ベラルーシ / Belarus

渡航安全レポート

最終更新: 2026年1月18日
12
安全スコア
E-
身体的安全
D-
医療・衛生
C-
詐欺・スリ
D+
テロリスク

総合評価

日本政府より最高レベルの退避勧告が出ています。ウクライナ情勢への関与に加え、外国人に対する恣意的な拘束やスパイ容疑での起訴リスクが極めて高く、通常の観光は不可能な状況です。緊急時の脱出ルートも制限されており、渡航は生命の危険を伴います。

身体的安全 (E-)

ウクライナ国境での軍事活動やドローン飛来に加え、治安当局による物理的な拘束、尋問、虐待のリスクが全国的に存在します。特に日本人はスパイ容疑をかけられる実例が出ており、身体の安全は全く保証されません。

医療・衛生 (D-)

外国人への医療は高額かつ制限的で、重症時の国外移送も国境閉鎖により極めて困難です。南部ではチェルノブイリ事故による残留放射能、全域でダニ媒介性脳炎のリスクがあり、衛生・医療インフラは著しく不安定です。

詐欺・スリ (C-)

路上でのスリなどは比較的少ないですが、経済制裁の影響で海外カードが利用できない状況を突いた両替詐欺や高額請求が多発しています。当局が関与する「偽警官」による所持品検査を装った窃盗も報告されています。

テロリスク (D+)

一般的なテロリスクより、現政権による反体制活動の「テロ」定義が脅威です。SNSの利用や写真撮影がテロ支援容疑とみなされるリスクがあり、当局による偽旗作戦への巻き込みも懸念される非常に危険な状態です。

最新インテリジェンスレポート

ベラルーシは現在、ロシアによるウクライナ侵攻への後方支援国としての立場と、国内での過酷な政治弾圧により、国際的に孤立した極めて危険な状況にあります。日本を含む主要先進国は最高レベルの「退避勧告」を発令しており、一般渡航者が安全に滞在できる環境ではありません。特に対象が日本人を含む「非友好国」の国民である場合、スパイ容疑などによる恣意的な拘束リスクが現実のものとなっており、2024年から2025年にかけて邦人が拘束・実刑判決を受ける重大事案が発生しました。また、隣接するリトアニアやポーランドとの陸路国境が次々と閉鎖・制限されており、有事の際の緊急脱出ルートも著しく制限されています。街頭犯罪の統計自体は他国より低いものの、国家権力そのものが最大のセキュリティリスクとなる特異かつ深刻な治安情勢を呈しています。

背景分析

1994年から続くルカシェンコ政権は、2020年の大規模な抗議活動以降、治安維持組織(KGB)を総動員して反体制派や市民社会を徹底的に解体しました。現在、国内に公然とした反対勢力は存在せず、表面的には平穏を保っているように見えますが、当局は「極端主義」を口実にインターネット通信やSNSの投稿、個人のチャット履歴を厳格に監視しています。経済面では、欧米による度重なる制裁の結果、ロシアへの依存が決定定的となっており、国内の軍事拠点化が加速しています。ウクライナ国境付近では、ロシア軍の展開やドローン迎撃などの軍事活動が常態化しており、偶発的な衝突や誤爆のリスクが常に存在します。日本との関係においては、日本の対露・対ベラルーシ制裁に伴い、ベラルーシ側も日本を「不当な制裁を行う非友好国」と位置づけており、国営メディアを通じた反日プロパガンダが治安当局の過激な行動を助長する懸念があります。このような極限の政治的緊張下では、通常の観光客が行うような鉄道、橋梁、政府庁舎の撮影が「諜報活動」と容易にみなされ、正当な法的保護を受けられないまま長期拘束されるリスクが常態化しています。また、周辺国との緊張関係から、国境地帯では突発的な武力衝突の可能性も排除できません。

重要ポイント

  • 日本外務省はレベル4(退避勧告)を発行中。いかなる理由でも渡航は推奨されない。
  • 日本人を含む外国人が「スパイ容疑」で恣意的に拘束され、実刑判決を受ける事例が発生している。
  • 鉄道、軍事施設、警察官、政府ビル等の写真撮影は即座に拘束の対象となる。
  • ポーランド、リトアニア、ラトビアとの陸路国境は大幅に制限・閉鎖されており、脱出が困難。
  • SNSの投稿やチャットアプリの内容が「過激主義」とみなされ、逮捕されるリスクが高い。
  • 経済制裁により、日本のクレジットカードや銀行カードの多くが利用不可または極めて不安定。
  • 入国時には高額な補償(1万ユーロ以上)を含む英文の海外旅行保険証券の提示が必須。
  • ウクライナ国境地帯(ゴメリ州、ブレスト州南部)は軍事活動により極めて危険。
  • 当局による「偽警官」や職務質問を装ったデバイス検査が頻繁に行われる。
  • ドローンの所持・使用は法律で厳格に禁止されており、違反は重罪となる。

各国政府の渡航情報

情報源 警戒レベル
日本外務省 レベル4:退避勧告
米国国務省 Level 4: Do Not Travel
英国外務省 Against all travel
カナダ政府 Avoid all travel
ドイツ外務省 Reisewarnung (Travel Warning)
フランス外務省 Formellement déconseillé

地域別リスク評価

ゴメリ州(南部ウクライナ国境付近)

極めて危険(軍事作戦地域)リスク

ロシア軍の拠点となっており、ウクライナ側からのドローン攻撃やミサイル迎撃が頻発しています。軍事施設が多く、民間人の移動は厳しく制限されています。

ブレスト州(南部ウクライナ国境付近)

極めて危険(軍事作戦地域)リスク

ウクライナとの国境沿いは軍事境界線と化しており、地雷の敷設や不審者への警告なしの発砲リスクがあります。外国人旅行者の立ち入りは不可能です。

ミンスク市内中心部

高度な警戒が必要(監視・拘束リスク)リスク

街頭犯罪は少ないものの、警官や私服警備員による監視が極めて厳しく、些細な言動や所持品の検査から逮捕・拘束に至るリスクが常にあります。

ポーランド国境(ブレスト近郊)

渡航制限(国境閉鎖・停滞)リスク

政治的な対立により検問所が突然閉鎖されることが多く、通過には数十時間の待機を要します。当局による尋問が最も厳しいエリアの一つです。

リトアニア国境(グロドノ近郊)

渡航制限(不法越境対策の激化)リスク

難民問題に関連した厳しい取り締まりが行われており、一般の旅行者も「破壊工作員」の疑いをかけられやすく、所持デバイスの精査が行われます。

モギレフ州東部

注意が必要(放射能汚染・経済不安)リスク

チェルノブイリ事故の影響で一部地域に放射能汚染が残っており、地元の農産物の摂取にリスクがあります。経済的困窮による軽犯罪のリスクも他地域より高いです。

ヴィテプスク州北部

警戒が必要(森林地帯・ダニ媒介疾患)リスク

政治的緊張は他より低いですが、広大な森林地帯ではダニ媒介性脳炎のリスクが非常に高く、適切な予防策なしでの立ち入りは健康上の脅威です。

プリピャチ国立公園周辺

極めて危険(立ち入り制限)リスク

放射線排除区域に隣接しており、環境的な危険性に加え、軍事的な立ち入り禁止区域が設定されているため、誤って侵入すると即座に拘束されます。

国内安全マップ

ベラルーシ全土は現在、法治主義が機能しておらず、当局の恣意的な判断によって個人の自由が剥奪される状態にあります。特に日本人を含む「非友好国」の国民は、スパイや破壊工作員のスケープゴートにされるリスクが非常に高く、いかなる安全な場所も存在しないと考えるべきです。犯罪統計の低さは強固な警察国家の裏返しであり、旅行者にとって最大の脅威は犯罪者ではなく「治安当局そのもの」であることを深く認識する必要があります。ウクライナ情勢の推移によっては、国内での軍事紛争への巻き込みや、国境の完全閉鎖による孤立も現実的な脅威として存在しています。

危険エリア
注意エリア
安全エリア
注意 ミンスク市中心部

首都の中心部。一見平穏ですが、KGB等による監視が全国で最も厳重です。不用意な撮影や言動から拘束されるリスクが高いため、黄色の警告として設定しています。

リスク: 当局による恣意的拘束, デバイスの強制検査, スリ・詐欺

危険 ゴメリ州・ウクライナ国境帯

軍事作戦地域。ロシア軍の展開やドローン攻撃、地雷のリスクがあり、民間人の安全は一切保証されません。立ち入りは極めて危険です。

リスク: 軍事衝突・誤爆, ドローン攻撃, 即時逮捕

危険 ブレスト州・南部国境地帯

ウクライナ侵攻の拠点の一つ。国境線付近は高度な警戒態勢にあり、不審な立ち入りは武力行使を含む厳しい対応が取られます。

リスク: 軍事活動への巻き込み, 地雷・不発弾, 無差別拘束

注意 ポーランド国境検問所(ブレスト)

陸路出国の要衝ですが、政治的理由で閉鎖が相次いでいます。数日間の停滞や当局による徹底的な尋問が行われるリスクエリアです。

リスク: 国境封鎖による孤立, 長時間拘束・尋問, 物品没収

注意 リトアニア国境地帯(グロドノ付近)

欧州連合との緊張が高まっており、難民問題に関連した暴力的な衝突や当局の過剰反応が報告されています。移動の制限が激しい地域です。

リスク: 検問でのトラブル, 不当なデバイス検査, 突発的国境閉鎖

危険 チェルノブイリ放射線生態学保護区

放射能汚染が非常に高い立ち入り禁止区域です。環境リスクに加え、軍事的な立ち入り制限も重なっており、死の危険が伴います。

リスク: 高濃度放射線被曝, 軍事拘束, 野生動物(狂犬病)

注意 ヴィテプスク市内

北部の文化都市ですが、反体制活動の監視は他都市同様に厳格です。外国人が一人で歩くことは目立ち、職務質問の対象となります。

リスク: 不審者としての通報, 警察による職務質問, 写真撮影禁止違反

注意 モギレフ工業地帯

経済状況の悪化が顕著なエリア。労働者による潜在的な不満が高まっており、外国人がトラブルに巻き込まれるリスクが高いです。

リスク: 経済的困窮者による強盗, 治安当局の過剰警備, スリ・詐欺

危険 マズィル(Mazyr)軍事拠点周辺

戦略的に重要な製油所とロシア軍のミサイル基地が集中しています。撮影は一発でスパイ容疑となる極めて危険なゾーンです。

リスク: スパイ容疑での即時逮捕, 軍事攻撃リスク, 無人機監視

注意 ピンスク(Pinsk)ポリーシャ湿地帯

自然が豊かですが、ウクライナ国境に近く、密輸や不法越境の監視が非常に厳重です。不注意な移動は軍の介入を招きます。

リスク: 軍用ドローンによる監視, 不当な身柄拘束, 通信環境の遮断

犯罪・治安情報

犯罪統計

スリ・窃盗

リスク: 2/5

多発エリア: ミンスク中央駅地下通路, コマロフスキー市場, 公共交通機関(地下鉄、バス), 大型ショッピングモール周辺

手口:

  • 混雑した車内での抜き取り
  • 集団で囲んで注意を逸らす
  • エスカレーターでの追い越しを装った窃盗

対策:

  • 貴重品は身体の前面で保持する
  • 多額の現金を持ち歩かない
  • 混雑した場所では周囲の動きに警戒する

一般犯罪は過去最低水準と発表されているが、経済困窮により軽犯罪が潜在的に増加傾向にある。

詐欺

リスク: 4/5

多発エリア: ミンスク国際空港, 非公式の両替所, 出会い系アプリ, 観光地のバー・クラブ

手口:

  • 「野良タクシー」による法外な料金請求
  • 闇両替での偽札混入やレート詐取
  • バーでのぼったくり被害

対策:

  • Yandex Go等の配車アプリ以外は使わない
  • 両替は必ず銀行の窓口で行う
  • 見知らぬ人物からの誘いに乗らない

制裁下でクレジットカードが使えない外国人への詐欺が2024年以降急増している。

凶悪犯罪

リスク: 4/5

多発エリア: 治安当局の取り調べ室, デモ・集会現場付近, 夜間の郊外住宅地, 軍事施設周辺

手口:

  • 治安当局による不当な拘束と暴力
  • 尋問中における身体的・精神的虐待
  • 複数人による夜間の襲撃(強盗を伴う)

対策:

  • 政治的な言動を一切控える
  • 警察官や政府ビルを撮影しない
  • 夜間の一人歩きを避ける

街頭暴力は少ないが、国家機関による暴力が最大の脅威となっている。

cyber_crime

リスク: 4/5

多発エリア: 公共Wi-Fiネットワーク, SNSメッセージ, チャットアプリ(Telegram等), オンライン決済サイト

手口:

  • 当局による通信傍受と解析
  • フィッシング詐欺による個人情報奪取
  • 「極端主義チャンネル」への登録の罠

対策:

  • 全ての通信が監視されていると認識する
  • 政治的なTelegramチャンネルを見ない
  • 公共Wi-Fiでの機密情報のやり取りを避ける

サイバー犯罪の発生率は前年比で増加。特に当局の監視システムは非常に高度。

健康・医療情報

ワクチン情報

ベラルーシ入国に際して法的な強制予防接種はありませんが、入国時に有効な「海外旅行保険証(英文)」の提示が義務付けられています。健康リスクとしては、ダニ媒介性脳炎や狂犬病の予防が重要です。また、幼児・高齢者の場合は、インフルエンザや標準的な小児ワクチンの最新化が推奨されます。現在、外務省のレベル4発令により、不測の事態に備えた高度な健康管理が前提となります。

ワクチン 必須/推奨 備考
ダニ媒介性脳炎 推奨 4月から10月にかけて森林地帯でリスクが高まります。アウトドア活動を行う場合は推奨されます。
狂犬病 推奨 地方での滞在や、野生動物・野犬との接触が避けられない場合に推奨されます。
A型肝炎 推奨 長期滞在や地方での飲食、衛生状態が不透明な場所での滞在時に推奨されます。
B型肝炎 推奨 不測の事態での医療行為や輸血に備え、推奨される場合があります。
破傷風 推奨 屋外活動時の怪我に備え、定期的な追加接種が強く推奨されます。
海外旅行保険 必須 法的義務。入国時に1万ユーロ以上の補償額を含む英文の保険証券提示が厳格に求められます。

健康リスク

最大のリスクは森林地帯におけるダニ媒介性感染症(脳炎およびライム病)です。また、南部(ゴメリ州、モギリョフ州)にはチェルノブイリ原発事故の影響による放射能汚染地域が存在し、現地産の野生キノコやベリー類、川魚の摂取には内部被曝のリスクが伴います。冬季は極端な低温による凍傷や低体温症のリスクがあり、適切な防寒対策が不可欠です。都市部では、大気汚染が呼吸器系に影響を与える可能性も指摘されています。

医療施設

ミンスクなどの大都市にはLodeやNordinといった近代的な設備を持つ私立クリニックがあり、一部で英語対応が可能です。しかし、地方の公立病院は設備が非常に古く、英語や日本語の通用度は皆無に近いです。深刻な怪我や病気の場合、隣国への移送が必要となりますが、現在の国境閉鎖状況下では緊急搬送ルートが極めて限定的であり、現地での完結は困難を伴うリスクが高いのが実情です。

入国・ビザ情報

ビザ要件: ミンスク国際空港を利用した30日以内の滞在に限り、日本人はビザなし入国が可能です(ロシア経由便を除く)。2025年3月20日からは電子ビザ(eVisa)制度も開始予定ですが、現在日本政府は「退避勧告(レベル4)」を出しており、観光目的の渡航は強く自粛を求めています。陸路での入出国には事前に大使館でのビザ取得が必要ですが、現在ポーランドやリトアニアとの陸路検問所は閉鎖や大幅な制限が続いています。

パスポート有効期限

ベラルーシ出国予定日から3ヶ月以上の有効期間が必要です。また、ビザ貼付やスタンプ用の空白ページが2ページ以上必要です。紛失時の再発行は現在の情勢下では著しく困難です。

持ち込み禁止・制限品

1万米ドル相当を超える現金(外貨・現地通貨合算)を持ち込む場合は必ず申告してください。ドローンは個人による所有・持ち込みが法律で厳格に禁止されており、違反すれば没収と処罰の対象になります。また、コデインを含む一部の市販薬も「麻薬」とみなされるため、英文処方箋なしの持ち込みは刑事罰のリスクがあります。

緊急連絡先

102
警察
103
救急
101
消防

時間帯別安全情報

早朝

安全

早朝は人通りが少なく、街頭犯罪のリスクは低いですが、警察による身分証チェックが抜き打ちで行われやすい時間帯です。特に主要な交通拠点や公園では、不審者として職務質問を受ける可能性が高いため、必ずパスポートを携帯しておく必要があります。

安全な活動:

  • ・ホテル周辺の散歩
  • ・24時間営業の売店での買い物

避けるべきエリア:

  • ・人影のない裏通り
  • ・軍事施設や政府庁舎の周辺

交通: ホテル手配のタクシーまたは信頼できる配車アプリ。

日中

注意

日中は人通りも多く、一見すると非常に安全に見えます。しかし、カメラを持って歩く外国人は常に治安当局の注視対象となっています。写真撮影の対象には細心の注意が必要で、地下鉄構内や警官、政府関係の建物をフレームに入れるだけで拘束されるリスクがあります。

安全な活動:

  • ・主要な美術館の見学
  • ・公式な観光スポットの散策

避けるべきエリア:

  • ・デモや集会の兆候がある広場
  • ・立ち入り禁止の標識があるエリア

交通: 地下鉄は清潔で安全。ただし構内の撮影は厳禁。

夕方〜夜

危険

夕方から夜にかけては、酔っ払いによるトラブルや、当局による「夜間の不審人物」への取り締まりが激化します。政治的な意味を持つシンボル(白赤白の旗など)を身に着けていたり、政治的なTelegramを見ているだけで、即座に連行される非常に危険な時間帯です。

安全な活動:

  • ・ホテル内のレストランでの食事
  • ・主要通りの明るい場所の移動

避けるべきエリア:

  • ・騒がしいバーやナイトクラブ
  • ・照明の少ない公園や住宅地

交通: 移動は必ず配車アプリを利用し、路上でのヒッチハイクは絶対に避ける。

深夜

危険

深夜の外出は極めて危険です。当局による恣意的な身柄拘束が最も行われやすい時間帯であり、外国人が一人で歩いているだけでスパイや破壊工作員の疑いをかけられる恐れがあります。また、経済状況の悪化に伴う強盗犯罪のリスクも高まっており、命の危険があります。

安全な活動:

  • ・外出は一切控え、ホテル内で過ごす

避けるべきエリア:

  • ・全域(特にミンスク郊外や国境付近)

交通: どうしても移動が必要な場合はホテルが手配する車両のみ。

季節別ガイド

(March - May)

気温: -5°C to 15°C

降水: 雪解けとともに降雨量が増え、泥濘化(ラスプーチツァ)が起きます。

服装: 防水性の高い靴、重ね着できる厚手のコート、撥水加工のジャンパー。

おすすめ活動:

都市部での文化施設見学, 公園の散策(5月以降)

リスク:

  • ・路面凍結と泥濘
  • ・雪解け洪水(南部)

(June - August)

気温: 15°C to 30°C

降水: 年間で最も降水量が多く、激しい雷雨が頻発します。

服装: 軽装で問題ありませんが、朝晩の冷え込みに備えた薄手のカーディガン。雨具。

おすすめ活動:

国立公園での自然観察, 屋外イベントやフェスティバル, 湖沼でのレジャー

リスク:

  • ・ダニ媒介性感染症
  • ・森林火災
  • ・激しい落雷

(September - October)

気温: 5°C to 15°C

降水: 霧が多くなり、しとしとと降る雨が続きます。

服装: 防風ジャケット、セーター、折り畳み傘、防水の靴。

おすすめ活動:

紅葉の鑑賞, ミンスク市内の歴史散策

リスク:

  • ・日照時間の急激な減少
  • ・視界不良による交通事故

(November - March)

気温: -5°C to -25°C

降水: 断続的な降雪と積雪が数ヶ月続きます。

服装: マイナス20度対応のダウンコート、防寒帽子、手袋、厚手のマフラー、防寒靴。

おすすめ活動:

スケート、スキー, 正教クリスマスの見学

リスク:

  • ・重度の凍傷・低体温症
  • ・路面凍結による転倒と衝突

ベストシーズン: 観光に最も適しているのは、気候が穏やかで日照時間が最も長い6月から8月です。自然豊かな国立公園や湖沼地帯を楽しむことができ、気温も過ごしやすいため、屋外活動に最適です。ただし、この時期はダニの活動もピークとなるため、森林地帯に入る際は厳重な対策が必須です。また、冬の厳しいベラルーシを体験したい場合は、12月のクリスマスシーズンも文化的には興味深いですが、過酷な防寒準備が必要です。

環境リスク

野生動物のリスク

ダニ (Ticks)

リスク: 5/5

生息地: 全域の森林, 公園, 草むら

4月から10月に森林や公園へ入る際は、ディートを含む忌避剤を使用し、長袖・長ズボン、裾を靴下の中に入れるなどの対策が必要です。活動後は、2時間以内に全身をチェックし、ダニが吸着していないか確認してください。万が一吸着を発見した場合は、無理に引き抜かず、専用のピンセットで除去するか、速やかに医療機関で処置を受けてください。脳炎ワクチンの事前接種が最も効果的な予防策となります。

治療: ダニを除去後、ダニの種類を特定するために検体を保存し、感染症検査を受ける必要があります。

ヨーロッパクサリヘビ (European Adder)

リスク: 3/5

生息地: 湿地帯, 森林の周辺

ベラルーシ唯一の毒蛇です。湿地や茂みを歩く際は、厚手の靴や長ズボンを着用し、足元に注意を払ってください。蛇を見つけた場合は決して刺激せず、距離を置いてください。遭遇を避けるために、杖などで地面を叩きながら歩くのも有効です。噛まれた場合は、患部を安静に保ち、直ちに医療機関で抗毒素(血清)の投与を受けてください。圧迫止血や口での毒の吸引は避けるべきです。

治療: 直ちに最寄りの病院で抗毒素治療と破傷風処置を受けてください。

野犬・キツネ(狂犬病キャリア)

リスク: 4/5

生息地: 地方の集落, 森林境界線

地方や郊外では野犬や野生のキツネに遭遇することがあります。これらは狂犬病ウイルスを媒介している可能性があるため、決して近づいたり、餌を与えたりしないでください。特におとなしすぎる個体や、異常に攻撃的な個体には警戒が必要です。万が一、噛まれたり引っかかれたりした場合は、直ちに傷口を大量の石鹸と水で15分以上洗浄し、24時間以内に必ず医療機関を受診して、暴露後免疫(ワクチン接種)を開始してください。

治療: 発症すれば100%死に至るため、即時のワクチン投与が必須です。

水の安全性

水道水: 飲用不可

水道水は直接飲用せず、必ず市販のボトル入りの水を購入してください。ミンスクのような大都市でも水道管の老朽化が進んでおり、水に鉄分や不純物が混じることが一般的です。料理や歯磨きにも浄水、あるいは煮沸した水を使用することが推奨されます。特に南部地域では、地下水の汚染が懸念されるため、信頼できるメーカーのミネラルウォーター以外の利用は避けるべきです。

交通安全

事故死亡率: 12.3 (2023年推計)

歩行者リスク: 歩行者優先の意識は比較的高いですが、冬場は路面凍結により車両が停止できないリスクが非常に高まります。また、夜間の郊外道路では、反射材の着用が義務付けられており、未着用での事故は歩行者の過失とされることがあります。

公共交通: ミンスクの地下鉄は非常に清潔で安全性が高いです。一方、地方のミニバス(マルシュルートカ)は運転が荒いケースや、車両の整備不良が見られることがあり、長距離移動時には信頼できる運行会社を選ぶ必要があります。現在は空港アクセスの選択肢が減っているため、認可されたタクシーアプリの使用が必須です。

地域別ガイド

ミンスク州

レベル 4

首都ミンスクを含む中央地域です。政治、文化、交通の最大拠点であり、ソ連時代の重厚な建築物と現代的な商業施設が共存しています。治安当局の監視が最も厳しいエリアであり、政府庁舎や広場での職務質問や持ち物検査が頻繁に行われます。特に政治的イベントがある際は厳戒態勢となります。

主要都市: ミンスク, ボリソフ, ジョジナ

特有リスク:

  • ・政治的拘束のリスク
  • ・治安当局による監視
  • ・公共の場での写真撮影トラブル

ブレスト州

レベル 4

ポーランド国境に位置する西部地域です。第二次世界大戦の要塞跡であるブレスト要塞や、ヨーロッパ最後の原生林ベロヴェシの森などの観光資源があります。現在、ポーランドとの陸路国境が制限されており、検問所周辺では緊張が高まっています。ドローン使用や軍事情報の収集と疑われる行為は厳禁です。

主要都市: ブレスト, バラノヴィチ, ピンスク

特有リスク:

  • ・国境封鎖に伴う足止め
  • ・軍事境界線付近の警戒
  • ・不法入国への警戒強化

ゴメリ州

レベル 5

ウクライナ国境に接する南東部地域です。ベラルーシ第2の都市ゴメリを擁しますが、ウクライナ情勢の影響を最も強く受けており、軍事活動が活発です。また、チェルノブイリ原発事故の放射能汚染が深刻な区域を含んでおり、立ち入り制限や食品汚染への注意が必要です。渡航は極めて危険です。

主要都市: ゴメリ, モズィリ, ジロビン

特有リスク:

  • ・軍事紛争への巻き込み
  • ・放射能汚染リスク
  • ・ドローンやミサイルの飛来

グロドノ州

レベル 4

ポーランドおよびリトアニアと国境を接する北西部地域です。歴史的な建築物が多く残り、ヨーロッパ的な雰囲気を持つグロドノ市が中心です。国境周辺では移民問題や検問所の閉鎖により混乱が生じることがあります。外国人に対する身元確認が他地域より頻繁に行われる傾向にあります。

主要都市: グロドノ, リダ, ヴォルコヴィスク

特有リスク:

  • ・リトアニア国境の閉鎖
  • ・外国人に対する厳格なIDチェック
  • ・国境周辺の軍事化

ヴィテプスク州

レベル 3

北東部のロシア国境に近い地域です。芸術家シャガールの故郷として知られ、文化的なイベントも多い地域です。比較的落ち着いていますが、ロシアからの軍部隊の移動ルートになることがあり、予期せぬ交通規制や検問が発生します。湖沼地帯が多く自然豊かですが、通信環境が不安定な場所もあります。

主要都市: ヴィテプスク, オルシャ, ポロツク

特有リスク:

  • ・ロシア軍の移動に伴う混乱
  • ・通信インフラの脆弱性
  • ・野生動物(ダニ等)による感染症

経済・物価情報

経済概要

ベラルーシ経済は国家主導の社会主義的性格を強く残しており、主要企業の多くが依然として国営です。ロシアへの経済依存度が極めて高く、安価なエネルギー供給と広大なロシア市場への輸出が経済の屋台骨となっています。しかし、2022年以降の欧米による厳しい経済制裁により、ハイテク産業や金融、物流部門が深刻な打撃を受けています。GDPは停滞傾向にあり、外貨準備の不足や通貨ルーブルの不安定さが経済不安の要因となっています。政府はIT産業の育成を図っていますが、人材の国外流出が大きな課題です。

生活費・物価

旅行者にとっての物価は、周辺のEU諸国と比較して安価です。食事に関しては、カジュアルなレストランであれば1,000円〜2,000円程度で十分に満足できる内容が楽しめます。宿泊費はミンスクの中級ホテルで1泊5,000円〜8,000円、高級ホテルでも2万円以下で収まることが多いです。交通費は特に安く、地下鉄は1回約40円、タクシーも市内15分程度の移動で1,000円を切る水準です。ただし、制裁下での輸入品や一部のサービスは価格が高騰しており、日本と同等かそれ以上のコストがかかる場合もあります。

通貨情報

通貨はベラルーシ・ルーブル(BYN)です。2025年現在、日本円で1ルーブル約50円前後ですが、変動が激しいため注意が必要です。最大の注意点は、制裁により日本発行のVisaやMastercardがほぼ全ての店舗・ATMで利用できないことです。ロシア系のMIRカード等を除き、現金が唯一の信頼できる決済手段です。両替は公式の銀行や両替所で行う必要がありますが、その際にパスポートの提示を求められることがあります。古い紙幣や破れた紙幣は両替を拒否されることが多いため、必ず新券を持参してください。

チップガイド

ベラルーシには強いチップ文化はありませんが、レストランでのサービスには感謝の印として代金の5%〜10%程度を置くのが一般的になりつつあります。タクシーではお釣りを受け取らない、あるいは端数を切り上げる程度の対応で十分です。ホテルのポーターや清掃員に対しても、1〜2ルーブル程度の少額のチップを渡すと喜ばれます。ただし、公務員(警官等)への支払いは贈賄とみなされるため厳禁です。

予算ガイド

予算の目安として、バックパッカー的なスタイルであれば1日4,000円〜6,000円程度(ドミトリー、自炊・屋台、公共交通)で滞在可能です。中等度の快適さを求めるミドルレンジ層は、1日1万円〜1.5万円(個室ホテル、レストラン、配車アプリ)を想定すれば十分でしょう。ラグジュアリーな体験を希望する場合でも、1日3万円以上あれば最高級のホテルと食事を楽しむことができます。ただし、これらの予算は現金で持参する必要があるため、全滞在期間分の総額を事前に計算し、予備を含めた外貨を用意しておくことが不可欠です。

文化・マナー情報

歴史的背景

ベラルーシは「白ロシア」とも呼ばれ、古くはリトアニア大公国やポーランド・リトアニア共和国の一部でした。18世紀以降ロシア帝国の支配下に入り、第二次世界大戦ではナチス・ドイツの侵攻により国民の3分の1が命を落とすという悲劇を経験しました。戦後はソ連の構成共和国として工業化が進みましたが、1986年のチェルノブイリ原発事故では自国の領土が甚大な放射能被害を受けました。1991年の独立後はルカシェンコ大統領による長期政権が続いており、ソ連時代の社会構造を色濃く残しつつ、独自の民族アイデンティティを模索しています。

社会規範・マナー

ベラルーシ人は一般に控えめで礼儀正しく、初対面では無愛想に見えることもありますが、親しくなると非常に親切で温かい国民性を持っています。社会的には保守的であり、公の場での過度な感情表現や派手な振る舞いは避けられます。また、政治的な話題、特に現政権やロシア・ウクライナ問題に関する批判的な議論は公の場ではタブーです。不慮の拘束を避けるためにも、外国人は政治的発言を控え、軍事施設や政府庁舎、警察官の撮影は絶対に行わないというルールを厳守する必要があります。

宗教・慣習

人口の約半数がキリスト教の正教(ベラルーシ正教)を信仰しており、生活の中に宗教的習慣が根付いています。次にカトリック教徒も一定数存在します。教会を訪問する際は、男性は帽子を脱ぎ、女性はスカーフで頭を覆うのがマナーです。また、多くの正教の祝日は国定休日となっており、特に1月7日の正教クリスマスや、復活祭(パスハ)は重要な行事です。宗教的少数派や無神論者も多いですが、伝統的な道徳観は尊重されており、保守的な服装や振る舞いが好まれます。

宿泊・食事ガイド

宿泊ガイド

ミンスクなどの都市部では、近代的な設備を備えたホテルが存在しますが、全ての外国人は宿泊時に「滞在登録(レジストレーション)」を行う義務があります。ホテルはこの手続きを代行してくれますが、民泊や個人宅に泊まる場合は自身で当局に出向く必要があり、手続きが煩雑でリスクも高いです。欧米系の予約サイトは現在制限されていることが多いため、現地の予約システムやメールでの直接予約が必要です。また、高級ホテルであってもスタッフによる監視や室内への盗聴の可能性を考慮し、機密情報の扱いに注意してください。

食事ガイド

ベラルーシ料理はジャガイモを多用するのが特徴で、名物の「ドラニキ(ジャガイモのパンケーキ)」は非常に美味です。スープの「ボルシチ」や「ソルヤンカ」も一般的です。レストランの衛生レベルは都市部では概ね良好ですが、水は必ずボトル入りのものを購入してください。南東部(ゴメリ周辺)では、放射能汚染の影響が残る森で採れたキノコやベリー類が市場に並ぶことがあり、摂取にはリスクが伴います。外食時はロシア語のメニューしかないことが多いため、翻訳アプリの画像認識機能が役立ちます。

実用情報

通信・SIM

プリペイドSIMカードは「A1」や「MTS」などの店舗でパスポートを提示すれば購入可能です。ただし、全ての通信は当局によって傍受・監視されていると考えてください。Wi-Fiは都市部で普及していますが、公共Wi-Fiの利用には現地の電話番号による認証が必要です。VPNの使用は必須ですが、当局により一部のプロバイダーがブロックされているため、複数のサービスを事前に用意しておく必要があります。

銀行・ATM

制裁の影響で、日本発行のVisa/MastercardはATMでの現金引き出しも、店舗での支払いもできません。ロシアのMIRカード等を持っていない限り、ATMは無意味です。多額の現金を外貨(米ドル・ユーロ)で持ち込み、現地の銀行窓口で小まめに両替するしかありません。両替手数料はそれほど高くありませんが、銀行の営業時間に制約があるため注意が必要です。

郵便・配送

国営のベラルーシポスト(Belpochta)が機能していますが、国外への発送は大幅に制限されているか、非常に時間がかかります。重要な書類や貴重品の発送は、紛失や検閲のリスクが高いため推奨されません。日本への郵便物も、数週間から数ヶ月かかることが想定されます。小包の中身は厳格にチェックされ、政治的・軍事的に敏感なものは没収されます。

電源・アダプター

電圧は220V-230V、周波数は50Hzです。プラグ形状はヨーロッパで一般的なCタイプまたはFタイプです。日本の100V専用機器は変圧器なしでは故障・発火の恐れがあるため注意してください。最近のスマートフォンやノートPCの充電器は世界対応(100V-240V)が多いですが、必ず事前に確認してください。

洗濯サービス

中級以上のホテルにはクリーニングサービスがありますが、高額な場合が多いです。街中には「プラチェシュナヤ(洗濯屋)」がありますが、英語は通じず、セルフサービスのものも少ないです。長期滞在の場合は、洗濯機付きのアパートメントを借りるのが一般的ですが、前述の滞在登録の問題が常につきまといます。

公衆トイレ

駅や大きな公園、デパートには公衆トイレがありますが、有料(1ルーブル程度)であることが多いです。清掃は行き届いている場所が多いですが、トイレットペーパーが備え付けられていない場合もあるため、常にポケットティッシュを携行することをお勧めします。ミンスクの地下鉄駅構内にはトイレがほとんどありません。

主要都市ガイド

ブレスト

Brest

15 危険

ポーランド国境の玄関口であり、歴史的な要塞都市です。第二次世界大戦の英雄的抵抗で知られるブレスト要塞は最大の観光名所ですが、現在は国境の緊張により観光気分での滞在は困難です。国境検問所周辺は混雑と厳重な警備に包まれています。

主な観光地:

ブレスト要塞, 鉄道博物館, ベロヴェシの森(郊外)

避けるべきエリア:

  • ・ポーランド国境検問所周辺
  • ・軍事施設周辺
  • ・夜間の人気のない公園

ベストシーズン: 6月〜8月

詳細ページへ →

ゴメリ

Gomel

8 危険

ベラルーシ第2の都市で、美しいパレス・パークアンサンブルがありますが、ウクライナ国境に近く軍事的な危険が非常に高いです。軍車両の頻繁な移動や空域制限があり、一般渡航者の安全は保証されません。

主な観光地:

ルミャンツェフ・パスケヴィッチ宮殿, ソビエツカヤ通り, サーカス劇場

避けるべきエリア:

  • ・ウクライナ国境全域
  • ・軍用飛行場周辺
  • ・低湿地の汚染区域

ベストシーズン: 避けるべき状況

詳細ページへ →

グロドノ

Grodno

18 危険

リトアニアとポーランドの国境に近く、歴史的なカトリック教会や旧市街が残る美しい都市です。かつてはビザなし観光が盛んでしたが、現在は国境制限により孤立気味です。治安当局の目は厳しく、外国人は目立ちやすいです。

主な観光地:

旧城と新城, コロジャ教区教会, 歩行者天国のソビエツカヤ通り

避けるべきエリア:

  • ・リトアニア国境付近
  • ・夜間の郊外住宅地
  • ・政治的集会が予想される広場

ベストシーズン: 5月〜9月

詳細ページへ →

ヴィテプスク

Vitebsk

22 警戒

マルク・シャガールの故郷として国際的に知られる文化都市です。毎年恒例のスラブ・バザール祭の時期は賑わいますが、それ以外の時期は静かです。ロシア国境に近く、軍の動向には注意が必要です。

主な観光地:

シャガール博物館, 市庁舎, 生誕の生神女大聖堂

避けるべきエリア:

  • ・鉄道駅周辺の深夜
  • ・ロシア国境への主要幹線道路
  • ・未整備の工業地帯

ベストシーズン: 7月(スラブ・バザール開催期)

詳細ページへ →

モギレフ

Mogilev

20 危険

東部のドニエプル川沿いに位置する産業都市です。ソ連時代の重厚な雰囲気が強く残っています。観光客は非常に稀で、外国人が歩いているだけで警察の注目を引く可能性があります。特に夜間の独り歩きは推奨されません。

主な観光地:

ニコルスキー修道院, 勝利広場, 天文台

避けるべきエリア:

  • ・工場地帯
  • ・ドニエプル川沿いの暗い場所
  • ・郊外の低所得者向け集合住宅

ベストシーズン: 6月〜8月

詳細ページへ →

交通詳細ガイド

国内線フライト

ベラルーシの国内航空網は極めて限定的です。主要な空港はミンスク国際空港(MSQ)ですが、現在、地方都市(ゴメリ、ブレスト等)への定期便はほとんど運行されていません。かつて存在した路線も、燃料不足や需要減、制裁による部品供給の遅れから運休が相次いでいます。万が一運行される場合でも、機材の老朽化や安全基準の懸念から、外国人旅行者が利用することは推奨されません。また、空港周辺は軍事的な警戒が厳しく、写真撮影は厳格に禁止されています。現在は国内移動において飛行機を選択肢に入れるのは現実的ではありません。

鉄道・バス

国内移動の主力は鉄道と長距離バスです。ベラルーシ鉄道(BZD)は非常に正確で、料金も安価です。ミンスクを中心に各地方都市へ夜行列車や急行が走っていますが、車両の多くはソ連時代の古い形式です。バス(マルシュルートカと呼ばれる乗り合いミニバスを含む)は、鉄道が通らない小さな町まで網羅しており便利ですが、運転が荒いことが多く事故のリスクがあります。現在、国境を越える国際路線(ワルシャワやヴィリニュス行き)は運行されていますが、検問所の閉鎖や厳格な検査により、待ち時間が20時間を超えることが常態化しています。

レンタカー・配車サービス

レンタカーの利用は、外国人には全く推奨されません。道路状況は主要幹線を除いて悪く、夜間は照明が不足しています。また、交通警察による恣意的な取り締まりや、軍用車両との事故、燃料補給の制限などのリスクがあります。都市部では配車アプリの「Yandex Go」が非常に便利で、明朗会計かつ安価に移動できます。ただし、欧米系のカードが使えないため、アプリの設定を必ず「現金支払い」にする必要があります。流しのタクシーは高額請求やトラブルの温床となるため、必ずアプリ経由で呼ぶべきです。

交通リスク評価

公共交通機関自体は治安が良いですが、最大のリスクは治安当局による介入です。地下鉄構内や駅での写真撮影は、スパイ容疑や「過激派」への加担と疑われ、即座に拘束される原因となります。また、身分証明書の携帯は義務であり、抜き打ちの検査に対応できるよう常に原本を持っていく必要があります。夜間の移動は犯罪リスクよりも、不審者として職務質問されるリスクが高いため避けるべきです。

都市別交通ガイド

ミンスク

地下鉄: 2路線あり、非常に清潔で効率的です。トークンを40円程度で購入して乗車します。

バス: トラム、バス、トローリーバスが網羅されています。乗車券はキオスクで購入。

タクシー: Yandex Goが主流。市中心部なら500円程度で移動可能です。

徒歩・自転車: 中心部は歩道が広く散策に適していますが、政治的象徴の近くでは注意。

費用目安: 1日の交通費は1,000円以下で十分に収まります。

ブレスト

地下鉄: 地下鉄はありません。

バス: バスとマルシュルートカが主な手段。中心部は徒歩圏内です。

タクシー: アプリ利用が推奨。国境へ向かうタクシーは高額になる傾向。

徒歩・自転車: 旧市街は平坦で歩きやすいですが、夜間は街灯が少ない場所があります。

費用目安: 市内移動1回あたり100円〜300円程度です。

大使館・長期滞在情報

在外公館ネットワーク

在ベラルーシ日本国大使館

Embassy - ミンスク

住所: Prospekt Pobedy 23/1, Minsk

電話: +375-17-203-6233

管轄: ベラルーシ全土

緊急対応: 24時間対応(時間外はオペレーター経由で緊急連絡先へ繋がります)

領事サービス

大使館では旅券の発行、証明、戸籍届出、邦人の安全確保などの業務を行っていますが、現在の厳しい情勢下では支援範囲が限定される可能性があります。特に政治的理由での拘束事案では、ベラルーシ当局が外交特権を十分に尊重しないリスクがあり、面会や解放に向けた交渉が難航することが予想されます。渡航を検討している場合は、まず退避勧告を遵守し、どうしても必要な場合は事前に大使館へ渡航目的と連絡先を登録することが必須です。

長期滞在ビザ

現在、日本人を含む外国人に対する長期滞在ビザの審査は非常に厳格化されています。就労、留学、親族訪問などが主な対象ですが、身元調査に数ヶ月を要することがあります。また、入国後もKGB(治安機関)による定期的な身辺調査や、SNSの監視、隣人による通報などのリスクが付きまといます。政治的に不安定な時期には、有効なビザを持っていても国外追放や再入国禁止の措置が取られることがあり、長期滞在の安定性は極めて低いです。

リモートワーク・デジタルノマド

デジタルノマドにとってベラルーシは極めて不適切な環境です。インターネットは当局に完全に監視・検閲されており、VPNの利用も不安定です。外貨の持ち込みやカード決済の制限は生活を著しく困難にします。また、スパイ容疑をかけられやすい「非友好国」の国民がリモートワークを行うことは、当局に不要な疑念を抱かせる原因となり、拘束リスクを飛躍的に高めます。隣国のポーランドやバルト諸国へ行くことを強く推奨します。

ビジネスビザ

ビジネス目的の渡航には現地の受け入れ企業からの公式な招待状が必要です。しかし、経済制裁下にある企業との取引は、日本側の法律や国際的な制裁に抵触する可能性があるため、事前に法的リスクを十分に精査する必要があります。出張者は常に「スパイ活動」と疑われないよう、行動を厳密に制限し、工場やインフラ施設内での撮影は許可があっても控えるべきです。ビジネス継続そのものが極めて困難な情勢にあります。

推奨防犯装備

VPNサービス(複数)

必須

通信機器

当局による検閲を回避し、安全な通信を確保するために不可欠です。複数の信頼できるプロバイダーを契約しておくべきです。

米ドルまたはユーロの現金(新券)

必須

経済情報

制裁により日本発行のカードが使用不可のため、銀行で両替可能な無傷の米ドル・ユーロ新券を多めに持参する必要があります。

スペアのスマートフォン

推奨

通信機器

入国時の検査でSNSの内容を確認されるリスクがあるため、私的な情報を削除した「クリーンな」端末の使用が推奨されます。

モバイルバッテリー(大容量)

必須

通信機器

有事の際の移動や通信途絶に備え、常にフル充電の状態を保つ必要があります。高品質なものが求められます。

緊急連絡先リスト(紙媒体)

必須

防犯グッズ

電子機器が没収・故障した場合に備え、大使館や家族の番号、弁護士の連絡先を記した紙のメモを携行してください。

応急処置キット

推奨

衛生用品

地方都市では医薬品の供給が不安定な場合があり、解熱剤や包帯、常備薬を含むキットを自前で用意しておくべきです。

セキュリティマネーベルト

推奨

防犯グッズ

パスポートと現金を肌身離さず持ち歩くために必要です。警官による不意の身分証明書確認に備えてください。

防犯ブザーまたはホイッスル

オプション

防犯グッズ

物理的な犯罪だけでなく、人混みでの緊急時に注意を引くために有効です。目立たない形状のものが望ましいです。

ヨウ素剤

オプション

衛生用品

南部の放射能汚染地域に近い場所に滞在する場合、不測の事態(原発事故等)に備えて知識を持っておくべきです。

LEDフラッシュライト

推奨

防犯グッズ

郊外の停電や夜間の移動、緊急時の合図用として小型で強力なものを用意しておくと安心です。

旅行者タイプ別ガイド

女性旅行者向けガイド

ベラルーシの街頭犯罪統計は低く、女性がミンスク中心部を昼間に歩くこと自体に過度な身体的危険はありません。しかし、現在の政治情勢下では、性別を問わず「不審な外国人」として治安当局の監視対象となります。女性であっても政治的活動への関与が疑われれば、暴力的な拘束や不当な尋問を受けるリスクは等しく存在します。服装は保守的なものが望ましく、夜間の外出や暗い路地、公園の独り歩きは犯罪リスクだけでなく警察とのトラブルを避けるためにも厳禁です。また、不審な誘いや、見知らぬ人からのドリンクの提供には絶対に応じないでください。緊急時に助けを求めるためのロシア語フレーズや、現地大使館の番号を常に暗記または紙に控えておくことが、何よりも重要です。

LGBTQ+旅行者向けガイド

ベラルーシ社会はLGBTQ+に対して非常に保守的で排他的です。同性愛は法律で禁止されてはいませんが、公的な権利保護は存在せず、政府による「伝統的な家族の価値観」の推進により、性的少数者は抑圧されています。公の場での愛情表現(手をつなぐ、キスなど)は、一般市民からの嫌がらせや暴力、さらには「公序良俗を乱した」として警察による拘束の対象となり得ます。2020年以降の締め付けにより、LGBTQ+を支援する団体も「極端主義」として解散させられており、安全を確保するためのコミュニティもほぼ存在しません。渡航は推奨されませんが、もし滞在する場合は、自身のセクシュアリティについて完全に秘密を守り、不特定多数との出会いを求めるアプリなどの利用は、罠(ハニートラップ)の可能性があるため絶対に避けてください。

家族・シニア旅行者向けガイド

家族連れや高齢者のベラルーシ旅行は、現在の情勢下では全く推奨されません。まず、日本外務省から退避勧告が出ているため、有事の際の保護や支援が保証されません。地方都市の医療設備は老朽化しており、英語対応もほぼ不可能であるため、急病時の対応には重大な懸念があります。また、経済制裁による物流の混乱で、特定の医薬品や乳幼児用食品が手に入りにくい場合もあります。子供連れの場合、遊び場で不用意に撮影した写真に政府施設や警官が写り込み、重大なトラブルに発展するリスクも考慮しなければなりません。高齢者の場合、冬場の極寒(マイナス20度以下)や凍結した路面での転倒など、気候による身体的負担も非常に大きいです。万が一の際の国外移送も国境制限により困難を極めるため、ベラルーシへの家族旅行は計画自体を取り消すべきです。

安全に関するよくある質問

街歩きは安全ですか?

街頭犯罪(窃盗等)は少ないですが、警察による恣意的な職務質問や拘束のリスクが極めて高く、一般渡航者にとって安全とは言えません。

写真を撮ってもいいですか?

政府ビル、軍事施設、警察、地下鉄の撮影は厳禁です。スパイ容疑で拘束される実例が出ています。

夜間の外出は避けるべきですか?

警察の職務質問が増えるため、夜間の独り歩きは極めて危険です。21時以降の外出は控えるべきです。

デモに遭遇したら?

即座にその場を離れてください。見ているだけであっても、参加者とみなされ暴力的に拘束される恐れがあります。

VPNの使用は違法ですか?

違法ではありませんが、当局から監視の対象とされる理由になり得ます。

警官に呼び止められたら?

抵抗せず、パスポートを提示してください。不当な要求には大使館へ連絡する旨を伝えてください。

薬物の持ち込みは?

大麻を含め一切の薬物は重罪です。コデイン等を含む医薬品も成分によっては処罰対象です。

日本人はターゲットになりますか?

現在、日本は「非友好国」とされており、政治的な理由でターゲットになるリスクが非常に高いです。

ドローンを飛ばせますか?

個人によるドローンの所持・使用は法律で厳しく制限・禁止されており、即座に逮捕されます。

緊急連絡先が通じない場合は?

日本国内の家族や外務省の緊急連絡先(03-3580-3311)へ、可能なあらゆる手段で連絡してください。

実用的なよくある質問

日本のクレジットカードは使えますか?

いいえ、制裁によりほぼ全てのカードが使用不可です。現金(米ドル・ユーロ)を持参してください。

ビザなしで入国できますか?

ミンスク国際空港発着に限り30日間無査証滞在が可能ですが、ロシア経由は対象外です。

ロシア経由での入国は?

国際線扱いにならないため、日本人にはビザ問題が発生し、拘束されるリスクが高いため避けるべきです。

インターネットは自由に使えますか?

主要なSNSやニュースサイトに制限がかかることがあり、通信は全て監視されています。

タクシーは安全ですか?

配車アプリ「Yandex Go」以外はトラブルのリスクが高いため、利用しないでください。

水道水は飲めますか?

飲用には適しません。必ず市販のミネラルウォーターを購入してください。

英語は通じますか?

ほとんど通じません。ロシア語の翻訳アプリや基本フレーズの習得が必須です。

滞在登録(レジストレーション)とは?

入国後3営業日以内に当局へ届け出る義務です。ホテル宿泊時は代行されます。

ATMはありますか?

街中にありますが、日本のカードでは現金を引き出せません。

医療の質はどうですか?

都市部の私立病院は一定水準ですが、高額です。海外旅行保険への加入が必須です。

ベラルーシの治安に関するよくある質問

ベラルーシの治安は良い?悪い?

ベラルーシの治安は、表面的な街頭犯罪こそ少ないものの、国家当局による恣意的な拘束や監視のリスクが極めて高く、実質的には極めて「悪い」状況です。日本政府は最高レベルの退避勧告を発令しており、安全な滞在は保証されません。

ベラルーシで危険な地域はどこ?

特にウクライナ国境付近のゴメリ州やブレスト州は、ロシア軍の活動拠点となっており、武力衝突や誤爆の恐れがあるため最高に危険です。また、ミンスク市内も治安当局の監視が厳しく、外国人にとって安全な地域は存在しません。

ベラルーシ旅行はやばい?本当に行って大丈夫?

現時点での旅行は極めて「やばい」と言わざるを得ません。邦人がスパイ容疑で実刑判決を受けるなど、通常の観光客が政治的な意図で拘束されるリスクが現実化しています。法治国家としての保護が期待できず、渡航は推奨されません。

ベラルーシは女性一人でも怖くない?

暴力的な犯罪より、当局による不当な拘束やSNSの投稿チェック、執拗な尋問が最も「怖い」要素です。女性一人旅であってもターゲットになる可能性は十分にあり、一度拘束されると外部との連絡が絶たれる恐れがあるため、渡航は非常に危険です。

ベラルーシでスリに遭わないための対策は?

一般的なスリ対策として貴重品の管理は必要ですが、それ以上に「カメラを向けない」「スマートフォンの中身を整理する」ことが重要です。何気ない撮影が諜報活動と疑われ、窃盗被害よりも深刻な長期拘束に繋がるリスクの方がはるかに高いです。

ベラルーシで多い詐欺の手口は?

一般的な観光詐欺よりも、当局を名乗る人物による不当な罰金の要求や、不透明な法的処罰を背景にした金銭トラブルに注意が必要です。警察官であっても信頼できず、不当な要求を拒否することで事態が悪化する恐れがあります。

ベラルーシで日本人が巻き込まれやすい犯罪は?

日本人が最も注意すべきは、スパイ罪や「極端主義活動」への関与を疑われる国家犯罪です。政府庁舎や軍事施設の撮影、SNSでの政治的な発言などがきっかけで拘束される犯罪リスクが非常に高く、個人の自由が厳しく制限されています。

ベラルーシ旅行で注意すべきことは?

最も注意すべきは、撮影禁止区域(駅、橋、政府庁舎、軍施設)を厳守すること、そしてSNSの過去の投稿やスマートフォンのデータを当局が閲覧することを想定しておくことです。少しでも不審とみなされれば、即座に身柄を拘束されます。

ベラルーシで起こりやすいトラブルは?

周辺国(ポーランド、リトアニア)との国境が突然閉鎖され、陸路での脱出が不可能になるトラブルが頻発しています。また、入国時の数時間にわたる過酷な尋問や、所持デバイスの内容をすべてコピーされるなどの強権的な対応も常態化しています。

ベラルーシで被害に遭ったらどうする?

万が一拘束や被害に遭った場合は、速やかに在ベラルーシ日本国大使館へ連絡を試みてください。ただし、政治的な事案では領事接見が制限されることも多く、自力での解決はほぼ不可能です。そのため、渡航自体を避けることが唯一の安全策です。

ベラルーシの治安詳細

ベラルーシの治安概要

ベラルーシの治安情勢は、一般的な街頭犯罪こそ他国に比べ抑制されていますが、その背景には国家による強力な監視体制があります。現在はロシアによるウクライナ侵攻への後方支援国としての立場から、日本を含む先進国を「非友好国」と位置づけ、監視を強化しています。日本政府は全土に最高レベルの退避勧告(レベル4または3)を発令しており、邦人がスパイ容疑で実刑判決を受けるなど、国家権力そのものが最大の脅威となっています。通常の観光が可能な環境ではなく、生命と自由が脅かされる極めて深刻な状況です。

ベラルーシは危険?やばい?

ベラルーシへの渡航は、現在「やばい」という言葉では足りないほど危険です。当局はSNSの投稿やメッセージアプリの履歴を精査し、政権に批判的とみなされれば即座に「極端主義」として拘束します。2024年には実際に邦人が諜報活動の疑いで拘束され、国営テレビで晒し者にされた後に実刑判決を受ける事件が発生しました。これは一般的な犯罪の枠を超えた「国家による人質」のリスクを示しており、法的な保護も不透明なため、一度トラブルに巻き込まれれば脱出は極めて困難となります。

ベラルーシは怖い?一人旅でも大丈夫?

一人旅や女性の旅行者が最も「怖い」と感じるのは、暴力よりも「理由の見えない拘束」です。街中の至る所に私服警備員が配置されており、何気なく撮影した写真や、スマートフォン内の写真が原因で逮捕される事例が絶えません。ベラルーシ当局は現在、外国人に対して非常に神経質になっており、日本人であっても容赦なく取り調べの対象となります。一度拘束されれば弁護士の接見すら困難な場合があり、物理的な安全性よりも、精神的・法的な自由が奪われるリスクが非常に高いことを理解する必要があります。

スリ・詐欺・犯罪の実態

ベラルーシにおける犯罪状況は、一般犯罪(スリ、ひったくり、詐欺)よりも「公権力による権利侵害」が中心です。地下鉄や市場などの混雑した場所でのスリは存在しますが、それ以上に、当局によるスマートフォンの強制検査や、不適切な投稿を理由とした身柄拘束が最大のリスクです。詐欺に関しても、公式な警察官を装った身分確認からの金銭要求や、闇両替を巡るトラブルなど、公的な機関が関与、あるいは黙認する形で行われるものが多く、旅行者が正当な権利を主張できる場面はほとんどありません。

地域別の危険度

地域別では、南部ウクライナ国境付近(ゴメリ州、ブレスト州)が最も危険で、レベル4の退避勧告が出ています。この地域はロシア軍の作戦拠点であり、軍事施設への立ち入りや撮影は即、スパイ容疑に直結します。ミンスク市内やその他の地域(グロドノ州、ビテプスク州、モギレフ州)もレベル3の渡航中止勧告となっており、治安当局による恣意的な拘束リスクは全土に共通しています。特にポーランドやリトアニアとの国境地帯は、軍事的な緊張と難民問題が絡み合っており、一般の旅行者が近づくことは極めて危険です。

ベラルーシ旅行で注意すべきポイント

旅行者が注意すべき点は、徹底した自己検閲と情報の管理です。まず、鉄道駅、橋梁、政府庁舎、軍事施設などの撮影は絶対に避けてください。次に、スマートフォンの写真フォルダやSNS(X、Telegram等)の履歴に、ベラルーシやロシアの政権を批判する内容、または抗議活動に関連する画像が含まれていないか確認が必要です。入国審査でこれらが発見されれば、その場で拘束される可能性があります。また、周辺国との陸路国境は政治情勢により即座に閉鎖されるため、常に代替の帰国手段を確保しておくことが不可欠です。

よくあるトラブル事例

実際のトラブル事例として、日本人観光客が国内の様子を撮影していたところ、軍事情報の収集とみなされKGBに拘束されたケースがあります。また、リトアニア国境から入国しようとした外国人が、数日間にわたって検問所で足止めされ、プライベートな連絡先やSNSの情報をすべて開示させられる強圧的な取り調べを受けた例も報告されています。さらに、国内のホテルで政治的な発言を口にしただけで、翌日には当局による家宅捜索を受けたという事例もあり、常に監視されているという認識が必要です。

被害に遭った場合の対応

ベラルーシで被害や拘束に遭った場合、在ベラルーシ日本国大使館へ連絡するのが唯一の公的な手段です。しかし、ベラルーシ政府は国際条約を無視して領事通報を遅らせたり、接見を拒否したりすることがあります。また、現地の弁護士を雇っても、国家が関与する事案では十分な弁護活動が行えない構造的な問題があります。被害に遭ってからでは遅すぎるため、現在は日本政府の勧告に従い、ベラルーシへの渡航をいかなる理由があっても中止することが、最大の自己防衛となります。

データソース

公的機関