M1/M2 stations, Porte d'Aix

活動時間: 朝夕のラッシュ時、列車の発着時間前後

手口:

あらかじめ被害者の衣服やバッグに、ケチャップ、マヨネーズ、あるいは鳥の糞に見立てた液体をこっそりかけます。その後、共犯者が「服が汚れていますよ」と親切を装って話しかけ、ティッシュなどで拭き取る手伝いを始めます。被害者が汚れに気を取られ、足元に置いたバッグやポケットへの意識が薄れた瞬間、もう一人の共犯者が貴重品を盗み取ります。駅のホームやエスカレーター付近など、移動の合間の混乱が生じやすい場所で多発します。被害者は「親切な人に出会った」と誤認するため、犯人が立ち去った後にようやく被害に気づくことが多いのが特徴です。

対策:

見知らぬ人から「服が汚れている」と指摘されても、その場で立ち止まって対応してはいけません。相手に体を触らせないよう強く拒否し、すぐにその場を離れて、安全なホテルのロビーや銀行などの屋内に入ってから自分で汚れを確認してください。特に駅構内では、荷物を自分の体から離さないようにし、他人が不用意に近づいてくることに対して極めて高い警戒心を持つ必要があります。もし汚れをかけられたと確信した場合は、周囲に仲間がいるはずですので、すぐに貴重品を確認し、人混みへ移動してください。

無許可タクシー(白タク)詐欺

Illegal Taxi Scammers

脅威度: やや低 時々

グループ規模: 単独、または客引きとのコンビ

ターゲット: 空港や駅から重い荷物を持って出てくる、公共交通機関の利用を避けたい旅行者。

活動場所: Marseille Provence Airport, Gare Saint-Charles, Cruise Terminal

活動時間: 深夜・早朝、およびシャトルバスの運行時間外

手口:

空港の到着ロビーやサン・シャルル駅の出口で「タクシー?」と声をかけてきます。彼らは公式のタクシー乗り場ではなく、一般の駐車場に停めてある自分の車へ誘導します。メーターを設置していないことが多く、出発前に料金を提示しないか、あるいは「安くする」と言って安心させます。しかし、目的地に到着すると、相場の3〜5倍(空港から市内まで150ユーロなど)の不当な高額料金を請求します。支払いを拒むと、ドアをロックして脅したり、荷物をトランクから出さないといった強硬手段に出ることがあります。2025年の法改正で取り締まりが強化されましたが、依然として主要拠点で活動が確認されています。

対策:

必ず「Taxi」と書かれたルーフランプのある公式のタクシー乗り場から乗車してください。声をかけてくるドライバーは100%無許可の白タクです。公式タクシーでも、乗車時に「メーターを使ってください(Mettez le compteur, s'il vous plaît)」と確認することが重要です。また、UberやBoltといった配車アプリを利用すれば、事前に料金が確定し、ルートも記録されるため、マルセイユでは非常に安全な選択肢となります。空港から市内へのシャトルバス(L91)も非常に信頼性が高く、推奨されます。

車上荒らしプロ集団

Professional Vehicle Burglars

脅威度: やや低 頻発

グループ規模: 単独または2名

ターゲット: カランク国立公園の駐車場やパニエ地区に停められた、レンタカーや他県・外国ナンバーの車両。

活動場所: Calanques National Park 駐車場, Le Panier地区, Plage du Prado

活動時間: 日中の観光時間帯

手口:

観光客が景色を楽しむために車を離れる数分から数十分の間を狙います。特殊な器具で窓ガラスを一瞬で割るか、スマートキーの電波を傍受(リレーアタック)して解錠します。車外から見える場所にバッグ、上着、充電ケーブルなどが置いてある車両は最優先ターゲットとなります。たとえ中身が空のバッグであっても、彼らは中身を確認するために窓を割ります。カランク国立公園のような人里離れた駐車場では、周囲を監視する共犯者を置き、組織的に短時間で数十台の車を荒らすこともあります。盗品は即座に市内のブラックマーケットで捌かれます。

対策:

車を離れる際、車内には「何も」残さないでください。たとえ1ユーロの硬貨や空のペットボトル、充電ケーブルであっても、窃盗犯に「何かあるかもしれない」と思わせる要因になります。特にトランクに荷物を隠す動作は、周囲で見張っている犯人に中身があることを教えているようなものです。荷物はすべてホテルに預けるか、監視員のいる有料の屋内駐車場を利用してください。国立公園の無料駐車場は最もリスクが高いため、可能な限り公共交通機関(バス)でのアクセスを検討してください。

金の指輪拾い詐欺

Gold Ring Scammers

脅威度: 低 時々

グループ規模: 単独

ターゲット: 旧港沿いを散策する、一人旅またはカップルの観光客。

活動場所: Vieux-Port (Quai des Belges), Promenade du Prado

活動時間: 11:00 - 19:00

手口:

被害者の目の前で、地面から金の指輪(実際は安物の真鍮)を拾い上げるふりをします。「これはあなたの指輪ではないか?」と声をかけ、被害者が否定すると、「幸運の証だ、あなたが持っておくべきだ。本物の金だから価値がある」と言って指輪を押し付けてきます。被害者が受け取ると、態度を一変させ、「私は今お金に困っている。指輪をあげる代わりに、わずかなチップ(20-50ユーロなど)をくれないか」としつこく要求します。親切心や断りにくさを利用した古典的な詐欺ですが、マルセイユの旧港周辺では今なお生き残っている手口です。

対策:

地面に落ちているものを拾って話しかけてくる人間は、すべて無視してください。指輪を差し出されても、絶対に受け取ってはいけません。万が一受け取ってしまった場合は、無言で地面に置き直してその場を離れてください。彼らは物理的な危害を加えることは稀ですが、言葉巧みに金銭を要求し続けます。「Non(ノー)」とはっきり意思表示をし、相手の目を見ずに立ち去ることが最も効果的な対策です。

時間帯別リスク評価

マルセイユの治安は「二極化」が顕著です。日中はスリやひったくりなどの軽犯罪が中心ですが、夜間、特に深夜は特定の地区で組織犯罪による銃撃事件などの凶悪犯罪が発生します。滞在エリアの選択と、夜間の移動手段の確保が安全確保の鍵となります。北部地区は24時間を通して避けるべきであり、中心部でも夜間は警戒レベルを最大に引き上げる必要があります。

早朝

やや安全

05:00-08:00

早朝のマルセイユは、旧港周辺での魚市場の準備などで活気が出始めますが、観光エリア以外は人通りが少なく、街灯が消え始める時間帯です。サン・シャルル駅周辺では、始発電車を待つ浮浪者や薬物中毒者が目立つことがあり、不用意な接触は避けるべきです。中心部の裏路地(特に1区のBelsunce地区)は依然として暗く、夜間の危険な雰囲気が残っているため、単独での通行は推奨されません。清掃車や商品搬入の車両が多いため、交通事故への注意も必要です。全体的に凶悪犯罪のリスクは低いですが、人の目がない場所での強盗やひったくりには警戒を怠らないでください。

脅威:

  • ・駅周辺の物乞いや薬物中毒者による威圧
  • ・暗い路地での待ち伏せ強盗
  • ・ひったくり
  • ・早朝の搬入車両による交通事故

推奨:

  • ・サン・シャルル駅の大階段周辺を一人で歩かない
  • ・暗い裏路地を避け、大通りを利用する
  • ・公共交通機関の始発を待つ際は、明るく人の多い場所を選ぶ
  • ・ランニングなどは人通りの多い海岸沿い(7-8区)で行う

日中

注意

08:00-18:00

日中は観光客や地元住民で街が賑わい、暴力的な犯罪のリスクは最小限となります。しかし、この時間帯の最大のリスクは、巧妙に組織化された軽犯罪です。旧港、パニエ地区、MuCEM周辺などの主要観光地では、スリ、ひったくり、置き引きが多発しています。特に「署名活動詐欺」や「金の指輪詐欺」、「ケチャップ・スリ」などの古典的な手口が依然として有効であり、日本語で話しかけてくる人物にも警戒が必要です。また、近年は歩きスマホを狙った「スマートフォンの強奪」が頻発しており、公共交通機関のドア付近や路地裏での操作は極めて危険です。賑やかな市場では、バッグを体の前に持ち、貴重品を分散させることが不可欠です。

脅威:

  • ・旧港周辺でのスリ・置き引き
  • ・署名活動を装った集団スリ
  • ・歩きスマホを狙ったひったくり
  • ・観光客向けレストランでの過剰請求

推奨:

  • ・スマートフォンを公衆の面前で不用意に出さない
  • ・バッグは必ずファスナー付きのものを使い、体の前で保持する
  • ・見知らぬ人からの署名依頼や呼びかけは全て無視する
  • ・レストランでは支払い前に必ず明細をチェックする

夕方〜夜

警戒

18:00-23:00

日没とともに街の雰囲気が一変します。特に1区のベルサンス地区やノアイユ地区は、薬物取引や浮浪者が目立ち始め、観光客にとっては威圧感のある環境となります。2026年1月には中心部のカヌビエール通り近くで銃撃事件が発生しており、組織犯罪の余波が夜間の繁華街にも及んでいることが確認されています。旧港の南側や7区・8区のレストランエリアは比較的安全ですが、移動には細心の注意が必要です。公共交通機関(メトロ)の駅構内や車両内でのスリ・強盗のリスクも高まります。酔客によるトラブルや、グループによる不快なからかいなども発生しやすいため、夜間の外出は目的地の情報を事前に確認し、人通りの多いルートを維持することが重要です。

脅威:

  • ・中心部での組織犯罪(抗争)に巻き込まれるリスク
  • ・メトロ車内での強盗や嫌がらせ
  • ・酔客による暴力トラブル
  • ・暗い場所でのひったくり

推奨:

  • ・ベルサンス、ノアイユ地区の夜間通行を避ける
  • ・移動には信頼できる配車アプリ(Uber等)を利用する
  • ・レストランからの帰路は必ず明るい大通りを通る
  • ・過度な飲酒を避け、常に周囲の状況を把握しておく

深夜

危険

23:00-05:00

深夜のマルセイユは、特定の地区(北部13-16区、中心部3区など)では極めて危険な状態となります。麻薬組織間の抗争が激化しており、銃撃や車両火災などの暴力事件が頻発しています。観光客がこれらの地区に迷い込むことは命に関わるリスクを伴います。また、中心部でも深夜は人通りが激減し、地下鉄やバスの運行も限定的となるため、路上での強盗や暴行の被害に遭う確率が飛躍的に高まります。バーやナイトクラブ周辺では「ドリンクスパイキング(薬物混入)」による窃盗や性犯罪も報告されています。女性の独り歩きはもちろん、男性であっても徒歩での移動は避けるべき時間帯です。マルセイユの深夜は「安全な場所」が非常に限定的であることを強く認識してください。

脅威:

  • ・北部地区での銃撃・組織暴力
  • ・ドリンクスパイキングによる被害
  • ・深夜の無人駅での強盗
  • ・タクシーによる高額請求詐欺

推奨:

  • ・深夜の徒歩移動は距離に関わらず一切行わない
  • ・北部地区(13-16区)には絶対に立ち入らない
  • ・飲み物は自分の目の前で用意されたもの以外口にしない
  • ・タクシーは必ず公式のアプリ経由で配車する

旅行者タイプ別アドバイス

女性一人旅

★★☆☆☆

マルセイユでの女性一人旅は、高度な警戒心と事前の計画が必要です。日中の主要観光地は問題ありませんが、ストリートハラスメント(執拗な声掛け)や、公共交通機関での嫌がらせが頻繁に報告されています。特に夕方以降のノアイユ地区やサン・シャルル駅周辺は雰囲気が悪く、独りで歩くことは推奨されません。また、バーなどでのドリンクスパイキング被害も確認されているため、ナイトライフを楽しむ際は細心の注意が必要です。宿泊先は治安の良い7区や8区を選び、移動には信頼できる配車アプリ(Uber)を徹底的に活用することが、不必要なトラブルを避ける唯一の道です。

特有のリスク:

  • ・路上での執拗なナンパやつきまとい
  • ・公共交通機関での痴漢・嫌がらせ
  • ・ドリンクスパイキング(薬物混入)
  • ・夜間のひったくり被害

推奨事項:

  • ・夜間の移動は必ずUberを利用し、徒歩を避ける
  • ・不審な声掛けには一切反応せず、視線を合わせない
  • ・露出の多い服装を避け、周囲に馴染む服装を心がける
  • ・防犯ブザーを携帯し、緊急時にすぐに使えるようにしておく
  • ・ホテルのフロントに周辺の危険な路地を確認しておく
  • ・常にスマートフォンの充電を確保し、予備バッテリーを持つ

避けるべきエリア:

Belsunce (ベルサンス) 地区, Noailles (ノアイユ) 地区の路地裏, 深夜の地下鉄M2号線北部方面

おすすめ宿泊エリア: 7区や8区のセキュリティが強固なブティックホテル

家族連れ

★★★★☆

マルセイユは家族向けの公園やビーチも多く、滞在エリアを慎重に選べば安全に楽しむことができます。しかし、子供連れであることは注意を散漫にさせやすく、スリ集団の格好のターゲットになり得ます。特にベビーカーを利用する場合、段差の多いパニエ地区などは移動に苦労するだけでなく、背後からの接近に気づきにくいため注意が必要です。公共交通機関での移動よりも、トラムやフェリー、またはレンタカー(車内に荷物を残さないことが条件)での移動が、安全かつ快適です。滞在は高級住宅街である8区をお勧めします。ここでは子供が遊べる公園も多く、夜間の治安も安定しているため、家族全員が安心して過ごせます。

特有のリスク:

  • ・混雑した場所での子供の迷子
  • ・荷物が多い際の置き引き被害
  • ・ベビーカー利用時のひったくり
  • ・ビーチでの荷物盗難

推奨事項:

  • ・宿泊は治安が安定している8区のプラド周辺を選ぶ
  • ・子供にホテルの住所や連絡先を書いたメモを持たせる
  • ・ビーチでは必ず一人が荷物番をする
  • ・混雑する場所(旧港など)では子供の手を離さない
  • ・公共交通機関よりは、明るく開放的なトラムを利用する
  • ・レストランは事前に家族向け(Family Friendly)であることを確認する
  • ・常に子供の視界を確保し、スリ集団が近づかないよう注意する

避けるべきエリア:

サン・シャルル駅正面大階段, 3区(Félix Pyat周辺), 15区の大型商業施設周辺

おすすめ宿泊エリア: 8区のプラド通り沿いのアパートメントホテル

ビジネス

★★★★☆

ビジネス目的での滞在は、再開発された2区(ラ・ジョリエット)が最も効率的で安全です。ここには国際的なホテルチェーンが集まっており、設備も新しく、ビジネスに必要なインフラが整っています。ただし、高価なノートパソコンやスマートフォンを所持していることが一目で分かるため、強盗やひったくりの標的になりやすいという側面もあります。特にタクシーやUberを待っている間に、スマートフォンのひったくりに遭う事例が多いです。また、サン・シャルル駅での置き引きも頻発しているため、PCバッグの管理は徹底してください。会食などで深夜になる場合は、必ずホテルから配車を依頼し、不慣れな路地を徒歩で移動することは厳禁です。

特有のリスク:

  • ・高価な電子機器(PC・スマホ)の強奪
  • ・タクシー料金の不当請求
  • ・サン・シャルル駅での置き引き
  • ・車上荒らし(レンタカー利用時)

推奨事項:

  • ・宿泊は2区(La Joliette)のビジネスエリアを選ぶ
  • ・移動は原則としてUberか公式タクシーに限定する
  • ・駅や空港での待ち時間中にPCを広げない
  • ・スマートフォンはストラップ等で体と固定する
  • ・レンタカーの車内にはケーブル一本も残さない
  • ・高価な腕時計や貴金属の着用を避ける
  • ・緊急時のため、現地の提携病院リストを持っておく
  • ・被害に遭った際のデータ消去手順を再確認しておく

避けるべきエリア:

1区北側の路地裏, 深夜のサン・シャルル駅周辺, 北部地区(Quartiers Nord)全域

おすすめ宿泊エリア: 2区(La Joliette)のNH CollectionやGolden Tulip

バックパッカー

★★★☆☆

マルセイユは安宿も多いですが、安易に価格だけで宿泊先を選ぶと、極めて治安の悪い地区(3区や1区のBelsunceなど)に迷い込むことになります。バックパッカーは身なりから「隙がある」と見なされやすく、執拗な物乞いや詐欺のターゲットになりやすいです。ドミトリー内での盗難も報告されているため、貴重品の管理には細心の注意が必要です。一方で、マルセイユは若者文化が盛んな街でもあり、6区のCours Julien周辺など、ルールを守れば楽しめるエリアもあります。しかし、好奇心で北部地区の「NO-GO ZONE」へ立ち入ることは、組織犯罪に巻き込まれる恐れがあり、絶対に行ってはなりません。常に現地の最新情報を収集し、夜間の一人歩きを避ける基本ルールを遵守してください。

特有のリスク:

  • ・ドミトリー内での貴重品盗難
  • ・格安ホテル周辺の劣悪な治安
  • ・「自称ガイド」による詐欺・強盗
  • ・危険地区(北部)への誤侵入

推奨事項:

  • ・宿泊先は安さだけでなく、口コミの治安評価を最優先する
  • ・ドミトリーでは必ず自前の鍵(南京錠)を使用する
  • ・多額の現金を持ち歩かず、カードと分散して保持する
  • ・スマートフォンのオフラインマップを事前にDLしておく
  • ・現地で知り合ったばかりの人物に付いていかない
  • ・夜間は一人で地下鉄や夜間バスを利用しない
  • ・危険なサイン(DZ Mafia等のタグ)を見たら即座に離れる
  • ・怪しい署名活動や大道芸には近づかない

避けるべきエリア:

3区(Belle de Mai), 13区〜16区(北部地区), Porte d'Aix (凱旋門) 周辺

おすすめ宿泊エリア: 6区のCours Julien周辺の評判の良いホステル

安全な宿泊エリア

第8区 (ル・プラド / ペリエ)

★★★★★

マルセイユ屈指の高級住宅街であり、市内最高水準の安全性を誇ります。富裕層が多く居住し、警察による24時間のパトロールが頻繁に行われているため、夜間の歩行も比較的安全です。プラド通り沿いには近代的なホテルが多く、監視カメラの密度も高いため、犯罪抑制が効いています。ビーチや広大なボレリー公園も近く、リゾート地の落ち着きと都市の利便性を兼ね備えています。北部地区や中心部1区の混迷した治安とは一線を画しており、静穏で安全な滞在を求める家族連れやビジネス客に最も推奨されるエリアです。

価格帯: ¥20,000-45,000
観光地: 旧港までメトロで10分、スタッド・ヴェロドローム至近
交通: Metro Line 2 (Prado, Périer駅)

例: AC Hotel by Marriott Marseille Prado Velodrome, Mercure Marseille Centre Prado Vélodrome

第7区 (ル・ファロ / エンドゥーム)

★★★★★

地形的に中心部の喧騒から孤立した半島のようなエリアで、外部からの犯罪流入が少なく、極めて良好な治安を維持しています。カランクや美しい海を見渡せる隠れ家的な高級ホテルやヴィラが点在しており、静かな滞在が可能です。地元住民の意識も高く、住民同士のコミュニティが防犯機能を果たしています。夕暮れ時の海岸沿いの散歩も可能ですが、人通りの少ない路地では基本的な警戒心を持つだけで十分です。旧港へのアクセスも良く、都会の利便性を享受しつつ、マルセイユで最も安全に夜を過ごせる場所の一つです。

価格帯: ¥30,000-60,000
観光地: ファロ宮殿至近、旧港まで徒歩15分
交通: Bus Line 81, 82, 83

例: Sofitel Marseille Vieux Port, Les Bords de Mer

第12区 (サン・バルナベ)

★★★★★

「市内の村」と呼ばれるほど伝統的な南仏の雰囲気が残る高級住宅地です。居住者の質が高く、街全体が落ち着いた雰囲気であり、観光客を狙った犯罪はほとんど発生していません。中心部からは少し離れますが、メトロ1号線で直結しているためアクセスは良好です。地元の商店街も活気があり、夜間でも治安が安定しているため、中長期滞在や地元の生活感を味わいたい旅行者に適しています。観光地特有の殺気立った雰囲気がなく、マルセイユの良質な側面を最も安全に体験できる隠れた名所です。

価格帯: ¥15,000-25,000
観光地: 旧港までメトロで15分
交通: Metro Line 1 (Saint-Barnabé駅)

例: Appart'hôtel Odalys City Marseille Le Dôme (周辺), Local Guesthouses

第2区 (ラ・ジョリエット)

★★★★☆

再開発プロジェクト「ユーロメディテラネ」の中心地で、近代的なオフィスビルやショッピングセンターが立ち並ぶビジネス街です。新しいエリアのため街路が広く、街灯や監視カメラが完備されており、夜間も一定の安全性が保たれています。MuCEM(博物館)や大型商業施設「テラス・デュ・ポール」があり、常に警備員が巡回しているため、スリなどの軽犯罪以外のリスクは低いです。ビジネスホテルが多く、港湾エリアの爽やかさと現代的な利便性を求める旅行者にとって、非常に合理的かつ安全な滞在拠点となります。

価格帯: ¥18,000-30,000
観光地: MuCEMまで徒歩10分、旧港まで徒歩15分
交通: Metro Line 2, Tram T2/T3

例: NH Collection Marseille, Golden Tulip Marseille Euromed

第1区 (旧港南側 - オペラ周辺)

★★★☆☆

観光の中心地であり、常に人の目があるため、凶悪犯罪の発生率は比較的低く抑えられています。特に港の南側(オペラ座周辺)は、北側のベルサンス地区に比べて雰囲気が明るく、夜遅くまで営業しているレストランも多いため、人通りが絶えません。ただし、観光客を狙ったスリや置き引き、ひったくりは多発しているため、手荷物の管理には細心の注意が必要です。警察の詰め所やパトロールも集中しており、基本的な「都市部の警戒」を怠らなければ、マルセイユの活気を最も身近に感じられる安全な拠点となります。

価格帯: ¥25,000-50,000
観光地: 旧港至近(徒歩0分)
交通: Metro Line 1 (Vieux-Port駅)

例: Grand Hotel Beauvau Marseille Vieux Port, Radisson Blu Hotel Marseille Vieux Port

交通機関の安全情報

地下鉄・メトロ

メトロ(M1, M2線)は観光に便利ですが、スリの主戦場です。特にサン・シャルル駅(Gare Saint-Charles)やノアイユ駅(Noailles)の乗り換え地点は、混雑に乗じたグループスリが多発します。2025年に導入された「セーフ・ゾーン(強化照明と非常ボタン付き)」の近くで待機することを推奨します。M2号線の北方面(ブーゲンヴィル、ラ・ローズ方面)は、夜間は雰囲気が著しく悪化し、薬物中毒者によるトラブルが発生しやすいため、21時以降の利用は避けるべきです。車内ではドア付近に立たず、スマートフォンの操作を控えてください。閉まり際のひったくりが頻発しています。

タクシー・配車アプリ

マルセイユでは公式タクシーとUber/Bolt等の配車アプリの利用が強く推奨されます。路上で声をかけてくる無許可の「白タク」は100%詐欺であり、法外な料金を請求されるだけでなく、犯罪に巻き込まれるリスクもあります。公式タクシーはルーフのランプとメーターの有無を確認し、空港〜市内などの長距離では事前に「およその料金」を確認してください。配車アプリは料金が固定され、GPSで走行ルートが記録されるため、外国人旅行者にとって最も安全な手段です。深夜の移動や、駅からホテルまでの短距離移動でも、歩かずに配車アプリを利用するのがマルセイユでの鉄則です。

バス

バスは非常に多くの路線があり、カランクやビーチへの移動に欠かせませんが、常に混雑しています。特に観光客が多く利用する83番(海岸沿い)や60番(ノートルダム・ド・ラ・ガルド寺院行き)の車内は、スリにとって格好の現場です。バッグは体の前で抱え、リュックサックは前に背負い直してください。また、夜間の北部地区(13-16区)へ向かう路線は、地元住民以外の乗車が目立ち、トラブルの原因となることがあるため利用を控えてください。深夜バス「Fluobus」は運行されていますが、安全性の観点からタクシー利用をお勧めします。

徒歩・自転車

徒歩移動は、7区や8区の高級住宅街、ル・パニエ地区の主要通りでは比較的安全ですが、1区のベルサンス地区や3区の路地裏には、昼間でも一人で迷い込まないようにしてください。特に「落書きが多く、割れたガラスやゴミが散乱している通り」は治安悪化のサインです。サイクリングは「Le Vélo」というシェアサイクルが普及していますが、自転車自体の盗難や、信号待ちでのカバンひったくりに注意が必要です。歩行中は「スマホを見ない、後ろを振り返る、壁側を歩く」という3点を意識するだけで、ターゲットにされる確率を大幅に下げられます。

空港からのアクセス

マルセイユ・プロヴァンス空港から市内への移動は、公式シャトルバス「L91」が最も安全で確実です。サン・シャルル駅まで直行し、頻繁に運行されています。鉄道(TER)での移動も可能ですが、空港からビトロール駅までのバス乗り換えが必要で、サン・シャルル駅に到着した後の大階段周辺の治安が悪いため、重い荷物がある場合はシャトルバスまたはUberを推奨します。到着ロビーで「Taxi?」と小声で近づいてくる人間はすべて詐欺師です。公式タクシー乗り場の列を無視して誘導される車には、絶対に乗らないでください。空港周辺でも車上荒らしが報告されているため、レンタカーを借りる際は荷物をすぐにトランクへ隠し、施錠を徹底してください。

緊急連絡先

17
警察
15
救急
18
消防
112 (EU共通緊急番号、英語対応可能)
観光警察

緊急時は、警察(17)、救急(15)、消防(18)の個別番号のほか、欧州共通緊急番号(112)で英語による通報が可能です。盗難や紛失の際は、直ちに最寄りの警察署(Commissariat)へ出向き、被害届(Plainte)を提出して受理証(Récépissé)を入手してください。これは保険請求やパスポートの再発行に不可欠です。言葉の壁がある場合は、在マルセイユ日本国総領事館に連絡し、支援を求めてください。深夜や週末の医療トラブルについては、往診サービス(SOS Médecins: 3624)が宿泊先まで医師を派遣してくれます。サン・シャルル駅や旧港周辺での被害は、観光局隣のNoailles警察署が最もアクセスしやすく、24時間対応しています。

日本国大使館・領事館

名称: 在マルセイユ日本国総領事館

住所: 132 Boulevard Michelet, 13008 Marseille (4F)

電話: +33 (0)4 91 16 81 81

メール: [email protected]

マルセイユの治安に関するよくある質問

マルセイユの治安は良い?悪い?

マルセイユの治安は、フランス国内でも非常に不安定です。北部地区(13-16区)での麻薬組織間の激しい抗争と、観光エリアでの軽犯罪という二重構造になっています。警察の取り締まり強化により一部で改善も見られますが、2026年に入り中心部でも銃撃事件が発生するなど、依然として警戒が必要です。滞在エリアを厳選し、基本的な防犯意識を常に持つ必要があります。

マルセイユで危険なエリアはどこ?

北部地区(13-16区)は麻薬組織の拠点であり、絶対に立ち入ってはいけません。また、3区のフェリックス・ピア(Félix Pyat)も極めて危険です。観光客が注意すべきなのは、1区のサン・シャルル駅構内、ベルサンス地区、ノアイユ地区です。これらのエリアは夕方以降、雰囲気が急変し、犯罪発生率が跳ね上がるため、安易な通行は避けるべきです。

マルセイユ旅行はやばい?本当に行って大丈夫?

「やばい」と言われる主な理由は、麻薬組織「DZ Mafia」と「Yoda」の抗争による銃撃事件です。2026年現在も散発的に発生しており、緊張が続いています。ただし、これらは特定のエリアに集中しており、南部の安全なエリアや旧港周辺に滞在し、危険な時間帯や場所を避ければ観光自体は可能です。ただし、他のフランスの都市以上の警戒心は不可欠です。

マルセイユは女性一人でも怖くない?

女性一人旅の場合、強い「怖さ」を感じる場面があるかもしれません。特に主要駅周辺や地下鉄内でのつきまとい、不審な声かけが報告されています。夜間の一人歩きは厳禁です。宿泊先は旧港周辺や南部の治安の良い場所を選び、移動にはUberなどの配車アプリを利用しましょう。周囲に常に気を配り、不穏な空気を感じたらすぐに明るい店に入るなどの対策を推奨します。

マルセイユでスリに遭わないための対策は?

スマートフォンのひったくりが急増しているため、路上での歩きスマホは厳禁です。バッグはファスナー付きで斜め掛けし、必ず体の前で保持してください。地下鉄のドア付近や混雑する市場では、意図的な接近に注意が必要です。多額の現金は持ち歩かず、貴重品はホテルのセーフティボックスと分散して管理しましょう。犯人はグループで動いていることを念頭に置いてください。

マルセイユで多い詐欺の手口は?

「偽署名活動」が多発しています。英語で話しかけられ、署名に集中している隙にバッグから貴重品を抜かれます。また、ATMで操作を助けるふりをして暗証番号を盗む手口や、衣服に液体をかけて汚れを指摘する隙に盗む「ケチャップ・スリ」も一般的です。知らない人物からの親切な申し出には、毅然とした態度で「No」と言い、その場を離れることが最大の防御です。

マルセイユで日本人が巻き込まれやすい犯罪は?

特に日本人は「警戒心が薄く、現金を持っている」と見られやすく、スリや置き引き、ひったくりの標的になります。メトロ2号線沿いでのスマホひったくりや、サン・シャルル駅での隙を狙ったバッグの持ち去り被害が目立ちます。また、レンタカー利用中の信号待ちを狙った車上荒らしも発生しています。日本での常識は捨て、常に「狙われているかもしれない」という意識が必要です。

マルセイユ旅行で注意すべきことは?

最も注意すべきは「エリアの境界」を越えないことです。一本通りを隔てるだけで治安が激変します。常に地図で現在地を確認し、危険とされる1区北側や3区、北部地区へ誤入しないよう注意してください。また、公共交通機関内ではデバイスを露出させず、駅の大階段付近での浮浪者や客引きには関わらないことが鉄則です。移動には信頼できるタクシーや配車アプリを活用してください。

マルセイユで起こりやすいトラブルは?

二人乗りバイクによる強引なひったくりや、レストランでの置き引きといったトラブルが頻発しています。また、ATMでカードが戻ってこないように工作されるトラブルも報告されています。さらに、信号待ちの車を狙った強盗や、公共交通機関でのグループによる囲みスリなど、集団で組織的に行われるトラブルが多いため、一人で対抗しようとせず、周囲の助けを呼ぶか、まずは安全を確保してください。

マルセイユで被害に遭ったらどうする?

被害に遭った場合は、直ちに緊急番号17(警察)へ連絡するか、最寄りの警察署で被害届(Plainte)を作成してください。保険請求には受理証明が必要です。パスポートを紛失した場合は、在マルセイユ日本国総領事館へ連絡し、再発行の手続きを行ってください。カード紛失時は即座に停止処理を行う必要があります。常に緊急連絡先(領事館、カード会社)をメモしておくことが重要です。

マルセイユの治安詳細

マルセイユの治安概要

マルセイユの治安は極端に二極化しています。北部地区(13-16区)を中心に麻薬組織「DZ Mafia」と「Yoda」の激しい対立が続いており、2026年に入っても中心部のベルサンス地区で銃撃事件が発生するなど、予断を許さない状況です。一方で、観光の拠点となる旧港(Vieux-Port)周辺や再開発が進む南部エリアは、日中であれば警察の巡回も多く、比較的安全に過ごせます。しかし、観光客を狙った組織的な軽犯罪は市内全域で発生しており、フランス国内でも特に高い警戒レベルが求められる都市と言えます。

マルセイユは危険?やばい?

マルセイユは「危険」な側面が強く、特に特定の地区については「やばい」という表現が誇張ではありません。3区のフェリックス・ピアや北部各区は、住民以外が立ち入るだけで重大犯罪に巻き込まれるリスクがあるNO-GOゾーンです。2026年には一般市民の生活圏に近いエリアでも抗争の影響が出ており、観光客が誤ってこうしたエリアに足を踏み入れることは極めて危険です。観光ガイドに載っていない路地裏や、夕方以降のサン・シャルル駅北側などには絶対に近づかないでください。

マルセイユは怖い?一人旅でも大丈夫?

一人旅、特に女性にとってマルセイユは「怖い」と感じる瞬間が多いかもしれません。駅や地下鉄での不自然な視線、執拗なナンパ、強引な署名活動などは日常的に見られます。しかし、対策を徹底すれば恐怖を最小限に抑えられます。移動は夜間を避け、Uberなどの配車サービスを利用すること。歩行中はスマホを見ず、常に周囲360度を意識すること。宿泊先は旧港付近の明るい大通り沿いを選ぶことが鉄則です。自分の直感を信じ、「何かおかしい」と感じる場所や人物からは即座に距離を置く勇気が身を守ります。

スリ・詐欺・犯罪の実態

マルセイユで最も頻発している犯罪は、二人乗りバイクによるスマートフォンのひったくりです。盗難スクーターを使用し、一瞬で通行人の手から端末を奪い去ります。また「ATM操作介入スリ」は巧妙で、カード挿入口に細工をして利用者が困っている隙に暗証番号を盗み見ます。「偽署名活動」は「障害者支援」などを名乗り、クリップボードで視界を遮りながらポケットの中身を抜き取ります。さらに「ケチャップ・スリ」と呼ばれる、衣服に液体をかけて親切を装い、汚れを拭くフリをしながら貴重品を盗む手口も健在です。これらは全て組織的なグループ犯行であることを認識しておく必要があります。

マルセイユ旅行で注意すべきポイント

旅行者が注意すべき最大のポイントは「デバイスの露出」と「エリア選択」です。歩道やメトロの入り口付近でスマホを出す行為は、ひったくり犯にターゲットを知らせるようなものです。また、宿泊先選びでは1区の北側や3区を避け、比較的治安の安定している南部(8区など)や旧港周辺のホテルを予約してください。公共交通機関、特にメトロ2号線内ではバッグを抱え込むように持ち、ドア付近には立たないようにしましょう。サン・シャルル駅の大階段付近は夜間に浮浪者や不審者が増えるため、夜間の駅利用は避けるのが賢明です。

よくあるトラブル事例

実際にあったトラブルとして、サン・シャルル駅構内で親切に「荷物を運んであげる」と言われ、預けた瞬間に持ち逃げされるケースや、ノアイユの市場で複数の子供に囲まれ、注意が散漫になった隙に財布を抜き取られた事例があります。また、レンタカーで観光中に窓を割られ、助手席に置いていたバッグを数秒で盗まれる車上荒らしも多発しています。見知らぬ人からの「過剰な親切」や「意図的な接触」は、ほぼ確実に犯罪の予兆であると考えて警戒を最大にする必要があります。

被害に遭った場合の対応

もし被害に遭ってしまったら、まずは自身の安全を確保し、パニックにならずに対応しましょう。強盗などの緊急時は「17」番へ通報し、最寄りの警察署(Hôtel de Police)へ。盗難保険の申請には必ず「被害届(Plainte)」が必要です。パスポート紛失時は、在マルセイユ日本国総領事館(132 Boulevard Michelet)へ。緊急の帰国手続きやアドバイスを受けられます。クレジットカードの停止連絡も忘れずに行ってください。万が一に備え、現地の警察や領事館の電話番号、カード会社の紛失窓口をメモして別々に持っておくことが、被害を最小限に抑える鍵となります。

その他の情報

ベストシーズン

安全面と快適性を考慮すると、5月、6月、10月がベストシーズンです。この時期は気候が穏やかで、7-8月の極端な猛暑や混雑を避けることができます。夏のピーク時は観光客を狙ったスリが最も活発になり、熱波による体調不良のリスクも高まります。また、1月や2月の冬場はミストラル(強風)が非常に強く、公共交通の乱れや飛来物による危険があるため、春または秋の訪問が治安・安全の両面で最も推奨されます。

言語のヒント

マルセイユでは、会話の前に必ず「Bonjour(ボンジュール)」と言うことがマナーとして極めて重要です。これを怠ると、相手の対応が冷淡になるだけでなく、トラブルの原因にもなり得ます。緊急時のフレーズとして「Au secours!(オ・スクール:助けて!)」「Appelez la police!(アプレ・ラ・ポリス:警察を呼んで!)」を覚えておきましょう。また、「Je suis perdu(e)(ジュ・スイ・ペルデュ:道に迷いました)」や「J'ai été volé(e)(ジェ・エテ・ヴォレ:盗難に遭いました)」も役立ちます。警察署では「Je voudrais porter plainte(告訴したい)」と伝えることが手続きの第一歩です。英語も通じますが、フランス語での挨拶を添えるだけで周囲の協力が得やすくなります。

文化・マナー

マルセイユはフランスの他都市以上に「挨拶」と「敬意」を重視する文化があります。店に入る際や質問をする前に必ず挨拶をしてください。また、街中に麻薬組織(DZ MafiaやYodaなど)の落書きがある場所は、そこが彼らのテリトリーであることを示しており、観光客が入り込むべきではありません。警察の「Place Nette」作戦による一掃が行われていますが、組織名や特定のシンボルが書かれたタグを見かけたら、速やかにその場を離れてください。さらに、マルセイユ市民は地元愛が非常に強く、治安の悪さを指摘されることを嫌う傾向があるため、不満を公言する際は注意が必要です。デモや集会は週末に頻発するため、政治的な集まりには不用意に近づかないのが賢明です。

データソース

公的機関