総合評価
世界最高水準の治安を維持しており、凶悪犯罪は極めて稀です。国民の徳性が高く、外国人に対しても非常に寛容で親日的ですが、近年の都市部における薬物問題やサイバー犯罪の微増には注意が必要です。
身体的安全 (A+)
殺人や強盗などの暴力犯罪の発生率は世界的に見ても最低水準です。観光客が身体的な被害に遭う可能性は極めて低く、女性の単独旅行でも日中であれば特段の不安なく行動できる環境が整っています。
医療・衛生 (B)
高山病や野犬による狂犬病のリスクが主な懸念事項です。都市部の主要病院では基本的な対応が可能ですが、高度な外科手術や重症時の対応にはインドやタイへの緊急移送が必要となるため、十分な保険加入が必須です。
詐欺・スリ (A-)
対面での詐欺は稀ですが、近年オンラインでの投資詐欺(マルチ商法等)が増加しています。観光地での骨董品偽装販売や、一部のタクシーによる過剰請求、不認可業者によるツアー販売には一定の警戒が必要です。
テロリスク (A+)
国内に活動中のテロ組織は存在せず、政治的な動機による攻撃のリスクは皆無に等しい状態です。極めて安定した立憲君主制の下で統治されており、宗教的・民族的な対立も表面化していません。
最新インテリジェンスレポート
ブータンは世界で最も安全な国の一つであり、2024年の犯罪統計でも重大犯罪は低水準を維持しています。しかし、2025年の速報では犯罪総数が約16.8%増加しており、特に若年層の失業問題に関連した薬物乱用や空き巣、サイバー詐欺が新たな社会問題となっています。犯罪の約4割は首都ティンプーに集中しており、インド国境のプンツォリンや新経済特区のゲレフがそれに続きます。観光客にとっては極めて安全ですが、野犬による噛みつきや交通事故のリスクは治安以上に現実的な脅威です。政治的には極めて安定しており、国王への敬愛に基づき社会秩序が保たれていますが、経済回復のための観光政策の変更や、若者の国外流出といった構造的変化が治安に与える長期的影響を注視する必要があります。
背景分析
政治的には2008年の立憲君主制移行後も、国王の強い指導力と国民の信頼に基づき極めて安定した運営がなされています。2024年の総選挙で勝利したツェリン・トブゲー政権は、経済回復を最優先に掲げており、南部ゲレフでの大規模都市プロジェクト「GMC」を通じた外資誘致を推進しています。経済面では、インドへの水力発電売電と観光業が柱ですが、パンデミック後の回復は道半ばであり、特に17%を超える若年層失業率が深刻な課題です。これが若者の薬物乱用やオーストラリア等への記録的な国外移住を招いており、伝統的な社会構造に変容を迫っています。また、インドとの緊密な関係を軸としつつ、中国との国境画定交渉が進められており、地政学的なバランス感覚が問われています。社会的には仏教文化が深く浸透しており、犯罪を抑制する心理的障壁として機能していますが、デジタル化の急速な進展により、若者が外部の価値観やサイバー犯罪の標的となるリスクに晒されています。
重要ポイント
- 重大犯罪は極めて稀だが、首都ティンプーでの軽犯罪(窃盗・薬物)は増加傾向にある
- インド国境付近の都市(プンツォリン等)では、密輸や突発的な衝突に注意が必要
- タクツァン寺院等の主要観光地で、ガイドと共謀した入場料の不正徴収が報告されている
- 野犬が非常に多く、狂犬病のリスクがあるため深夜の歩行や接触は厳禁
- 高山病リスクはパロ(2300m)到着直後から発生し得るため、無理な日程は避けるべき
- タバコの公共の場での喫煙は厳格に禁止されており、持ち込みには高額な関税がかかる
- 2026年の日本との国交40周年に向け、日本人への親愛感情はより一層高まっている
- 寺院内での撮影禁止や服装規定は非常に厳格であり、違反は法的トラブルに繋がる
- オンライン詐欺や偽のツアー予約サイトによるフィッシング被害が旅行者にも拡大中
- ヒマラヤ山脈に位置するため地震リスクが常にあり、滞在先の避難経路確認が重要
各国政府の渡航情報
| 情報源 | 警戒レベル |
|---|---|
| 日本外務省 | レベル1:十分注意してください |
| 米国国務省 | Level 1: Exercise Normal Precautions |
| イギリス外務省 | Normal precautions |
| カナダ政府 | Take normal security precautions |
| ドイツ外務省 | Landesspezifische Sicherheitshinweise |
| フランス外務省 | Vigilance normale |
地域別リスク評価
ティンプー首都圏
注意が必要(犯罪集中地域)リスク国内の犯罪の約4割が発生。特にノルジン・ラム等の繁華街での窃盗や、夜間のナイトクラブ周辺でのトラブル、薬物に関連した軽犯罪が報告されています。
プンツォリン(インド国境)
国境特有の注意が必要リスクインドとの商業の要衝であり、密輸や不法入国、浮浪者による軽犯罪が比較的多いエリアです。夜間の単独歩行は避けるべきです。
ゲレフ(南部開発地区)
開発に伴う治安の変化に注意リスク新経済都市計画(GMC)により労働者の流入が急増中。国境付近の安全性確保のため警察の検問が強化されていますが、窃盗などの増加が懸念されます。
サムドゥプ・ジョンカル
国境管理への注意リスク南東部のインド国境都市。過去には反政府勢力の活動もありましたが現在は安定。ただし、国境を越えた先のアッサム州の治安に影響されやすい特徴があります。
パロ(国際空港周辺)
概ね安全(軽犯罪に注意)リスク観光の拠点で治安は良好。稀に市場や混雑した寺院でのスリ、タクシーの料金交渉トラブルが発生する程度です。
プナカ渓谷
非常に安全(自然災害に注意)リスク治安面での懸念は皆無ですが、雨季の氷河湖決壊洪水(GLOF)や川の増水といった自然災害リスクが相対的に高い地域です。
ブムタン(ジャカル)
極めて安全リスク宗教文化の中心地。住民の規範意識が非常に高く、犯罪被害の報告はほとんどありません。静寂を好む観光客に最適です。
タシガン(東部)
安全(移動リスクに注意)リスク東部の主要都市。治安は良いが、そこに至るまでの山岳道路の未整備や土砂崩れによる交通事故のリスクが高いです。
ガサ(最北部)
安全(高地・環境リスク)リスクトレッキング客が中心。犯罪リスクはゼロに近いが、厳しい気候条件と高度による健康被害、野生動物への警戒が必要です。
モンガル(東部)
概ね安全リスク東部の拠点。都市部での開発が進んでいますが、伝統的なコミュニティが維持されており、治安は極めて良好です。
国内安全マップ
ブータン全体の治安は極めて安定していますが、統計上「ティンプー(都市部)」と「南部(国境付近)」に犯罪の大部分が集中していることが明確です。特に薬物に関連した犯罪は若年層の間で深刻化しており、これが軽犯罪の動機となっています。旅行者は基本的な防犯対策(貴重品の管理、深夜の単独行動禁止)に加え、治安以上に危険な「野犬」と「交通事故」への対策(夜間のタクシー利用、安全な運転手の確保)を優先すべきです。また、2026年の日本との外交樹立40周年に向け、日本人への関心が高まっており、それを利用した詐欺への警戒も怠らないでください。
首都最大の繁華街。人通りが多く治安は良いが、スリや置き引き、野犬、深夜の酔っ払いとのトラブルに注意が必要です。
リスク: スリ多発, 野犬の群れ, 軽微な詐欺
インドとの国境地帯。密輸や薬物取引のルートとなっており、浮浪者や物乞いによる軽犯罪が比較的多く発生しています。
リスク: 密輸関連犯罪, 置き引き, 不法な呼び込み
観光の玄関口。警察の警備が非常に厳重で、犯罪被害の報告は極めて稀です。夜間でも比較的安心して過ごせます。
リスク: タクシーの過剰請求, 市場での軽微なスリ
世界的な観光地。非常に安全ですが、混雑時のスリや、ガイドによる入場料の不正徴収(二重請求)に注意が必要です。
リスク: 入場料詐欺, 混雑時のスリ, 足場の滑落事故
大規模な新経済特区建設中。労働者の流入に伴い治安が流動的であり、検問が多く、外部の犯罪グループの流入に警戒が必要です。
リスク: 労働者トラブル, 窃盗の増加, 警察の検問
南東部の国境都市。インド・アッサム州側の治安情勢に影響を受けやすく、以前は武装勢力の潜伏もあったため警戒が必要です。
リスク: 越境犯罪, デモの連鎖, 治安情勢の急変
旧首都。観光客向けの警備が整っており極めて安全。治安よりも雨季の川の増水や地滑りなどの自然災害リスクを注視してください。
リスク: 自然災害, 寺院内の撮影禁止違反
ブータンで最も安全な地域の一つ。住民の精神性が高く、盗難や暴力の心配はほぼありません。心身の静養に最適です。
リスク: 野生動物への遭遇, 急激な高度上昇
東部の中心。コミュニティの結びつきが強く、治安は良好。ただし、到達までの山岳道路は非常に危険で事故に注意が必要です。
リスク: 交通事故, 道路寸断
秘境エリア。犯罪リスクはゼロに近いですが、医療施設が極めて乏しく、負傷や病気の場合の移送に困難を伴います。
リスク: 医療アクセスの欠如, 高山病
近年行方不明者や若者の薬物トラブルが報告されているエリア。観光客が立ち入る必要は少ないですが、夜間の通行は控えてください。
リスク: 薬物犯罪, 失踪事件の発生, 野犬多発
公式ルート以外の南部森林。過去に武装勢力の活動があり、現在も野生動物や密猟者が潜む可能性があるため、ガイドなしの立ち入りは厳禁です。
リスク: 野生動物の襲撃, 不法入国者との遭遇, 地雷(稀な残存)
犯罪・治安情報
犯罪統計
薬物関連
リスク: 3/5多発エリア: ティンプーの路地裏, ナイトクラブ周辺, プンツォリン国境付近, 若者の集まる公園
手口:
- 大麻の不法所持・使用
- 合成薬物の密輸
- 若年層によるグループ内売買
対策:
- 見知らぬ人物からの誘いや物品の受け渡しを断る
- 薬物が蔓延しているとされる安宿やバーを避ける
- 不自然に親しげなグループとの交流に注意する
全逮捕者の約57%が薬物関連であり、国内最大の治安課題となっている。特に処方薬の乱用が増加中。
スリ・窃盗
リスク: 2/5多発エリア: ティンプーのメインストリート, パロの週末市場, 祭り(ツェチュ)の会場, ホテルのロビー
手口:
- 混雑時のスリ
- 置き引き
- 注意逸らしによるバッグの盗難
対策:
- 貴重品はホテルのセーフティボックスに預ける
- 人混みではバッグを体の前に持つ
- 多額の現金を持ち歩かない
件数は少ないが、観光客が集中するイベント期間中に発生が集中する傾向がある。
詐欺
リスク: 2/5多発エリア: 寺院の入り口, 骨董品店, オンライン予約サイト, タクシー車内
手口:
- 寺院入場料の不正徴収
- 偽アンティークの販売
- 格安ツアーを謳う無許可業者の失踪
対策:
- 入場料は必ず公式のチケットと引き換えに支払う
- 高額な土産物は政府公認店で購入する
- 事前にオンラインで適正価格を確認する
2024年に大規模な入場料横領事件が発覚し、当局が監視を強化している。
cyber_crime
リスク: 2/5多発エリア: SNS, ネットバンキング, 偽の公式ビザ申請サイト
手口:
- フィッシング詐欺
- オンライン投資詐欺(QNET等)
- なりすましメール
対策:
- 公式ドメイン(.gov.bt)以外のサイトで個人情報を入力しない
- 不審なURLをクリックしない
- フリーWiFiでの重要な通信を避ける
近年急増しており、2025年には大規模なマルチ商法事件で多くの被害者が出ている。
traffic_accident
リスク: 3/5多発エリア: パロ〜ティンプー間の幹線道路, 東部山岳地帯の横断道路, ティンプー市内中心部
手口:
- 山道での無理な追い越し
- 整備不良車による故障
- 落石や土砂崩れへの遭遇
対策:
- 夜間の山岳道路移動を避ける
- 安全意識の高い旅行会社を選ぶ
- シートベルトの着用を徹底する
治安犯罪よりも負傷者・死者数が多く、旅行者が直面する最大の身体的リスク。
凶悪犯罪
リスク: 1/5多発エリア: 深夜のバー周辺, ティンプーの南地区住宅街
手口:
- 酒席での口論からの暴行
- 家庭内暴力
対策:
- 深夜の繁華街での深酒を避ける
- 地元住民との政治的・宗教的議論を避ける
- 不穏な空気を感じたら直ちに立ち去る
殺人事件は年間に数件程度であり、世界でも最低水準だが2024年は微増した。
健康・医療情報
ワクチン情報
ブータン入国において、特定の黄熱リスク国からの入国を除き、予防接種は義務ではありませんが、衛生環境を考慮しA型肝炎、B型肝炎、破傷風の接種が強く推奨されます。特に野犬が多く、咬傷事故の際のリスクが高いことから、狂犬病の暴露前接種を検討することが望ましいです。トレッキングを計画している場合は、高度上昇に伴う高山病のリスクも考慮し、体調管理を徹底してください。
| ワクチン | 必須/推奨 | 備考 |
|---|---|---|
| 黄熱 (Yellow Fever) | 必須 | 黄熱に感染するリスクのある国から入国、またはそれらの国の空港で12時間以上の乗り継ぎを行った生後9ヶ月以上の渡航者は、黄熱予防接種証明書(イエローカード)の提示が義務付けられています。 |
| A型肝炎 | 推奨 | 経口感染のリスクがあるため、全ての渡航者に強く推奨されます。 |
| B型肝炎 | 推奨 | 医療行為や事故の際の血液感染リスクに備え、推奨されます。 |
| 破傷風 | 推奨 | トレッキングや屋外活動中の怪我に備え、推奨されます。 |
| 狂犬病 | 推奨 | 都市部・地方を問わず野犬が非常に多いため、長期滞在や動物と接触する可能性がある場合に強く推奨されます。 |
| 日本脳炎 | 推奨 | 特にインド国境に近い南部地域や、農村部で長期滞在を予定している場合に推奨されます。 |
健康リスク
最も一般的なリスクは不衛生な水や食品による渡航者下痢症です。また、標高2,300mを超えるパロやティンプー、あるいはそれ以上の高地では高山病のリスクがあります。南部インド国境沿いの低地(標高1,700m以下)では、年間を通じてマラリアやデング熱の感染リスクが存在するため、防虫対策が必要です。狂犬病については2023年に清浄国宣言を出しましたが、WHOなどは依然として野犬によるリスクを警告しています。
医療施設
首都ティンプーにあるジグメ・ドルジ・ワンチュク国立公立病院 (JDWNRH) が国内最高の医療施設ですが、欧米水準には及びません。地方では簡易診療所が主であり、高度な治療は不可能です。重症時はタイやインドへの緊急移送が必要となりますが、チャーター便費用は1,000万円を超えることもあるため、高額補償の海外旅行保険への加入が必須です。日本語対応可能な医師はほぼ存在せず、英語での受診が基本となります。
入国・ビザ情報
ビザ要件: 日本人を含む全ての観光客は事前にビザの取得が必要です。ブータン政府の公式サイトから直接、または公認旅行代理店を通じて申請します。観光客は「持続可能な開発料 (SDF)」として1泊あたり100米ドルの支払いが必要です(2027年8月までの割引料金)。これとは別にビザ申請料40米ドルがかかります。個人旅行も可能ですが、ガイドの同行が推奨されます。
パスポート有効期限
ブータン入国時に6ヶ月以上の残存有効期間が必要です。また、査証(ビザ)のスタンプや入国印を捺印するための空白ページが、少なくとも1ページ以上あることが求められます。
持ち込み禁止・制限品
タバコ製品の持ち込みは最大200本まで可能ですが、200%の関税が課されます。入国時に必ず税関で申告し、納税証明書を常に携行してください。また、古い宗教的・文化的物品(骨董品)の無許可の持ち出しは厳禁であり、違反した場合は厳しく罰せられます。銃火器、麻薬、ポルノ、野生動物製品の持ち込みも固く禁じられています。
緊急連絡先
時間帯別安全情報
早朝
安全非常に安全です。僧侶が寺院へ向かい、人々が祈りを捧げる静かな時間帯です。空気が澄んでおり、散策に最適ですが、郊外では野犬の群れが活発に動いているため、一人歩きの際は注意が必要です。店舗はまだ閉まっていることが多いですが、治安上の不安は皆無です。
安全な活動:
- ・寺院への参拝
- ・自然散策
- ・写真撮影
避けるべきエリア:
- ・街灯の少ない路地(犬対策)
交通: 徒歩または事前予約した専用車
日中
安全最も安全な時間帯です。観光地、市場、官公庁ともに活気があり、警察の巡回も頻繁に行われています。女性一人での観光も全く問題ありませんが、混雑する市場や祭りの会場では、稀に発生するスリや、強引な土産物販売に注意する程度で十分です。
安全な活動:
- ・市内観光
- ・トレッキング
- ・ショッピング
避けるべきエリア:
- ・特になし
交通: タクシーまたは徒歩
夕方〜夜
安全夕暮れ時は帰宅を急ぐ車で交通量が増えますが、治安は引き続き良好です。ティンプーのメインストリートであるノルジン・ラムは多くの人で賑わい、ショッピングを楽しめます。レストランやカフェも安全に利用できますが、暗くなってからの野犬の出現には注意が必要です。
安全な活動:
- ・夕食
- ・繁華街の散策
- ・カフェでの休憩
避けるべきエリア:
- ・工事現場周辺
交通: タクシー
深夜
安全ブータンで最も注意が必要な時間帯です。ティンプー中心部にはナイトクラブやバーがあり、酔っ払い同士のトラブルが発生することがあります。また、街灯が少ない場所では野犬が非常に危険で、狂犬病のリスクがあるため、徒歩での移動は厳禁です。犯罪リスク自体は低いものの、安全のためタクシーを利用してください。
安全な活動:
- ・ホテル内での滞在
- ・送迎付きの会食
避けるべきエリア:
- ・ティンプー南地区の暗い路地
- ・バーの周辺
- ・人跡の途絶えた川沿い
交通: 信頼できるタクシー(電話呼び出し推奨)
季節別ガイド
春 (March - May)
気温: 10°C - 23°C
降水: 中程度、時折激しい雷雨
服装: 重ね着が可能な服装。長袖シャツに、朝晩の冷え込みに備えたフリースや薄手のジャケット。
おすすめ活動:
パロ・ツェチュ(祭典)の観覧, シャクナゲや高山植物の観察, タクツァン寺院へのトレッキング
リスク:
- ・午後の急な雷雨
- ・高度変化による高山病
夏 (June - August)
気温: 15°C - 26°C
降水: 非常に多い(モンスーン)
服装: 防水性の高いレインウェア、撥水加工のズボン。湿気が多いため通気性の良い素材。
おすすめ活動:
緑豊かな渓谷の風景鑑賞, 寺院内での文化体験, 地元の農家訪問
リスク:
- ・大規模な地滑りと道路寸断
- ・航空機の欠航や遅延
- ・デング熱(南部)
秋 (September - November)
気温: 5°C - 20°C
降水: 非常に少ない、乾燥
服装: 秋用のジャケット。11月以降は厚手の防寒着と保温性の高いインナー。
おすすめ活動:
ヒマラヤの山脈展望, 本格的なトレッキング, ティンプー・ツェチュの観覧
リスク:
- ・朝晩の急激な気温低下
- ・乾燥による喉の痛み
冬 (December - February)
気温: -5°C - 15°C
降水: 極めて少なく、乾燥(高地は降雪)
服装: 本格的な防寒具、ダウンジャケット、手袋、ニット帽。室内も冷えるため防寒対策必須。
おすすめ活動:
黒首鶴の観察(ポブジカ), 澄んだ空の星空観察, 温泉巡り(地方)
リスク:
- ・雪による峠の封鎖
- ・低体温症(トレッキング中)
ベストシーズン: 観光に最適な時期は、ヒマラヤの絶景が最も美しく見える秋(9月下旬〜11月)と、花々が咲き誇る春(3月〜5月)です。秋は空気が澄んでおり、トレッキングや写真撮影に最適です。春はパロ・ツェチュなどの重要な祭典が多く、ブータンの豊かな伝統文化に触れる機会に恵まれます。これら以外の時期、特に夏は雨による移動制限、冬は極寒のため、目的が限定されない限り推奨されません。
環境リスク
野生動物のリスク
野犬
リスク: 4/5生息地: ティンプー市街地, パロ市街地, 寺院周辺
ブータンの都市部や寺院周辺には多くの野犬が群れをなしており、特に夜間は攻撃的になることがあります。狂犬病のキャリアである可能性を常に考慮し、絶対に近づいたり触れたりしないでください。万が一、犬に噛まれたり引っ掻かれたりした場合は、直ちに傷口を石鹸と流水で15分以上洗い流し、早急に医療機関で狂犬病の暴露後ワクチン(PEP)の接種を受けてください。夜間の独り歩きは犬の群れに遭遇するリスクを高めるため避けるべきです。
治療: 主要都市の病院で狂犬病ワクチンと抗血清の投与が可能ですが、在庫状況により速やかな移動が必要になる場合があります。
毒蛇
リスク: 3/5生息地: 南部低地(ゲレフ、サムドゥプ・ジョンカル), 雨季の森林地帯
南部の亜熱帯地域や森林部には、コブラ、アマガサヘビ、クサリヘビなどの猛毒を持つ蛇が生息しています。茂みや草むらを歩く際は、厚手の靴や長ズボンを着用し、足元に十分注意してください。夜間の歩行には必ず懐中電灯を使用し、蛇の活動が活発になる雨季(6月〜9月)は特に警戒が必要です。遭遇した場合は刺激せずに静かに離れてください。
治療: 主要な地域病院にはインド製の多価抗蛇毒血清が備え付けられており、咬傷時の治療が可能です。
水の安全性
水道水: 飲用不可
全域で水道水の飲用は不可です。必ず封印されたボトル入りのミネラルウォーターを使用するか、10分以上煮沸した水、あるいは高性能な携帯用浄水器を通した水を使用してください。歯磨きの際もミネラルウォーターの使用を推奨します。レストランでの生野菜や果物も、水道水で洗われている可能性があるため摂取には注意が必要です。
交通安全
事故死亡率: 100,000人あたり約15.1人
歩行者リスク: 信号機が存在しないため、横断歩道であっても車両が止まらないことが多く、歩行者は常に注意が必要です。また、歩道が整備されていない場所や、夜間の街灯不足による視認性の低さがリスクとなります。
公共交通: 都市間の長距離バスは旧式な車両が多く、過積載や急峻な山道での無理な追い越しが原因の事故が報告されています。観光客は通常、整備が行き届いた旅行会社の専用車とプロのドライバーを利用するため、公共バスよりは安全性が高いと言えます。
地域別ガイド
ティンプー(Thimphu)
レベル 1世界で唯一信号機のない首都。行政と経済の中心でありながら、伝統的な建築様式が守られています。2025年時点では犯罪の約4割がここに集中しており、深夜の繁華街での酔っ払いや野犬との遭遇には注意が必要ですが、旅行者には極めて安全なエリアです。
主要都市: ティンプー
特有リスク:
- ・夜間の野犬による噛みつき
- ・サイバー詐欺・スキミング
- ・高度な標高による初期の高山病
パロ(Paro)
レベル 1国内唯一の国際空港があり、タクツァン寺院(タイガーズネスト)への拠点となる地域です。美しい田園風景が広がり、観光客が最も多いエリアの一つです。治安は非常に安定していますが、トレッキング中の滑落事故や急激な高度変化による体調不良のリスクがあります。
主要都市: パロ
特有リスク:
- ・トレッキング中の転倒・滑落
- ・急激な気象変化による低体温症
- ・観光地でのタクシー過剰請求
プナカ(Punakha)
レベル 1かつての首都で、冬の居住地として知られる温暖な渓谷です。プナカ・ゾンは国内で最も美しい建築の一つとされます。河川の氾濫(氷河湖決壊洪水)のリスクが稀に指摘されますが、平時の治安は極めて良好で、農村体験なども安心して行えます。
主要都市: プナカ, ワンデュ・ポダン
特有リスク:
- ・モンスーン時期の河川氾濫
- ・雨季の道路寸断(地滑り)
- ・寺院内での撮影禁止違反トラブル
ブムタン(Bumthang)
レベル 1ブータン仏教の聖地であり、4つの谷からなる美しい地方です。「ブータンのスイス」とも呼ばれ、犯罪率は極めて低いです。伝統的な生活様式が強く残っており、現地の人々との交流も安全ですが、医療施設が限られるため重病時の対応には時間を要します。
主要都市: ジャカル
特有リスク:
- ・医療アクセスの欠如
- ・厳冬期の積雪による孤立
- ・家畜(牛や馬)による接触事故
プンツォリン(Phuntsholing)
レベル 2インドとの国境にある商業都市です。人流が激しく、国内で2番目に犯罪報告が多い地域です。密輸や薬物関連のトラブルが発生しやすく、インド側からの不審者の流入もあるため、夜間の独り歩きは他の都市以上に警戒が必要です。
主要都市: プンツォリン
特有リスク:
- ・置き引き・スリの発生
- ・不認可の闇両替詐欺
- ・インド国境付近での暴動・デモ
経済・物価情報
経済概要
ブータンの経済は水力発電によるインドへの売電と観光業が柱です。2024年以降、経済危機からの回復を目指し、国王主導で南部ゲレフに「マインドフルネス・シティ」という巨大経済特区を建設するプロジェクトを推進しています。若者の国外流出が課題ですが、伝統を守りつつ外資を誘致する独自の経済成長モデルを追求しており、2025年時点では回復基調にあります。
生活費・物価
旅行者にとっての生活費は、強制的に支払う「持続可能な開発料(SDF)」が支配的です。1泊100米ドルが必要ですが、地元の食事自体は1食500〜1,000円程度と安価です。宿泊費は3つ星クラスで1泊6,000円〜1万円、ミネラルウォーターは100円程度。交通は公共機関が少ないため、ガイド付きの専用車利用が一般的となり、全体的な旅費はアジアの中でも高額な部類に入ります。
通貨情報
通貨はニュルタム(BTN)で、インド・ルピーと等価(1:1)で固定されています。ティンプーやパロの街中ではルピーもそのまま利用可能ですが、高額紙幣は拒否されることがあります。主要都市の銀行や空港で米ドルからの両替が可能ですが、レートは公定レートに従います。近年はクレジットカード決済(Visa/Master)が普及しつつありますが、地方部では依然として現金が必須です。
チップガイド
ブータンには本来チップの習慣はありませんでしたが、観光化に伴いガイドやドライバーに最終日に渡すのが一般的になっています。相場はガイド1人あたり1日15〜20米ドル、ドライバーには10〜15米ドル程度です。ホテルのポーターやレストランでは、特別なサービスを受けた場合に50〜100ニュルタム程度を渡すと非常に喜ばれます。強制ではありませんが、サービスの質に対する謝意として定着しています。
予算ガイド
ブータンは「質が高く、量は少なく」という観光政策をとっています。バックパッカー向けでもSDFと宿泊費を含め1日最低150米ドル以上が必要です。ミドルレンジでは、ガイド・専用車・3つ星ホテルを利用し、1日250〜300米ドル程度。ラグジュアリー層は、アマンコラやシックスセンシズなどの高級リゾートを拠点とする場合、1日1,000米ドル以上の予算設定となり、提供されるホスピタリティも世界最高峰となります。
文化・マナー情報
歴史的背景
ブータンは1907年にワンチュク王朝による統一国家が成立しました。1970年代まで鎖国状態にありましたが、第4代国王が提唱した「国民総幸福(GNH)」の理念により、独自の文化を維持しながら近代化を推進。2008年には国王自らが主導して絶対王政から立憲君主制へと移行し、民主化を果たしました。チベット仏教と君主制への強い敬愛が、この国の精神的支柱となっており、自然と伝統を重視する姿勢が徹底されています。
社会規範・マナー
公共の場では民族衣装(男性はゴ、女性はキラ)の着用が推奨され、特に寺院や政府機関への訪問時は正装が義務付けられます。頭部は神聖な部位とされるため、子供の頭を撫でる行為は避けてください。また、王室への批判や宗教的侮辱は厳禁です。タバコの販売は解禁されましたが、公共の場での喫煙は厳しく禁じられており、違反すると高額な罰金が科せられます。常にガイドのアドバイスに従い、保守的な振る舞いを心がけることが重要です。
宗教・慣習
国民の約75%がチベット仏教を信仰しており、生活の隅々に宗教が浸透しています。寺院(ゾンやラカン)を訪問する際は、建物やマニ車を必ず時計回りに回るのがルールです。堂内での写真撮影は厳禁で、帽子やサングラスは脱ぎ、靴を脱いで入場します。また、殺生を嫌う仏教の教えから、ブータン国内での食肉加工は行われず、肉類はすべてインドから輸入されています。神聖な場所では大声を出さず、静粛に振る舞うことが求められます。
宿泊・食事ガイド
宿泊ガイド
ブータンの宿泊施設は、政府の基準によって3つ星から5つ星まで格付けされています。通常のツアーで利用されるのは3つ星クラスで、伝統的な装飾が施された清潔な部屋が提供されます。冬場は暖房の効きが弱いことがあるため、厚手のパジャマの持参を推奨します。最高級のリゾート(アマン、シックスセンシズ等)は世界クラスの設備とサービスを誇りますが、1泊2,000米ドルを超えることもあります。また、農家でのホームステイも人気で、伝統的な石焼き風呂(ドツォ)を体験できるなど、文化交流を求める旅行者に適しています。
食事ガイド
ブータン料理の最大の特徴は「唐辛子を野菜として食べる」ことです。代表料理「エマ・ダツィ(唐辛子のチーズ煮)」は非常に辛いため、辛いものが苦手な場合は必ず「Less Spicy」と注文してください。主食は赤米や蕎麦(東部)で、素朴ながら栄養価の高い食生活です。観光客向けのレストランでは、辛さを抑えた中華料理風やインド料理風のブッフェが一般的です。水道水は飲めないため、常にミネラルウォーターか、現地で人気の「バター茶(スジャ)」を摂取することをお勧めします。衛生状態は概ね良好ですが、屋台での生食は避けてください。
実用情報
通信・SIM
通信事業者は「B-Mobile」と「TashiCell」の2社。パロ空港やティンプー市内の販売店で観光客用SIMカードが数分で購入可能です(パスポート必要)。4G/5G網は主要都市や幹線道路沿いで良好ですが、深い渓谷やトレッキングルートでは圏外になります。ホテルのWiFiはロビーでは安定していますが、客室までは届かないことが多いため、現地SIMの購入を強く推奨します。10GBで1,000円以下のプランが一般的です。
銀行・ATM
主要都市(ティンプー、パロ、プンツォリン)にはATMがあり、VisaやMasterの海外キャッシングが可能ですが、回線不良やカードの相性で引き出せないことが頻発します。また、一度に引き出せる額は最大10,000〜15,000 BTN程度に制限されています。高額な土産物店以外ではカードが使えないことも多いため、予備の現金(米ドルまたはインド・ルピー)を持参し、現地の銀行や空港でニュルタムに両替しておくのが最も確実な方法です。
郵便・配送
ブータン・ポストが運営。ティンプーの中央郵便局では「自分の顔写真入り切手」を作成でき、実際に日本へハガキを送ることも可能です。日本への航空便は通常1〜2週間で届きます。国際宅配便(DHL等)も主要都市で利用可能ですが、送料は非常に高額です。骨董品(本物のアンティーク)を送る場合は政府の許可証が必要で、無許可で発送しようとすると没収および刑事罰の対象となるため、購入店で必ず証明書を発行してもらってください。
電源・アダプター
電圧は230V、周波数は50Hz。プラグ形状は丸穴3つの「タイプD」または丸穴2つの「タイプC」、稀に英国式の「タイプG」が混在しています。日本の100V専用家電は変圧器なしでは故障・発火の恐れがあるため注意してください。スマホやPCの充電器はマルチ電圧対応が多いですが、コンセントに直接刺せないことが多いため、世界対応のマルチ変換プラグを1つ持参すると安心です。
洗濯サービス
主要なホテルではランドリーサービスを提供していますが、手洗い・自然乾燥が基本のため、仕上がりまでに1日以上かかることがあります。湿度の高い雨季は特に乾きにくいため注意してください。街中にセルフサービスのコインランドリーはほとんど存在しません。下着などの小物は、速乾性の素材のものを持参し、自身で客室で洗うスタイルが効率的です。地元のクリーニング店は伝統衣装(ゴ・キラ)の扱いに長けています。
公衆トイレ
都市部の公共施設やガソリンスタンド、観光スポットの入り口には公共トイレが設置されています。多くは水洗ですが、地方や山間部では「しゃがみ式」で水桶を使って流すスタイルも残っています。トイレットペーパーが設置されていないことも多いため、常に水に流せるティッシュを携帯してください。寺院内にはトイレがないことが多いため、入場前に済ませるのが鉄則です。清掃は行き届いている場所が多いですが、若干のチップを求められることもあります。
主要都市ガイド
ティンプー
Thimphu
近代化と伝統が融合する首都。夜間のノルジン・ラム通り周辺では若者の酒席トラブルが稀にありますが、警察のパトロールが頻繁に行われており、基本的には深夜でも安全です。
主な観光地:
タシチョ・ゾン, メモリアル・チョルテン, ブッダ・ドデナマ
避けるべきエリア:
- ・深夜のバスターミナル周辺
- ・街灯のない裏路地
ベストシーズン: 3月〜5月、9月〜11月
詳細ページへ →パロ
Paro
観光の玄関口。パロ・ツェチュの時期は非常に混雑し、スリなどの軽犯罪が発生しやすくなりますが、その他の時期は非常に平穏です。地元の人は観光客に極めて親切です。
主な観光地:
タクツァン寺院, パロ・ゾン, 国立博物館
避けるべきエリア:
- ・お祭り会場の過剰な混雑区画
- ・夜間の人里離れた農道
ベストシーズン: 4月の祭りシーズン、10月
詳細ページへ →プンツォリン
Phuntsholing
活気ある国境の街。インドからの日帰り客も多く、喧騒としています。国境ゲート付近では怪しいガイドや闇両替商が声をかけてくることがありますが、無視を徹底してください。
主な観光地:
ザント・ペルリ・ラカン, クロコダイル・ブリーディングセンター
避けるべきエリア:
- ・深夜のインド国境ゲート付近
- ・工業地帯の路地裏
ベストシーズン: 11月〜2月の冬季
詳細ページへ →交通詳細ガイド
国内線フライト
国内線はドゥルク航空がパロを拠点に、東部のヨンプラ、中部のブムタン、南部のゲレフへと就航しています。機材は小型で、ヒマラヤの山々を間近に見るフライトは絶景ですが、天候の影響を極めて受けやすいのが特徴です。特に雨季や冬季の霧・強風による欠航や大幅な遅延は日常茶飯事です。欠航時の陸路移動は10時間以上かかることもあるため、国内線を利用する場合は、国際線の乗り継ぎまでに少なくとも24時間以上の余裕を持たせたスケジュールを組むことが鉄則です。航空券は公式サイトで直接予約可能ですが、現地の旅行会社経由の方が欠航時の振替対応がスムーズです。
鉄道・バス
ブータン国内には鉄道は存在しません。都市間移動の主力は公共バス(コースター)ですが、主に地元住民の足であり、山岳地帯の曲がりくねった悪路を長時間走行するため、乗り物に弱い旅行者には厳しい環境です。観光客は通常、旅行会社が手配するSUVやマイクロバスの専用車を利用します。主要幹線道路である「横断道路」は舗装が進んでいますが、依然としてガードレールのない崖際や、地滑りによる通行止めが頻発します。移動時間は距離以上に長く見積もる必要があります(例:ティンプーからパロは1.5時間、プナカまでは3時間)。安全面では、運転手の技術は高いものの、過信せずシートベルトの着用を徹底してください。
レンタカー・配車サービス
ブータンでは、外国人旅行者によるセルフドライブのレンタカー利用は法的に非常に制限されており、現実的には不可能です。すべての旅行者は、政府認可のガイドと専用ドライバー付きの車両を手配することが義務付けられています。UberやGrabといったライドシェアアプリも存在しません。唯一の例外として、ティンプーやパロの市街地では流しのタクシーが利用可能です。タクシーはメーター制ではなく、区間ごとの定額制(または交渉制)となります。2025年現在、ティンプー市内での初乗りは100〜200ニュルタム程度。夜間や雨天時は料金が跳ね上がることがあるため、乗車前に必ず料金を確認し、トラブルを避けるために可能な限り宿泊施設に手配を依頼してください。
交通リスク評価
最大のリスクは治安よりも「交通事故」と「自然災害」です。山岳道路は幅が狭く、落石や地滑りのリスクが常にあるため、大雨の日の移動は避けるべきです。また、公共バスの整備不良による事故も稀に報告されています。一方で、車内での犯罪リスクは極めて低く、荷物の盗難なども一般的ではありません。夜間の移動は野生動物(牛や馬)の路上放置による事故が多いため、日中の移動を基本としてください。
都市別交通ガイド
ティンプー
地下鉄: なし
バス: 市内バス(シティバス)が網羅していますが、観光客にはルートの把握が難しく、タクシー移動が推奨されます。
タクシー: 「MyDrukRide」というローカルアプリが登場していますが、安定性は低いです。基本は道端で拾います。
徒歩・自転車: 歩道は整備されていますが、坂道が多く、高地のため徒歩移動は体力を消耗します。サイクリングは一般的になりつつあります。
費用目安: 市内一律100〜300 BTN。深夜は1.5倍〜2倍。
大使館・長期滞在情報
在外公館ネットワーク
在インド日本国大使館(管轄)
Embassy - New Delhi
住所: Plot No. 4&5, 50-G Shantipath, Chanakyapuri, New Delhi, 110021, India
電話: +91-11-2687-7306
管轄: Bhutan 全域
緊急対応: 24時間対応(夜間・休日は緊急連絡先へ転送)
在ティンプー名誉総領事館
Consulate - Thimphu
住所: P.O. Box 389, Thimphu, Bhutan
電話: +975-2-322159
管轄: Bhutan 国内連絡事務
緊急対応: 開館時間内のみ(緊急時は在インド大使館へ)
領事サービス
ブータン国内に実務を担う日本大使館がないため、旅券の更新や各種証明書の発行、戸籍の届出などの領事サービスはすべて在インド日本国大使館が行います。緊急時の「帰国のための渡航書」発行も、インドから担当官が派遣されるか、本人がニューデリーに出向く必要があるため、非常に時間がかかります。在留届の提出を忘れずに行い、万が一の紛失に備えてパスポートのコピーと戸籍謄本の写真をクラウド上に保存しておくことを強く推奨します。
長期滞在ビザ
ブータンには「観光ビザ」以外の長期滞在手段が非常に限られています。主に政府機関や国際協力団体(JICA等)の職員、またはブータン人との配偶者を持つ者に限定されます。2024年以降、経済活性化のため特定のビジネス投資家向けに滞在許可の緩和が進んでいますが、一般外国人が長期滞在を希望する場合、高額なSDF(1日100ドル)を支払い続ける必要があるため、経済的な負担が極めて重くなります。オーバーステイには1日あたり高額な罰金と将来の入国禁止措置が厳格に適用されます。
リモートワーク・デジタルノマド
公式な「デジタルノマドビザ」は存在しません。しかし、ブータン政府は「SDFを支払いつつ長期滞在するリモートワーカー」を歓迎しています。国内のITインフラはティンプーやパロなどの都市部では十分に整備されており、コワーキングスペースも少数ながら存在します。ただし、生活コスト(SDFによる月間約3,000ドル以上の支出)は世界最高水準となるため、特殊な環境や精神的なリフレッシュを目的とした高所得層向けの環境と言えます。
ビジネスビザ
ビジネス目的での入国には、現地のパートナー企業や政府機関からの「招待状(Letter of Invitation)」が必須です。観光ビザとは異なり、事前の審査に数週間から1ヶ月程度を要します。会議出席や市場調査などの短期ビジネス活動でも、所定のビザ申請料(40ドル)がかかります。また、ビジネス目的であってもSDFの支払いは義務付けられています。商談の際は、ブータンの伝統的な礼儀(ゾンカ語での挨拶や謙虚な態度)を重んじることが成功の鍵となります。
推奨防犯装備
ダイアモックス(高山病予防薬)
推奨衛生用品
パロやティンプーでも標高2,300mを超え、トレッキングでは4,000m以上に達します。医師の処方に基づき携行してください。
高容量モバイルバッテリー
必須通信機器
地方部では落雷やインフラ整備状況により停電が頻発します。地図や翻訳機能維持のため、20,000mAh以上の製品を推奨します。
英文の薬剤証明書・処方箋
必須保険
入国時の持ち込み確認や、現地での急病時に適切な治療を受けるために必要です。常用薬がある場合は必ず医師に作成を依頼してください。
浄水機能付きボトル
推奨衛生用品
水道水は飲用不可です。ペットボトルの廃棄を減らす環境意識が強い国のため、浄水機能付きボトルの持参は現地でも歓迎されます。
強力な日焼け止め・サングラス
必須衛生用品
高地は紫外線が極めて強力です。短時間の外出でも火傷のような日焼けをするリスクがあるため、PA++++以上の製品が適しています。
防水仕様のトレッキングシューズ
必須防犯グッズ
急な降雨による足場の悪化や野犬への威嚇効果を兼ねます。タクツァン寺院参拝など、未舗装の急斜面を歩く機会が非常に多いです。
襟付きシャツと長ズボン
必須文化尊重
ゾン(県庁兼寺院)や公的施設では、半袖・短パンは入場を拒否されます。格式高い場にふさわしい保守的な服装を常備してください。
LEDヘッドライト
推奨衛生用品
夜間の街灯が少ないエリアや、停電時のホテル内移動に不可欠です。野犬を回避するための視認性確保にも役立ちます。
旅行者タイプ別ガイド
女性旅行者向けガイド
ブータンは女性の一人旅(ガイド同行が基本)において、世界で最も安全な国の一つです。女性に対する暴力やハラスメントの発生率は極めて低く、人々は非常に礼儀正しいです。ただし、ティンプーのナイトスポット(バーやクラブ)では、稀に酔った若者に声をかけられることがあります。不快な場合はハッキリと拒絶するか、同行のガイドに助けを求めてください。服装については、宗教的背景から露出の多い服(ノースリーブ、ミニスカート等)は避け、膝と肩を隠す保守的な格好をすることが、余計な注目を避け、敬意を払われることにつながります。生理用品は都市部で購入可能ですが、種類が限られるため日本からの持参を強く推奨します。
LGBTQ+旅行者向けガイド
ブータンでは2021年に同性愛を罰する刑法が改正され、現在は非犯罪化されています。社会全体としては保守的ですが、観光客に対して性的指向で差別をしたり攻撃をしたりすることはまずありません。ティンプーでは小規模ながらLGBTQ+コミュニティの活動も始まっています。ただし、公共の場での過度な親密な表現(愛情表現)は、ヘテロセクシャルであってもブータンの文化として控えるべきとされており、LGBTQ+旅行者も同様の配慮が求められます。ホテルでのダブルベッド利用なども問題なく受け入れられますが、伝統的な農村部では、依然として保守的な価値観が強いため、状況に応じた節度ある振る舞いが推奨されます。
家族・シニア旅行者向けガイド
ブータンは家族旅行やシニア世代に非常に適した目的地です。子供や高齢者を敬う文化が根付いており、どこへ行っても温かく歓迎されます。シニア旅行者にとっての最大の懸念は「標高」と「移動の負担」です。多くの観光地は標高2,500mを超え、移動は揺れる山道が多いため、心臓や呼吸器に不安がある場合は事前に医師に相談してください。移動スケジュールはゆったりと組み、無理にタクツァン寺院(徒歩3〜5時間の登山)を目指さず、展望台までとするなどの柔軟な対応が重要です。子供連れの場合、おむつや離乳食は都市部以外では手に入りにくいため、十分な量を日本から携行してください。また、野犬が多く、狂犬病のリスクがあるため、子供が犬に近づかないよう厳重に注意する必要があります。
安全に関するよくある質問
ブータンで夜間に一人歩きしても大丈夫ですか? ▼
非常に安全ですが、治安上の問題よりも「野犬」と「街灯の少なさ」がリスクです。特にティンプーやパロでは夜間に犬が狂暴化することがあるため、一人歩きは避け、タクシーの利用を推奨します。
テロや暴動の心配はありますか? ▼
現在のところ、テロの脅威は極めて低いです。政治的に安定しており、デモなどもほとんど発生しません。ただしインド国境付近では過去にトラブルがあったため、現地の最新情報を確認してください。
実用的なよくある質問
SDF(持続可能な開発料)は現地で返金されますか? ▼
いいえ、返金されません。これは国の開発や観光インフラ整備、教育・医療の無料化に充てられる公的な手数料であり、入国前に支払いが義務付けられています。
日本からブータンへの直行便はありますか? ▼
ありません。通常はバンコク、デリー、カトマンズ、シンガポールなどを経由してパロ空港へ向かいます。バンコク経由が本数も多く最も一般的です。
ブータンの治安に関するよくある質問
ブータンの治安は良い?悪い? ▼
ブータンの治安は世界最高水準であり、観光客が凶悪な事件に巻き込まれることは極めて稀です。2024年の統計でも重大犯罪は低水準を維持しており、仏教の教えに基づいた穏やかな国民性が安全を支えています。しかし、近年は首都ティンプーを中心に犯罪総数が微増しており、特に若者の失業問題に関連した空き巣や薬物問題が表面化しています。観光客にとっては依然として非常に安全な国ですが、夜間の独り歩きを避ける、貴重品から目を離さないといった基本的な防犯意識を持つことで、より安心して滞在を楽しむことができるでしょう。
ブータンで危険な地域はどこ? ▼
ブータン国内で特に注意が必要な地域は、インドとの国境に近いプンツォリンやゲレフ、サムドゥプ・ジョンカルです。これらの地域は物流の要所であり、不法入国や密輸といった国境特有の犯罪が発生しやすくなっています。また、国内の犯罪の約4割が発生する首都ティンプーの繁華街も、夜間は注意が必要です。一方で、パロやプナカなどの主要観光地は極めて安全であり、目立った危険はありません。渡航前には最新の地域別リスク情報を確認し、国境付近では警察の検問に協力するなど、現地の規則に従って行動することが推奨されます。
ブータン旅行はやばい?本当に行って大丈夫? ▼
ブータン旅行が「やばい」と言われるような治安の悪化は全くありません。むしろ、世界的に見れば驚異的な安全性を保っています。ただし、2025年に入り経済状況の変化から窃盗や薬物事案が増加しており、かつての「鍵をかけなくても大丈夫」という時代からは変化している点に注意が必要です。また、治安面よりも道路状況の悪さによる交通事故や、野犬に噛まれるリスクの方が「やばい」現実的な脅威と言えます。これらのリスクを事前に理解し、適切な対策を講じていれば、ブータンへの旅行は極めて安全で魅力的な体験となることは間違いありません。
ブータンは女性一人でも怖くない? ▼
女性の一人旅にとって、ブータンは世界で最も「怖くない」国の一つと言えます。女性に対する暴力犯罪や性犯罪の発生率は極めて低く、現地の男性も概して礼儀正しく親切です。夜間のティンプー市内でも、主要な通りであれば一人で歩いても危険を感じることは少ないでしょう。ただし、近年はナイトクラブ周辺で酔っ払いによるトラブルが微増しているため、深夜の外出は控えるのが無難です。また、人通りのない山道や夜間の暗い道では、不審者よりも野犬の群れに遭遇することの方が物理的な恐怖となるため、移動にはタクシーを利用することをお勧めします。
ブータンでスリに遭わないための対策は? ▼
ブータンでは組織的なスリ集団による被害は少ないものの、市場や混雑した寺院、祭り(ツェチュ)の会場などでは注意が必要です。対策としては、財布をズボンの後ろポケットに入れない、バッグは体の前で保持する、多額の現金を持ち歩かないといった基本を徹底してください。特に首都ティンプーのノルジン・ラム周辺などの繁華街では、開放的な雰囲気に紛れて置き引きが発生する可能性もあります。ブータンの安全さに慣れて油断しがちですが、公共の場では常に貴重品への注意を払い、レストランなどで荷物を置いて席を立たないようにしましょう。
ブータンで多い詐欺の手口は? ▼
近年ブータンで急増しているのは、対面式の詐欺よりもデジタル化に伴うサイバー詐欺です。SNSを通じたロマンス詐欺や偽の投資勧誘、フィッシング詐欺などが一般市民を標的に行われています。旅行者が直接狙われるケースは少ないですが、安すぎるツアーを提案する無許可の旅行代理店や、インターネット上でのクレジットカード情報の盗用には警戒が必要です。また、稀にタクシーで相場以上の料金を請求されるようなトラブルもありますが、ブータンではガイドの同行が基本となるため、信頼できるガイドを通じて交渉を行うことで多くの詐欺被害を防げます。
ブータンで日本人が巻き込まれやすい犯罪は? ▼
日本人がブータンで巻き込まれやすい犯罪は、主に車内放置された荷物の盗難や、混雑した場所での置き引きです。日本人は「安全な国」という認識が強いため、警戒心が緩みがちな点を狙われることがあります。また、2025年以降、若者の薬物問題が深刻化している地域では、薬物を買う資金を得るための突発的なひったくりや空き巣も報告されています。さらに、サイバー犯罪への意識も高める必要があり、公共のフリーWi-Fiでの個人情報入力などは控えるべきです。重大な暴力犯罪に遭う可能性は極めて低いですが、軽犯罪への備えは必要です。
ブータン旅行で注意すべきことは? ▼
治安以外の面で最も注意すべきは、野犬と交通事故、そして高山病です。国内には非常に多くの野犬がおり、狂犬病のリスクもあるため、可愛いと思っても絶対に触れてはいけません。また、ブータンの道は険しい崖沿いが多く、運転マナーの問題もあり交通事故が頻発しています。移動の際は信頼できるドライバーを確保することが不可欠です。さらに、パロやティンプーでも標高が2,000mを超えているため、無理な日程は避け、水分を十分に摂取して高山病を予防してください。宗教施設でのマナー違反も現地の感情を害するため、服装や撮影禁止場所の遵守に注意しましょう。
ブータンで起こりやすいトラブルは? ▼
ブータンで頻発するトラブルは、寺院内での禁止区域の撮影や、伝統文化に対する不適切な言動による現地の人々との摩擦です。また、野生動物や野犬による被害、急激な標高の変化に伴う体調不良もよくあるトラブルです。物流が安定していないため、急な道路の封鎖や天候不順による飛行機の遅延・欠航も日常的に発生します。金銭面では、公定料金(SDF)の支払いに関する勘違いや、クレジットカードが使えない場所が多いことによる現金不足もトラブルの原因となります。ゆとりを持ったスケジュールと、現地文化への深い敬意を持って行動することが重要です。
ブータンで被害に遭ったらどうする? ▼
犯罪被害や事故に遭った場合は、すぐに警察(緊急ダイヤル:113)へ連絡してください。救急車は112、消防は110です。ブータンの人々は助け合いの精神が強く、周囲に助けを求めれば親身に対応してくれます。パスポートを紛失した際などは、ブータンには日本の大使館がないため、インドのニューデリーにある在インド日本国大使館、またはティンプー市内の日本名誉総領事館へ連絡し、指示を仰ぐことになります。被害状況を正確に伝えるため、ガイドが同行している場合は必ず間に入ってもらい、警察での証明書(ポリスレポート)の発行を依頼しましょう。
ブータンの治安詳細
ブータンの治安概要
ブータンは「幸福の国」として世界最高水準の治安を維持しています。凶悪犯罪は極めて稀で、親日的な国民性も相まって、日本人旅行者にとって非常に過ごしやすい環境です。しかし、2025年の速報では犯罪総数が約16.8%増加しており、特に若年層の失業問題に端を発した薬物乱用や窃盗、サイバー詐欺が都市部で新たな社会問題となっています。全体としては極めて安全な国ですが、急速な社会の変化に伴い、従来の「全く犯罪がない」というイメージは少しずつ変わりつつある点に留意が必要です。
ブータンは危険?やばい?
「ブータンは危険?やばい?」という問いに対しては、世界の他国と比較すれば「全く危険ではない」と断言できます。ただし、2020年代半ばから、若者の国外流出や経済の不安定化により、社会構造が変化しています。首都ティンプーでの薬物に関連した軽犯罪や、南部国境付近での密輸・不法入国問題など、局所的なリスクは確実に存在します。観光客が直接的な被害を受ける確率は依然として非常に低いですが、深夜の繁華街や国境付近の未開発エリアに足を踏み入れる際は、かつてない注意が必要な時期に来ていると言えます。
ブータンは怖い?一人旅でも大丈夫?
女性の一人旅や初めての海外旅行でも、ブータンで「怖い」と感じる場面はほとんどありません。国民の多くが敬虔な仏教徒であり、徳を積むことを重んじる文化があるため、観光客への嫌がらせや強引な客引きは皆無に等しいです。ただし、夜間の野犬の遠吠えや、ガードレールのない崖道を走るタクシーのスピードに恐怖を感じる旅行者は少なくありません。治安面での不安よりも、これら物理的な環境への対策(夜間の外出を控える、信頼できる旅行会社の車両を利用するなど)を優先することが、安心感に繋がります。
スリ・詐欺・犯罪の実態
かつてのブータンでは考えられなかったスリや空き巣といった犯罪が、特に首都ティンプーで報告されるようになっています。手口としては、観光客が集中するノルジン・ラムでの置き引きや、ナイトクラブでの泥酔者を狙った所持品の抜き取りなどが中心です。また、インターネットの普及により、SNSを通じたロマンス詐欺や、架空の求人を装った詐欺が若年層を標的に横行しています。観光客に対しては、稀にタクシー料金の過大請求や、偽物の骨董品を売りつけるような詐欺的行為が見られる程度ですが、ガイドのいない個人行動が増える際には十分な警戒が必要です。
地域別の危険度
地域別では、首都ティンプーが国内犯罪の約4割を占める「最も警戒が必要なエリア」に指定されています。特にノルジン・ラム周辺の繁華街や、夜間のナイトクラブ周辺は注意が必要です。南部インド国境のプンツォリン、ゲレフ、サムドゥプ・ジョンカルは、密輸や不法入国の温床となりやすく、治安当局による検問が強化されています。これらの地域では夜間の独り歩きは避けるべきです。一方で、パロやプナカ、ブムタンなどの主要観光地は「レベル1」と非常に安定しており、世界で最も安全な旅行先の一つと言えます。新経済特区のゲレフでは、労働者の流入により今後軽犯罪が増加する可能性があるため、最新の動向に注意してください。
ブータン旅行で注意すべきポイント
旅行者が最も注意すべきは、犯罪よりも「自然と動物」のリスクです。第一に野犬対策です。ティンプー市内を含め、夜間は野犬が群れをなして活動しており、不用意に近づくと噛まれる恐れがあります。狂犬病の懸念もあるため、接触は厳禁です。第二に交通事故です。山間部の未舗装路や急カーブが多く、車両の転落事故が毎年のように発生しています。第三に、宗教的・文化的タブーへの配慮です。寺院内での不適切な服装や、国王・王室への批判的な言動は厳に慎まなければなりません。これらは治安維持というより、社会秩序を保つための重要なルールです。
よくあるトラブル事例
実際のトラブル事例として多いのは、まず「高山病」による体調悪化です。標高2,300m以上の地域を移動するため、無理な運動で動けなくなるケースがあります。次に「寺院でのマナー違反」です。撮影禁止エリアでの隠し撮りが発覚し、カメラを没収されたり厳重注意を受けたりするトラブルがあります。また、インド国境付近での「通行許可証」の不備による足止めや、夜間の繁華街で酔っ払いに絡まれるといった事例も散見されます。最近では、SNSで知り合ったブータン人と金銭トラブルになるケースも報告されており、親日的であるからこそ一定の距離感を持つことが大切です。
被害に遭った場合の対応
もし被害に遭った場合は、まず現地の公的な緊急連絡先(警察:113)に電話してください。ブータンでは英語が広く通じるため、状況説明は比較的スムーズに行えます。盗難等の被害であれば、保険請求のために必ず現地警察で「ポリスレポート」を取得してください。ブータンには日本の大使館がないため、緊急時には在インド日本国大使館(+91-11-2687-7111)や、現地の日本名誉総領事館が窓口となります。重大な事故や病気の場合は、ティンプーの国立病院が唯一の高度医療機関となりますが、重症時はタイやインドへの緊急移送が必要になることもあるため、十分な額の海外旅行保険への加入が必須です。