総合評価
全体的な治安は良好ですが、アゼルバイジャンとの国境地帯の極めて高いリスクが全体のスコアを押し下げています。一般観光地域は安全です。
身体的安全 (B+)
一般犯罪は少ないものの、アゼルバイジャン国境地帯での武力衝突や地雷のリスクが深刻です。また、紛争の影響で国内に銃器が流出しており、以前より銃器使用犯罪が増加傾向にある点は懸念材料ですが、観光客が標的になる暴力事件は稀です。夜間のエレバン中心部は非常に安全に歩くことができます。
医療・衛生 (B)
首都エレバンの私立病院は近代的な設備を整え、英語対応も可能ですが、地方の医療水準は非常に限定的です。2025年に入り狂犬病の咬傷被害が急増しており、野犬との接触には細心の注意が必要です。炭疽症の発生報告もあり、未殺菌の乳製品や不衛生な肉の摂取は避けるべきです。
詐欺・スリ (B-)
空港タクシーでのぼったくりや、飲食店での外国人向け二重価格、不当なサービス料請求が頻発しています。配車アプリを使わない流しのタクシーや、親しげに近づいてくる自称ガイド、路上での非公式な両替には注意が必要です。組織的な凶悪詐欺は少ないものの、観光客から小銭を騙し取る手口が常態化しています。
テロリスク (A-)
国際的なテロ組織による活動は確認されていませんが、政治情勢は不安定です。現政権の領土画定方針に反対する大規模な抗議デモが頻発しており、警察との衝突や音響弾の使用が発生しています。テロよりも政治的動乱に巻き込まれるリスクが高いため、政府機関や広場での集会には近づかないよう警戒が必要です。
最新インテリジェンスレポート
アルメニアは全体として非常に治安が良い国であり、特に首都エレバンの中心部は深夜でも女性が一人で歩けるほどの安全性を保っています。しかし、アゼルバイジャンとの国境地帯(スィユニク州、ゲガルクニク州等)では軍事的緊張が続いており、武力衝突や地雷の危険性が極めて高いため、日本の外務省は「退避勧告」を発令しています。国内政治では領土問題を巡る大規模な反政府デモが散発しており、警察との衝突が発生することもあるため、政治的集会には近づかない注意が必要です。一般犯罪については、タクシー料金のぼったくりや市場でのスリ、観光客を狙った軽微な詐欺が報告されていますが、暴力犯罪の被害に遭う確率は依然として世界平均より低水準です。
背景分析
2018年の「ニコル・パシニャン」首相就任以来、アルメニアは民主化と汚職撤廃を進めてきましたが、2020年と2023年のナゴルノ・カラバフを巡るアゼルバイジャンとの紛争敗北後、国内は激しい政治的分断に直面しています。現政権が進めるアゼルバイジャンとの和平プロセスや領土画定作業に対し、教会関係者やナショナリスト層が「領土割譲」として強く反発しており、2026年6月の総選挙に向けてさらなるデモの激化が予想されます。経済面では、従来のロシア依存を脱却し、欧米やインド、中国との多角的な関係構築を図っています。観光業は2025年に過去最高の訪問者数を記録するなど急成長していますが、紛争の影響で国内に流出した約17,000丁とされる未回収の自動小銃が、マフィアの抗争や家庭内暴力の深刻化を招いており、社会的な不安定要素となっています。地政学的にはロシアとの関係が冷え込む一方で、トルコとの国境開放交渉が進展するなど、大きな転換期にあります。
重要ポイント
- アゼルバイジャン国境から5km以内は極めて危険。軍事衝突と地雷の双方がリスク。
- タクシーは必ずYandex Goやggなどの配車アプリを使用し、ぼったくりを回避すること。
- エレバンの共和国広場周辺での政治デモには近づかない。警察による強制排除の可能性がある。
- 野良犬への接触は厳禁。狂犬病の咬傷被害が全国的に急増しており、ワクチン確保も重要。
- 教会や修道院訪問時は露出の多い服装を避けるのがマナー。女性はスカーフ携行を推奨。
- 軍事施設、国境、地下鉄構内の撮影はスパイ容疑をかけられる恐れがあるため厳禁。
- アゼルバイジャンやトルコに関する政治的議論は非常にセンシティブなため避けるべき。
- 水道水はエレバン市内では飲用可能とされるが、旅行者はボトル水を推奨。
- クレジットカードは都市部で普及しているが、地方や市場では現金(ドラム)が必須。
- 2026年6月の総選挙前後は政治的緊張が高まり、突発的な交通規制や集会が発生しやすい。
各国政府の渡航情報
| 情報源 | 警戒レベル |
|---|---|
| 日本外務省 | レベル4:退避勧告(国境付近)、レベル1:十分注意(エレバン等) |
| 米国国務省 | Level 2: Exercise Increased Caution |
| 英国外務省 | Advise against all travel (Border areas) |
| カナダ政府 | Take normal security precautions |
| ドイツ外務省 | Teilreisewarnung |
| フランス外務省 | Déconseillé sauf raison impérative |
地域別リスク評価
エレバン首都圏
比較的安全リスク治安は非常に安定していますが、共和国広場周辺での政治デモには注意が必要です。夜間の独り歩きも概ね可能ですが、スリやタクシー詐欺に警戒してください。
スィユニク州(アゼルバイジャン国境付近)
退避勧告・極めて危険リスクアゼルバイジャン軍との小規模な衝突が断続的に発生しています。未撤去の地雷も存在し、幹線道路が射撃対象になるリスクがあるため、渡航は中止してください。
ゲガルクニク州(東部国境)
退避勧告・紛争リスクリスクセヴァン湖の東側、アゼルバイジャンとの境界線沿いは軍事緊張が極めて高いエリアです。民間人が巻き込まれる砲撃事件の懸念があり、立ち入りは厳禁です。
シュニク州・ゴリスおよびカパン周辺
渡航中止検討・軍事警戒リスク観光拠点ではありますが、国境に非常に近いため突発的な衝突の影響を受けやすい地域です。夜間の移動は避け、最新の安全情報を常に確認してください。
シラク州・ギュムリ
注意が必要・比較的安全リスク第2の都市で、歴史的な街並みが安全に観光可能です。ロシア軍基地が存在するため、基地周辺での写真撮影やトラブルには注意が必要です。
ロリ州・ヴァナゾル周辺
注意が必要・自然災害リスク2024年の洪水被害からの復興が進んでいますが、雨季には土砂崩れや道路崩落のリスクがあります。山岳路の運転には細心の注意を払ってください。
タヴシュ州(北東部国境)
渡航制限・軍事境界リスク一部の村落で領土返還プロセスが進行しており、抗議デモや軍の展開が見られます。国境付近の幹線道路の通行にはリスクが伴います。
ヴァヨツ・ゾル州(国境付近)
高度な警戒リスクジェルムクなどの観光地を含む州ですが、一部の山岳地帯がアゼルバイジャン軍の監視下にあり、緊張が続いています。定められた観光ルートを外れないでください。
国内安全マップ
アルメニアの治安は「極めて危険な国境」と「非常に安全な一般地域」に二分されます。エレバンやギュムリ、ディリジャンといった主要観光地での滞在は、基本的な防犯意識(スリやタクシー詐欺への警戒)があれば、日本と同等に近い感覚で楽しむことが可能です。しかし、アゼルバイジャンとの和平が完全ではないため、スィユニク州などの南部・東部国境への立ち入りは絶対に行わないでください。また、国内政治が流動的であり、2026年の総選挙に向けたデモの動向を常にニュースでチェックすることが、安全な旅の鍵となります。
観光の中心地で治安は極めて良好。深夜まで人通りが多く安全に歩けますが、共和国広場での政治集会発生時には注意が必要です。
リスク: スリ多発, タクシー詐欺, 政治デモ
詳細ページへ →日本政府から退避勧告が出ている最危険地帯。軍事衝突のリスクが常にあり、地雷の危険も深刻です。渡航は厳禁です。
リスク: 武力衝突, 地雷, 不当拘束
アゼルバイジャンとの境界付近で緊張が高まっています。軍の展開が激しく、砲撃の危険性もあるため近づかないでください。
リスク: 発砲事案, 軍事活動, 通行制限
第2の都市で、治安は安定しています。観光施設やレストランも安全ですが、ロシア軍基地周辺での写真撮影は避けてください。
リスク: スリ, 不慣れな運転
夏場の観光地として人気ですが、東側は国境に近いため注意。観光客を狙った物乞いや軽微な盗難が報告されています。
リスク: 窃盗, 水難事故, ぼったくり
自然豊かなリゾート地。治安は非常に良く、ハイキング等も安全に楽しめますが、毒蛇(ギュルザ)には注意が必要です。
リスク: 毒蛇, 道迷い, 野生動物
工業地帯を含む住宅街。夜間の街灯が少なく、治安が悪化する傾向があります。観光客が夜間に一人で歩くのは避けるべきです。
リスク: 街灯不足, 薬物犯罪, 野犬の群れ
スキーリゾート地。警察の巡回も多く、非常に安全なエリアです。外国人観光客が多く、詐欺などのリスクも低いです。
リスク: スキー事故, 不衛生な飲食物
有名なスパタウンですが、2022年の軍事衝突時には攻撃対象となりました。現在は落ち着いていますが、国境が近いため緊張は残ります。
リスク: 軍事境界への近接, 突発的な交通遮断
一部の村で領土画定作業が進んでおり、政治的緊張が高まっています。抗議活動による道路封鎖が発生することがあります。
リスク: デモ, 道路封鎖, 軍事的警戒
犯罪・治安情報
犯罪統計
スリ・窃盗
リスク: 3/5多発エリア: ベルニサージュ市場, 共和国広場周辺, 地下鉄内, カスカード, マルシュルートカ(乗合バス)
手口:
- グループで囲んで注意を逸らす
- バッグの口が開いている隙に抜き取る
- 親しげに話しかけながら財布を盗む
対策:
- バッグは必ず体の前に抱える
- 多額の現金を持ち歩かない
- 混雑した場所では周囲への警戒を怠らない
スリ・置き引きは2023年以降横ばいですが、観光客が集まる場所での報告が集中しています。
詐欺
リスク: 4/5多発エリア: ズヴァルトノッツ空港, エレバン中心部のバー, 観光地のタクシー乗り場, 路上
手口:
- タクシーのメーター故障詐欺
- レストランでの外国人向け二重価格
- ハニー・トラップ型のバーぼったくり
対策:
- 配車アプリ(Yandex/gg)を必ず使う
- 注文前に必ずメニューの価格を確認する
- 知らない人の誘いに乗ってバーに行かない
詐欺罪の登録件数は2024年に前年比14%増加しており、手口が巧妙化しています。
凶悪犯罪
リスク: 2/5多発エリア: 郊外の住宅地, 深夜のナイトクラブ周辺, 人通りの少ない路地
手口:
- 銃器を用いた抗争(稀)
- 泥酔者同士の喧嘩
- 家庭内暴力(DV)
対策:
- 深夜に人通りの少ない場所を歩かない
- 泥酔した客が多い場所を避ける
- 地元のトラブルに首を突っ込まない
銃器使用犯罪が近年増加していますが、観光客が標的になるケースは極めて稀です。
traffic_accident
リスク: 4/5多発エリア: エレバン市内の幹線道路, 郊外の山岳道路, 未舗装の地方道
手口:
- 無理な追い越し
- 速度超過
- 夜間の街灯不足による衝突
対策:
- 夜間の郊外走行は絶対に避ける
- 歩行時も車両を信用せず警戒する
- 運転マナーが荒いことを前提に行動する
交通事故死者数は人口比で日本より格段に高く、最大の物理的リスクの一つです。
薬物関連
リスク: 2/5多発エリア: 特定のナイトクラブ, 郊外の廃墟周辺, SNSを通じた取引場所
手口:
- インターネットを通じたデリバリー
- クラブでの密売
対策:
- 薬物を勧める人物とは距離を置く
- 怪しいエリアの夜間立ち入りを避ける
- 不審な荷物の預かりを拒否する
2023年に薬物犯罪が前年比約2倍と急増しており、警察が取り締まりを強化しています。
健康・医療情報
ワクチン情報
アルメニア入国に際して義務付けられている予防接種はありませんが、国内の衛生環境を考慮し、A型肝炎、B型肝炎、狂犬病、破傷風の接種が強く推奨されます。特に2025年以降、狂犬病のリスクが高まっており、動物と接触する可能性がある場合は事前の接種が重要です。また、一般的な定期接種が完了していることも確認してください。
| ワクチン | 必須/推奨 | 備考 |
|---|---|---|
| A型肝炎 | 推奨 | 不衛生な飲食物を介した感染リスクがあるため、渡航前の接種が推奨されます。 |
| B型肝炎 | 推奨 | 事故や怪我の際の医療処置を通じた感染リスクがあるため、接種を検討してください。 |
| 狂犬病 | 推奨 | 野良犬が多く咬傷事故が急増しているため、特に地方へ行く場合は強く推奨されます。 |
| 破傷風 | 推奨 | 土壌中の細菌による感染を防ぐため、成人後の追加接種が済んでいるか確認が必要です。 |
| 麻疹・風疹 | 推奨 | 集団感染のリスクを抑えるため、抗体がない場合は接種が推奨されます。 |
健康リスク
最も注意すべきは狂犬病で、エレバン市内外を問わず野良犬による咬傷被害が多発しており、感染による死亡例も報告されています。また、農村部では未殺菌の乳製品を介した炭疽(たんそ)のリスクがあります。全域で飲食物による胃腸炎のリスクがあるため、生水の飲用や非加熱食品の摂取には注意が必要です。山間部ではダニ媒介性疾患の恐れもあります。
医療施設
首都エレバンには一定の水準を満たす私立病院があり、英語での受診が可能ですが、日本語対応はありません。公立病院や地方の医療機関の設備は極めて不十分であり、重症の場合は国外への移送が必要になることもあります。医療費は外国人には全額自己負担となり高額になるため、緊急移送費用をカバーする海外旅行保険への加入が必須です。
入国・ビザ情報
ビザ要件: 日本国籍者は、観光、商用、親族訪問等の目的であれば、180日間以内の滞在については無査証(ビザなし)での入国が認められています。180日を超える長期滞在を希望する場合は、現地の入国管理局で滞在許可を取得する必要があります。オーバーステイには高額な罰金が科せられ、将来的な入国拒否の対象となる恐れがあるため注意が必要です。
パスポート有効期限
入国時にパスポートの有効期限がアルメニア出国時まで残っている必要があります。ただし、周辺国への移動や不測の事態による滞在延長に備え、入国時点で3ヶ月から6ヶ月程度の有効期間が残っていることが強く推奨されます。また、査証欄には最低1ページ以上の空白が必要です。
持ち込み禁止・制限品
10,000米ドル相当額を超える現金の持ち込みまたは持ち出しには申告義務があります。歴史的・文化的な価値がある骨董品や芸術品の持ち出しには政府の許可証が必要です。麻薬、武器、ポルノ等の持ち込みは厳禁です。
緊急連絡先
時間帯別安全情報
早朝
安全エレバンの早朝は清掃車や荷解きの人々が活動しており、非常に穏やかです。しかし、一部の主要都市を離れると街灯が消え、野犬の群れが活発に移動する時間帯でもあるため、徒歩移動には注意が必要です。ジョギングなどは明るい大通りに限定することをお勧めします。
安全な活動:
- ・中心部の散歩
- ・24時間営業スーパーでの買い物
- ・日の出の撮影(安全な場所で)
避けるべきエリア:
- ・郊外の住宅地
- ・未整備の公園
- ・野犬が多い空き地
交通: 配車アプリの利用が可能。徒歩の場合は大通りを推奨。
日中
安全観光に最適な時間帯です。エレバン中心部は人通りが多く、警察のパトロールも頻繁で非常に安全です。ただし、観光地や混雑した市場ではスリや自称ガイドに注意してください。地方への移動も明るい時間帯に済ませるのが鉄則です。
安全な活動:
- ・修道院巡り
- ・市場での買い物
- ・カフェでの休憩
避けるべきエリア:
- ・アゼルバイジャン国境地帯
- ・デモが発生している広場
交通: メトロ、配車アプリ、観光バスが安全で便利です。
夕方〜夜
安全夕食を楽しむ人々で賑わう時間帯です。共和国広場の噴水ショーなど多くの観光客が集まります。一般的に安全ですが、薄暗くなってからの「タクシーのぼったくり」や、観光客を狙った物乞い、偽の寄付募りなどが現れることがあります。手荷物には常に気を配ってください。
安全な活動:
- ・レストランでの食事
- ・噴水ショーの見学
- ・中心部の街歩き
避けるべきエリア:
- ・駅周辺の路地裏
- ・人気の少ない公園深部
交通: 配車アプリでの移動を推奨。流しのタクシーは避ける。
深夜
注意エレバン中心部は深夜0時を過ぎても賑やかですが、中心部を一歩外れると街灯が極端に少なくなります。酔っ払い同士のトラブルや、稀に「ハニー・トラップ」型の犯罪が報告されるのもこの時間帯です。深夜の独り歩き、特に外国人一人の場合はリスクが高まります。
安全な活動:
- ・信頼できるホテル内のバー
- ・明るい通り沿いのレストラン
避けるべきエリア:
- ・シェンガヴィト地区
- ・地下通路
- ・郊外の路地裏
交通: 必ず配車アプリを使用し、ドアをロックして乗車すること。
季節別ガイド
春 (March - May)
気温: 10°C - 25°C
降水: 年間で最も雨が多く、雷雨が発生しやすい。
服装: 重ね着ができる薄手のジャケットや、雨具が必要です。
おすすめ活動:
エレバン市内の散策, 修道院巡り, 高山植物の観察
リスク:
- ・洪水
- ・土砂崩れ
- ・急な気温変化
夏 (June - August)
気温: 30°C - 42°C
降水: 非常に乾燥し、雨はほとんど降りません。
服装: 通気性の良い夏服、サングラス、帽子、日焼け止め。
おすすめ活動:
セヴァン湖でのリゾート, 避暑地ディリジャンへの訪問, 夜間の屋外カフェ
リスク:
- ・熱中症
- ・強い紫外線
- ・山火事
秋 (September - November)
気温: 10°C - 25°C
降水: 穏やかで乾燥しており、観光に最適です。
服装: 日中は長袖、朝晩は厚手のジャケットが必要です。
おすすめ活動:
ワイナリー巡り, 果物収穫の体験, 紅葉のハイキング
リスク:
- ・日夜の激しい寒暖差
冬 (December - February)
気温: -15°C - 5°C
降水: 降雪があり、特に山岳地帯では積雪が多い。
服装: 厚手のダウンコート、滑り止め付きの靴、手袋、マフラー。
おすすめ活動:
スキーリゾートでの活動, 温泉スパ, 冬の景観観光
リスク:
- ・路面凍結による転倒
- ・道路封鎖
- ・極寒
ベストシーズン: 観光のベストシーズンは、自然が美しい5月中旬から6月中旬、または気候が安定し果物が豊富な9月から10月です。この時期は気温も穏やかで、修道院や山岳地帯の観光に最も適しています。真夏は40度を超え、真冬は極寒となるため、この時期の訪問は避けるのが賢明です。
環境リスク
野生動物のリスク
野良犬
リスク: 4/5生息地: 全土(エレバン市内含む)
全域に多くの野良犬が生息しています。狂犬病を保有している可能性が高いため、絶対に近づいたりエサをあげたりしないでください。犬に囲まれた場合は走って逃げず、ゆっくり後退してください。
治療: 咬まれた場合は直ちに傷口を石鹸水で洗い流し、24時間以内に病院で狂犬病ワクチンの暴露後接種を受けてください。
ギュルザ(毒蛇)
リスク: 5/5生息地: 岩場、草むら、山岳地帯
4月から5月の活動期は特に注意が必要です。強力な血液毒を持ち、噛まれると致命的になる恐れがあります。ハイキングの際は長ズボンと厚手の靴を着用し、不用意に岩の隙間に手を入れないでください。
治療: 直ちに救急車を呼び、抗蛇毒血清を備えた医療機関へ搬送する必要があります。患部を心臓より低く保ってください。
水の安全性
水道水: 飲用不可
エレバン市内には飲用水設備「プルプラク」がありますが、旅行者は市販のミネラルウォーターを購入することを強く推奨します。安価でどこでも入手可能です。
交通安全
事故死亡率: 11.5人/10万人
歩行者リスク: 車優先の意識が強く、横断歩道でも車は止まりません。横断時は車が停車したことを確認してから渡ってください。夜間は街灯が少ないため特に危険です。
公共交通: 地下鉄は安全ですが、乗り合いバス(マルシュルートカ)は運転が荒く、車両も老朽化しているため事故リスクがあります。
地域別ガイド
エレバンと周辺地域(Kentron)
レベル 1アルメニアの首都であり経済・文化の中心地です。24時間人通りがあり、夜間でも非常に安全に観光できます。共和国広場やカスカードなどの観光スポット、レストランやカフェが集まっています。
主要都市: エレバン, エチミアジン
特有リスク:
- ・観光地でのスリ・置き引き
- ・タクシーの料金トラブル
- ・大規模なデモへの遭遇
北部地域(ロリ・タヴシュ・シラク州)
レベル 2「アルメニアのスイス」と呼ばれるディリジャンや、第2の都市ギュムリを含む緑豊かな地域です。世界遺産のハグパト修道院などがあります。自然が豊かですが、山岳部の道路状況には注意が必要です。
主要都市: ギュムリ, ヴァナゾル, ディリジャン
特有リスク:
- ・春先の融雪による洪水・土砂崩れ
- ・山岳路の運転マナーの悪さ
- ・野良犬による咬傷被害
セヴァン湖・ゲガルクニク地域
レベル 2コーカサス最大の湖、セヴァン湖を擁するリゾート地です。夏場は多くの観光客で賑わいます。東部はアゼルバイジャン国境に近いため、国境付近への不用意な立ち入りは厳禁です。
主要都市: セヴァン, ガヴァル
特有リスク:
- ・国境付近の武力衝突リスク
- ・湖での水難事故
- ・未舗装路の走行困難
南部地域(スィユニク・ヴァヨツ・ゾル州)
レベル 4絶景のタテヴ修道院やゴリスがありますが、アゼルバイジャンに挟まれた回廊地帯であり、軍事的緊張が極めて高い地域です。日本の外務省は一部地域に退避勧告を出しています。
主要都市: ゴリス, カパン, ジェルムク
特有リスク:
- ・軍事衝突・発砲事案
- ・未撤去の地雷
- ・主要道路の封鎖
西部・アラガツォトゥン地域
レベル 1アルメニア最高峰のアラガツ山を擁する地域です。アンベルド要塞や天文台などがあり、エレバンからの日帰り観光が盛んです。自然保護区が多く、治安は非常に安定しています。
主要都市: アシュタラク, アパラン
特有リスク:
- ・高山病リスク(登山時)
- ・冬期の積雪による通行止め
- ・毒蛇・サソリへの遭遇
経済・物価情報
経済概要
2024年のGDP成長率は5.9%と堅調で、2025年以降も観光業の多角化やIT産業の発展により4.5〜5.0%程度の成長が見込まれています。かつてはロシア経済への依存度が非常に高かったものの、現在は欧米やアジアとの経済連携を強化し、市場の分散を図っています。失業率は11%前後で推移しており、政府は雇用創出とインフラ整備を経済成長の柱としています。
生活費・物価
旅行者の1日あたりの予算目安は、バックパッカーで約4,000円〜6,000円、中級で10,000円〜15,000円程度です。食事はカジュアルなレストランで1,200円程度、宿泊は中級ホテルで1泊8,000円前後、地下鉄は1回約40円と非常に安価です。ただし、近年はインフレの影響でエレバン市内のカフェやレストランの価格が上昇傾向にあります。
通貨情報
通貨はアルメニア・ドラム(AMD)です。2025年1月現在、1ドラムは約0.4円です。両替は銀行のほか、スーパーマーケット内にある両替所がレートが良く深夜まで営業しており便利です。エレバン市内ではクレジットカードやApple Payが広く普及していますが、地方の商店やチップ、タクシー用には小額の現金を常に用意しておく必要があります。
チップガイド
レストランではサービス料として5〜10%が自動的に加算されることが多いですが、満足した場合はさらに5%程度を追加で渡すのが一般的です。タクシー(配車アプリ)では、端数を切り上げて支払うか、少額のチップを渡すと喜ばれます。
予算ガイド
低予算旅行者はホステルや自炊、公共バスの利用で1日5,000円以下に抑えることが可能です。中級旅行者は個室のゲストハウスと観光タクシーの利用で15,000円程度、ラグジュアリー層はエレバンの5つ星ホテルとプライベートツアーを利用することで、1日40,000円以上の質の高い体験が期待できます。
文化・マナー情報
歴史的背景
紀元前からの長い歴史を持ち、西暦301年に世界で初めてキリスト教を国教とした国として知られています。中世にはアルメニア王国として繁栄しましたが、その後はオスマン帝国やロシア帝国の支配を受けました。1915年のアルメニア人虐殺という悲劇的な歴史を乗り越え、1991年にソ連から独立しました。これらの歴史的背景はアルメニア人の強い民族意識と文化的なアイデンティティを形成しています。
社会規範・マナー
家族の絆を非常に大切にし、客人を歓迎するホスピタリティが極めて高いのが特徴です。年長者への敬意を払うことが重視され、公共交通機関では若者が高齢者や妊婦に席を譲るのが当然の光景です。伝統的な価値観が残る一方で、エレバンの若者は非常にモダンで開放的です。政治的に敏感な話題、特にアゼルバイジャンやトルコとの関係、過去の紛争についての議論は、親しくなるまでは避けるのが賢明です。
宗教・慣習
人口の9割以上がアルメニア使徒教会の信徒です。修道院や教会は神聖な場所であり、訪問時には服装に配慮が求められます。男性は短パンを避け、女性は肩を出しすぎない服装や、頭にスカーフを巻くことが好まれる場所もあります。宗教的な祝祭日は国民全体で祝われ、特に復活祭(ザティック)などは重要なイベントです。歴史ある教会内での撮影は制限される場合があるため、事前の確認が必要です。
宿泊・食事ガイド
宿泊ガイド
エレバン市内にはハイアットやマリオットなどの高級ホテルから、お洒落なブティックホテル、1泊1,500円程度のホステルまで幅広く揃っています。地方では「B&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)」と呼ばれる家庭的なゲストハウスが一般的で、アルメニア人のリアルな生活と手作りの朝食を楽しめます。Booking.comが広く普及しており、予約は容易です。地方の古いホテルは設備が老朽化している場合があるため、レビューを確認しましょう。
食事ガイド
アルメニア料理は世界最古の料理の一つで、素材の味を活かしたヘルシーな内容が特徴です。薄焼きパン「ラヴァシュ」、炭火焼肉「ホロヴァツ」、ブドウの葉で米や肉を包んだ「ドルマ」は必食です。また、世界最古のワイン生産地としても知られ、アレニ産の赤ワインや高級ブランデー「アララト」は非常に高品質です。水は「プルプラク」という街中の水飲み場のものが飲用可能ですが、旅行者はボトル入りの水を推奨します。
実用情報
通信・SIM
Team (旧Beeline)、Viva-MTS、Ucomの3社が主流。空港の到着ロビーで24時間購入可能。1,000円程度で大容量のデータ通信が可能です。エレバン市内のカフェやホテルでは高速WiFiが普及していますが、地方の山岳地帯では電波が途切れることがあります。
銀行・ATM
エレバンには24時間対応のATMが至る所にあり、Visa/Mastercardでのキャッシングが可能。手数料は1回300円〜500円程度。銀行窓口での日本円からの両替は難しいことが多いため、米ドルかユーロ、またはキャッシングを利用してください。
郵便・配送
HayPost(ハイポスト)が全国に展開。エレバン中央郵便局は共和国広場近くにあります。国際郵便(EMS)も利用可能ですが、日本への到着には通常10〜14日程度かかります。小包を送る際は内容物のチェックが厳格に行われます。
電源・アダプター
電圧は230V、周波数は50Hz。プラグ形状はCタイプまたはFタイプ(丸2ピン)です。日本の電化製品を使用するには変圧器(対応していない場合)と変換プラグが必須です。停電は稀ですが、地方では電圧が不安定なことがあります。
洗濯サービス
エレバン市内にはセルフランドリーやホテルの洗濯サービスがありますが、地方では宿泊先での手洗いか、スタッフへの依頼が一般的です。ドライクリーニング店は中心部に数店舗あり、翌日仕上げも可能です。
公衆トイレ
エレバン市内には有料の公衆トイレ(約100ドラム)がありますが、数は少ないです。カフェやモールのトイレを利用するのが一般的。地方のガソリンスタンドのトイレは和式に似た「スクワット式」が多く、衛生状態は様々です。紙がない場合に備え、携帯用ティッシュが必須です。
主要都市ガイド
ギュムリ
Gyumri
第2の都市であり、1988年の震災から復興を遂げた「芸術の街」です。19世紀のロシア帝国時代の黒い石造りの建物が並ぶ歴史地区は美しく、多くの美術館や工房があります。人々はユーモアにあふれ、ホスピタリティが高いことで有名です。
主な観光地:
ヴァルダナンツ広場, セヴ・ベルド(黒い要塞), ギュムリ歴史地区
避けるべきエリア:
- ・夜間の郊外住宅地
- ・照明の少ない路地裏
ベストシーズン: 5月〜9月
詳細ページへ →ディリジャン
Dilijan
「アルメニアのスイス」と称される森林に囲まれたリゾート地です。冷涼な気候と美しい自然が魅力で、近年はIT企業や国際学校の拠点としても注目されています。ハイキングコースが整備されており、アウトドア派に人気です。
主な観光地:
シャルンベヤン通り(歴史地区), ハガルツィン修道院, ゴシャヴァンク修道院
避けるべきエリア:
- ・雨天時の不安定な山道
- ・人里離れた夜間の森
ベストシーズン: 6月〜10月
詳細ページへ →ゴリス
Goris
奇岩群と洞窟住居で知られる南部の中心都市です。タテヴ修道院への拠点となります。非常に美しい街並みですが、アゼルバイジャン国境に近く、軍の展開が見られるため、政治情勢に注意が必要です。
主な観光地:
オールド・ゴリスの洞窟, クンゾレスクの吊り橋, タテヴのロープウェイ
避けるべきエリア:
- ・アゼルバイジャン国境から5km圏内
- ・軍事施設周辺
ベストシーズン: 5月〜10月
詳細ページへ →ツァグカゾール
Tsaghkadzor
冬はスキー、夏は避暑地として知られるアルメニア最大の山岳リゾートです。ソ連時代からのトレーニング拠点としても有名で、近代的なホテルやスポーツ施設が整っています。家族連れでも安心して過ごせます。
主な観光地:
ケチャリス修道院, スキー場・ロープウェイ, オーベリ兄弟博物館
避けるべきエリア:
- ・冬期のコース外滑走
- ・深夜のナイトクラブ周辺
ベストシーズン: 12月〜3月、7月〜8月
詳細ページへ →セヴァン
Sevan
標高1900mにあるセヴァン湖畔の街です。湖に突き出した半島にあるセヴァナヴァンク修道院は必見です。観光客が非常に多いため、軽犯罪への警戒が必要ですが、基本的には安全です。
主な観光地:
セヴァナヴァンク修道院, セヴァン湖ビーチ, ハイリヴァンク修道院
避けるべきエリア:
- ・混雑したビーチでの貴重品管理
- ・未認可の貸しボート
ベストシーズン: 7月〜8月
詳細ページへ →交通詳細ガイド
国内線フライト
アルメニアの国内線は非常に限定的です。首都エレバンのズヴァルトノッツ国際空港と、南部のカパン(シュニク空港)を結ぶ路線が散発的に運行されていますが、アゼルバイジャンとの国境情勢により欠航やスケジュールの変更が頻繁に発生します。観光利用としては利便性が低く、移動手段としては車(タクシーやミニバス)が主流です。航空券の購入は現地の旅行代理店や航空会社のウェブサイトで可能ですが、常に最新の運航状況を確認する必要があります。
鉄道・バス
鉄道は南コーカサス鉄道が運営しており、エレバン〜ギュムリ間の高速列車が最も利用価値が高いです。トビリシ(ジョージア)行きの国際寝台列車も季節運行されていますが、速度は非常に遅いです。都市間移動の主力は「マルシュルートカ」と呼ばれる乗り合いミニバスです。非常に安価(100kmで500円程度)ですが、定員になるまで出発せず、運転が荒いことが多いため、ある程度の忍耐と旅慣れたスキルが必要です。
レンタカー・配車サービス
エレバン市内では配車アプリ「Yandex Go」または「gg」の利用が絶対の推奨です。明朗会計でGPS追跡もされるため安全です。レンタカーはエレバン市内で国際的チェーンが営業しており、車両の状態は良好です。ただし、アルメニアの運転マナーは非常に強引で、割り込みや速度超過が日常的です。また、地方の山岳道路は街灯がなく、夜間は牛や羊が飛び出すため、夜間の郊外走行は極めて危険であり避けるべきです。
交通リスク評価
最もリスクが高いのは流しのタクシーによるぼったくりと、地方でのマルシュルートカによる交通事故です。地下鉄や配車アプリを利用することで、物理的・金銭的なリスクを最小限に抑えられます。冬期の山岳道路は凍結し、チェーンを装着しない車両も多いため、12月〜3月の地方移動は鉄道の利用か、熟練した運転手による4WDのチャーターを検討してください。
都市別交通ガイド
Yerevan
地下鉄: 1路線のみ。非常に清潔で安全、1回100ドラム(約40円)。
バス: 青い新型バスが導入され利便性が向上。ICカード決済が普及中。
タクシー: Yandex Goが主流。初乗り約250円。
徒歩・自転車: 中心部は歩行者天国が多く徒歩観光に最適。
費用目安: 1日移動費:500円〜1,000円
大使館・長期滞在情報
在外公館ネットワーク
在アルメニア日本国大使館
Embassy - Yerevan
住所: 23/4 Babayan St., Yerevan, Republic of Armenia
電話: +374-11-523010
管轄: Armenia全域
緊急対応: 24時間対応(閉館時は緊急電話番号経由)
領事サービス
大使館では、パスポートの更新や紛失時の「帰国のための渡航書」の発行、戸籍謄本の証明、在外選挙登録などのサービスを提供しています。また、現地の治安情勢に関する情報の提供や、邦人が事件・事故に巻き込まれた際の医療機関・弁護士の紹介、家族への連絡支援も行っています。ただし、金銭の貸し出しや捜査機関への介入、民事トラブルの解決などは権限外となります。
長期滞在ビザ
日本国籍者は180日間のビザなし滞在が可能ですが、それを超える場合は滞在許可証の申請が必要です。就労、留学、家族訪問、ビジネス投資などの区分があり、エレバンの入国管理局(OVIR)で手続きを行います。必要書類には英文の犯罪経歴証明書や健康診断書が含まれる場合があり、発行までに数週間から数ヶ月を要するため、余裕を持った計画が必要です。不法滞在には高額な罰金が科されます。
リモートワーク・デジタルノマド
アルメニアは物価が安く、インターネット速度もエレバン市内では高速なため、デジタルノマドに人気の渡航先になりつつあります。特別なノマドビザはありませんが、180日間のビザなし期間を利用して滞在する外国人が多いです。IT産業への投資を推奨しており、個人事業主としての登録も比較的容易で、税制優遇措置を受けられる場合もあります。コワーキングスペースもエレバン市内に充実しています。
ビジネスビザ
短期の商用目的であればビザなし滞在の範囲内で活動可能です。長期のビジネス活動や会社設立を伴う場合は、投資家向けの滞在許可証を申請します。アルメニア政府は外国投資を歓迎しており、会社設立手続きは簡素化されていますが、契約書や公的書類はアルメニア語への翻訳と公証が必要になります。信頼できる現地の弁護士やコンサルタントを通じて手続きを進めることが推奨されます。
推奨防犯装備
マネーベルト・シークレットポーチ
必須防犯グッズ
エレバンの市場や混雑した公共交通機関でのスリ対策として、パスポートや予備の現金を分散保持するために必須です。
モバイルバッテリー(大容量)
必須通信機器
地方への移動は時間がかかることが多く、配車アプリ(Yandex Go)の利用が不可欠なため、スマートフォンの電池切れを防ぐために重要です。
オフライン地図アプリ(Google Maps/Maps.me)
推奨通信機器
地方の山岳地帯や修道院周辺では電波が不安定な場所があるため、事前に地図データをダウンロードしておくことを推奨します。
翻訳アプリ(Google翻訳アルメニア語)
推奨通信機器
地方では英語が通じない場面が多く、特に独自のアルメニア文字を読む際や、現地の人との意思疎通に非常に役立ちます。
防犯ブザー・ホイッスル
推奨防犯グッズ
夜間の独り歩きや、万が一の強盗・暴漢対策として有効です。周囲に危険を知らせるための基本的な装備として携行してください。
除菌ウェットティッシュ・携帯用石鹸
オプション衛生用品
地方の食堂や公共トイレでは衛生管理が不十分な場合があるため、経口感染症を防ぐために持参すると安心です。
海外旅行保険(救急搬送費用無制限)
必須保険
狂犬病や毒蛇の被害、交通事故の際、地方からエレバンの高度な医療機関へ搬送される費用は非常に高額になるため必須です。
ポータブルドアロック
オプション防犯グッズ
地方の安宿やゲストハウスに宿泊する際、内鍵の強度が不安な場合の追加セキュリティとして有効です。
旅行者タイプ別ガイド
女性旅行者向けガイド
アルメニアは伝統的な家父長制が残る社会ですが、外国人女性旅行者に対しては非常に敬意を持って接する文化があります。首都エレバンの中心部は深夜0時を過ぎても女性の一人歩きが可能なほど安全ですが、地方や人通りの少ない路地では注意が必要です。ストリートハラスメント(つきまといやナンパ)は稀に発生しますが、毅然とした態度で「チェ(いいえ)」と断れば深追いされることは少ないです。服装については基本的に自由ですが、修道院や教会を訪問する際は、肩や膝を露出させない控えめな服装がマナーとされ、スカーフで髪を覆うことが推奨される場所もあります。夜間の移動は流しのタクシーを避け、Yandex Goやggといった配車アプリを利用することで、乗車記録が残り、料金トラブルや予期せぬトラブルを未然に防ぐことができます。一人でバーやナイトクラブを訪れる際は、飲み物から目を離さない、知らない人からの過度な誘いには乗らないといった基本的な海外旅行の防犯意識を持つことが大切です。総じて、女性一人でも十分に楽しめる国ですが、現地の習慣を尊重しつつ、安全策を講じることが重要です。
LGBTQ+旅行者向けガイド
アルメニア社会は依然として非常に保守的で、キリスト教的価値観が強く根付いています。同性愛は法律で非犯罪化されていますが、社会的な受容度は低く、公の場での愛情表現(手をつなぐ、キスをするなど)は、同性同士の場合、激しい拒絶や嫌がらせ、場合によっては暴力の対象となるリスクがあります。エレバンの中心部には一部のLGBTQ+フレンドリーなカフェやバーが存在しますが、表立った看板は出していないことが多いです。旅行者としては、公共の場では慎重に行動し、性的指向について公言することは避けるのが安全です。SNSでの投稿も、位置情報を含める場合は慎重に判断してください。保守的な地方部では特に注意が必要で、周囲の視線や反応に配慮した行動が求められます。個人のプライバシーは尊重されますが、公の場での政治的な権利主張などは現時点では非常にデリケートな問題として扱われます。
家族・シニア旅行者向けガイド
アルメニア人は子供が大好きで、家族連れの旅行者には非常に親切です。レストランや公共の場でも子供連れは歓迎され、席を譲られたり話しかけられたりすることが頻繁にあります。エレバン市内には公園や遊具施設が充実しており、家族で楽しめますが、歩道の段差が多くベビーカーでの移動は困難を伴う場合があります。シニア旅行者にとっては、アルメニアの歴史的な修道院の多くが急な階段や未舗装の坂道の上にあることが課題となります。有名なタテヴ修道院のロープウェイなど、バリアフリーに近い設備を利用することで体力の消耗を抑えられます。移動はマルシュルートカではなく、貸切タクシー(配車アプリのワンランク上の車種)を利用することで、快適かつ柔軟なスケジュール管理が可能です。医療面では、エレバン市内には英語対応可能な近代的な病院がありますが、地方では医療水準が限られるため、持病がある場合は英文の診断書を携行し、十分な分量の薬を持参してください。ホスピタリティあふれる人々との交流は、全世代にとって素晴らしい旅の思い出になるでしょう。
安全に関するよくある質問
エレバンの夜道を女性一人で歩けますか? ▼
中心部(Kentron)であれば深夜でも非常に安全です。ただし、照明が少ない郊外や人通りのない路地は避け、移動には配車アプリを使用してください。
アゼルバイジャン国境付近へ行っても大丈夫ですか? ▼
日本の外務省はレベル4(退避勧告)を発令しています。偶発的な衝突や地雷の危険があるため、絶対に近づかないでください。
政治的なデモに遭遇したらどうすればいいですか? ▼
速やかにその場を離れてください。平和的なデモでも警察との衝突に発展する可能性があり、音響弾などが使用される場合もあります。
スリに遭わないための対策は? ▼
バッグは常に体の前に抱え、財布は後ろポケットに入れないでください。特に地下鉄や市場(ベルニサージュ)では警戒が必要です。
野良犬に噛まれたら? ▼
直ちに傷口を石鹸と流水で洗い、24時間以内に病院で狂犬病ワクチンを接種してください。アルメニアでは狂犬病の感染リスクがあります。
実用的なよくある質問
日本円から直接両替できますか? ▼
エレバンの一部の大手銀行や両替所では可能ですが、レートが悪く取り扱いも限定的です。米ドルやユーロ、またはキャッシングが推奨されます。
水道水は飲めますか? ▼
エレバン市内のプルプラク(水飲み場)は飲用可能とされていますが、短期旅行者は胃腸への負担を考え、ボトル入りの水を推奨します。
チップの相場は? ▼
レストランでは会計の5〜10%程度。サービス料が含まれている場合は不要ですが、端数を置くのがスマートな習慣です。
英語はどの程度通じますか? ▼
エレバンの若者や観光地ではよく通じますが、地方や高齢者にはロシア語かアルメニア語のみとなることが多いです。
タクシーでぼったくられないためには? ▼
「Yandex Go」または「gg」アプリを必ず使用してください。流しのタクシーは交渉が難しく、外国人には高値を要求します。
アルメニアの治安に関するよくある質問
アルメニアの治安は良い?悪い? ▼
アルメニアの治安は非常に良好で、特に首都エレバンの中心部は夜間でも女性が一人で歩けるほど安全です。しかし、近年のアゼルバイジャンとの紛争により、国境付近の緊張は極めて高く、一部地域には退避勧告が出ています。一般観光地では安全ですが、政治情勢には注視が必要です。
アルメニアで危険な地域はどこ? ▼
スィユニク州やゲガルクニク州のアゼルバイジャン国境付近は、武力衝突や地雷の恐れがあり、危険度レベル4(退避勧告)となっています。また、ゴリスやカパン周辺もレベル3と高く、突発的な衝突に巻き込まれるリスクがあるため、これらの地域への不要不急の立ち入りは避けてください。
アルメニア旅行はやばい?本当に行って大丈夫? ▼
一般的な観光ルートであれば「やばい」ほどの危険はありません。しかし、アゼルバイジャンとの領土問題を巡る大規模な反政府デモが国内で散発しており、警察との衝突が発生する場合もあります。デモの発生場所(主に共和国広場周辺)を避ければ、安全に旅行を楽しむことが可能です。
アルメニアは女性一人でも怖くない? ▼
暴力犯罪の発生率は低く、女性一人旅でも過度に「怖い」と感じることは少ないでしょう。ただし、夜間の裏路地や人通りの少ない場所は避け、移動には正規の配車アプリを利用するなどの基本的な安全対策は必要です。政治的な集会が行われている場所には決して近づかないようにしましょう。
アルメニアでスリに遭わないための対策は? ▼
エレバンのヴェルニサージュ(市場)や公共バス、混雑した観光名所ではスリへの警戒が必要です。貴重品は肌身離さず持ち歩き、カバンはチャックを閉めて体の前に抱えるようにしましょう。特に市場では、買い物に夢中になっている隙を狙われることが多いため注意してください。
アルメニアで多い詐欺の手口は? ▼
最も多いのはタクシー料金のぼったくり詐欺です。外国人観光客に対し、通常の数倍の料金を請求するケースが頻発しています。対策として「Yandex Go」や「GG」などの配車アプリを利用し、乗車前に料金を確定させることが有効です。また、レストランでの過剰請求にも注意しましょう。
アルメニアで日本人が巻き込まれやすい犯罪は? ▼
日本人が巻き込まれやすい主な犯罪は、スリ、置き引き、タクシー詐欺などの軽犯罪です。凶悪犯罪に遭う確率は低いですが、2026年現在は紛争の影響で国内に銃器が流出しているという懸念材料もあります。繁華街での喧嘩やトラブルには絶対に関わらないよう心がけてください。
アルメニア旅行で注意すべきことは? ▼
第一にアゼルバイジャン国境地帯へ近づかないこと、第二に政治デモを避けることです。また、軍事施設や国境付近での写真撮影は拘束の対象となるため厳禁です。宗教施設を訪れる際は露出を控えるなど、現地の文化や習慣への配慮も忘れないようにしてください。
アルメニアで起こりやすいトラブルは? ▼
タクシーでの料金トラブルや、政治的な話題に触れた際の論争、また市場での法外な価格設定などが挙げられます。また、アゼルバイジャンとの紛争地への訪問歴がある場合、入国時に厳しい質問を受けることがあります。常に最新の安全情報を確認し、冷静に行動することが重要です。
アルメニアで被害に遭ったらどうする? ▼
事件や事故に遭った場合は、速やかに現地の警察(102)に通報してください。言葉が通じない場合はホテルのスタッフに協力を仰ぎましょう。パスポートの紛失や盗難の際は、エレバンの在アルメニア日本国大使館に連絡し、帰国のための渡航書の発行手続きを依頼してください。
アルメニアの治安詳細
アルメニアの治安概要
アルメニアはコーカサス諸国の中でも治安が良い国として知られています。首都エレバン中心部は深夜の独り歩きが可能なほど安全で、住民のホスピタリティも高いのが特徴です。しかし、2020年以降のアゼルバイジャンとの紛争により、一部の国境地域では極めて高い緊張状態が続いています。国内政治も不安定で、領土問題を巡るデモが散発しています。一般犯罪は世界平均より低水準ですが、観光客を狙った軽犯罪への備えは必要です。
アルメニアは危険?やばい?
アルメニアが「危険」または「やばい」と言われる主な理由は、アゼルバイジャンとの国境紛争と、それに伴う国内の政治的不安です。スィユニク州などの国境地域は軍事衝突や未撤去地雷の恐れがあるため、文字通り「危険」ですが、通常の観光地(エレバン、セヴァン湖、ギュムリなど)は極めて安全です。ただし、紛争由来の未回収武器が社会的な不安定要素となっている側面もあり、2026年6月の総選挙に向けてデモが激化している際の共和国広場周辺などは避けるべきスポットです。
アルメニアは怖い?一人旅でも大丈夫?
アルメニアは女性一人旅でも特に「怖い」と感じる場面は少ない国です。現地の男性はレディーファーストの精神があり、夜間でも街灯が多い場所なら比較的安心して歩けます。ただし、タクシーなどの密室で不当な要求をされたり、デモ隊の興奮した雰囲気に巻き込まれたりすることへの不安は拭えません。政治的緊張が高まる時期は、群衆が集まる場所を避けることで、心理的な怖さを最小限に抑えることができます。また、夜間の移動は必ず信頼できる配車アプリを利用しましょう。
スリ・詐欺・犯罪の実態
犯罪発生率は低いものの、観光客を狙った「スリ」や「詐欺」には注意が必要です。特にエレバンの「ヴェルニサージュ(市場)」や公共バスの中では、注意が逸れた隙を狙う置き引きが報告されています。また、タクシーでの料金ぼったくり詐欺は非常に多く、外国人だと分かると相場の数倍を要求されることがあります。これらはアプリによる配車サービスを利用することで防げます。2023年の紛争以降、国内に約17,000丁の自動小銃が未回収のまま流出しているという報告もあり、暴力事件に発展するリスクがゼロではないことも念頭に置くべきです。
地域別の危険度
アルメニアの危険度は地域によって明確に分かれます。首都エレバンや第2の都市ギュムリは「レベル1」で安定していますが、政治デモが行われる場所は例外です。一方で、スィユニク州やゲガルクニク州のアゼルバイジャン国境地帯は「レベル4(退避勧告)」となっており、軍事衝突や地雷の危険から絶対に立ち入ってはなりません。また、シュニク州のゴリスやカパン周辺は「レベル3」で、観光拠点でありながら国境に近接しているため、夜間の移動や単独行動は控えるべき危険エリアに分類されています。
アルメニア旅行で注意すべきポイント
最大の注意点は「アゼルバイジャン国境に近づかないこと」と「政治デモを避けること」です。外務省が退避勧告を出している地域への立ち入りは、生命の危険に直結します。また、アルメニア正教の教会など宗教施設を訪れる際は、露出の少ない服装を心がけるなど文化への敬意が求められます。軍事施設や警察関係、アゼルバイジャン側が視認できる場所での写真撮影は、トラブルや拘束の原因となるため厳禁です。2026年の選挙期間中は特に情報収集を徹底してください。
よくあるトラブル事例
よくあるトラブルは、非公式タクシーの料金交渉決裂による言い争いや、市場での法外な観光客価格の押し付けです。また、政治デモに好奇心で近づき、警察の鎮圧行動に巻き込まれて負傷したり拘束されたりする事例も過去に発生しています。身近なトラブルとしては、セヴァン湖周辺で強引なレジャー勧誘に遭うケースも報告されています。さらに、旧ソ連圏のルールとして撮影禁止エリアが多く、知らずにシャッターを切って警察から警告を受けるトラブルも散見されます。
被害に遭った場合の対応
万が一、犯罪被害やトラブルに遭った場合は、まず現地の警察(緊急ダイヤル102)に通報してください。パスポートを紛失・盗難された場合は、エレバンにある「在アルメニア日本国大使館」で「帰国のための渡航書」の発行手続きが必要です。事前にパスポートのコピーや証明写真を別送しておくとスムーズです。海外旅行保険に加入している場合は、保険会社のサポートラインへ連絡し、指示を仰ぎましょう。現地の言葉が不自由な場合は、日本語が通じる大使館のサポートが非常に頼りになります。