パリ (Paris)

フランス (France) 首都

最終更新: 2026年1月13日

64
安全スコア
C-
身体的安全
A-
医療・衛生
E+
詐欺
D
テロ
E-
スリ
C
暴力犯罪

総合評価

世界最大の観光都市である一方、軽犯罪の発生率は極めて高く、近年は対人暴力犯罪と殺人未遂の増加が顕著な懸念事項となっている。

身体的安全 (C-)

殺人未遂件数が前年比36%増加しており、特に北東部や深夜の公共交通機関における無差別な暴力事件や刺傷事件がリスクとなっている。

医療・衛生 (A-)

医療水準は非常に高いが、公立病院の救急外来は慢性的に混雑しており、ストライキによる診療制限が突発的に発生する可能性がある。

詐欺 (E+)

観光地での署名詐欺やミサンガ詐欺、指輪詐欺が組織的に行われており、プロの犯罪グループによる手口は極めて巧妙で執拗である。

テロ (D)

テロ警戒レベルは最高水準の『テロの切迫』が継続されており、公共の場や宗教施設での警察・軍による厳重な警備が日常化している。

スリ (E-)

メトロ1号線やRER A線、主要観光スポットでのスリ被害は日常茶飯事であり、ドア付近でのスマホ奪取やグループによる挟み込みが頻発している。

暴力犯罪 (C)

強盗は減少傾向にあるが、深夜の特定地区(18区・19区)や主要駅周辺でのホームレス、薬物中毒者による暴行リスクは依然として高い。

最新インテリジェンスレポート

2026年現在、パリの治安状況はオリンピック後の警察力維持にもかかわらず、暴力犯罪の質的な悪化という課題に直面しています。窃盗などの対物犯罪は統計上減少していますが、性的暴行や刺傷事件、無差別暴行の発生率が上昇しており、観光客にとっても安全なエリアと危険なエリアの『二極化』がより明確になっています。テロ警戒レベルは最高水準を維持しており、公共交通機関利用時や夜間の特定地区への立ち入りには最大限の警戒が求められます。

現在の状況

2025年から2026年初頭にかけて、パリ市内ではメトロ車内や駅構内での刺傷事件が相次いで発生しています。特にメトロ3号線やRER A線において、刃物や鈍器を用いた無差別な襲撃事件が報告されており、公共交通機関の安全性に対する懸念が高まっています。2024年のオリンピック期間中に強化された警備体制の『揺り戻し』が見られ、以前よりも暴力的な手口の犯罪が目立つようになりました。性的暴行事件も前年比で約12%増加しており、特に夜間のシャトレ駅周辺や繁華街での女性被害が深刻化しています。一方で、警察は観光拠点での常駐パトロールを継続しており、7区や16区といった富裕・官庁街ではスリや露店詐欺が減少するなど、エリアごとの安全格差が拡大しています。また、薬物(クラック)の蔓延がパリ北東部の治安を著しく悪化させており、浮浪者のキャンプや中毒者による強盗事件が18区・19区の特定スポットを『ノーゴーゾーン』化させている実態があります。

背景分析

治安悪化の背景には、複合的な社会経済的要因が存在します。第一に、インフレによる生活困窮者の増加が軽犯罪の動機を強めており、特に不法滞在者や若年層による組織的な窃盗グループの活動が活発化しています。第二に、薬物問題、特に『クラック』の深刻な蔓延が、パリ北東部のバルベスやスタリングラード周辺の公共空間の秩序を破壊しています。中毒者による衝動的な暴力犯罪は予測困難であり、これが殺人未遂件数の押し上げに寄与しています。第三に、移民・難民政策を巡る社会的分断と中東情勢の影響が、国内の社会的緊張を極限まで高めています。これにより、特定の宗教施設や文化的象徴を狙ったヘイトクライムや、政治的背景を持つ襲撃事件の土壌が形成されています。さらに、SNSを通じた『闇バイト』のような犯罪ネットワークがフランス国内でも拡大しており、若者が凶悪犯罪の実行役として加担するケースが増えていることも、対人犯罪増加の構造的な要因となっています。

政治・社会情勢

フランスの政治情勢は極めて流動的であり、これが治安維持に直接的な影響を与えています。2026年3月の市議会選挙を控え、各政党が治安対策を最大の争点として掲げており、警察の権限強化や監視カメラの増設を巡る議論が加熱しています。週末にはパレスチナ支援や政府の経済政策に反対するデモが頻繁に開催され、レピュブリック広場からバスティーユ広場にかけてのエリアでは、極左グループ『ブラック・ブロック』と警察の衝突が常態化しています。また、2026年1月からは医師による大規模なストライキが開始されており、社会保障予算案への抗議が医療現場の混乱を招いています。労働組合によるストライキ(SNCFやRATP)も頻発しており、交通網の麻痺に乗じた窃盗や、混乱した駅構内での犯罪リスクが突発的に高まる状況が続いています。テロ警戒レベル『Urgence Attentat』の継続は、国民の自由制限と安全確保のバランスを巡る政治的火種となっており、軍による街頭巡回が日常風景の一部となっています。

重要ポイント

  • ! メトロ3号線とRER A線は直近で暴力事件が集中しており、利用時は周囲への警戒を怠らないこと。
  • ! 18区のPorte de la Chapelleや19区のStalingrad周辺は薬物中毒者が多く、昼夜問わず立ち入りを避けるべきである。
  • ! ドアが閉まる直前のスマホ奪取が急増中。車内ではドア付近に立たず、スマホの使用を控えること。
  • ! 観光地での『署名詐欺』や『ミサンガ詐欺』は無視が鉄則。少しでも反応すると集団で囲まれる恐れがある。
  • ! テロ警戒レベルが最高のため、主要駅や百貨店での手荷物検査は必須。不審物を見かけたら即座に離れること。
  • ! 週末のレピュブリック広場周辺はデモの激戦区となりやすいため、政治的な集会には絶対に近づかない。
  • ! 空港から市内への移動は、治安面から正規の定額タクシー(右岸56ユーロ/左岸65ユーロ)の利用を推奨。
  • ! 深夜のRER各線(特にB線・D線)は犯罪発生率が高まるため、女性の一人歩きや観光客の利用は避けるべき。
  • ! ホテルロビーや朝食会場は『公共の場』であり、置き引きのプロが狙っているため貴重品は肌身離さず持つこと。
  • ! 被害に遭った場合は『SAVE』システムを利用し、多言語対応の警察端末で被害届を作成できることを知っておく。

エリア別安全情報(タクティカルマップ)

パリの治安は北東(悪)から南西(良)にかけてのグラデーションが明確です。10区、18区、19区の特定エリアは昼間でも警戒が必要ですが、6区、7区、15区、16区は欧米の大都市の中でもトップクラスの安全性を誇ります。メトロは路線ごとに治安が異なり、1号線・4号線・13号線・RER A/B線は特に注意が必要です。テロ警戒による軍の巡回を『異常事態』ではなく『日常』と捉え、冷静に行動してください。

危険エリア
注意エリア
安全エリア

Porte de la Chapelle

危険

パリ最悪の治安エリア。大規模な不法滞在者キャンプと薬物取引が常態化しており、暴力犯罪が極めて頻繁に発生。観光客は絶対に立ち入るべきではない。

リスク: 薬物中毒者による暴行, 強盗, ナイフによる襲撃
終日立ち入り禁止

Stalingrad / Riquet

危険

『スタルク・クラック』と呼ばれる薬物中毒者の集積地。深夜は非常に危険で、通行人に対する威嚇や強盗が多発。運河沿いも夜間は避けるべき。

リスク: 薬物取引, 集団強盗, 対人暴力
特に日没後は極めて危険

Gare du Nord (パリ北駅)

注意

欧州最大のターミナルだが、プロのスリグループと偽警官詐欺の拠点。駅内外に不審者が多く、深夜の雰囲気は著しく悪い。荷物管理を徹底すること。

リスク: 組織的スリ, 置き引き, 偽警察官詐欺
22:00以降の単独利用は警戒を要する

Châtelet-Les Halles

注意

巨大な地下迷宮駅で死角が多く、若者グループによるひったくりや性的暴行が報告されている。混雑時はドア付近でのスマホ奪取に厳戒態勢が必要。

リスク: スマホひったくり, 性的暴行, 挟み込みスリ
深夜0時以降の駅周辺は注意

Montmartre (サクレクール麓)

注意

寺院へ向かう階段付近にミサンガ詐欺師が密集。バルベス方面(南東側)へ下るとひったくり被害が急増するため、ルート選定に注意。

リスク: ミサンガ詐欺, 偽物販売, ひったくり
夜間の麓エリアは避ける

Saint-Germain-des-Prés (6区)

安全

パリで最も安全な地区の一つ。夜遅くまでカフェが営業しており、常に人の目がある。文教地区で住民の民度も高く、夜間の独り歩きも比較的安全。

リスク: 稀に発生するスリ
特になし

Eiffel Tower / Invalides (7区)

安全

政府機関が集中しており警察の検問・巡回が極めて厳重。トロカデロ広場付近の詐欺を除けば、身の危険を感じることは少ない高セキュリティゾーン。

リスク: 署名詐欺, カップゲーム賭博
夜間の公園深部は人通りが減るため注意

Passy (16区)

安全

最高級住宅街で観光客への危害は最小限。夜間は非常に静か。空き巣のリスクはあるが、路上での暴力犯罪や強盗の発生率は極めて低い。

リスク: 車上荒らし
特になし

Vaugirard (15区)

安全

家族連れが多い中流階級の住宅街。治安は非常に安定しており、主要駅を除けば深夜の帰宅も問題ない。長期滞在に最も推奨されるエリア。

リスク: 稀なスリ
特になし

Belleville (20区)

注意

多国籍で活気があるが、現金狙いのスリやひったくりが多い。特に深夜の路地裏は不審者や酔っ払いが目立ち、警戒を要する。

リスク: 現金窃盗, ひったくり
23:00以降の独り歩きは非推奨

脅威プロファイリング

2026年現在のパリの犯罪状況は、パリオリンピック時の厳戒態勢からの揺り戻しにより、対人暴力事件の質的悪化が顕著です。伝統的な「署名詐欺」や「ミサンガ詐欺」は依然として観光地で健在ですが、より注意すべきは、薬物中毒者による予測不能な暴行や、メトロ内でのドア閉まり際を狙ったスマホ強盗です。特にパリ北東部の10区、18区、19区は境界線が明確で、一本道を間違えるだけで治安が劇的に悪化します。犯罪者は組織化されており、ターゲットの不注意や「親切心」を巧みに利用します。物理的な防御(防犯グッズの利用)と同時に、危険エリアを把握し、不審な接触を徹底的に拒絶する心理的な警戒心が不可欠な都市となっています。

署名活動装いスリ集団

Petition Scam Groups

脅威度: やや低 頻発

グループ規模: 3-5人の少女・若年層

ターゲット: エッフェル塔やルーブル周辺でカメラを持ち、善意がありそうな観光客や、一人歩きで警戒心が薄そうなアジア系旅行者。

活動場所: 1区 チュイルリー庭園, 7区 トロカデロ広場, 1区 ルーブル美術館周辺, 18区 サクレ・クール寺院周辺

活動時間: 日中の観光ピーク時間(10:00-18:00)

手口:

主に東欧系とみられる少女たちがバインダーを手に持ち、「Do you speak English?」と声をかけてきます。聾唖者支援や人権保護を装った偽の署名用紙を差し出し、ターゲットが署名に気を取られている間に、別の仲間が死角からカバンやポケットに手を伸ばします。また、署名が終わった直後に強引に寄付金を要求し、財布を出させた瞬間に中の現金をひったくるケースも頻発しています。彼女たちは非常に組織的で、警察が近づくと一瞬で散り散りになる訓練を受けています。署名用紙自体が視線を遮る目隠しの役割を果たしており、非常に巧妙です。

対策:

彼女たちが近づいてきたら、目を合わせず「Non, merci(ノン・メルスィ)」とはっきり断り、歩みを止めないことが鉄則です。もし囲まれそうになったら、大声を出して周囲の注意を引いてください。カバンのファスナーは常に手で押さえ、バインダーで視界を遮られないよう距離を保ちます。彼女たちがいる場所はスリのホットスポットであるため、そのエリアを抜けるまで貴重品はコートの内ポケットなどに移動させておくのが最も安全な防衛策です。

メトロ閉扉際スマホ強盗

Metro Door Snatchers

脅威度: 中 頻発

グループ規模: 単独または2人組

ターゲット: メトロのドア付近に立ち、スマートフォンに集中している乗客。特に高級機種(iPhone最新版など)を使用している層。

活動場所: メトロ1号線 全線, メトロ4号線 北駅周辺, RER B線 パリ北駅, メトロ13号線

活動時間: 混雑時および深夜帯(08:00-24:00)

手口:

地下鉄が駅に停車し、発車のアナウンスが流れてドアが閉まる瞬間に犯行が行われます。犯人はホーム上、あるいはドア付近で待機しており、ドアが閉まる1〜2秒前にターゲットの手からスマートフォンをひったくり、そのまま開いたドアからホームへ飛び出します。ターゲットが気づいた時にはドアは閉まっており、列車が動き出すため追跡は不可能です。2025年以降もパリ市内の主要路線(1号線、4号線)で最も多い被害報告の一つとなっており、犯人はフードを深く被るなどして監視カメラを避ける傾向があります。

対策:

メトロ内、特にドア付近ではスマートフォンを操作しないことが最大の防御です。座席に座っている場合でも、ドアに近い位置であれば注意が必要です。スマホを使用する必要がある場合は、両手でしっかりと握り、周囲に不審者がいないか常に確認してください。また、スマホのストラップを指や手首に通しておくことも有効な抑止力になります。万が一盗まれた場合は、すぐに次駅で降りて駅員に報告し、端末の遠隔ロック機能を即座に実行してください。

偽警察官詐欺グループ

Fake Police Fraudsters

脅威度: 中 時々

グループ規模: 2-3人の私服グループ

ターゲット: オペラ地区や凱旋門付近でブランド物の袋を持っている高級ホテル滞在者や、地図を広げている観光客。

活動場所: 8区 シャンゼリゼ通り, 9区 オペラ地区, 8区 凱旋門周辺, 1区 ヴァンドーム広場

活動時間: 夕方から夜間(16:00-22:00)

手口:

一人が旅行者に道を尋ねるなどの役割で近づき、その直後に「警察だ」と名乗る別の男たちが現れます。偽の警察バッジを提示し、「最近このエリアで偽造紙幣や薬物の取引が多発している。所持品を検査させろ」と威圧的に要求します。財布の中身を確認するふりをして、ターゲットが目を離した一瞬の隙に、熟練した手さばきで高額紙幣を抜き取ります。彼らは非常に礼儀正しく、あるいは逆に非常に厳格に振る舞い、本物の警察官であると信じ込ませる心理戦を得意としています。

対策:

フランスの警察官が路上で正当な理由なく財布の中身(現金)を確認することはまずありません。提示を求められたら、まずは顔写真付きのプラスチック製警察官身分証(Carte de police)の提示を求めてください。疑わしい場合は「近くの警察署(Commissariat)まで一緒に行く」とはっきり伝えましょう。本物の警察官であればこの提案を拒否しません。また、いかなる場合も路上で財布を他人の手に渡してはいけません。不審に思ったら周囲に助けを求めるか、17番(警察)に通報する仕草を見せてください。

ミサンガ強引売りつけ集団

Friendship Bracelet Scammers

脅威度: やや低 頻発

グループ規模: 5-10人の屈強な男性グループ

ターゲット: モンマルトルの階段を登ろうとする観光客、特に断りきれなさそうな若い女性やカップル。

活動場所: 18区 サクレ・クール寺院の階段, 18区 モンマルトルの丘麓

活動時間: 日中(09:00-19:00)

手口:

サクレ・クール寺院へと続く階段付近で待ち構えています。通りかかる観光客の手首を強引に掴み、「友情の証だ」と言いながら数秒でミサンガを編み始めます。一度編み始められると解くのが難しく、完成した後に20ユーロから50ユーロという法外な値段を要求してきます。断ろうとすると周囲にいる仲間が取り囲み、威圧的な態度で支払いを強要します。一人一人は笑顔で近づいてくることもありますが、集団での圧力は非常に強く、精神的な恐怖を与えて金を奪う手口です。

対策:

階段の下で彼らを見かけたら、両手をポケットに入れるか、腕組みをして「絶対に手を出さない」姿勢を見せてください。彼らが近づいてきても決して足を止めず、無視して通り過ぎます。もし手首を掴まれたら、大きな声で「No!」と叫び、すぐに手を振り払ってください。一番の対策は、階段を利用せず、近くにあるケーブルカー(フニキュレール)を利用して山頂まで行くことです。これはメトロの切符1枚で利用可能で、詐欺師との接触を完全に回避できます。

薬物中毒者による暴行

Violence by Drug Addicts

脅威度: 高 時々 武装あり

グループ規模: 単独、または不安定な集団

ターゲット: 夜間の19区周辺やメトロ駅構内を歩く通行人。ターゲットは無差別で、隙がある人物が狙われます。

活動場所: 19区 スターリングラード駅周辺, 18区 ポルト・ド・ラ・シャペル, 10区 パリ北駅外周, メトロ3号線 車内

活動時間: 終日(特に深夜 22:00-05:00)

手口:

近年、パリ北東部(スターリングラード、ポルト・ド・ラ・シャペル周辺)では「クラック」と呼ばれる安価で強力な薬物の中毒者が急増しています。彼らは極めて精神的に不安定で、金銭目的だけでなく、幻覚や被害妄想から突発的に通行人を襲撃することがあります。2025年末から2026年初頭にかけて、メトロ3号線やRER A線で発生した無差別暴行や刺傷事件の多くが、これら中毒者やホームレスによるものと分析されています。予測不可能な行動が最大の特徴で、ナイフやハンマー、素手での顔面殴打など、暴力の質が極めて高いのが特徴です。

対策:

最も重要なのは、彼らが多く滞在する特定のエリア(18区・19区の特定駅周辺)に夜間近づかないことです。もしメトロ車内や駅構内で、独り言を言っている、不自然に揺れている、目がうつろであるといった人物を見かけたら、すぐにその車両や場所を離れてください。絶対に目を合わせてはいけません。彼らの多くは刺激に敏感です。また、最近の事件では背後からの襲撃も報告されているため、夜間の移動は必ず周囲に人がいる場所を選び、可能な限りタクシーや配車アプリを利用してください。

スクーター利用ひったくり

Scooter Snatchers

脅威度: やや高 時々

グループ規模: 2人乗りスクーター

ターゲット: 歩道でスマートフォンの地図を見ている人、あるいは道路側にバッグを下げて歩いている旅行者。

活動場所: 8区 シャンゼリゼ通り周辺, 16区 トロカデロ周辺, 4区 マレ地区, 9区 グラン・ブールヴァール

活動時間: 終日(特に人通りの少ない時間帯)

手口:

2人乗りのスクーターが歩道ギリギリを走行、あるいは歩道に乗り上げ、背後から音もなく近づきます。ターゲットが手に持っているスマートフォンや、肩にかけているバッグを走り抜けざまに奪い去ります。後部座席の人間が奪う役割を担い、運転手は即座に路地や交通の激しい車道へ逃走します。一瞬の出来事であるため、犯人の人相やナンバープレートを確認することは困難です。近年は高級腕時計を狙った「腕ごと掴んで奪う」暴力的なケースも報告されています。

対策:

路上でスマートフォンを操作する際は、建物側に体を向け、周囲の音(スクーターのエンジン音)に注意を払ってください。バッグは必ず道路側とは反対の肩にかけ、斜めがけにするのが基本です。歩道を歩く際も、できるだけ建物寄りを歩くようにしましょう。また、歩きスマホはターゲットにされる可能性を劇的に高めます。地図を確認したい場合は、一度カフェやショップの中に入るか、壁を背にして安全を確認してからにしてください。高級な時計やジュエリーは、パリの路上では極力露出させないことが賢明です。

汚れ付着装いスリ(ケチャップ泥棒)

Distraction/Smear Scam

脅威度: やや低

グループ規模: 2-3人組

ターゲット: 大きなスーツケースを持った空港からの到着客や、荷物の多い家族連れ。

活動場所: 10区 パリ北駅・東駅構内, RER B線 車内, 1区 シャトレ駅周辺

活動時間: 日中(10:00-17:00)

手口:

ターゲットの衣服にケチャップやマヨネーズ、あるいは鳥の糞に見せかけた液体をこっそりかけます。その後、通りがかりの善意の第三者を装い、「服が汚れていますよ」と親切に声をかけます。ターゲットが驚いて荷物を置き、汚れを確認している間に、ティッシュで拭くふりをして注意を逸らし、その隙にもう一人の仲間が足元の荷物を持ち去ります。非常に古典的な手口ですが、パニック状態に陥りやすい旅行者には今なお有効な手法として使われています。

対策:

路上で誰かに「汚れている」と指摘されても、決してその場で立ち止まったり荷物を置いてはいけません。相手にせず「No, thank you」と言ってそのまま歩き続け、近くのホテルやレストランなど、安全な建物の中に入ってから汚れを確認してください。もし相手が勝手に拭こうとしてきたら、強く拒絶して距離を置いてください。見知らぬ人間が突然近づいてきて親切を装う場合、パリではまず疑ってかかるのが鉄則です。常に荷物から手を離さない意識を持ちましょう。

ATM操作妨害窃盗団

ATM Distraction Gangs

脅威度: 中 時々

グループ規模: 3-4人の少年グループ

ターゲット: 路上に設置されたATMで現金を引き出そうとしている外国人観光客。

活動場所: 10区 北駅周辺のATM, 18区 バルベス地区, 1区 シャトレ広場周辺

活動時間: 日中および夕方(09:00-20:00)

手口:

ターゲットがATMでカードを挿入し、暗証番号を入力するタイミングで、突然周囲を少年たちが取り囲みます。新聞紙や地図を画面の前に突き出したり、無理やりボタンを押したりして混乱させます。ターゲットが戸惑っている隙に、現金が払い出されるのを待ち構えて奪うか、暗証番号を盗み見てカード自体を奪い取ります。彼らは非常に素早く、数秒で犯行を終えて逃走します。物理的な暴力よりも、集団で騒ぎ立てることで判断力を奪う手法を好みます。

対策:

路上に露出しているATMは極力利用せず、銀行の建物内にある、二重ドアやセキュリティのついたATMを利用してください。どうしても路上で利用せざるを得ない場合は、周囲に不審なグループがいないか徹底的に確認し、できれば同行者に背後を警戒してもらってください。操作中に誰かが近づいてきたら、即座にキャンセルボタンを押し、カードを回収してその場を離れてください。彼らは「助けてあげる」という名目で近づくこともありますが、一切の干渉を許してはいけません。

時間帯別リスク評価

パリの治安は時間帯によって性質が劇的に変わります。日中は『狡猾な盗難』への警戒、夜間は『暴力的な犯罪』への回避が鍵となります。特に23時以降は、たとえ中心部であっても路地一本入るだけで危険度が跳ね上がるため、常に明るい大通りを歩くか車両移動を徹底してください。

早朝

やや安全

05:00-08:00

早朝は清掃車や通勤客が動き出す時間帯で、観光地自体は比較的安全です。しかし、パリ北駅や東駅などのターミナル駅周辺、およびRER B線の車内では、浮浪者や深夜から活動を続けている不審者が残っていることがあり、注意が必要です。特に地下鉄駅の死角となる場所や、人通りの少ない路地では、ホームレスとの予期せぬ遭遇や薬物中毒者による偶発的なトラブルのリスクがあります。この時間はまだ多くの商店が閉まっており、逃げ込める場所が少ない点にも留意してください。

脅威:

  • ・駅周辺の浮浪者
  • ・薬物中毒者との接触
  • ・地下鉄駅の死角でのひったくり
  • ・ホームレスによる執拗な物乞い

推奨:

  • ・主要ターミナル駅での単独歩行を避ける
  • ・開いているカフェやキオスクの近くを歩く
  • ・不審なキャンプがある公園には近づかない
  • ・タクシー利用時は公式アプリで配車する

日中

やや安全

08:00-18:00

日中の最大のリスクは、観光客を狙った組織的な軽犯罪です。エッフェル塔、ルーブル美術館、モンマルトルなどの過密地域では、署名詐欺やミサンガ詐欺、金の指輪詐欺といった古典的ながら狡猾な手口が横行しています。また、地下鉄1号線やRER A線などの観光路線では、プロのスリ集団がグループで活動しており、ターゲットを囲い込んで注意を逸らす『挟み込み』が多発します。全体的に身体への暴力リスクは低いですが、所持品への警戒を1秒たりとも解いてはいけない時間帯です。2025年以降、公共の場での無差別暴行の報告も少数あるため、周囲の状況変化には常に気を配る必要があります。

脅威:

  • ・署名詐欺(偽のボランティア)
  • ・ミサンガ詐欺(腕に紐を巻く)
  • ・プロ集団による地下鉄でのスリ
  • ・金の指輪詐欺(拾ったふり)

推奨:

  • ・カバンは必ず体の前に抱える
  • ・話しかけてくる見知らぬ人はすべて無視する
  • ・スマートフォンを歩きながら長時間見ない
  • ・署名やアンケートには絶対に応じない

夕方〜夜

注意

18:00-23:00

夕食時のカフェやレストラン、賑わう繁華街での『置き引き』がピークに達します。椅子の背もたれにかけたバッグや足元の荷物を、食事に集中している隙に持ち去る手口が一般的です。また、地下鉄の混雑が激しくなり、ドアが閉まる瞬間にスマホをひったくる『スマッシュ・アンド・グラブ』が増加します。オペラ地区やシャンゼリゼ通りなどの明るい場所でも、酔客や若者のグループによる小競り合いが発生しやすくなります。テロ警戒レベルが最高水準にある現在、ショッピングセンターや主要駅での不審物騒ぎに伴うパニックにも警戒が必要です。

脅威:

  • ・レストラン内での置き引き
  • ・地下鉄ドア際でのスマホひったくり
  • ・酔っ払いによる迷惑行為
  • ・デモや集会に伴う混乱

推奨:

  • ・荷物は膝の上か、体の一部に触れる位置に置く
  • ・地下鉄のドア付近ではスマホを使わない
  • ・デモ隊や抗議集会を見かけたら即座に離れる
  • ・財布をテーブルの上に置かない

深夜

警戒

23:00-05:00

深夜は対人暴力犯罪のリスクが大幅に上昇します。特に18区、19区の特定エリア(Stalingrad, Porte de la Chapelleなど)やパリ北駅周辺では、薬物取引が公然と行われており、観光客が迷い込むのは極めて危険です。2025年後半から2026年にかけて、深夜の地下鉄駅やRER車内での無差別暴行や刺傷事件が相次いで報告されています。また、性的暴行の認知件数も増加傾向にあり、女性の独り歩きは距離の長短に関わらず厳禁です。歓楽街のピガール地区では、ぼったくりバーや客引きによるトラブルも後を絶ちません。移動はドア・ツー・ドアのタクシーが唯一の安全な選択肢となります。

脅威:

  • ・ナイフ等による強盗・刺傷事件
  • ・性的暴行(特に人通りのない路地)
  • ・薬物中毒者による暴発的暴力
  • ・ぼったくりバーでの高額請求

推奨:

  • ・深夜の地下鉄およびRERの利用を避ける
  • ・必ず公認タクシー(G7)またはUberを利用する
  • ・18・19・20区の暗い路地には絶対に入らない
  • ・見知らぬ人からの飲食物の提供を断る(睡眠薬強盗対策)

旅行者タイプ別アドバイス

女性一人旅

★★★☆☆

パリは女性一人でも楽しめる都市ですが、近年は性的暴行や嫌がらせ(カト・コーリング)の増加が懸念されています。特に夜間の地下鉄や人通りの少ない路地では注意が必要です。外見や服装で『狙いやすい観光客』と判断されないよう、周囲に馴染む服装を心がけ、毅然とした態度を保つことが重要です。また、公共交通機関での過度な密着や不自然に近づいてくる男性には警戒を強めてください。宿泊先は治安の安定した6区や15区を選び、夜間の移動は必ずタクシーを利用しましょう。

特有のリスク:

  • ・深夜の地下鉄や路地での性的暴行
  • ・過度なナンパやつきまとい行為
  • ・バー等でのドリンクスパイキング(薬物混入)
  • ・署名詐欺グループによる囲い込み

推奨事項:

  • ・夜22時以降は必ずタクシー(G7アプリ等)を利用する
  • ・不審な声かけには一切応じず、無言で立ち去る
  • ・華美なブランド品や宝石の露出を控える
  • ・常にスマートフォンのGPSで現在地を把握する
  • ・カフェでは壁側の席を選び、周囲を見渡せるようにする
  • ・信頼できるホテルを選び、ロビーでも荷物から手を離さない

避けるべきエリア:

深夜の10区・18区(北駅周辺), 19区の運河沿いの暗い場所, ブローニュの森(夜間)

おすすめ宿泊エリア: 6区、7区、15区の24時間レセプション完備のホテル

家族連れ

★★★★☆

パリは子供に優しい側面もありますが、ベビーカー利用時の地下鉄移動は階段が多く困難を極め、その隙を狙ったスリが頻発します。子供が騒いでいる時や、親の注意が子供に向いている瞬間は、窃盗集団にとって絶好のチャンスです。子供を狙った署名詐欺集団(同年代の少女グループ)にも警戒してください。小児救急体制は整っていますが、事前にネッカー小児病院などの場所を確認しておくことが安心に繋がります。混雑した観光地よりも、15区やリュクサンブール公園周辺など、ゆったりとした住宅街を拠点にすることをお勧めします。

特有のリスク:

  • ・ベビーカー移動中の荷物抜き取り
  • ・子供の不注意な行動に乗じた親へのスリ
  • ・偽の児童支援を騙る署名詐欺
  • ・混雑したメトロでの迷子

推奨事項:

  • ・貴重品は親が腹巻式の貴重品入れに分散させる
  • ・地下鉄よりも移動時間が読みやすいバスを活用する
  • ・子供には親の連絡先を書いたカードを持たせる
  • ・署名活動をしている子供の集団には絶対に近づかない
  • ・公園では遊具付近で見守り、荷物をベンチに置いたままにしない
  • ・緊急時のため、日本語が通じる医療機関を即座に呼べるようにしておく

避けるべきエリア:

シャトレ駅の巨大な地下通路, 深夜のモンマルトル麓エリア, 18区バルベス地区の露店街

おすすめ宿泊エリア: 15区や16区のアパルトマン、またはファミリールームのあるホテル

ビジネス

★★★★☆

ビジネス旅行者は、高級なスーツやブランド時計、最新のノートパソコンを持っていることから、組織的な窃盗団の標的になりやすい傾向があります。特にホテルのロビーでのチェックイン・アウト中、展示会場付近、空港からのタクシー内での被害が目立ちます。2025年以降、偽警察官による検問を装った現金奪取も報告されています。公式タクシー以外の呼びかけには絶対に応じず、移動中も業務に集中しすぎず周囲への警戒を怠らないでください。また、最近では出入国システム(EES)の導入により空港での待ち時間が長くなっているため、スケジュールには余裕を持つ必要があります。

特有のリスク:

  • ・ホテルロビーでの一瞬の隙を突いた鞄盗難
  • ・展示会会場周辺でのスリ・スマホ奪取
  • ・非公式タクシー(白タク)による高額請求
  • ・偽警察官による身分証・財布の提示要求

推奨事項:

  • ・空港からの移動は、定額制の公式タクシー乗り場のみを利用する
  • ・ホテルロビーでは荷物を常に足の間に挟むか手で持つ
  • ・公共の場で社外秘の書類やPC画面を露出させない
  • ・私服警察官を名乗る者には、警察署への同行を逆提案する
  • ・会食後の深夜帰宅は、店にタクシーを呼んでもらう
  • ・環境規制ステッカー(Crit'Air)のないレンタカーの利用を避ける

避けるべきエリア:

パリ北駅の深夜のホーム, デモが予定されているレピュブリック広場周辺, ラ・デファンス地区の夜間の人通りが少ない地下通路

おすすめ宿泊エリア: 8区、9区、またはラ・デファンス周辺のビジネス向け高級ホテル

バックパッカー

★★☆☆☆

予算を抑えるために安宿が多い10区、18区、19区に滞在する傾向がありますが、これらのエリアはパリで最も治安が不安定な地区です。ドミトリー内での盗難、夜間の路上での強盗、RER B線(空港路線)での組織的スリに遭遇するリスクが非常に高いです。特に『三つ杯ゲーム』などの路上賭博は、サクラに釣られて参加した瞬間に金を奪われるか、背後から別の仲間にスリに遭います。最新の治安ニュースをチェックし、危険とされている路地や駅を事前に把握しておく知識武装が、命と貴重品を守る唯一の手段です。2026年現在はテロ警戒が最高水準のため、不審物に近づかないことも鉄則です。

特有のリスク:

  • ・ドミトリー内での貴重品盗難
  • ・路上賭博(三つ杯ゲーム)による詐欺被害
  • ・深夜のRER B線・D線での強盗
  • ・薬物取引現場への意図しない迷い込み

推奨事項:

  • ・RER B線を利用する際は、必ず中間の車両に乗る
  • ・宿のロッカーには必ず持参した頑丈な南京錠をかける
  • ・スマートフォンの予備バッテリーを持ち、常に連絡手段を確保する
  • ・路上で署名を求められたり、物を押し付けられたら即座に立ち去る
  • ・夜間は一人で歩かず、宿の信頼できる仲間と行動する
  • ・警察からの職務質問に備え、常にパスポートのコピーを携帯する

避けるべきエリア:

Porte de la Chapelle(極めて危険), Stalingrad駅周辺の薬物使用エリア, 深夜のバルベス=ロシュシュアール駅

おすすめ宿泊エリア: 5区(カルチエ・ラタン)周辺の評価の高いホステル

安全な宿泊エリア

6区(サン・ジェルマン・デ・プレ)

★★★★★

パリで最も安全とされる文教地区です。名門校や老舗カフェが立ち並び、夜遅くまで人通りがあるため、女性一人旅やシニア層でも安心して歩けます。高級感があり、観光の拠点としても非常に利便性が高いエリアです。夜間の独り歩きも概ね可能で、治安の安定度は市内最高水準です。

価格帯: 35,000円-70,000円
観光地: ルーブル美術館まで徒歩15分
交通: メトロ4, 10号線

例: Hotel d'Aubusson, Hotel Bel Ami

15区(ヴォージラール/コンヴァンシオン)

★★★★★

中流階級の家族連れが多く住む落ち着いた住宅街です。派手な観光名所は少ない分、犯罪発生率が低く、警察のパトロールも頻繁に行われています。静かな滞在を望む旅行者や、長期滞在者に最適です。生活圏として完成されており、スーパーや商店も充実していて夜間も治安が安定しています。

価格帯: 20,000円-40,000円
観光地: モンパルナスタワーまでメトロで10分
交通: メトロ6, 8, 12号線

例: Hotel Wallace, Le Parisis - Paris Tour Eiffel

7区(エッフェル塔/インヴァリッド)

★★★★★

政府機関や大使館が集中するエリアで、警備体制が極めて厳重です。エッフェル塔至近でありながら、住宅街としての顔も持ち合わせています。オリンピック以降、警察の常駐パトロールが強化されており、スリや詐欺への警戒も行き届いています。ビジネスや新婚旅行など、安全性を最優先する場合に強く推奨されます。

価格帯: 40,000円-90,000円
観光地: エッフェル塔まで徒歩5-10分
交通: メトロ6, 8, 9号線, RER C線

例: Hôtel Juliana Paris, Pullman Paris Tour Eiffel

4区(マレ地区)

★★★★☆

歴史的な街並みとお洒落なショップが並ぶ人気エリアです。LGBTQ+フレンドリーな文化があり、多様性に富んでいます。深夜まで営業しているバーやカフェが多く、常に人の目があるため、夜間も比較的安全に移動できます。ただし、観光客が非常に多いため、混雑時のスリには一定の注意が必要です。

価格帯: 30,000円-60,000円
観光地: ノートルダム大聖堂まで徒歩10分
交通: メトロ1, 4, 7, 11号線

例: Cour des Vosges, Hôtel de JoBo

16区(パッシー周辺)

★★★★★

パリ有数の高級住宅街で、非常に穏やかで静かな滞在が可能です。トロカデロ広場に近い観光エリアと、閑静な住宅街が明確に分かれており、居住エリア側は犯罪と無縁に近い環境です。観光客への直接的な危害は極めて少ないですが、夜間は人通りが極端に少なくなるため、タクシーの利用がスムーズな場所を選ぶのがコツです。

価格帯: 45,000円-150,000円
観光地: 凱旋門までメトロで10分
交通: メトロ6, 9号線

例: Shangri-La Paris, Brach Paris

交通機関の安全情報

地下鉄・メトロ

パリ・メトロは非常に便利ですが、犯罪の温床でもあります。特に1号線、4号線、13号線はスリと強盗の要注意路線です。1号線は観光地を結ぶためプロのスリ集団が、13号線は常に激しく混雑しており、密着状態での窃盗が多発します。最近のトレンドとして、停車寸前にドア付近の乗客からスマホを奪って逃げる「閉扉際ひったくり」が急増しています。深夜23時以降、10区、18区、19区を通る路線の利用は避けるか、必ず車両の中ほどに座り、周囲を警戒してください。また、駅構内の死角(長い連絡通路など)での強盗被害も報告されています。

タクシー・配車アプリ

空港や主要駅での「白タク(無許可営業)」による被害が絶えません。彼らは「Taxi?」と親切に声をかけてきますが、到着後に法外な料金(正規の3〜4倍)を請求し、支払わないと脅迫的な態度を取ります。必ず正規のタクシー乗り場(Taxiロゴの看板がある場所)から乗車するか、公式アプリ「G7」を利用してください。Uberなどの配車アプリも一般的ですが、身元の確かさではG7が勝ります。2026年現在、空港からパリ市内までは右岸56ユーロ、左岸65ユーロの固定料金制であることを覚えておき、乗車前に確認してください。

バス

バスはメトロよりもスリが少なく、車窓から景色が見えるため初心者には比較的安全な移動手段です。ただし、混雑している車内ではバッグを前に抱える等の基本対策は必要です。夜間(0時半以降)は「Noctilien(ノクティリアン)」という深夜バスが運行されますが、利用客の層が悪くなり、酔っ払いや不審者との遭遇率が高まります。特に北駅やシャトレ発の深夜バスは、トラブルに巻き込まれるリスクがあるため、女性の一人利用は推奨されず、タクシーの利用が強く推奨されます。

徒歩・自転車

パリは徒歩観光が楽しい街ですが、10区、18区、19区、20区の特定エリアは日中でも注意が必要です。特にバルベスやポルト・ド・ラ・シャペル周辺は、薬物取引や浮浪者が多く、雰囲気が非常に悪いです。自転車(Vélib)の利用も盛んですが、スマートフォンのナビに気を取られている間のスマホひったくりや、信号待ち中のバッグ強奪に注意してください。夜間の独り歩きは、街灯の少ない路地を避け、大通りを選ぶことが基本です。15区や16区、6区などの治安が良いとされる地区でも、深夜の独り歩きには常に背後の警戒を怠らないでください。

空港からのアクセス

シャルル・ド・ゴール(CDG)空港から市内へのRER B線は、大きな荷物を持った観光客を狙った組織的窃盗団の主戦場です。特にパリ北駅(Gare du Nord)までの区間は治安が悪く、網棚に置いた荷物が停車時に盗まれる事件が多発しています。2026年現在はロワシーバス(RoissyBus)や定額制タクシーの利用が最も推奨されます。RERを利用せざるを得ない場合は、必ず荷物を手元から離さず、寝込まないようにしてください。また、到着ロビーでの客引きは100%詐欺ですので、無視して「Taxi」の青い誘導ラインに従ってください。

緊急連絡先

17
警察
15
救急
18
消防
112 (欧州共通・多言語対応)
観光警察

パリでの緊急時は、欧州共通の『112』を覚えておきましょう。警察(17)、救急(15)、消防(18)へ繋がります。特に怪我や病気の際、日本人は『パリ・アメリカン・ホスピタル』の日本語セクションが最も信頼できます。盗難時は、最寄りの警察署(Commissariat)へ行き、保険請求用の『Plainte(被害届)』を作成してください。大使館は8区にあり、パスポート紛失などの事務手続きや、重大事件のサポートを行っています。深夜の移動やトラブル時は、迷わずG7タクシー等の公式アプリで安全を確保してください。

日本国大使館・領事館

名称: 在フランス日本国大使館

住所: 7 Avenue Hoche, 75008 Paris

電話: 01 48 88 62 00

メール: [email protected]

パリの治安に関するよくある質問

パリの治安は良い?悪い?

総合スコアは64点と、観光地としての魅力は高い一方、軽犯罪の発生率は極めて高いのが現状です。近年は暴力犯罪や殺人未遂も増加傾向にあり、エリアによって治安の良し悪しが明確に分かれています。観光拠点では警備も強化されていますが、常に警戒を怠らないことが求められます。

パリで危険なエリアはどこ?

特に18区・19区のPorte de la ChapelleやStalingrad周辺は薬物中毒者や不法滞在者のキャンプがあり、暴力犯罪が多発する極めて危険なエリアです。また、北駅(Gare du Nord)やシャトレ駅、モンマルトルの階段付近もスリや強引な詐欺が多いため注意が必要です。

パリ旅行はやばい?本当に行って大丈夫?

適切な対策を講じれば訪問可能ですが、2026年現在はメトロ車内での刺傷事件など「やばい」状況も一部で発生しています。特に北東部の特定スポットは『ノーゴーゾーン』化しており、危険エリアを事前に把握し立ち入らないことが、安全に旅行を楽しむための必須条件です。

パリは女性一人でも怖くない?

性的暴行事件が前年比12%増と深刻化しており、女性の夜間独り歩きは非常に怖く、危険を伴います。特にシャトレ駅周辺や夜の繁華街では注意が必要です。夜間の移動は公共交通機関を避け、信頼できるタクシーや配車アプリを利用し、人通りの少ない路地には絶対に入らないでください。

パリでスリに遭わないための対策は?

バッグは常に体の前に持ち、ファスナーを手で押さえる習慣を。特にメトロのドア付近ではスマホを出さないことが重要です。また、署名活動を装うグループには絶対に近づかず、声をかけられても無視を徹底してください。多額の現金や貴重品は持ち歩かないのが基本です。

パリで多い詐欺の手口は?

偽の署名活動によるスリ、偽警察官による所持品検査を装った窃盗、モンマルトルでの強引なミサンガ売りなどが代表的です。警察を名乗る人物に財布を見せろと言われても安易に応じず、不自然な接触には常に疑いの目を持ち、毅然とした態度で拒絶することが大切です。

パリで日本人が巻き込まれやすい犯罪は?

最も多いのはスリやひったくりですが、近年は刃物を用いた強盗や無差別暴行、性的暴行といった深刻な犯罪に巻き込まれるリスクも高まっています。日本人は多額の現金を持っている、抵抗しないと思われやすく、ターゲットになりやすいため、隙を見せない行動が重要です。

パリ旅行で注意すべきことは?

メトロ3号線やRER A線など特定の路線内での刺傷事件に警戒し、不審な人物には近づかないこと。また、7区や16区のような安全なエリアと、18区以降の危険なエリアが隣接しているため、常に現在地の治安レベルを意識して行動することが、トラブルを避ける最大のポイントです。

パリで起こりやすいトラブルは?

メトロ閉扉際のスマホひったくりや、観光地でのミサンガ売りつけによる金銭トラブルが頻発しています。また、北東部では薬物中毒者による威嚇や突発的な攻撃といったトラブルも増えており、精神的に不安定な人物を見かけたら即座にその場を離れることが賢明です。

パリで被害に遭ったらどうする?

緊急時は警察(17番)に連絡。盗難被害時は最寄りの警察署で「盗難届(Procès-Verbal)」を作成してもらう必要があります。これは保険請求やパスポートの再発行に必須です。パスポート紛失時は、1区にある在仏日本大使館へ連絡し、必要な手続きを行ってください。

パリの治安詳細

パリの治安概要

パリの治安は2026年現在、総合スコア64点と評価されます。世界最大の観光都市としての魅力は健在ですが、警察力の維持にもかかわらず、暴力犯罪の質が悪化している点は大きな懸念です。テロ警戒レベルも最高水準が継続しており、エリアごとの安全格差が「二極化」しています。富裕層が多く住む7区や16区は比較的安定していますが、18区・19区などの北東部や主要ターミナル駅では、依然として高い警戒が必要です。

パリは危険?やばい?

一部のエリアは、観光客にとって非常に「やばい」状況にあります。特にPorte de la ChapelleやStalingrad周辺は薬物問題が深刻化し、中毒者による突発的な暴行や強盗が頻発しています。また、メトロ3号線やRER A線では2025年以降、刃物を使った刺傷事件が相次いでおり、公共交通機関の利用にも緊張感が必要です。これらの危険エリアは「ノーゴーゾーン」として、昼夜問わず立ち入らないことを強く推奨します。

パリは怖い?一人旅でも大丈夫?

女性一人旅や初めてのパリ訪問において、夜間の行動には強い「怖い」という直感を持って正解です。性的暴行事件は前年比12%増加しており、特にシャトレ駅周辺や夜の繁華街での被害が深刻です。一人での夜歩きは極力避け、移動には正規のタクシーや信頼できる配車アプリを利用してください。また、人通りが少ない路地や、雰囲気が悪いと感じた場所からは、すぐに引き返す勇気を持つことが身を守ることに繋がります。

スリ・詐欺・犯罪の実態

犯罪の具体的手口として、署名活動を装い注意を引く隙に鞄を漁るスリ集団、メトロが閉まる瞬間にスマホを奪う閉扉際強盗が日常的に発生しています。さらに巧妙なものとして、偽の警察バッジを見せて所持品検査を行い、中身を抜き取る偽警察官詐欺も報告されています。近年は、これらに加え薬物中毒者による無差別な刺傷や暴行といった暴力的な手口が目立っており、単なる「盗難対策」だけでは不十分な、対人犯罪への警戒が必要なフェーズに入っています。

パリ旅行で注意すべきポイント

旅行者が特に注意すべきは、メトロ利用時のスマホ操作です。ドア付近ではひったくり被害が激しいため、操作を控えるか、しっかりと握り込む必要があります。また、モンマルトルなど観光地でのミサンガ詐欺には「NO」を突き通し、絶対に体に触れさせないこと。さらに、宿泊先を選ぶ際は、治安の悪い18区・19区・20区を避け、比較的安全とされる中心部や左岸エリア(5〜7区、15〜16区)を選ぶことが、トラブル回避の第一歩となります。

よくあるトラブル事例

実際のトラブル事例として、メトロ3号線内で突然見知らぬ男に刃物で威嚇されたケースや、サクレ・クール寺院の階段で強引にミサンガを腕に巻かれ、周囲を数人に囲まれて50ユーロを脅し取られた事例があります。また、署名活動を断っている間にリュックサックの中身を全て盗まれたり、親切に道を教えてくれた偽警察官に財布を盗られたりと、一瞬の隙を突かれた被害が絶えません。

被害に遭った場合の対応

万が一被害に遭った場合は、直ちに現地の警察(番号:17)へ通報してください。盗難被害の場合は、警察署で発行される被害届(Procès-Verbal)が、帰国後の保険請求やパスポートの再発行手続きに不可欠です。パスポートを紛失・盗難された場合は、1区にある在仏日本国大使館へ足を運び、「帰国のための渡航書」などの申請を行ってください。常に緊急連絡先や大使館の場所を控え、クレジットカードの停止連絡先も控えておくことが重要です。

その他の情報

ベストシーズン

安全面の観点からは、日が長く気候も安定している5月から6月、および9月から10月がベストです。21時過ぎまで明るいため、夜間の視界が確保しやすく、心理的な不安も軽減されます。一方で、12月のクリスマスマーケット時期は華やかですが、非常に混雑するためスリ被害のピークとなります。1月から2月は日が短く17時には暗くなるため、夜間の治安リスクを考慮した早めの帰宅が求められます。2026年は市議会選挙等の政治イベントが予定されており、週末のデモが頻発する可能性があるため、渡航直前の情勢確認が欠かせません。

言語のヒント

パリでは挨拶が全ての鍵です。店に入った時は必ず『Bonjour(ボンジュール)』、出る時は『Au revoir(オ・ルヴォワール)』と言ってください。これを欠くと、サービスが冷淡になるだけでなく、トラブル時の警察対応にも影響します。拒絶ははっきりと『Non merci(ノン・メルスィ / 結構です)』と言い、目を合わせないことが重要です。緊急時は『Aidez-moi!(エデ・モワ! / 助けて)』または『Au voleur!(オ・ヴォルール! / 泥棒)』と叫んでください。警察を呼びたいときは『Appelez la police(アプレ・ラ・ポリス)』が有効です。英語も通じますが、フランス語での最初の一言が相手の態度を和らげ、結果として安全確保に繋がります。

文化・マナー

フランスには『公共の場での顔の被覆を禁じる法律』があり、宗教的なベールや過度なマスク着用が制限される場合があります。また、警察官への身分証提示は義務であり、拒否すると拘束される可能性があるため、パスポートのコピー(または原本)は常に携帯してください。カフェやレストランのテラス席では、テーブルの上にスマホを置くことは『盗ってください』と言っているのと同じです。また、地下鉄での通話や、大きな声で日本語を話すことは、スリに対して自分の注意が散漫であることを知らせる行為になります。周囲に溶け込む(ローカルを装う)ことが、最も効果的な防犯対策の一つです。

データソース

公的機関

参考サイト