アルゼンチン / Argentina

渡航安全レポート

最終更新: 2026年1月17日
64
安全スコア
C
身体的安全
B
医療・衛生
C-
詐欺・スリ
B
テロリスク

総合評価

マクロ経済は安定化の兆しを見せていますが、依然として高い貧困率を背景とした強盗・窃盗が都市部で多発しています。特に観光客を狙った組織的な犯罪やロサリオ市などの特定地域での治安悪化が懸念されており、十分な警戒が必要です。政治的なデモによる交通網の遮断にも注意し、移動には配車アプリの利用を強く推奨します。

身体的安全 (C)

南米では殺人率は低い方ですが、都市部では銃器や刃物を用いた強盗が頻発しています。特に二人乗りバイクによる強奪や集団で囲む手口が目立ち、抵抗すると重大な身体被害に遭うリスクがあります。常に周囲を警戒し貴重品の管理を徹底するとともに、不審な接近には細心の注意を払う必要があります。

医療・衛生 (B)

大都市の私立病院は先進国水準ですが、2025年7月から外国人観光客には高額な医療費をカバーする海外旅行保険の加入が義務化されました。地方では医療資源が限定的であり、北部ではデング熱、南部ではハンタウイルスのリスクがあるため感染症対策が不可欠です。水道水はボトル入りの水の利用を推奨します。

詐欺・スリ (C-)

旅行者を狙った詐欺が巧妙化しています。代表的なケチャップ強盗やタクシーでの偽札すり替え、マッチングアプリを利用した睡眠薬強盗が多発しています。並行レートに関連した両替詐欺も根強く、観光客は経済的損失を被りやすい環境にあるため、見知らぬ人物からの親切な声掛けには極端な警戒が必要です。

テロリスク (B)

過去に大規模テロを経験しており、治安当局による監視体制は維持されています。2026年1月には特定の過激派組織をテロ組織に指定するなど警戒を続けていますが、差し迫った脅威は比較的低いと評価されます。ただし、中東情勢の影響を受けやすいユダヤ系施設や宗教施設周辺では、突発的な事案への注意が必要です。

最新インテリジェンスレポート

アルゼンチンは、ミレイ政権による急速な経済安定化策により、2025年末のインフレ率が大幅に低下するなど改善が見られます。しかし、依然として人口の約半数が貧困層に属しており、これが窃盗や強盗といった財産犯罪の背景となっています。主要観光地であるブエノスアイレスでは、日本人を含む外国人旅行者を狙ったケチャップ強盗やスマートフォンひったくりが多発しており十分な注意が必要です。また、ロサリオ市では麻薬組織間の抗争による凶悪犯罪が集中しており特定の地域への立ち入りは避けるべきです。一方で主要な自然観光地は比較的安全に運営されていますが、頻発する政治的なデモやストライキによる交通網の遮断が移動計画に影響を及ぼす可能性があります。

背景分析

2023年末に発足したミレイ政権は、リバタリアン的な急進的経済改革を断行し、数十年続いたハイパーインフレの抑制に成功しました。2025年10月の中間選挙での勝利により政権基盤は強化され、米国からの大規模支援やビザ免除プログラムへの再加入など、国際的な信頼も回復傾向にあります。しかし、この改革に伴う公的サービスの削減や労働法改正は強力な労働組合による激しい反発を招いており、ブエノスアイレス中心部ではゼネストや道路封鎖が不定期に発生しています。社会的な緊張は依然として高く、特に経済格差の拡大が都市部周辺の貧民街を拠点とする犯罪グループの活動を助長しています。治安面では政府がハイテク警察ユニットの導入や麻薬撲滅作戦を強化していますが、ロサリオなどの特定の都市では組織犯罪の根絶には至っておらず、偶発的な銃撃戦に巻き込まれるリスクも残っています。日本との関係は伝統的に友好であり、対日感情も良好ですが、犯罪者は日本人の無警戒さを熟知しているため注意が必要です。

重要ポイント

  • 2025年7月より2万ドル以上の補償がある医療保険の加入が外国人観光客に義務化された。
  • スマートフォンの路上使用は厳禁。二人乗りバイクによるモトチョロスが瞬時に奪い去る。
  • ケチャップ強盗は複数人の組織的犯行。汚れを指摘されても絶対に立ち止まらず現場を離れること。
  • 移動には配車アプリUberやCabifyを推奨。流しのタクシーは偽札すり替えのリスクがある。
  • マッチングアプリを介した睡眠薬強盗(ブラック・ウィドウ)が急増しており異性との接触に注意。
  • ロサリオ市は麻薬抗争により治安が極めて悪く、観光目的の立ち入りは控えるべき地域である。
  • 公式レートと観光客向けMEPレートの差は縮小しているが、依然として現金払いで割引く店がある。
  • デモ(ピケテ)はオベリスクや連邦議会議事堂周辺で頻発し、催涙ガスの使用や暴徒化のリスクがある。
  • イグアス周辺や北部への渡航時は、デング熱予防のため強力な忌避剤の使用が不可欠である。
  • パタゴニア地方では乾燥期に山火事が多発し、先住民過激派による過激な活動も報告されている。

各国政府の渡航情報

情報源 警戒レベル
日本外務省 レベル1:十分注意してください
米国国務省 Level 1: Exercise Normal Precautions
英国外務省 Standard travel advice
カナダ政府 Exercise a high degree of caution
ドイツ外務省 Standard-Sicherheitshinweise
フランス外務省 Vigilance normale

地域別リスク評価

ブエノスアイレス中心部

注意が必要リスク

レティーロやラ・ボカ地区での強盗が頻発。デモによる交通混乱が常態化しており、オベリスク周辺の夜間歩行は危険。

ロサリオ市

高度な警戒リスク

麻薬組織間の抗争による殺人や銃撃事件が多発。観光客が直接の標的でなくとも巻き込まれるリスクが非常に高い。

ミシオネス州(イグアス)

比較的安全リスク

観光拠点として管理されているが、デング熱のリスクが高い。国立公園外の夜間の一人歩きは避けること。

パタゴニア(リオ・ネグロ州など)

注意が必要リスク

先住民過激派RAMによる放火や土地不法占拠事件が散発。夏季は大規模な森林火災による道路遮断が発生しやすい。

コルドバ市

注意が必要リスク

学生街や繁華街でのひったくりが多発。夜間の特定の地区では強盗のリスクが増加するため配車アプリ必須。

メンドーサ州

比較的安全リスク

ワイン観光の中心で穏やかだが、地震活動が活発な地域。観光警察の巡回があるが、主要広場周辺のスリに注意。

サルタ・フフイ州

注意が必要リスク

国境付近での薬物密輸が問題化。先住民の権利をめぐる道路封鎖が突発的に発生し、長距離移動が困難になる場合がある。

コンスティトゥシオン地区

高度な警戒リスク

ブエノスアイレス最大のターミナルだが、周辺の治安は極めて悪い。麻薬中毒者による強盗が白昼から発生する。

国内安全マップ

アルゼンチン全体の治安は、マクロ経済の混乱に連動して変動する傾向があります。都市部と地方(パタゴニア等)の治安格差が大きく、観光客の被害の9割以上はブエノスアイレスなどの大都市圏に集中しています。2025年現在、凶悪な殺人事件は減少傾向にあるものの、巧妙な詐欺や財産犯は依然として高止まりしています。渡航者は常に最新のストライキ情報とデモの動向を現地ニュースで確認し、移動手段の確保を最優先に考える必要があります。

危険エリア
注意エリア
安全エリア
危険 ブエノスアイレス・レティーロ駅周辺

巨大スラムVilla 31に隣接し、昼夜を問わずひったくりや強盗が多発。観光客が迷い込むと銃器で脅されるリスクが非常に高い警戒区域です。

リスク: 銃器強盗, ひったくり, 薬物犯罪

危険 ロサリオ市中心部・北部

麻薬組織間の抗争が激化しており、銃撃戦に巻き込まれる恐れがあります。米国政府も注意を喚起している極めて危険なエリアです。

リスク: 銃撃戦への巻き込み, 麻薬犯罪, 凶悪強盗

安全 プエルト・マデロ

ブエノスアイレスで最も安全な再開発地区。警察の監視が非常に厳重で、夜間でも比較的安心して歩くことができます。

リスク: 稀な置き引き, 高額な物価

注意 ラ・ボカ地区(カミニート限定)

観光用の歩道から1ブロック外れるだけで、銃器を持った強盗に襲われるリスクが急増します。指定の観光ルートを決して外れないでください。

リスク: ピラニャ強盗, スリ, 違法ガイド

安全 パレルモ地区

お洒落なショップやレストランが集まる高級エリア。日中は安全ですが、夜間の裏通りではひったくりへの警戒が必要です。

リスク: スマホひったくり, 睡眠薬強盗(バー周辺)

安全 イグアスの滝・プエルトイグアス

主要な観光地で治安は安定していますが、デング熱や野生動物への注意が必要です。観光客を狙った置き引きには注意してください。

リスク: デング熱, 置き引き, 猿による噛みつき

安全 メンドーサ・ワインバレー

比較的治安が良く観光に適しています。ただし地震の多い地域であり、山岳地帯での天候急変には注意が必要です。

リスク: 地震, 車上荒らし

危険 コンスティトゥシオン駅周辺

駅周辺は非常に治安が悪く、昼間でも麻薬依存者による暴力的な強盗が発生。観光客が近づくメリットはありません。

リスク: 暴力強盗, 麻薬取引, 集団スリ

安全 バリローチェ・湖水地方

パタゴニアの拠点で治安は良好。ただし夏季の山火事や、一部過激派の抗議活動による道路封鎖に注意が必要です。

リスク: 森林火災, 道路封鎖

安全 ウシュアイア

世界最南端の都市。凶悪犯罪は極めて少なく安全ですが、過酷な自然環境と急変する天候への備えが重要です。

リスク: 遭難リスク, 天候急変

犯罪・治安情報

犯罪統計

スリ・窃盗

リスク: 5/5

多発エリア: フロリダ通り, 地下鉄車内, サン・テルモ市場, レティーロ駅

手口:

  • ケチャップ強盗
  • エスカレーターでの挟み撃ち
  • レストランでのテーブル置き引き

対策:

  • バッグは必ず体の前に抱える
  • スマホはストラップを付け路上で出さない
  • 見知らぬ人物からの接触は無視する

主要観光都市において最も発生率が高く、被害件数は前年比で微増傾向にあります。

強盗

リスク: 4/5

多発エリア: ラ・ボカ地区裏通り, 夜間の公園, レティーロ駅周辺, ヴィジャ(貧民街)付近

手口:

  • モトチョロス(二人乗りバイク)
  • ピラニャ(集団囲い込み)
  • 銃器またはナイフによる脅迫

対策:

  • 絶対に抵抗せず要求に従う
  • 夜間は必ず配車アプリで移動する
  • 多額の現金を持ち歩かない

強盗の約6割で銃器が使用されており、抵抗した際の死傷率が高いのが特徴です。

詐欺

リスク: 4/5

多発エリア: 路上両替所(クエバ)周辺, タクシー車内, マッチングアプリ, 観光地広場

手口:

  • タクシーでの紙幣すり替え
  • 睡眠薬強盗(ブラック・ウィドウ)
  • 偽警官による財布チェック

対策:

  • 流しのタクシーは避ける
  • マッチングアプリで会う際は公共の場で
  • 私服警官の提示には応じず警察署へ同行を求める

マッチングアプリを悪用した薬物強盗が2024年後半から急激に増加しています。

凶悪犯罪

リスク: 3/5

多発エリア: ロサリオ市北部, ブエノスアイレス周辺のヴィジャ, 深夜のナイトクラブ周辺

手口:

  • 麻薬組織間の銃撃戦
  • 強盗に伴う暴行
  • 酔っ払い同士の喧嘩

対策:

  • スラム街(ヴィジャ)には絶対に入らない
  • ロサリオでは中心部の安全圏から出ない
  • 夜間のトラブルには深入りせず立ち去る

殺人率は南米最低水準だが、特定地域での銃器犯罪は極めて暴力性が高い。

健康・医療情報

ワクチン情報

アルゼンチンへの入国時に義務付けられている予防接種はありませんが、2025年7月の新規則により、2万ドル以上の医療・搬送費用をカバーする海外旅行保険への加入が全ての外国人観光客に義務化されました。健康証明として黄熱予防接種証明書(イエローカード)が特定の地域(北部)への渡航時に推奨されており、自身の渡航ルートに合わせた準備が不可欠です。

ワクチン 必須/推奨 備考
黄熱 (Yellow Fever) 推奨 イグアスの滝を含むミシオネス州や北部のコリエンテス州へ渡航する場合、生後9か月以上の渡航者に強く推奨されます。ブラジル等の近隣諸国へ移動する場合も接種が望ましいです。
A型肝炎 推奨 衛生状態が十分でない地方に滞在する場合や、長期滞在する場合に推奨されます。食品や水を介して感染するリスクを抑えます。
B型肝炎 推奨 現地での医療処置や事故、性交渉等による感染リスクに備え、長期滞在者に推奨されます。
破傷風 推奨 怪我からの感染を防ぐため、最終接種から10年以上経過している場合は追加接種が推奨されます。
狂犬病 推奨 野犬や野生動物(コウモリ等)との接触の可能性がある場合、特に医療機関へのアクセスが悪い地方部へ行く場合に推奨されます。
傷寒 (Typhoid) 推奨 地方での飲食において、汚染された水や食品からの感染を予防するために推奨される場合があります。

健康リスク

夏季(12月〜4月)を中心に、北部および中部でデング熱の流行が報告されています。2025年には過去最多の症例数が記録されたため、蚊の忌避剤や長袖の着用による徹底した防策が必要です。また、パタゴニア地方の森林地帯ではネズミの排泄物を介したハンタウイルス感染症のリスクがあり、キャンプ時には注意が求められます。北部農村部では、サシガメを介するシャーガス病のリスクも依然として存在します。

医療施設

ブエノスアイレス等の大都市には、欧米水準の高度な医療を提供する私立病院が複数存在し、海外旅行保険があれば質の高い治療が受けられます。公立病院は治療費が無料ですが、常に混雑しており待機時間が極めて長いです。私立病院の医師の多くは英語を話しますが、看護師や事務員はスペイン語のみの場合が多いため、翻訳アプリや通訳サービスの準備を推奨します。日本語対応が可能な施設は非常に限定的です。

入国・ビザ情報

ビザ要件: 日本国籍者は、90日以内の観光・商用目的の滞在であればビザ免除で入国可能です。入国時には帰路の航空券や滞在費用の証明(クレジットカード等)の提示を求められる場合があります。滞在期間の延長は現地の移民局で申請可能ですが、不法滞在には厳しい罰金が科せられるため、必ず期限内に手続きを完了させてください。

パスポート有効期限

アルゼンチン入国時に、パスポートの残存有効期間が6か月以上必要です。また、入国スタンプを捺印するための空白ページが1ページ以上残っていることを確認してください。

持ち込み禁止・制限品

1万米ドル相当額以上の現金を持ち込む場合は申告が必要です。生鮮食品(肉、果物、野菜)、種子、加工されていない乳製品の持ち込みは、動植物検疫により厳しく禁止されており、発覚した場合は没収および罰金の対象となります。常備薬を持ち込む際は、成分名が記載された英文の処方箋や診断書を携行することが推奨されます。

緊急連絡先

911
警察
107
救急
100
消防

時間帯別安全情報

早朝

注意

通勤客が動き出すまでは人通りが少なく、駅周辺やバス停でのひったくりが警戒されます。特に深夜から早朝にかけての移動は犯罪者に狙われやすく、人気のない通りでの徒歩移動は避けるべきです。清掃車両以外の目撃者が少ないため、犯行が大胆になる傾向があります。

安全な活動:

  • ・ホテルの朝食
  • ・配車アプリによる空港移動
  • ・屋内での活動準備

避けるべきエリア:

  • ・レティーロ駅
  • ・コンスティトゥシオン周辺
  • ・人気の少ない公園

交通: UberまたはCabify一択。公共交通機関はまだ混雑しておらず死角が多い。

日中

安全

主要な観光地は多くの人で賑わい、警察の巡回も多いため比較的安全です。ただし、この時間帯に最も多いのがケチャップ強盗やスリです。人混みの中では常にバッグを前に抱え、スマートフォンのひったくりに警戒する必要があります。デモが発生すると交通が完全に遮断されるため注意が必要です。

安全な活動:

  • ・美術館巡り
  • ・ガイド付き市内ツアー
  • ・中心部でのショッピング

避けるべきエリア:

  • ・ヴィジャ(貧民街)周辺
  • ・ラ・ボカの指定エリア外
  • ・デモ参加者の集結場所

交通: メトロ(Subte)やバス。スリに注意すれば効率的。2025年からクレカタッチ決済可能。

夕方〜夜

注意

夕食の時間が遅いアルゼンチンでは、20時頃から街が再び活気付きますが、オフィスビルが閉まるビジネス街は急速に人通りが減り危険になります。モトチョロスが最も活発になる時間帯であり、信号待ちの際や歩道でのスマートフォン操作は厳禁です。レストラン周辺での置き引きも多発します。

安全な活動:

  • ・パレルモでのディナー
  • ・タンゴショー鑑賞
  • ・照明の明るい繁華街での散歩

避けるべきエリア:

  • ・夜のマイクロセントロ(金融街)
  • ・寂れた路地裏
  • ・閉鎖された公園

交通: 信頼できる配車アプリを利用し、ドアtoドアでの移動を徹底する。

深夜

危険

深夜2時を過ぎてもナイトライフで賑わうエリアがある一方で、多くの場所で強盗のリスクが最大化します。薬物中毒者による突発的な強盗が発生しやすく、銃器や刃物を用いた犯行が目立ちます。徒歩移動はどのエリアであっても極めて危険であり、必ず車での移動が必要です。マッチングアプリでの誘い出しもこの時間帯に集中します。

安全な活動:

  • ・ホテル内での休息
  • ・信頼できる知人との屋内パーティー

避けるべきエリア:

  • ・あらゆる暗い路地
  • ・ラ・ボカ地区全域
  • ・駅の周辺

交通: 配車アプリ以外は絶対に使用しない。タクシーを呼ぶ際もアプリ経由で行うこと。

季節別ガイド

Spring (春) (September - November)

気温: 15°C - 25°C

降水: 中程度。ブエノスアイレスでは心地よい雨が降ることがあります。

服装: 重ね着ができる服装。薄手のジャケットや長袖のシャツが重宝します。

おすすめ活動:

ブエノスアイレスのジャカランダ鑑賞, パタゴニアのペンギン観察, メンドーサのワイナリー巡り

リスク:

  • ・朝晩の急激な冷え込み
  • ・季節の変わり目の激しい雷雨

Summer (夏) (December - February)

気温: 25°C - 40°C

降水: 北部は高温多湿で降水量が増加。都市部はヒートアイランド現象が顕著。

服装: 通気性の良い夏服。強い日差しを遮る帽子とサングラス、高SPFの日焼け止め。

おすすめ活動:

パタゴニアでのトレッキング(ベストシーズン), イグアスの滝観光, 大西洋岸リゾートでのビーチアクティビティ

リスク:

  • ・熱中症および脱水症状
  • ・山火事のリスク(特に南部)
  • ・デング熱の流行

Fall (秋) (March - May)

気温: 10°C - 20°C

降水: 比較的安定。パタゴニアでは風が強まり始める時期。

服装: セーターや厚手のジャケット。パタゴニアでは防水性の高いウィンドブレーカー。

おすすめ活動:

パタゴニアの紅葉鑑賞, ブエノスアイレスでのタンゴフェスティバル, ワインの収穫祭(メンドーサ)

リスク:

  • ・パタゴニアでの急激な天候変化
  • ・インフルエンザの流行開始

Winter (冬) (June - August)

気温: -5°C - 15°C

降水: 南部は積雪が多く、北部は乾燥した晴天が続きます。

服装: 本格的な防寒着。特に南部へ行く場合はダウン、手袋、ヒートテック等の防寒小物。

おすすめ活動:

バリローチェでのスキー, 北部(サルタ・フフイ)の砂漠地帯観光, ブエノスアイレスの劇場巡り

リスク:

  • ・南部での大雪による道路封鎖
  • ・暖房器具の不備による一酸化炭素中毒

ベストシーズン: 目的により異なりますが、パタゴニアのトレッキングを主目的とするなら11月から3月がベストです。ブエノスアイレスの街歩きには、気候が安定しジャカランダが咲き誇る11月、または紅葉が美しい4月が最も快適です。イグアスの滝は暑さが和らぎ水量も安定する5月から9月にかけてが観光に適しています。全体として春(10-11月)が最もバランスの取れたシーズンと言えます。

環境リスク

野生動物のリスク

ヤララ (毒蛇)

リスク: 4/5

生息地: 北部・中部の湿地, 地方の草地, ハイキングコース

ヤララ(クサリヘビ科)は攻撃性が高く、茂みに潜んでいることが多いため、地方での徒歩移動時は厚手のズボンとブーツを着用し、サンダルでの歩行は避けてください。茂みに足を入れる前に杖などで地面を叩き、蛇を遠ざけることが有効です。万が一遭遇した場合は、刺激を与えず静かに距離を置いてください。夜間は視認性が下がるため、草むらへの立ち入りを厳禁とします。

治療: 噛まれた場合は患部を動かさず、速やかに血清(Antivenom)のある主要病院へ搬送してください。107番への通報が最優先です。

毒サソリ (Tityus trivittatus)

リスク: 3/5

生息地: ブエノスアイレス市内の古い建物, 地下室, 湿った暗所

都市部の住宅や古いホテルでも発生します。靴を履く前に中を確認する、床に服を放置しない、壁際の隙間を塞ぐなどの対策が必要です。特に子供や高齢者は毒の影響を受けやすいため、湿った場所や暗い倉庫などでの作業時には手袋の着用を徹底してください。刺された場合は保冷剤などで冷やしつつ、直ちに医療機関を受診してください。可能であれば、原因となった個体を(安全な方法で)捕獲して持参すると治療がスムーズです。

治療: 抗サソリ毒血清による治療が必要です。都市部の総合病院には備蓄されています。

水の安全性

水道水: 飲用可能

主要都市の水道水は公的には飲用可能とされていますが、塩素臭やミネラル含有量の違いから日本人は腹痛を起こしやすいため、ボトル入りのミネラルウォーター(Agua mineral)の購入を強く推奨します。炭酸入り(Con gas)と炭酸なし(Sin gas)があるため注意してください。特に北部の農村部ではヒ素汚染が指摘されている地域があるため、生水の飲用は厳禁です。

交通安全

事故死亡率: 10万人あたり約12.0人 (南米平均よりは低いが日本より格段に高い)

歩行者リスク: 歩行者優先の意識が極めて低く、横断歩道であっても車両が止まらないことが一般的です。信号が青でも右左折車に注意し、運転手と目を合わせてから横断する必要があります。スマートフォンの画面を見ながらの歩行は、ひったくり(モトチョロス)の標的にもなるため厳禁です。

公共交通: バス(コレクティーボ)の運転は非常に荒く、急発進や急ブレーキが常態化しています。乗車中は必ず手すりや吊革に掴まってください。地下鉄(スブテ)内ではドア付近でのスマートフォンの強奪やスリが多発しており、常に周囲に警戒を払う必要があります。深夜の公共交通機関の利用は避け、UberやCabify等の配車アプリの利用を推奨します。

地域別ガイド

ブエノスアイレス首都圏

レベル 3

「南米のパリ」と称される洗練された都市。レコレータ地区やパレルモ地区は高級で安全ですが、レティーロ駅周辺やラ・ボカ地区の裏通りは強盗が多発。観光警察が巡回していますが、ケチャップ強盗への警戒は常に必要です。

主要都市: ブエノスアイレス, ラ・プラタ

特有リスク:

  • ・ひったくり(モトチョロス)
  • ・偽警官詐欺

パタゴニア地方

レベル 1

雄大な氷河や険しい峰々が広がる世界的な観光地。犯罪率は国内で最も低く、治安を気にせず自然を満喫できます。ただし、夏季(1-3月)は非常に乾燥し、強風による山火事が発生しやすいため、現地の入山規制を遵守してください。

主要都市: エル・カラファテ, ウシュアイア, バリローチェ

特有リスク:

  • ・大規模森林火災
  • ・急激な天候変化

クヨ地方(メンドーサ)

レベル 2

アンデス山脈の麓に位置するワインの名産地。比較的平穏ですが、中心部の公園や夜間の繁華街ではスリが報告されています。アンデス沿いは地震活動が活発なエリアでもあり、避難経路の確認が重要です。

主要都市: メンドーサ, サンフアン

特有リスク:

  • ・地震
  • ・観光客狙いの車上荒らし

北西部(NOA)

レベル 2

アンデス文明の伝統が残る乾燥した高地地域。コロニアル様式のサルタや、虹色の山々が魅力。夜間の独り歩きを避ければ安全ですが、高山病のリスクがあるため体調管理に注意が必要です。

主要都市: サルタ, プルママルカ

特有リスク:

  • ・高山病
  • ・夏季の豪雨による道路遮断

リトラル地方(メソポタミア)

レベル 4

イグアスの滝を擁する北東部。イグアス周辺は観光化されており安全ですが、ロサリオ市は麻薬組織の抗争により殺人・発砲事件が多発しています。ロサリオへの立ち寄りは最小限にし、特定の地域には近づかないでください。

主要都市: プエルト・イグアス, ロサリオ

特有リスク:

  • ・麻薬組織関連の凶悪犯罪
  • ・デング熱

経済・物価情報

経済概要

アルゼンチンは中南米第3位の経済規模を持ちますが、長年の高インフレに苦しんできました。2023年末に就任したミレイ大統領の急進的な自由経済政策により、2025年末には年間インフレ率が31.5%まで大幅に低下。財政黒字化や外貨準備の回復などマクロ経済は安定化に向かっていますが、依然として国民の半数近くが貧困層に属する二極化が進んでいます。2025年の実質成長率は回復傾向にあり、投資環境も劇的に改善しています。

生活費・物価

急激なインフレと為替調整により、旅行者にとってのコストは年々変動しています。2025年現在の目安として、食事は中級レストランで30〜40米ドル、名物のステーキは20米ドル前後。宿泊はパレルモ地区の4つ星ホテルで100〜150米ドルです。交通費は地下鉄やバスが約0.50米ドルと非常に安価ですが、インフレに伴い定期的に値上げされます。全体として南米他国よりは高めですが、米国や西欧に比べればまだ手頃な水準です。

通貨情報

通貨はアルゼンチン・ペソ(ARS)。2025年現在、外国人旅行者がクレジットカードを利用すると、市場実勢に近い優遇レート(Dólar MEP)が自動適用されるため、以前のような「闇両替」の必要性は低下しました。ただし、一部の飲食店や商店では「現金払い(Efectivo)」にすることで10〜15%の割引を受けられることがあり、ペソの現金も一定量必要です。ATMは一度に引き出せる額が少なく手数料が高いため、米ドル現金を現地で両替するのが一般的です。

チップガイド

レストランでのチップは総額の10%程度を置くのが一般的で、サービス料(Cubierto)とは別に渡すのがマナーです。高級店では15%程度が望ましい場合もあります。タクシーではチップは必須ではありませんが、お釣り端数を切り上げて渡すのがスマートです。ホテルのポーターやベッドメイキングには、1〜2米ドル相当のペソを渡すと喜ばれます。

予算ガイド

バックパッカー予算であれば、ドミトリー泊と自炊・屋台食を組み合わせて1日50〜70米ドル程度。中級の旅行(ホテル泊、レストラン食、数回の国内移動)であれば1日150〜250米ドルが目安です。ラグジュアリー層は、5つ星ホテルや有名ワイナリー巡り、専属ガイドを含めて1日500米ドル以上を想定すべきです。パタゴニアなどの観光地は、ブエノスアイレスよりも物価が1.5倍から2倍高くなるため注意が必要です。

文化・マナー情報

歴史的背景

スペインの植民地支配を経て1816年に独立。19世紀後半から20世紀初頭にかけて欧州(主にイタリア・スペイン)から大量の移民を受け入れ、農業と畜産業で世界有数の富裕国となりました。この移民文化が現在のアルゼンチンの洗練された建築や食生活、そしてタンゴの基盤となっています。20世紀後半には度重なるクーデターや軍事政権、経済危機を経験しましたが、現在は民主主義が根付いています。自国文化へのプライドが非常に高く、南米の中でも「欧州的な誇り」を持つ人々が多いのが特徴です。

社会規範・マナー

人々は非常に情熱的で社交的です。挨拶の際には家族や友人間だけでなく、初対面に近い間柄でも頬に一度キス(Beso)を交わすのが一般的です。時間の感覚はゆったりしており、夕食の開始は夜21時以降が普通。20時の約束は「20時半に準備を始める」ことを意味する場合もあります。会話を非常に重視し、カフェで長時間語り合う姿が多く見られます。また、マテ茶を一つのカップで回し飲むのは重要なコミュニケーション儀式ですが、無理に飲む必要はありません。

宗教・慣習

国民の約6割以上がカトリックですが、近年は福音派や無宗教層も増えています。教会は社会活動の拠点でもあり、日曜の礼拝は尊重されます。歴史的な背景からユダヤ教徒のコミュニティも大きく、南米最大のシナゴーグも存在します。主要な祝日は復活祭(セマナ・サンタ)やクリスマス。タブーとしては、フォークランド(マルビナス)諸島の領有権問題が非常にデリケートです。不用意に英国側の呼称を使ったり、領有権を否定するような発言は激しい反発を招くため避けるべきです。

宿泊・食事ガイド

宿泊ガイド

ブエノスアイレスではパレルモやレコレータ地区のブティックホテルが人気で、安全性と快適さのバランスが良いです。地方では「Estancia(エスタンシア)」と呼ばれる伝統的な牧場宿に泊まる体験もおすすめ。予約にはBooking.comなどが一般的ですが、2025年の新規則により、チェックイン時に医療保険の加入証明(2万ドル以上)を求められる場合があるため、必ず準備しておきましょう。ホステルのドミトリーは安価ですが、貴重品の管理には細心の注意が必要です。

食事ガイド

アルゼンチン料理の主役は牛肉(Asado)です。「Parrilla(パリージャ)」と呼ばれる炭火焼きレストランは外せません。他にも「Empanada(エンパナーダ)」は手軽なスナックとして人気。ワインはマルベック種が有名です。夕食の開始は21時頃と非常に遅く、19時に行っても開店していない店が多いため注意してください。また、2025年現在、現金払いで10%前後の割引(Descuento en efectivo)を行うレストランが増えているため、ペソの現金を少し持っておくとお得です。

実用情報

通信・SIM

主要キャリアはClaro, Personal, Movistarです。ツーリスト用SIMカードは主要空港や街中の公式ショップでパスポートを提示すれば購入可能。2025年現在、eSIMサービスも普及しており、Airaloなどのアプリを事前にインストールしておくと便利です。都市部のカフェやレストランでは無料WiFiが一般的ですが、セキュリティのためVPNの使用を強く推奨します。

銀行・ATM

ATM(Cajero Automático)はどこにでもありますが、1回の引き出し限度額が非常に低く(約100〜150USD相当)、一方で1回あたり10USD近い高い手数料が取られます。可能な限りクレジットカード決済を利用し、現金が必要な場合は米ドル現金を「Casa de Cambio(両替所)」でペソに替える方が効率的です。スキミング被害防止のため、銀行併設のATMのみを利用してください。

郵便・配送

国営郵便のCorreo Argentinoは配送が非常に遅く、紛失のリスクもゼロではありません。重要な書類や荷物を日本に送る場合は、DHLやFedExなどの国際宅配便を利用することを強く推奨します。絵葉書などは主要観光地の郵便局から発送可能ですが、到着まで1ヶ月以上かかることが一般的です。

電源・アダプター

電圧は220V、周波数は50Hzです。プラグ形状はタイプI(ハの字型)が主流です。日本の100V専用家電(ヘアアイロン等)を使用すると故障・発火の原因となるため、必ず変圧器を使用するか、全世界対応の製品を持参してください。古いホテルではタイプC(丸2ピン)が混在していることもあります。

洗濯サービス

街中に「Lavadero」と呼ばれる洗濯屋が多くあります。重さ(キロ単位)で料金が決まり、朝預ければ夕方には畳んだ状態で受け取れるフルサービスが一般的で、非常に安価で便利です。コインランドリー形式は少ないため、店員に預けるスタイルに慣れておくと長期旅行が快適になります。

公衆トイレ

公衆トイレはほとんどありません。ショッピングモール、カフェ(Starbucks等)、またはガソリンスタンドのトイレを利用するのが一般的です。多くの場合、トイレットペーパーが備え付けられていないか、鍵がかかっていて店員に鍵を借りる必要があるため、常にポケットティッシュを携帯してください。使用した紙は便器に流さず、横のごみ箱に捨てるのがマナーです。

主要都市ガイド

コルドバ

Cordoba

72 注意

アルゼンチン第2の都市で、歴史ある大学街です。ユネスコ世界遺産のイエズス会伝道所が中心部にあり、文化的な魅力に溢れています。学生が多いため夜遅くまで活気がありますが、繁華街から外れるとスリが増えるため注意が必要です。

主な観光地:

イエズス会ブロック, コルドバ大聖堂, サン・マルティン広場

避けるべきエリア:

  • ・夜間のサン・ヴィセンテ地区
  • ・鉄道駅周辺

ベストシーズン: 3月〜5月、9月〜11月

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メンドーサ

Mendoza

75 注意

ワイン生産の中心地で、整然とした並木道が美しい街です。ワイナリー巡りの拠点で、観光客へのホスピタリティが高いですが、公園内の人混みでのスリや、レンタカーを狙った車上荒らしに注意が必要です。

主な観光地:

サン・マルティン公園, 独立広場, 周辺のボデガ(ワイナリー)

避けるべきエリア:

  • ・夜間の独立広場周辺の小道
  • ・ラス・ヘラス地区

ベストシーズン: 2月〜4月(ブドウの収穫祭は3月)

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交通詳細ガイド

国内線フライト

広大な国土を移動するには国内線が不可欠です。フラッグキャリアのアルゼンチン航空(Aerolíneas Argentinas)が最大のネットワークを持ちますが、近年はLCCのFlybondiやJetSmartが低価格でシェアを伸ばしています。ブエノスアイレスには2つの空港(国際線中心のエセイサと国内線中心のアエロパルケ)があるため、乗り継ぎの際は必ず空港名を確認してください。注意点として、アルゼンチン航空はストライキにより突然欠航することが珍しくありません。出発24時間前には運航状況をアプリで再確認することが極めて重要です。

鉄道・バス

長距離バス(Micro)は非常に発達しており、特に「Cama」や「Ejecutivo」クラスは3列シートでほぼ180度リクライニング可能、食事や映画サービスもあり非常に快適です。主要都市間の移動には、時間はかかりますがコストパフォーマンスの高い選択肢です。一方、鉄道はブエノスアイレス近郊を除き衰退しており、長距離路線は限られています。観光用として「雲の列車」などがありますが、移動手段というよりはアクティビティとしての側面が強いです。バス利用時はバスターミナルでの置き引きが頻発しているため、荷物から目を離さないでください。

レンタカー・配車サービス

都市部での移動は配車アプリのUberやCabifyが最も安全で推奨されます。行き先を告げる必要がなく、料金も事前に確定するためぼったくりのリスクがありません。流しのタクシー(Radio Taxi)を利用する場合は、窓が半分開いている車両や、遠回りされないようGPSでルートを確認するなどの自衛が必要です。地方の観光(パタゴニアやメンドーサ)ではレンタカーが便利ですが、砂利道(Ruta 40など)が多く、パンクの危険性が高いためスペアタイヤの確認は必須です。国際運転免許証を必ず携行してください。

交通リスク評価

公共交通機関自体は概ね安全ですが、車内でのスリやひったくりが最大のリスクです。特に地下鉄やバスのドア付近でスマートフォンを操作していると、停車直前に奪い取って逃走する犯行が多発しています。長距離バスの荷物預け入れは信頼性が高いですが、貴重品は必ず手元で管理し、座席下の足元に置く際もストラップを体に巻きつけるなどの対策が必要です。夜間のバスターミナル周辺は強盗の温床となるため、到着後はすぐに配車アプリで移動してください。

都市別交通ガイド

ブエノスアイレス

地下鉄: Subte(スブテ)が6路線。2025年からクレジットカードのコンタクトレス決済が導入され、利便性が向上しました。

バス: Colectivo(コレクティーボ)が24時間運行。全車両でSUBEカードが必要です。

タクシー: Uber、Cabifyが主流。公式タクシーは黒と黄色の車両。

徒歩・自転車: パレルモやレコレータは歩きやすいですが、夜間の裏通りは危険。専用自転車レーンも増設されています。

費用目安: 地下鉄・バスともに1回約0.50USD程度。

大使館・長期滞在情報

在外公館ネットワーク

在アルゼンチン日本国大使館

Embassy - ブエノスアイレス

住所: Calle Bouchard 547, Piso 17, C1106ABG, Buenos Aires

電話: +54 (11) 4318-8200

管轄: アルゼンチン全土

緊急対応: 24時間対応(閉館時は緊急電話へ転送)

領事サービス

大使館では、パスポートの紛失・盗難に伴う「帰国のための渡航書」の発行、事件・事故に遭った際の現地警察への連絡支援、緊急時の家族への連絡などを行っています。また、アルゼンチン在住者向けに証明書の発行や戸籍届出の受理も行っています。2025年現在、ブエノスアイレス市内での邦人被害が頻発しているため、被害届の出し方などの助言も重要な業務となっています。日本語での対応が可能なため、トラブル時は迷わず相談してください。

長期滞在ビザ

90日以上の滞在には就労、留学、年金生活者などの適切なビザが必要です。近年、ミレイ政権下で手続きの電子化が進んでおり、RADEXと呼ばれるシステムでの申請が主流です。現地でのビザ延長も可能ですが、移民局(Dirección Nacional de Migraciones)の予約が取りにくいことで知られています。オーバーステイには出国時に高額な罰金が科され、将来の再入国が拒否されるリスクがあるため、必ず期限内に手続きを行ってください。

リモートワーク・デジタルノマド

アルゼンチンは「デジタルノマドビザ」を導入しており、最大180日の滞在が可能です(更新可)。ブエノスアイレスはWi-Fi完備のカフェやコワーキングスペースが非常に多く、世界中のノマドが集まる拠点となっています。特にパレルモ地区はノマドに最適。2025年現在、観光客向けの優遇為替レート(Dólar MEP)のおかげで、外貨(USD等)で収入がある人にとっては生活コストが抑えられ、非常に魅力的な滞在先となっています。

ビジネスビザ

短期のビジネス会議や市場調査であれば90日以内のビザ免除(日本人の場合)で可能ですが、現地で報酬を得る活動や長期プロジェクトへの従事には「商用ビザ」が必要です。申請にはアルゼンチンの受け入れ企業からの招待状(公証人および外務省の認証済み)が必要となります。手続きには時間がかかることが多いため、渡航の少なくとも2ヶ月前には準備を開始することを推奨します。

推奨防犯装備

ダミー財布

必須

防犯グッズ

強盗に遭遇した際、本物の財布ではなくこちらを渡すための備え。少額の現金と期限切れのカードを入れておきます。

首下げ式貴重品ポーチ

必須

防犯グッズ

パスポートや予備のクレジットカードを服の下に隠して保持するため。ひったくり対策として非常に有効です。

モバイルバッテリー

推奨

通信機器

配車アプリでの移動が必須なため、スマホの電池切れは致命的。路上での充電は避け、バッグ内で充電してください。

スマートフォン用セキュリティストラップ

必須

防犯グッズ

路上でのスマホ操作中に「モトチョロス」に奪われるのを防ぐため。手首に固定できる頑丈なタイプを選んでください。

蚊取り線香・虫除けスプレー

推奨

衛生用品

デング熱対策として必須。現地でも購入可能ですが、日本製は強力で肌への刺激が少ないため持参が推奨されます。

海外旅行保険証(スペイン語訳)

必須

保険

2025年7月より導入された新規則により、2万ドル以上の医療費用をカバーする保険加入証明が義務付けられました。

ワイヤーロック

オプション

防犯グッズ

長距離バスの車内やホステルの荷物棚でバッグを固定するため。置き引き防止に役立ちます。

スペイン語翻訳アプリ

推奨

通信機器

Google翻訳のオフラインパック。英語が通じない場面も多いため、警察への通報時などに非常に役立ちます。

旅行者タイプ別ガイド

女性旅行者向けガイド

アルゼンチンは比較的女性の社会進出が進んでいますが、「マチスモ(男性優位主義)」の文化も残っており、路上で「Piropos」と呼ばれる不適切な声掛けを受けることがあります。これには反応せず、無視するのが一番です。夜間のタクシー利用時は、流しのタクシーよりもアプリで記録が残るCabifyを利用してください。また、万が一ハラスメントに遭遇した場合は、国内共通のホットライン「144」で相談や通報が可能です。クラブやバーでは、飲み物に薬を入れられるリスクがあるため、自分の飲み物から目を離さないようにしてください。

LGBTQ+旅行者向けガイド

ブエノスアイレスは「世界のLGBTQフレンドリーな都市」の一つとして知られており、同性婚も合法化されています。パレルモ地区などには多くのゲイバーやフレンドリーな施設があり、日中の手つなぎなども一般的に受け入れられています。ただし、地方都市や保守的な地域、あるいは大都市の治安の悪いエリアでは、依然として偏見やハラスメントに遭うリスクも否定できません。基本的には寛容な国ですが、場所を選んだ行動は必要です。

家族・シニア旅行者向けガイド

アルゼンチン人は子供に非常に優しく、レストランや公共交通機関でも子連れは歓迎されます。多くの公園には遊具があり、週末は家族連れで賑わいます。シニア旅行者にとっても、ブエノスアイレスは平坦で歩きやすく、歴史的な見どころが集中しているため魅力的です。ただし、石畳の道が多く足元が不安定な場所があることや、長距離移動が非常に長時間を要するため、移動は飛行機を利用するなどの工夫が必要です。また、2025年からの医療保険義務化に伴い、高齢者の方は持病をカバーする詳細な保険証券を持参し、スペイン語の処方箋を用意しておくことが強く推奨されます。

安全に関するよくある質問

夜に歩いても大丈夫ですか?

パレルモやレコレータの繁華街であれば夜間も人通りが多いですが、独り歩きは避けてください。それ以外の地区や、人通りのない路地は夜間は極めて危険です。移動には必ずUberやCabifyを利用してください。

強盗に遭ったらどうすればいいですか?

抵抗せず、素直に所持品を渡してください。命を守ることが最優先です。犯人は薬物中毒者である場合もあり、予測不可能な行動をとることがあります。

実用的なよくある質問

チップはいくら渡すべきですか?

レストランでは10%が標準です。現金でテーブルに置いていくのが一般的です。

水道水は飲めますか?

ブエノスアイレスでは飲用可能とされていますが、石灰分が多く、処理も日本とは異なるため、旅行者はボトル入りの水(Agua mineral)を購入することを強く推奨します。

アルゼンチンの治安に関するよくある質問

アルゼンチンの治安は良い?悪い?

アルゼンチンの治安は、経済格差を背景とした財産犯罪が多く、決して良好とは言えません。特にブエノスアイレスなどの都市部では、観光客を狙った強盗やスリが日常的に発生しています。ミレイ政権下で経済は安定化の兆しを見せていますが、依然として高い貧困率が犯罪の温床となっており、常に高い防犯意識を持つことが不可欠です。

アルゼンチンで危険な地域はどこ?

サンタフェ州のロサリオ市は麻薬組織間の抗争が激化しており、極めて危険です。ブエノスアイレス市内では、レティーロ地区やラ・ボカ地区の一部、および「ビジャ」と呼ばれる貧民窟周辺が危険地域として知られています。これらのエリアでは白昼でも強盗被害が発生しているため、立ち入らないか、細心の注意を払う必要があります。

アルゼンチン旅行はやばい?本当に行って大丈夫?

適切な対策を講じれば観光は可能ですが、日本の感覚で行動するのは非常に「やばい」と言えます。主要な観光地であっても、強盗やひったくりが頻発しており、特に日本人はターゲットにされやすい傾向があります。現地の危険エリアを把握し、夜間の外出を控える、配車アプリを利用するなどの防犯対策を徹底することが前提となります。

アルゼンチンは女性一人でも怖くない?

女性一人での行動は、特に夜間や人通りの少ない場所では「怖い」と感じる場面が多く、実際にリスクも高いです。昼間の観光地であれば比較的安全ですが、常に周囲を警戒する必要があります。移動には流しのタクシーを避け、Uberなどの配車アプリを使用し、ドアをロックする等の対策を徹底してください。不安な場合はツアーの利用を推奨します。

アルゼンチンでスリに遭わないための対策は?

ケチャップ強盗などの巧妙な手口に注意が必要です。路上で親切に声をかけてくる人物を警戒し、不自然に接触されたらすぐにその場を離れてください。スマートフォンを路上で操作しない、バッグは必ず体の前で抱える、貴重品は分散して持つといった基本的な対策がスリ被害を防ぐ鍵となります。また、レストラン等での置き引きにも注意が必要です。

アルゼンチンで多い詐欺の手口は?

偽警官による所持品検査を装った盗難や、タクシーでの偽札の掴まされ、法外な料金請求が典型的です。また、最近ではマッチングアプリを利用して睡眠薬を盛り、金品を奪う「ブラックウィドウ」型の詐欺も増えています。街中での闇両替も詐欺のリスクが非常に高いため、公的な両替所やATMを利用するようにしてください。

アルゼンチンで日本人が巻き込まれやすい犯罪は?

無警戒な日本人を狙ったひったくりやケチャップ強盗が代表的です。特にスマートフォンを歩きながら操作している際、バイクに乗った二人組(モトチョロス)に強奪されるケースが後を絶ちません。また、レティーロ駅周辺などの混雑した場所で、グループによる囲い込みや注意を逸らしている隙に金品を盗まれる犯罪も頻発しています。

アルゼンチン旅行で注意すべきことは?

頻発する政治デモやストライキ(パロ)に注意が必要です。主要道路が封鎖され、交通機関が麻痺することがよくあります。また、ATMの現金不足やクレジットカードが使えない場面に備え、USドルの現金を少額持参することも実用的です。健康面では、イグアスなどの北部地域でのデング熱流行にも十分な注意と対策が求められます。

アルゼンチンで起こりやすいトラブルは?

航空便の遅延や欠航を伴う大規模なストライキ、公共交通機関の突発的な運休が頻繁に起こります。また、レストランやショップでの二重請求やカードの不正利用といった金銭トラブルも散見されます。滞在中はニュース等で最新の社会情勢をチェックし、スケジュールに余裕を持った行動を心がけることがトラブル回避に繋がります。

アルゼンチンで被害に遭ったらどうする?

直ちに緊急通報番号「911」へ連絡してください。警察署で盗難届(Denuncia)を作成してもらうことは、保険請求やパスポート再発行に必須です。パスポートを紛失した場合は、在アルゼンチン日本国大使館へ連絡し、指示を仰いでください。また、クレジットカードの盗難時は、即座にカード会社へ連絡して利用停止措置を講じることが重要です。

アルゼンチンの治安詳細

アルゼンチンの治安概要

アルゼンチンの治安は、ミレイ政権による経済改革によりインフレ抑制が進む一方、国民の約半数が貧困層という厳しい社会情勢が続いています。この格差を背景に、ブエノスアイレスなどの大都市では強盗や窃盗といった財産犯罪が多発しており、決して良好とは言えません。特に外国人観光客は「金品を持っている」と認識され、組織的な窃盗グループの標的になりやすいため、十分な警戒が必要です。観光地自体は賑わいを見せていますが、一歩路地に入ると雰囲気が一変する場所も多いため、現地の最新情報を常に確認し、防犯意識を高く保つことが求められます。

アルゼンチンは危険?やばい?

「アルゼンチンは危険?やばい?」という問いに対しては、場所と行動次第で「非常にやばい」状況になり得ると回答せざるを得ません。特にサンタフェ州ロサリオ市は、麻薬組織間の抗争による殺人や銃撃事件が多発しており、レベル3(渡航中止勧告)相当の非常に危険な状態です。また、観光客が集中するブエノスアイレスのラ・ボカ地区やレティーロ駅周辺も、強盗被害が絶えず、白昼でも「やばい」エリアとして知られています。一方で、イグアスの滝やパタゴニアなどの自然観光地は比較的安全に運営されていますが、移動中のデモによる孤立リスクなどは残ります。

アルゼンチンは怖い?一人旅でも大丈夫?

女性一人旅の場合、アルゼンチンは「非常に怖い」と感じる場面が多いかもしれません。特に夜間の独り歩きは厳禁であり、ブエノスアイレス中心部であっても、街灯の少ない道や人通りの途絶える場所は避けるべきです。現地では女性の権利意識が高い一方で、東洋人の女性一人はスリやひったくりの格好のターゲットとされるリスクがあります。移動には流しのタクシーではなく、必ずUberやCabifyといった配車アプリを利用し、乗車中もドアをロックするなどの対策を徹底してください。不安を感じる場合は、信頼できる現地のツアーに参加し、単独行動を最小限にすることをお勧めします。

スリ・詐欺・犯罪の実態

アルゼンチンで最も有名な犯罪手口は「ケチャップ強盗」です。歩行中に服に液体をかけられ、親切を装って汚れを拭き取ろうとする隙にバッグを奪う巧妙な手口です。また、オートバイに乗った二人組による「モトチョロス」と呼ばれるひったくりも多発しており、路上でスマートフォンを操作している最中に奪われる被害が相次いでいます。詐欺に関しては、偽札(特に高額紙幣)を掴まされるケースや、タクシーでの不当な遠回り、法外な料金請求が一般的です。さらに、近年はマッチングアプリを悪用して睡眠薬を盛り、身ぐるみ剥ぐ「ブラックウィドウ」型の凶悪な犯罪も報告されており、見知らぬ人物からの誘いには極めて慎重になる必要があります。

地域別の危険度

ブエノスアイレス中心部はレベル2で、レティーロやラ・ボカ、オベリスク周辺の夜間は強盗が頻発します。サンタフェ州ロサリオ市はレベル3に相当し、麻薬組織の抗争による銃撃戦のリスクがあるため、立ち入りを避けるべきです。ミシオネス州(イグアス)は比較的安定していますが、国立公園外での夜間歩行に注意し、デング熱等の感染症対策も必要です。パタゴニア地方はレベル2で、先住民過激派による過激な抗議活動や夏季の森林火災による交通遮断がリスクとなります。コルドバ市もレベル2で、繁華街でのひったくりが多いため、移動には配車アプリが必須です。各地域でリスクの種類が異なるため、訪問先に合わせた対策が必要です。

アルゼンチン旅行で注意すべきポイント

アルゼンチン旅行で最も注意すべきは、まず「持ち物」と「場所」の管理です。高価な時計や宝石、ブランド品を身につけるのは避け、スマートフォンも路上での使用は控えましょう。次に「移動手段」の確保です。政治的なデモやストライキ(パロ)が頻繁に発生し、主要道路が封鎖されたり公共交通機関が完全にストップしたりすることがあります。滞在中は現地のニュースやSNSで動向を常にチェックしてください。また、ATMでの現金引き出し時には、周囲の不審者に十分注意し、できるだけ銀行内に設置された機械を使用することを推奨します。現金の持ち歩きは最小限にし、支払いは可能な限りクレジットカードを利用するのが安全です。

よくあるトラブル事例

実際のトラブル事例として多いのは、ブエノスアイレスのレティーロ長距離バスターミナル周辺での強盗被害です。バスの待ち時間に置き引きに遭ったり、ターミナルを出た直後に羽交い締めにされて金品を奪われたりするケースが報告されています。また、ラ・ボカ地区の「カミニート」と呼ばれる有名な観光スポットであっても、観光エリアを数ブロック外れただけで銃器を使用した強盗に遭遇した例があります。さらに、急な労働組合のストライキにより国内便が全便欠航し、宿泊費や振替便の確保に奔走するといった交通トラブルも頻発しており、旅行日程には十分な余裕を持たせる必要があります。

被害に遭った場合の対応

万が一、犯罪被害に遭った場合は、直ちに緊急通報番号「911」に連絡してください。ただし、スペイン語しか通じないことが多いため、周囲に助けを求めるか、宿泊先のスタッフに連絡を代行してもらうのが現実的です。パスポートを盗難・紛失した場合は、速やかに最寄りの警察署で盗難届(Denuncia)を作成してもらい、その後、在アルゼンチン日本国大使館で「帰国のための渡航書」の発行手続きを行う必要があります。クレジットカードの盗難時は、即座に発行会社へ連絡して利用停止措置を講じてください。海外旅行保険に加入している場合は、付帯サービスを確認し、現地の提携病院や通訳の手配を受けることがスムーズな解決に繋がります。

データソース

公的機関