パリ (Paris)

フランス (France) 首都

最終更新: 2026年1月15日

62
安全スコア
C+
身体的安全
A
医療・衛生
E
詐欺
C
テロ
E-
スリ
B-
暴力犯罪

総合評価

観光地での警察増員により組織的な軽犯罪は抑え込まれつつありますが、公共交通機関内での突発的な暴力事件や薬物問題、根強いスリ・詐欺リスクにより警戒が必要です。

身体的安全 (C+)

日中の観光エリアは安全ですが、北部地区や深夜の地下鉄内では精神不安定者や薬物中毒者による突発的な暴行事件のリスクが顕著に高まっています。

医療・衛生 (A)

パリ・アメリカン・ホスピタルをはじめ、高度な医療設備が整っており、多言語対応の緊急医療サービスも充実しています。公立病院は待ち時間が長い傾向があります。

詐欺 (E)

エッフェル塔やサクレ・クール周辺でのミサンガ詐欺、金の指輪詐欺、偽署名活動が常態化しており、観光客を狙った組織的な罠が非常に多いため極めて危険です。

テロ (C)

フランス政府はテロ警戒レベル「Vigipirate」を最高水準に近い状態で維持しており、主要施設での厳格な荷物検査や武装警察の巡回が常に行われています。

スリ (E-)

メトロ1号線やRER B線、主要ターミナル駅、観光名所でのスリ被害は世界最多レベルです。スマホや財布の管理には、常に身体に密着させる等の最善の注意が必要です。

暴力犯罪 (B-)

強盗や殺人などの発生率は他国のメガシティより低いものの、2025年末からメトロ車内等での無差別刺傷や打撃事件が散発しており、注意喚起が出ています。

最新インテリジェンスレポート

2026年1月現在、パリの治安は高度な警備体制と突発的な暴力リスクが混在しています。2024年五輪後の警備再配置やインフレに伴う社会不安により、特に公共交通機関内での刺傷事件や暴行が目立っています。一方で、主要観光地ではAI監視カメラと観光警察の導入により組織的なスリ集団の活動が抑制されつつありますが、スリや詐欺自体は依然として世界最多水準にあります。テロ警戒レベルも依然として最高水準であり、主要施設での手荷物検査が常態化しています。

現在の状況

2025年後半から2026年初頭にかけて、メトロ3号線やRER A線、Nation駅などで無差別的な刺傷事件や暴行事件が相次いで発生しました。これらの多くは組織的犯行ではなく、薬物中毒者や精神的に不安定な個人による突発的な行動であることが特徴です。統計上、2024年の五輪期間中は軽犯罪が減少しましたが、2025年には五輪前の水準に逆戻りしており、特に薬物関連の摘発件数は前年比51%以上の増加を記録しています。観光客にとっては、シャルル・ド・ゴール空港からのRER B線内での窃盗や、ブランド店退店後の追跡強盗が依然として大きな脅威となっています。

背景分析

パリの治安悪化の背景には、深刻な薬物(特にクラック)問題と、インフレによる貧困層の増大があります。特に18区、19区、20区の北部境界付近では、不法占拠や薬物使用者のキャンプが社会問題化しており、警察の一斉摘発も根本的な解決に至っていません。また、2024年大会に向けて浄化されたエリアの反動として、周辺地域への犯罪転移も見られます。若年層の失業率の高止まりや移民コミュニティとの摩擦も、時として激しい抗議行動や暴動に発展する潜在的な火種となっています。

政治・社会情勢

フランス政府が推進する予算案や社会保障改革に対し、労働組合や市民団体によるストライキやデモが頻繁に行われています。2026年1月も公共交通機関や医療機関のストライキが予定されており、移動の混乱に乗じたスリ被害の増加が懸念されます。デモはレピュブリック広場やバスティーユ広場を起点とすることが多く、一部の過激なグループ(ブラック・ブロック等)と警察の衝突により、周辺の商店が被害を受けるケースも散見されます。

重要ポイント

  • ! 公共交通機関(特にメトロ3号線・13号線)では、深夜の利用を避け、ドア付近でのスマホ操作を控える。
  • ! エッフェル塔やモンマルトルでの署名詐欺やミサンガ詐欺には「ノン」と強く拒絶し、物理的な接触を避ける。
  • ! ブランド品を購入した際は、店に配送を依頼するか、タクシーで直帰して紙袋を見せないようにする。
  • ! シャルル・ド・ゴール空港からの移動には、RER B線ではなく定額料金制の公式タクシー(Taxis)を利用する。
  • ! テラス席ではスマホや財布をテーブルに置かず、バッグのストラップは常に体や椅子の脚に固定する。
  • ! デモの情報が入った場合は、レピュブリック広場やシャンゼリゼ通りなどの集結地点に近づかない。
  • ! 2026年4月導入のEESシステムにより空港検問が長引くため、出発・到着時は時間に余裕を持つ。
  • ! 路上でのQRコードによる支払い(駐輪場や罰金通知など)は詐欺の可能性があるため、公式アプリ以外は使用しない。

エリア別安全情報(タクティカルマップ)

パリの治安は「区」の番号よりも「通り」や「駅」によって劇的に変化します。一般に北部(18, 19, 20区)と中央駅(北駅、東駅、シャトレ)周辺は警戒が必要ですが、西部や南部(5, 6, 7, 15, 16区)は非常に安全です。2026年現在は、従来の「観光地でのスリ」に加え、「メトロ内での突発的な暴力」という新たなリスク要因が加わっているため、公共交通機関利用時の防犯意識をより高める必要があります。

危険エリア
注意エリア
安全エリア

Stalingrad / Stalingrad Square

危険

薬物中毒者(クラック)のキャンプが点在し、昼夜を問わず治安が極めて悪いです。薬物取引に伴う暴力事件や喧嘩が頻発しており、徒歩での通過は絶対に避けてください。

リスク: 薬物取引, 暴行, 強盗
24時間回避を推奨

Porte de la Chapelle

危険

パリ北部境界の最危険エリアの一つ。浮浪者、不法滞在者、薬物中毒者が滞留し、凶悪犯罪の発生率も高いです。警察による摘発が続いていますが改善には至っていません。

リスク: 強盗, 薬物暴力, 売春
24時間回避を推奨

Gare du Nord (パリ北駅)

危険

国際列車が発着する重要拠点ですが、構内および周辺はひったくり、詐欺、不審なグループの溜まり場となっています。荷物から手を離すことは厳禁です。

リスク: 組織的なスリ, ひったくり, 偽タクシー詐欺
22時以降は特に危険

Champs-de-Mars (エッフェル塔下)

注意

昼間は署名詐欺や物売りが非常に多いです。夜間は照明が暗く、観光客を狙った集団強盗や性的暴行が発生しているため、日没後の滞留は控えてください。

リスク: 観光詐欺, 集団強盗, 性的暴行
日没後から深夜にかけて警戒

Metro Line 3 (République - Opéra)

注意

2025年末に無差別刺傷事件が連続して発生した区間です。駅構内での通り魔的暴力に対し、警察の巡回が強化されていますが、夜間は周囲への警戒を怠らないでください。

リスク: 突発的暴行, 刺傷, スリ
夜間および混雑時

Châtelet-Les Halles

注意

世界最大級の地下駅。迷路のような構造で死角が多く、夜間はガラの悪い若者の集団や酔っ払いによるトラブル、スリが頻発します。

リスク: 集団スリ, 喧嘩, 絡まれ
22時以降は警戒が必要

Saint-Germain-des-Prés (6区)

安全

高級住宅街であり、夜遅くまでレストランが営業しており賑やかです。犯罪率が極めて低く、女性の一人歩きも比較的安全なエリアです。

リスク: 稀な車上荒らし

15th Arrondissement (Vaugirard)

安全

典型的なパリの中流・富裕層向け住宅街です。日本人も多く住んでおり、治安は非常に安定しています。観光地が少ないため、犯罪者も少ないのが特徴です。

リスク: なし

Quartier Latin (5区)

安全

大学や研究所が密集するエリア。学生と地元住民が多く、治安維持が徹底されています。夜間も活気があり、安全性が高いです。

リスク: なし

Passy / Auteuil (16区)

安全

パリで最も裕福なエリアの一つ。警察のパトロールも頻繁で治安は最高水準ですが、夜間は人通りが少なくなるため、逆に静寂による不安を感じる場合があります。

リスク: 車上荒らし

脅威プロファイリング

2026年現在のパリの犯罪情勢は、2024年パリオリンピックを経て二極化しています。監視カメラの増設と観光警察の集中配備により、主要観光地での組織的な「伝統的スリ」は統計上減少傾向にありますが、代わってメトロ内での「突発的・無差別な暴力」や、QRコードを用いた「フィッシング詐欺」など、予測困難かつ悪質な犯罪が目立つようになっています。また、薬物依存者や精神的不安を抱える個人による動機なき暴行事件が公共交通機関で頻発しており、従来の「貴重品を守る」対策に加え、「自身の身体的安全を守る」警戒が必要なフェーズに移行しています。北駅周辺や18・19区などの特定エリアでは依然として薬物犯罪が深刻であり、夜間の一人歩きは極めて高いリスクを伴います。

公共交通機関内・無差別暴行犯

Impulsive Metro Assailant

脅威度: 高 時々 武装あり

グループ規模: 単独

ターゲット: 地下鉄利用者。特に夜間の独り歩きの女性、就寝中の乗客、またはスマートフォンに夢中になり周囲への警戒が完全に欠如している旅行者や通勤客。

活動場所: Metro Line 3 (République - Opéra), Metro Line 4, Nation Station, Gare du Nord

活動時間: 22:00-05:00(特に深夜の最終便付近)

手口:

2025年末から2026年初頭にかけてパリのメトロ3号線などで頻発している手口です。犯人は精神的に不安定、あるいは薬物中毒状態にあることが多く、明確な強盗目的がない「動機なき暴行」が特徴です。典型的なケースでは、走行中の車内やホームの死角で、突如としてハンマーやナイフ、あるいは素手による顔面殴打などの激しい暴行に及びます。特に標的を定めず、たまたま隣に座った者や、タバコを断った程度の些細なきっかけで激昂し、殺傷能力のある武器を用いる傾向があります。オリンピック後の警備リソースの変化に乗じ、監視の薄い深夜帯や、死角の多い古い駅舎(Temple駅やNation駅など)での発生が目立ちます。犯行後はドアが閉まる直前に降車し、複雑な地下通路を利用して逃走します。

対策:

公共交通機関、特にメトロ3号線、4号線、13号線を利用する際は、車両の端ではなく、運転席に近い車両や乗客が適度に見守り合う中央付近に乗車してください。イヤホンで音楽を聴きながらの就寝やスマートフォンの凝視は、接近する異常者に気づくのを遅らせるため厳禁です。車内で大声を出す、独り言を言う、周囲を威嚇するような挙動不審な人物を見かけた場合は、次の駅で迷わず車両を移動するか降車してください。万が一襲撃を受けた際は、車内の非常通報ボタン(Alarm)を使用し、周囲に助けを求めると同時に、カバンを盾にするなどの防御姿勢をとってください。

偽署名・偽チャリティ詐欺集団

Fake Petition Scammers

脅威度: やや低 頻発

グループ規模: 3-5人の若者グループ

ターゲット: ルーヴルやエッフェル塔周辺で観光に夢中になっている外国人旅行者。特に身なりが良く、断りづらそうな雰囲気を持つアジア系観光客が狙われやすい。

活動場所: Louvre Pyramid, Eiffel Tower, Place de la Concorde, Notre-Dame

活動時間: 10:00-18:00(観光施設の営業時間内)

手口:

「障害者支援」や「環境保護」を謳った偽の署名用紙(バインダー)を持った10代から20代の若者が、笑顔で「英語を話せますか?」と話しかけてきます。一人が署名を求めて注意を引いている間に、別の仲間が死角からターゲットのバッグやポケットに手を伸ばします。署名をしてしまうと、執拗に「ドネーション(寄付)」として10ユーロから50ユーロの現金を要求し、財布を出した瞬間に中身をひったくったり、お釣りを誤魔化したりします。断ろうとしても集団で囲い込み、心理的な圧迫感を与えて金銭を奪う組織的な手口です。彼らは観光警察の動きを察知すると即座に解散し、別のスポットへ移動するため、いたちごっこが続いています。

対策:

路上でバインダーを持って近づいてくる人物とは一切のアイコンタクトを避け、話しかけられても無視して歩き続けてください。彼らは「無視されること」には慣れているため、立ち止まらないことが最大の防御です。もし囲まれそうになったら、大声で「No!」と言いながらその場を離れてください。署名は公的な場所や信頼できる施設以外では絶対に行わないでください。また、この手の集団がいる場所はスリの主戦場であるため、カバンのファスナーを手で押さえるなど警戒レベルを上げてください。

ミサンガ強要詐欺集団

Friendship Bracelet Scammers

脅威度: 中 頻発

グループ規模: 5-10人の男性グループ

ターゲット: モンマルトルのサクレ・クール寺院へ向かう階段を歩いている観光客。一人旅やカップルなど、少人数のグループが標的になりやすい。

活動場所: Sacré-Cœur Stairs, Champ de Mars, Trocadéro

活動時間: 11:00-日没(観光客が多い時間帯)

手口:

モンマルトルの丘へと続く階段の狭い通路に陣取り、通りかかる観光客に対して「ハロー、フレンド!」と親しげに声をかけながら、いきなり手首を掴んできます。拒否する間もなくカラフルな糸を指に絡め、その場でミサンガを編み始めます。一度編み始めると物理的に手が離せなくなり、完成した後に20ユーロから50ユーロ程度の法外な代金を要求します。支払いを拒むと、周囲にいる仲間が集まってきて威嚇し、無理やり現金を奪おうとします。身体を掴むという直接的な接触を伴うため、不快感と恐怖心が強い手口です。最近ではエッフェル塔のシャン・ド・マルス公園付近でも同様の集団が確認されています。

対策:

モンマルトルの階段を上る際は、両手をポケットに入れるか、腕を組んで歩き、指先を露出させないようにしてください。手を差し出すジェスチャーは「承諾」とみなされるため厳禁です。彼らが近づいてきたら、相手の射程に入る前に進路を変えるか、強い口調で「Don't touch me!」と警告してください。もし掴まれてしまった場合は、無理に振り払おうとするとトラブルが激化するため、周囲の他の観光客がいる場所まで素早く移動し、大声で助けを呼んでください。階段の迂回ルート(ケーブルカーなど)を利用するのも有効な回避策です。

地下鉄集団スリ団(未成年グループ)

Teen Pickpocket Gangs

脅威度: 中 頻発

グループ規模: 3-4人の少年少女

ターゲット: 大きな荷物を持つ旅行者、リュックを背負っている人、スマホに集中している人。特にドア付近に立っている乗客が最も狙われやすい。

活動場所: Metro Line 1, Metro Line 4, Châtelet-Les Halles Station, Franklin D. Roosevelt Station

活動時間: 08:00-20:00(ラッシュ時および観光時間帯)

手口:

10代前半に見える少年少女のグループが、観光客に混じってメトロに乗車します。一人がわざと足を踏んだり、物を落としたりして注意を逸らす間に、他のメンバーがジャケットのポケットやバッグから財布やスマホを抜き取ります。最も多いのは、電車のドアが閉まる瞬間にバッグをひったくり、ホームへ飛び降りる手口です。犯行時間はわずか数秒で、ドアが閉まった後の車内では追うことが不可能です。彼らは未成年であるため、逮捕されてもすぐに釈放されることを知っており、非常に大胆かつ組織的に行動します。2024年五輪後も1号線や4号線などの主要観光路線で活発に活動しています。

対策:

地下鉄内ではリュックは必ず前に抱え、ファスナーの開口部を手で押さえてください。特にドア付近には立たず、できるだけ車両の中ほどへ移動してください。乗降時の混雑は「スリのチャンス」であるため、身体が接触する状況では特に手荷物への警戒を最大にしてください。スマートフォンを手に持ったままドア付近で操作するのは「奪ってください」と言っているようなものです。万が一盗まれた場合、犯人が子供であっても深追いは禁物です。仲間が背後に控えている場合や、逆上して暴行に及ぶリスクがあるため、速やかに駅係員や警察へ通報してください。

スクーター利用のスマホひったくり犯

Scooter Smartphone Snatchers

脅威度: やや高 時々

グループ規模: 2人組(スクーター)

ターゲット: 歩道でスマホを見ながら歩いている人、信号待ちをしている人。特に高額な最新型iPhoneを使用している者が標的となる。

活動場所: Opéra District, Champs-Élysées, Boulevard Haussmann, Le Marais

活動時間: 12:00-22:00(人通りが多い時間帯)

手口:

2人乗りのスクーターが歩道近くを低速で走行し、標的を物色します。ターゲットがスマホを操作したり、地図を確認したりするために意識が画面に集中した瞬間、背後から急加速して近づき、追い抜きざまに手からスマホをひったくります。犯人はヘルメットを着用しているため顔の判別が困難で、ナンバープレートを隠していることも多いため、追跡や特定が極めて困難です。オペラ地区やシャンゼリゼ通りなどの広い歩道があるエリアで頻発しており、被害者がスマホを取り返そうとして転倒し、大怪我を負うケースも報告されています。最近ではスマホだけでなく、高級腕時計を狙った「腕ごとひったくる」手口も増加しています。

対策:

路上での歩きスマホは絶対に避けてください。地図を確認する必要がある場合は、建物の壁を背にし、周囲にスクーターや不審な人物がいないか確認してから短時間で行ってください。スマホを使用する際は両手でしっかりと保持し、可能であれば首から下げるストラップを使用してください。高級腕時計(ロレックス等)を着用している場合は、長袖の服で隠すか、目立つ場所での露出を避けてください。万が一ひったくられた際は、スクーターを追いかけるのは非常に危険です。すぐに周囲の人に助けを求め、警察にIMEI番号(製造番号)を伝えて遠隔ロックを行ってください。

高級ブランド購入者追跡窃盗団

Luxury Item Trackers

脅威度: やや高 時々 武装あり

グループ規模: 2-3人のグループ

ターゲット: サントノーレ通りやシャンゼリゼの高級ブランド店で買い物をし、大きなブランドロゴ入りの紙袋を持って歩いている観光客。

活動場所: Rue du Faubourg Saint-Honoré, Avenue Montaigne, Place Vendôme

活動時間: 11:00-19:00(ブランド店の営業時間前後)

手口:

高級ブランド店(ルイ・ヴィトン、シャネル等)の出口付近で待ち伏せし、高額商品を購入したターゲットを特定します。ターゲットが店を出た後、徒歩や地下鉄で移動するのを数kmにわたって執拗に尾行します。人通りが少なくなった路地裏や、ホテルの入り口、地下鉄の階段などで突如として襲撃し、商品が入った袋を強引に奪い取ります。犯人はナイフを所持している場合があり、抵抗すると危害を加えられるリスクがあります。近年では、ターゲットが乗ったタクシーをバイクで追跡し、信号待ちの際に窓を割ってバッグを奪う「ドア・ブッシェル」という荒っぽい手法も併用されています。

対策:

高額商品を購入した際は、ブランドのロゴが目立つ紙袋のまま歩き回らないことが鉄則です。店側に依頼して、中身が見えない地味なプラスチック袋や別のバッグに入れてもらうか、購入品を直接ホテルへ配送してもらうサービスを利用してください。店を出たらすぐにタクシー(信頼できるG7など)を呼び、目的地まで直行してください。徒歩で移動する場合、背後に同じ人物がずっと付いてきていないか定期的に確認し、不安を感じたら近くのホテルやカフェに入って様子を見てください。もし強盗に遭遇した場合は、命を最優先し、抵抗せずに品物を渡してください。

偽QRコード・フィッシング詐欺師

Fake QR Code Scammers

脅威度: 中 時々

グループ規模: 単独または2人組(設置役)

ターゲット: 公共レンタサイクル(Velib)や路上駐車を利用する人、または「罰金通知」を見て焦ったドライバー。

活動場所: Citywide (especially parking areas), Tourist hubs with bike rentals

活動時間: 24時間(深夜の設置が多い)

手口:

2025年から2026年にかけて急増しているハイテク詐欺です。パリ市内のレンタサイクルや駐車メーター、あるいは路上に駐車された車のフロントガラスに、「違法駐輪(駐車)につき罰金を支払ってください」という偽の通知とQRコードが貼付されます。QRコードをスキャンすると、パリ市役所や警察の公式サイトに酷似したフィッシングサイトへ誘導されます。そこでクレジットカード情報を入力させ、数分以内に数千ユーロを不正利用します。また、公共WiFiの接続画面に見せかけた偽QRコードをカフェ等に貼り、デバイスの個人情報を盗み取るケースも報告されています。五輪後のデジタル化推進の隙を突いた手口です。

対策:

路上や車両に貼られた出所不明のQRコードは絶対にスキャンしないでください。パリの公的な罰金通知がQRコードのみで支払いを求めることはありません。公式な支払いが必要な場合は、ブラウザから直接公式サイトを検索するか、専用の公式アプリ(Velib'など)を通じて行ってください。また、公共の場所でスマホのカメラを向ける際は、周囲に不審なステッカーがないか注意してください。万が一入力してしまった場合は、即座にカード会社に連絡し、利用停止措置をとると同時に、警察のサイバー犯罪窓口へ通報してください。

金の指輪拾い詐欺師

Gold Ring Con Artists

脅威度: やや低 頻発

グループ規模: 単独(背後に仲間がいる場合あり)

ターゲット: 公園やセーヌ川沿いを散策しているのんびりした雰囲気の観光客。特にお年寄りや親切そうな旅行者。

活動場所: Seine Riverbanks, Tuileries Garden, Pont Neuf

活動時間: 10:00-日没

手口:

ターゲットのすぐ前で、犯人がわざとらしく地面から「金の指輪」を拾い上げます。「これはあなたの落とし物ですか?」と声をかけ、違うと答えると「本物の金に見える。あなたが持っていてくれ、幸運を祈る」と言って強引に指輪を押し付けます。ターゲットが指輪を受け取って立ち去ろうとすると、豹変して「自分は貧しくてお腹が空いている。幸運のお礼に少しでいいから金をくれ」と執拗に現金を要求します。指輪は実際には安価な真鍮製(価値は数円程度)ですが、善意に付け込まれた被害者は断りきれずに5ユーロや10ユーロを渡してしまいます。背後に仲間がいて、財布を出した瞬間に中身を狙っている場合もあります。

対策:

路上で誰かが何かを拾って話しかけてきても、絶対に足を止めずに無視してください。特に指輪を手渡そうとしてきたら、手を後ろに回して受け取りを拒否してください。「No thank you」と言って足早に立ち去るのが最も効果的です。もし指輪を渡されてしまったら、その場に指輪を置いてすぐに離れてください。彼らは観光客の「申し訳ない」という心理を利用するため、毅然とした態度で接することが重要です。この詐欺はセーヌ川の橋の上や、チュイルリー庭園などの「平和な場所」で油断している時に発生しやすいことを覚えておいてください。

時間帯別リスク評価

パリの治安は、昼間の「観光客を狙った組織的な軽犯罪」と、夜間の「特定の場所や交通機関での突発的な暴力・薬物関連犯罪」という二極化したリスクを抱えています。オリンピック後の警備強化により中心部は改善傾向にありますが、地下鉄内の治安悪化は看過できない水準です。時間帯に応じた移動手段の使い分けが安全の鍵となります。

早朝

やや安全

05:00-08:00

早朝のパリは清掃員や通勤客が動き出し、全体的には穏やかですが、主要駅(北駅、東駅)周辺では前夜から滞留している浮浪者や薬物中毒者が活発になる時間帯です。特に2026年に入り、RER A線内での就寝中の乗客への暴行事件が報告されており、まだ人目が少ない車内での油断は禁物です。メトロの始発直後は、酔っ払いと通勤客が混在するため、車両の中ほどに座るようにしてください。大通りは安全ですが、人通りのない狭い路地でのジョギングや散歩は、ひったくりの標的になるリスクがわずかにあります。観光地(エッフェル塔やルーヴル周辺)は静かで写真撮影には最適ですが、不審な物売りに声をかけられる可能性があるため、周囲への警戒は解かないようにしましょう。

脅威:

  • ・主要駅周辺の酔っ払い・浮浪者による絡まれ
  • ・始発直後の公共交通機関内でのひったくり
  • ・路地裏での単独歩行を狙ったひったくり
  • ・空港へ向かうRER B線内での居眠りを狙った盗難

推奨:

  • ・公共交通機関では居眠りをせず、常に荷物を抱える
  • ・北駅や東駅などのターミナル駅では立ち止まらず速やかに移動する
  • ・人通りのない路地を避け、照明の明るい大通りを選択する
  • ・ジョギング中は高価なスマホを露出させない

日中

注意

08:00-18:00

昼間はスリや詐欺などの軽犯罪がピークに達します。エッフェル塔、ルーヴル、ノートルダム周辺では、署名詐欺、ミサンガ詐欺、指輪詐欺が組織的に行われています。2025年後半からの統計では、観光客の増加に伴い、人混みに紛れたグループスリが急増しています。特にメトロ1号線や4号線、RER B線は、空港から移動する大きな荷物を持った観光客が「ロックオン」されやすい路線です。また、最近の傾向として、テラス席でのスマホ置き引きが多発しており、地図を広げて話しかける「目くらまし」の手口が頻繁に見られます。テロ警戒レベル「最高」が継続されているため、主要施設での手荷物検査により行列ができ、その混雑に乗じたスリにも注意が必要です。政治的なデモが週末にレピュブリック広場付近で発生することがあり、平穏に見えても突然の封鎖や混乱が起こり得ます。

脅威:

  • ・観光地での集団スリ(特に子供のグループ)
  • ・ミサンガ詐欺や署名詐欺などの観光詐欺
  • ・レストラン・カフェのテラス席でのスマホ・バッグ盗難
  • ・メトロ乗降時のドア際でのひったくり

推奨:

  • ・バッグは必ず体の前で保持し、ファスナーを手で押さえる
  • ・見知らぬ人からの署名依頼や問いかけは全て無視する
  • ・スマホをテーブルの上に置かず、ポケットにも入れない
  • ・メトロ内ではドア付近に立たず、奥まで進む

夕方〜夜

警戒

18:00-23:00

日没後の夕食時は、繁華街やレストラン周辺での警戒が必要です。特に2025年末にメトロ3号線(République〜Opéra間)で発生した通り魔事件以降、公共交通機関内での突発的な暴力リスクが深刻化しています。タバコを断ったことによる刺傷事件など、些細なきっかけで激昂する薬物中毒者や精神的不安定な個人とのトラブルが報告されています。また、オペラ地区やシャンゼリゼ通りなどの高級ブランド店街では、バイクによるスマホや高級時計のひったくりが頻発しています。観光警察が巡回していますが、人混みが多いため犯行後の逃走が容易な環境です。シャトレ駅やレ・アール周辺は、若者が集まりやすく、夜が深まるにつれてガラの悪い集団による威嚇や喧嘩が発生しやすくなります。女性一人の場合は、明るい大通りを選び、極力公共交通機関ではなく配車アプリ(G7やUber)を利用することが推奨されます。

脅威:

  • ・メトロ内での突発的な暴力・刺傷事件
  • ・バイクによるスマホ・高級時計のひったくり
  • ・シャトレ駅など巨大地下駅でのグループによる威嚇
  • ・レストラン退店後の追跡による強盗

推奨:

  • ・移動には信頼できる配車アプリ(G7, Uber)を優先する
  • ・メトロ3号線など特定の警戒路線では周囲に常に目を配る
  • ・路上でスマホを操作せず、高価な時計や宝石は隠す
  • ・万が一絡まれた場合は目を合わせず、即座に安全な場所へ避難する

深夜

危険

23:00-05:00

深夜のパリは、場所によって極めて危険な状態になります。18区のシャペル門、19区のスタリングラード、20区のベルヴィル周辺は、薬物取引の拠点となっており、観光客が入り込むと強盗や暴行の標的になる確率が非常に高いです。クラック(薬物)使用者が滞留するエリアでは警察の摘発も続いていますが、治安は安定していません。また、RER B線やD線の郊外方面行きは、車内が閑散とした際にグループによる組織的な強盗が発生しやすく、深夜の利用は厳禁です。モンマルトルのピガール周辺など風俗店が多いエリアでは、ぼったくりバーへの客引きが激しく、一度入ると多額の現金を要求されるトラブルが後を絶ちません。エッフェル塔下のシャン・ド・マルス公園は夜間照明が乏しく、観光客を狙った性的暴行や強盗が発生する「ブラックスポット」となっています。宿泊先への帰宅は、どれほど近い距離であってもタクシーを利用し、決して一人で歩かないでください。

脅威:

  • ・薬物中毒者による暴行・脅迫
  • ・RER閑散車内での集団強盗
  • ・シャン・ド・マルス公園等での性的暴行・強盗
  • ・ピガール周辺のぼったくりバー被害

推奨:

  • ・18区、19区、20区の特定の危険地帯には絶対に足を踏み入れない
  • ・深夜のRER(特にB, D線)の利用を完全に避ける
  • ・移動は必ず公式タクシーか配車アプリ(G7等)を利用する
  • ・夜間の公園や暗い路地は最短距離であっても通らない

旅行者タイプ別アドバイス

女性一人旅

★★★☆☆

2025年の最新統計では、公共交通機関における性暴力被害の通報が急増しており、特に18歳から29歳の女性がターゲットになる傾向があります。パリ中心部は人通りが多く、昼間は比較的安全に観光できますが、メトロの混雑時や深夜の利用には細心の注意が必要です。最近では「ドリンクスパイキング(飲み物への薬物混入)」による被害もバーやナイトクラブで報告されています。一方で、マレ地区やサンジェルマンなどの安全なエリアを選べば、テラス席での読書や散歩を十分に楽しめます。自衛意識を常に高く持ち、移動手段を適切に選択することが重要です。

特有のリスク:

  • ・混雑したメトロ車内での痴漢・不適切な接触
  • ・バーやクラブでのドリンクスパイキング被害
  • ・深夜の路地裏での追跡や威嚇
  • ・親切を装って声をかけてくるナンパ師による詐欺

推奨事項:

  • ・移動には女性からの信頼が厚い「G7」タクシーアプリを利用する
  • ・知らない人から提供された飲み物は絶対に口にしない
  • ・イヤホンで音楽を聴きながらの歩行は周囲の異変に気づけないため控える
  • ・高級店での買い物後は、紙袋を隠すかタクシーで即座にホテルへ戻る
  • ・夜間は宿泊先の周辺であっても一人の歩行を避ける
  • ・宿泊先は24時間レセプションがある中規模以上のホテルを選ぶ

避けるべきエリア:

19区スタリングラード周辺, 10区北駅・東駅の夜間, 7区シャン・ド・マルス公園(日没後)

おすすめ宿泊エリア: 6区サンジェルマンまたは15区の住宅街にあるブティックホテル

家族旅行

★★★★☆

家族連れにとって、パリは非常に魅力的な都市ですが、子供の安全と荷物の管理が最大の課題です。特にベビーカーを利用する場合、メトロの多くの駅にエレベーターがなく、不便さと同時にスリの標的になりやすい「隙」が生じます。エッフェル塔やルーヴルなどの主要スポットでは、子供が詐欺師(署名活動やミサンガ売り)に話しかけられ、大人が対応している間に財布を抜かれる被害が定番です。15区や16区などの治安が良いエリアに拠点を置けば、公園でのびのびと遊ばせることができ、リスクを大幅に軽減できます。公共交通機関よりも、定員が多い大型のタクシーや専用車での移動を検討してください。

特有のリスク:

  • ・子供をダシに使ったスリ集団による注意逸らし
  • ・混雑した観光地での迷子
  • ・エレベーターのないメトロ駅でのベビーカー運搬時の隙
  • ・エッフェル塔周辺での賭博詐欺(子供が興味を持ちやすい)

推奨事項:

  • ・パスポートなどの貴重品は全員分まとめて大人が腹巻タイプのセキュリティポーチに入れる
  • ・子供には宿泊先の住所と連絡先を書いたカードを常に持たせる
  • ・メトロではなく、家族全員で乗車できる大型タクシー「G7 Van」を活用する
  • ・食事は観光地ど真ん中のテラスではなく、一歩路地に入った落ち着いた店を選ぶ
  • ・混雑時は子供と必ず手を繋ぎ、バックパックは前抱えにする
  • ・公園内であっても荷物だけをベンチに残して遊びに行かない

避けるべきエリア:

18区バルベス・ロシュシュアール(混雑・ひったくり多発), シャトレ・レ・アール駅の地下階(迷いやすく雰囲気が悪い)

おすすめ宿泊エリア: 15区ヴォージラール周辺のアパルトマン型ホテル

ビジネス出張

★★★★☆

ビジネス旅行者は、その服装や所持品(PCバッグ、高級時計)から、専門の強盗集団に狙われるリスクがあります。特に8区や16区の高級ホテル周辺では、バイクに乗った犯人が信号待ちの車の窓を割って助手席のバッグを奪ったり、路上で高級時計を強奪したりする事件が2025年以降目立っています。また、空港からパリ市内への移動(RER B線)は、ノートPCや重要書類を持つビジネスマンにとって最も危険な区間です。展示会場周辺や主要駅でのストライキ発生時は、混乱に乗じた置き引きが多発するため、常に「背後の視線」を意識する必要があります。公式な場所以外での商談や見知らぬ「自称同業者」からの接触には注意してください。

特有のリスク:

  • ・高級腕時計やスマートフォンを狙った路上強奪
  • ・空港連絡鉄道(RER B線)でのノートPC盗難
  • ・信号待ちのタクシーを狙った「窓割り強盗」
  • ・ホテルのロビーや空港ラウンジでの置き引き

推奨事項:

  • ・空港・市内間の移動は必ず定額料金の公認タクシーを利用し、荷物はトランクに入れる
  • ・路上で高級ブランドの紙袋や時計を露出させない
  • ・PCバッグはビジネス用と分からないようなカジュアルなデザインのものを使用する
  • ・タクシー乗車中はドアをロックし、バッグは足元に置く
  • ・ホテルのチェックイン中も、荷物は必ず自分の足の間に挟んで保持する
  • ・公共の無料WiFiは利用せず、必ずVPN経由で通信を行う

避けるべきエリア:

10区パリ北駅(Gare du Nord)周辺の路地, 8区シャンゼリゼ通りの深夜(強盗リスク)

おすすめ宿泊エリア: 8区の大使館周辺またはラ・デファンス地区のセキュリティ重視のホテル

バックパッカー

★★☆☆☆

低予算で移動するバックパッカーにとって、パリは治安の悪い北側(18区、19区、20区)に安宿が集中しているため、宿泊先選びが直接安全性に関わります。10区の北駅周辺の格安ホステルは便利ですが、夜間は麻薬中毒者や強盗が多発する「危険地帯」に様変わりします。最近のトレンドとして、ホステルのドミトリー内での盗難だけでなく、キッチンや共有スペースでのスマホの置き引きも増えています。また、安さを求めて利用する深夜のRERやメトロ13号線は、トラブルに巻き込まれる確率が非常に高いため推奨されません。浮いた宿泊費で安全な移動手段を確保するなどのバランス感覚が求められます。自炊のための買い物帰りなども、ベルヴィルなどの混雑した市場周辺ではひったくりに警戒が必要です。

特有のリスク:

  • ・格安ホステルのドミトリー内での貴重品盗難
  • ・北駅・東駅周辺での詐欺師による「偽ボランティア」勧誘
  • ・深夜のメトロ13号線やRER B/D線での絡まれ被害
  • ・薬物取引エリアに近い安宿周辺での巻き込みトラブル

推奨事項:

  • ・ホステルは「安さ」だけで選ばず、口コミでセキュリティ(ロッカーの頑丈さ等)を確認する
  • ・18区・19区の奥地ではなく、なるべく5区や15区に近いホステルを選ぶ
  • ・貴重品は常に「首下げポーチ」に入れ、シャワー中も肌身離さず管理する
  • ・北駅周辺で話しかけてくる人物は、どれほど親切そうでも100%無視する
  • ・深夜の移動は避け、やむを得ない場合は複数人で行動する
  • ・スマホの充電は見える場所で行わず、必ず鍵のかかる場所で行う

避けるべきエリア:

19区スタリングラード・ポルト・ド・ラ・ヴィレット, 18区ポルト・ド・ラ・シャペル, 10区サン・ドニ門周辺(夜間)

おすすめ宿泊エリア: 5区(ラテン・クォーター)または11区の評価の高いホステル

安全な宿泊エリア

サンジェルマン・デ・プレ (6区)

★★★★★

パリで最も犯罪率が低いエリアの一つであり、深夜まで観光客や地元住民で賑わっているため、夜間の一人歩きも比較的安全です。高級住宅街としての側面もあり、警察のパトロールも頻繁に行われています。サン・シュルピス教会周辺やリュクサンブール公園近くは特に落ち着いており、女性の一人旅やシニア層にも強く推奨できる治安の良さを維持しています。

価格帯: ¥40,000-80,000
観光地: ルーヴル美術館まで徒歩15分、ノートルダム大聖堂まで徒歩10分
交通: Metro Line 4, 10

例: Hotel Saint-Germain, Hotel d'Aubusson

ヴォージラール・コンヴァンシオン (15区)

★★★★★

典型的なパリの中流・富裕層向け住宅街で、日本人も多く住む非常に穏やかなエリアです。観光スポットが少ない分、観光客を狙ったスリや詐欺師が入り込むことが少なく、夜遅くメトロで帰宅しても駅周辺の雰囲気が良好です。エッフェル塔へのアクセスも良く、家族連れや長期滞在者が安心して滞在できる、実用性と安全性が高い地区です。

価格帯: ¥25,000-50,000
観光地: エッフェル塔まで徒歩15-20分
交通: Metro Line 6, 8, 12

例: Pullman Paris Tour Eiffel, Hotel Novotel Paris Vaugirard

ラタン・クォーター (5区)

★★★★☆

ソルボンヌ大学などがある学生街で、深夜まで営業しているカフェや書店が多く、常に人通りがあるため死角が少ないのが特徴です。アカデミックな雰囲気で治安が安定しており、警察署も点在しているため安心感があります。一部の繁華街(ムフタール通り)では深夜の酔っ払いによる騒がしさはありますが、凶悪犯罪の発生率は極めて低く抑えられています。

価格帯: ¥30,000-60,000
観光地: パンテオンまで徒歩2分、ノートルダム大聖堂まで徒歩8分
交通: Metro Line 10, RER B, C

例: Hotel Monge, Hotel Les Dames du Pantheon

マレ地区 (3・4区)

★★★★☆

歴史的な街並みとブティックが並ぶ人気エリアで、常に観光客と地元住民の目があります。2024年末のノートルダム大聖堂再公開以降、警備体制がさらに強化されており、ビデオ監視システムも充実しています。夜遅くまで賑わっており活気がありますが、路地裏が多いため深夜の深入りは避け、大通り沿いを歩くことでリスクを最小限に抑えることが可能です。

価格帯: ¥35,000-70,000
観光地: ピカソ美術館まで徒歩5分、ノートルダム大聖堂まで徒歩12分
交通: Metro Line 1, 8, 11

例: Cour des Vosges, Hotel de JoBo

パッシー (16区)

★★★★★

パリ随一の高級住宅街であり、非常に静かで安全な環境が保たれています。広々とした通りが多く、浮浪者やガラの悪い集団が滞留しにくい構造になっています。夜間は人通りが少なくなりますが、住民の防犯意識が高く、セキュリティのしっかりしたホテルやアパルトマンが多いため、静かな環境で安全を最優先にしたいビジネス層やシニア層に最適なエリアです。

価格帯: ¥50,000-150,000
観光地: トロカデロ広場まで徒歩5分
交通: Metro Line 6, 9

例: Shangri-La Paris, Brach Paris

交通機関の安全情報

地下鉄・メトロ

パリのメトロは、世界で最もスリが多い公共交通機関の一つです。特に1号線、4号線、RER B線は観光客が多く、組織的なスリ集団が常駐しています。2025年末から2026年にかけては、メトロ3号線(République〜Opéra間)での通り魔的な刺傷・暴行事件が報告されており、深夜(22時以降)の利用は高い警戒が必要です。ドア付近に立つことは「ひったくり」の最大のリスクとなるため、可能な限り車両中央に座り、スマートフォンはカバンの中にしまってください。寝ている乗客は暴行のターゲットになりやすいため、疲れていても意識を保つことが不可欠です。異常を感じたら、迷わず次の駅で降り、係員のいる場所へ移動してください。

タクシー・配車アプリ

空港や主要駅で「Taxi?」と声をかけてくる人物は100%偽タクシー(不法タクシー)です。これらは法外な料金を請求したり、強盗に及んだりするリスクがあります。必ず公式のタクシー乗り場(Taxisの看板)から乗車し、車両屋根に「TAXIS PARISIENS」の表示があることを確認してください。空港とパリ市内間は定額制(右岸/左岸で異なる)が導入されていますが、乗車前に念のため確認を。配車アプリは「G7」が最も信頼性が高く、「Uber」や「Bolt」も利用可能ですが、車両ナンバーと運転手の顔がアプリと一致するか必ず確認してから乗車してください。

バス

バスはメトロに比べて治安が安定しているとされますが、混雑した車内でのスリは依然として発生します。特に観光客に人気の69番線や72番線は注意が必要です。夜間の移動には「Noctilien(ノクティリアン)」という深夜バスがありますが、酔っ払いやガラの悪いグループが乗車していることも多いため、女性の一人利用は避け、タクシーの利用を推奨します。停留所で待つ際も、周囲に不審な人物がいないか常に注意を払ってください。

徒歩・自転車

パリは歩きやすい都市ですが、区によって治安が劇的に変わります。5区、6区、15区などは夜間も比較的安全ですが、18区(La Chapelle周辺)、19区(Stalingrad周辺)、20区(Belleville周辺)は薬物中毒者や浮浪者が多く、夜間の一人歩きは厳禁です。自転車(Velib等)は便利な移動手段ですが、信号待ちの際のスマホひったくりや、夜間の暗い路地での待ち伏せ強盗に注意してください。また、2025年以降、レンタサイクルのQRコードを偽物(フィッシングサイト誘導)に貼り替える詐欺が多発しているため、必ず公式アプリから解錠してください。

空港からのアクセス

シャルル・ド・ゴール(CDG)空港からのRER B線は、大きな荷物を持つ観光客を狙ったスリ集団にとっての「狩場」です。特に北駅(Gare du Nord)へ向かう区間での被害が集中しています。2026年4月からはバイオメトリクス登録(EES)の本格運用により入国審査後の出口付近がさらに混雑するため、混乱に乗じた置き引きに注意してください。予算が許すなら、公式タクシーまたはRoissyBus(ロワジーバス)の利用を強く推奨します。電車を利用する場合は、スーツケースから片時も目を離さず、網棚ではなく足元で管理してください。

緊急連絡先

17
警察
15
救急
18
消防
112
観光警察

フランスでの緊急時は、警察直通の17番、または欧州共通の112番へ電話してください。112番は英語での対応が可能です。怪我や急病の場合は救急(SAMU)の15番、または救急搬送も行う消防の18番を呼びます。パリ市内の主要警察署には「SAVE」という多言語翻訳システムが導入されており、日本語で被害届の作成が可能です。パスポートを紛失した場合は、まず警察署で紛失・盗難届(PV)を作成し、その受理証明を持って8区の日本大使館へ向かってください。夜間や休日のトラブルでも大使館の緊急連絡センターは24時間対応しています。また、重症でない場合は往診サービス「SOS Medecins (3624)」を利用するのも有効です。

日本国大使館・領事館

名称: 在フランス日本国大使館

住所: 7 Avenue Hoche, 75008 Paris

電話: 01 48 88 62 00

メール: [email protected]

パリの治安に関するよくある質問

パリの治安は良い?悪い?

2026年現在、パリの治安は場所と状況により極端に異なります。主要観光地ではAI監視カメラや観光警察の導入により組織的な犯罪は抑え込まれつつありますが、公共交通機関内での突発的な暴力事件や薬物問題、根強いスリ・詐欺リスクにより警戒が必要です。総合的なスコアは100点満点中62点程度で、世界的な大都市の中では依然として高い警戒レベルが求められる都市と言えます。

パリで危険なエリアはどこ?

特に危険なのはパリ北部のStalingradやPorte de la Chapelleで、薬物中毒者のキャンプがあり昼夜問わず犯罪リスクが高いです。また、パリ北駅(Gare du Nord)周辺もひったくりや詐欺が頻発します。観光地ではエッフェル塔下のシャン・ド・マルス公園が、夜間になると集団強盗や性的暴行の発生リスクが高まるため、日没後の立ち入りは非常に危険です。

パリ旅行はやばい?本当に行って大丈夫?

「やばい」とされる要因は、2025年末から続くメトロ内での無差別刺傷事件や、増加する薬物関連のトラブルです。しかし、危険エリアを避け、最新の防犯対策を徹底すれば旅行自体は可能です。ただし、インフレに伴う社会不安やテロ警戒レベルの最高水準維持など、かつての「花の都」のイメージだけで訪れると、現地の過酷な現実に衝撃を受ける可能性があるため十分な下調べが必要です。

パリは女性一人でも怖くない?

女性一人旅では、特に夜間の移動に強い「怖い」と感じる場面が多いでしょう。メトロ3号線やRER B線など、特定の路線では突発的な暴行事件が報告されており、夜の一人歩きは推奨されません。また、ブランド店での買い物後に狙われる追跡強盗も発生しています。高級品を身に付けず、移動はできるだけ配車アプリを利用するなど、リスクを最小限に抑える工夫が不可欠です。

パリでスリに遭わないための対策は?

スリ対策の基本は「荷物から目を離さない」ことです。特に地下鉄のドアが閉まる瞬間にバッグを奪う手口や、未成年グループによる集団スリが多発しています。カバンは常に体の前に持ち、ファスナーには鍵をかけるか手で押さえてください。また、スマホを操作している隙を狙う「スクーターひったくり」も増えているため、路上でのスマホ使用は最小限に留めましょう。

パリで多い詐欺の手口は?

代表的なのは、署名を求めるふりをして財布を盗む「偽署名詐欺」や、強引にミサンガを巻き付けて高額請求する「ミサンガ強要詐欺」です。モンマルトルの丘やエッフェル塔周辺で「英語を話せますか?」と話しかけてくる若者は、ほぼ例外なく詐欺師と考えて間違いありません。親しげに近づいてくる見知らぬ人物には一切反応せず、物理的に距離を置くことが最大の防衛策です。

パリで日本人が巻き込まれやすい犯罪は?

日本人は多額の現金を持っている、あるいは警戒心が薄いと見なされやすく、スリや置き引きの格好の標的となります。また、高級ブランドの紙袋を持って歩くことで、宿泊先まで追跡されて強盗に遭うケースも目立ちます。最近では地下鉄内での突発的な暴行に巻き込まれる事例も増えており、周囲の状況に常に気を配る「状況認識」が犯罪被害を防ぐ鍵となります。

パリ旅行で注意すべきことは?

最も注意すべきは、公共交通機関での過ごし方です。メトロ内ではスマホを出しっぱなしにせず、不審な人物や叫んでいる人物がいたらすぐに車両を移動してください。また、シャルル・ド・ゴール空港からのRER B線は窃盗団の主戦場です。空港からの移動はできるだけタクシーやロワジーバスを利用し、不慣れな土地で大きな荷物を持って移動するリスクを避けましょう。

パリで起こりやすいトラブルは?

観光客が直面しやすいトラブルには、タクシーの不当な料金請求、レストランでの過剰請求、そしてストライキによる交通機関の麻痺があります。また、デモ活動に遭遇した際に野次馬根性で近づくと、警察との衝突に巻き込まれる恐れがあり非常に危険です。社会情勢が不安定な時期は、デモ情報などを事前に確認し、集会が行われている場所には近づかないようにしてください。

パリで被害に遭ったらどうする?

万が一犯罪被害に遭った場合は、速やかに最寄りの警察署(Commissariat de Police)へ行き、被害届(Dépôt de plainte)を作成してもらいます。これは保険請求やパスポート再発行に必須です。緊急時は「17」番(警察)へ電話してください。また、パスポートを紛失した場合は、在フランス日本国大使館へ連絡し、必要な手続きについて指示を仰ぎましょう。

パリの治安詳細

パリの治安概要

2026年現在、パリの治安は高度な警備体制と社会不安によるリスクが混在しています。2024年五輪後の警備再配置やインフレの影響により、主要観光地では観光警察やAI監視カメラによる対策が強化されているものの、一歩路地に入れば薬物問題や浮浪者の滞留が目立ちます。特に公共交通機関内での突発的な事件が増加しており、統計では薬物関連の摘発件数が前年比51%増を記録するなど、予断を許さない状況が続いています。

パリは危険?やばい?

「パリは危険か」という問いに対しては、特定のエリアと時間帯において「非常に危険」と言わざるを得ません。北部18区や19区の一部、特にStalingrad周辺やPorte de la Chapelleは薬物中毒者による暴力事件が日常化しており、旅行者が立ち入るべきではありません。また、2025年末からメトロ3号線などで発生している無差別刺傷事件は、強盗目的ではない「動機なき暴力」であり、防ぐのが難しい「やばい」脅威として認識されています。

パリは怖い?一人旅でも大丈夫?

女性や一人旅の方にとって、パリの現状は「怖い」と感じる要素が多いかもしれません。特に夜間の地下鉄や、人通りの少ない路地での一人歩きは避けるべきです。シャトレ・レ・アル駅のような巨大な地下駅は死角が多く、夜間はガラの悪いグループがたむろしているため、不安を感じる場合は地上を歩くか配車アプリを利用しましょう。ブランド品を隠す、スマホを路上で見ないといった基本的な警戒を怠らなければ、恐怖を過度に煽る必要はありませんが、常に緊張感を持つことは必要です。

スリ・詐欺・犯罪の実態

パリの犯罪は、洗練された組織的スリと、突発的な暴力の二極化が進んでいます。スリは10代の未成年グループによるものが多く、地下鉄のドアが閉まる瞬間にスマホやバッグを奪う手口が主流です。詐欺では、エッフェル塔周辺の「偽署名詐欺」やモンマルトルの「ミサンガ強要」が依然として絶えません。また、2025年以降はスクーターを利用した追い抜きざまのスマホひったくりや、高級時計・ブランド品を狙った追跡強盗が巧妙化しており、観光客の所持品がダイレクトに狙われています。

パリ旅行で注意すべきポイント

旅行者が注意すべき最大のポイントは「歩きスマホ」の禁止です。スクーターひったくりの標的になるだけでなく、周囲への注意力が散漫になりスリを招き寄せます。また、シャルル・ド・ゴール空港からの移動にRER B線を使用するのは避け、公式タクシーやバスを利用してください。ブランド店で買い物をした後は、紙袋をそのまま持たず、地味なエコバッグ等に入れるか、一度ホテルへタクシーで戻るなどの対策が、強盗被害を防ぐために極めて有効です。

よくあるトラブル事例

実際のトラブル事例として、メトロ3号線のオペラ駅付近で、走行中の車内にて薬物中毒者と思われる人物から突如顔面を殴打されたケースや、モンマルトルの階段でミサンガを無理やり巻かれ、周囲を囲まれて50ユーロを脅し取られた事例が報告されています。また、エッフェル塔下の公園で写真撮影に夢中になっている間に、足元に置いていたリュックをグループで連携して持ち去られるといった、一瞬の隙を突いた窃盗トラブルが後を絶ちません。

被害に遭った場合の対応

被害に遭った際は、まず安全な場所へ移動し、現地の警察(17番)に通報するか最寄りの警察署へ向かってください。フランス警察には観光客向けの多言語対応窓口もあります。クレジットカードや携帯電話の停止連絡も即座に行う必要があります。パスポートを盗まれた場合は、日本大使館で「帰国のための渡航書」などの発行手続きが必要になるため、戸籍謄本の写しや証明写真を別途デジタルデータ等で保管しておくと、万が一の際の復旧がスムーズになります。

その他の情報

ベストシーズン

安全面から見たベストシーズンは、2月から3月、または10月から11月です。これらの時期は観光客が比較的少なく、警察の目が行き届きやすいため、スリや詐欺グループの活動もピーク時(夏期)ほど激しくありません。日没時間は早まりますが、不必要な混雑によるストレスや盗難リスクを回避できます。逆に、7月から8月の夏季バカンス期は、地元の住民が街を離れ、不慣れな観光客が最大化するため、犯罪者にとっては絶好の狩場となります。

言語のヒント

フランスでは挨拶が安全の第一歩です。店やタクシーに入るときは必ず「Bonjour(ボンジュール)」と言い、去るときは「Au revoir(オ・ルヴォワール)」と言ってください。これにより「礼儀正しい客」と認識され、不当な扱いやぼったくりを防ぐ心理的な壁になります。トラブル時は大声で「Au secours!(オ・スクール!/助けて!)」または「Appelez la police!(アプレ・ラ・ポリス!/警察を呼んで!)」と言ってください。怪しい勧誘には、目を合わせず強い口調で「Non, merci!(ノン・メルスィ!/結構です!)」と言い切ることが不可欠です。

文化・マナー

パリでは「断る勇気」が安全に直結します。日本的な曖昧な笑顔や会釈は、詐欺師には「カモ」と映ります。また、テロ警戒下にあるパリでは、主要駅や美術館での警察官による武装パトロールや手荷物検査は日常の風景です。これらに不満を示したり、ふざけて「爆弾がある」等の発言をしたりすると、テロ対策法により即座に拘束される可能性があります。デモ(Manif)を見かけた際は、フランスの文化と理解しつつ、一部が暴徒化する恐れがあるため、速やかにその場を離れるのが鉄則です。

データソース

公的機関