カンボジア / Cambodia

渡航安全レポート

最終更新: 2026年1月18日
48
安全スコア
C-
身体的安全
D+
医療・衛生
E
詐欺・スリ
B
テロリスク

総合評価

タイ国境での軍事衝突再燃と、都市部での深刻な組織的詐欺・ひったくりにより、東南アジア内でも特に警戒が必要なフェーズにあります。

身体的安全 (C-)

タイ国境地帯での小競り合いに加え、プノンペン市内での武器を使用した強盗や、バイクによる転倒を伴うひったくりが頻発しており、身体的リスクは低くありません。

医療・衛生 (D+)

プノンペン等の大都市を除き、医療水準は極めて低いです。重症時はタイへの緊急移送が必要となり、数百万から一千万円単位の費用がかかるため、高額な保険加入が必須です。

詐欺・スリ (E)

世界的なサイバー犯罪拠点と化しており、求人詐欺やいかさま賭博詐欺が組織的に行われています。観光客を狙った古典的な詐欺も巧妙化しており、見知らぬ者の誘いは全て疑うべきです。

テロリスク (B)

国際テロのリスクは比較的低いですが、国境紛争や国内政治の対立に伴う爆発物事案には注意が必要です。政治的な集会や政府施設付近には近づかないのが賢明です。

最新インテリジェンスレポート

2026年現在、カンボジアの治安は極めて対照的な二面性を持っています。2025年末に再燃したタイとの国境紛争により、プレアビヒア州等の国境地帯は武力衝突が続く危険地帯(レベル3)となっています。一方で、プノンペンやシェムリアップ等の都市部では物理的な紛争リスクは低いものの、バイクによるひったくりや組織的なオンライン詐欺、監禁事件が国際的な問題となっています。特にシアヌークビル周辺はサイバー犯罪組織の拠点化が進んでおり、観光客もトラブルに巻き込まれるリスクが高まっています。渡航者は最新の紛争情報と、都市部での組織犯罪に対する高度な警戒が求められます。

背景分析

政治面では、フン・マネット首相への権力継承後もカンボジア人民党(CPP)の一党支配が盤石であり、大規模なデモや内政の混乱は徹底的に抑え込まれています。経済は観光業と縫製業を柱に5〜6%の成長を維持していますが、深刻な貧富の差が都市部での窃盗犯罪を誘発する要因となっています。特に近年、中国系犯罪組織が運営する「スキャム・コンパウンド(詐欺拠点)」の存在が外交問題に発展しており、政府は取り締まりを強化しているものの、汚職や腐敗が根深く、実効性には課題が残っています。インフラ面では新空港の開港など近代化が進む一方、地方部の医療体制や地雷の残存、そして警察組織の腐敗認識指数の低さは、外国人旅行者にとっての潜在的なリスクとなっています。2026年に開催予定のフランコフォニー首脳会議に向けた警備強化が進む一方、タイとの領土問題を巡る民族主義的な感情の高まりが、局地的な衝突を長期化させる懸念があります。

重要ポイント

  • タイ国境から80km圏内は軍事衝突の恐れがあるため、陸路入国は可能な限り避け、空路を利用すべきです。
  • プノンペン市内でのスマホ操作はバイクひったくりの標的となります。歩きスマホは厳禁です。
  • 配車アプリ「Grab」や「PassApp」を必ず利用し、流しのトゥクトゥクとの金銭トラブルを回避してください。
  • シアヌークビル(特にカジノ周辺)は、オンライン詐欺グループの活動拠点であり、一般観光客へのリスクが非常に高いです。
  • いかさま賭博詐欺(「日本に親戚がいる」等の声掛け)は今なお多発しており、現地人の自宅へ行くのは絶対に避けてください。
  • 水道水は飲用不可です。歯磨きもミネラルウォーターの使用を推奨します。氷も避けるのが賢明です。
  • 2024年7月から義務化された「Cambodia e-Arrival (CeA)」の事前登録を忘れずに行ってください。
  • 警察官への賄賂要求が常態化しています。被害届作成時に手数料を要求される可能性があることを念頭に置いてください。
  • 寺院参拝時は肩や膝を出す服装を避けてください。入場を拒否されるだけでなく、不敬とされる場合があります。
  • 野犬や猿は狂犬病のリスクがあります。絶対に近づかないでください。万が一噛まれた場合は即座に専門病院へ。

各国政府の渡航情報

情報源 警戒レベル
日本外務省 レベル3(渡航中止勧告):タイ国境地帯
米国務省 Level 2: Exercise Increased Caution
英国外務省 Advice against all travel to border areas
カナダ政府 Avoid all travel to border areas
ドイツ外務省 Teilreisewarnung
フランス外務省 Vigilance renforcée / Zones rouges

地域別リスク評価

タイ・カンボジア国境(プレアビヒア周辺)

極めて危険(戦闘中)リスク

2025年末からの軍事衝突により、発砲や空爆のリスクがあります。民間人の立ち入りは厳しく制限されています。

シアヌークビル(カジノ・沿岸部)

危険(組織犯罪多発)リスク

オンライン詐欺拠点が密集し、人身売買や監禁が報告されています。一般観光客が誘拐や強盗に遭うリスクが高まっています。

プノンペン・リバーサイド地区

注意(ひったくり・薬物)リスク

観光客を狙ったバイクによるひったくりが白昼堂々発生します。夜間は薬物ディーラーや物乞いによるトラブルも多いです。

シェムリアップ・パブストリート

比較的安全(スリに注意)リスク

観光警察の巡回があり比較的安全ですが、混雑時のスリや、深夜の過度な飲酒によるトラブルには注意が必要です。

ポイペト(タイ国境ゲート)

危険(混乱・詐欺)リスク

国境付近の緊張に加え、カジノ業者による詐欺や不当な手数料要求が常態化しています。通過は慎重に行うべきです。

バッタンバン州(郊外地帯)

注意(地雷・紛争の影響)リスク

内戦時代の地雷が依然として残存しています。整備された道以外への立ち入りは、爆発事故の恐れがあり非常に危険です。

カンポット・ケップ

安全(穏やか)リスク

比較的治安が安定しており、観光客への敵意も少ないですが、夜間の単独行動は最低限の注意を払う必要があります。

モンドルキリ・ラタナキリ州

注意(自然災害・地雷)リスク

雨季の洪水による道路寸断や、未撤去の地雷がリスクです。エコツーリズムの際はガイドの同行が必須です。

国内安全マップ

カンボジア全土において、治安状況は「地域による極端な差」と「組織犯罪の深刻化」という二つの特徴があります。観光地であるシェムリアップは比較的落ち着いていますが、プノンペンやシアヌークビルでは外国人旅行者がターゲットとなる犯罪が日常化しています。2025年末のタイ国境紛争により、一部の主要な陸路移動ルートが危険に晒されているため、移動は空路を基本とし、現地での行動も最新の治安ニュースを日々確認しながら行うことが不可欠です。警察への期待は最小限にとどめ、自身の防犯意識が最大の防御となります。

危険エリア
注意エリア
安全エリア
注意 プノンペン・リバーサイド

ひったくりと薬物犯罪が多発する観光エリア。特に日没後の歩行は注意が必要。

リスク: ひったくり, 薬物取引, 詐欺

危険 シアヌークビル(沿岸カジノエリア)

オンライン詐欺組織の拠点が点在し、治安が急速に悪化している。監禁や強盗のリスクが高い。

リスク: 監禁, 銃器犯罪, 人身売買

危険 プレアビヒア寺院・周辺国境

タイ軍との軍事衝突が発生中。空爆や銃撃の危険があり、民間人の立ち入りは厳禁。

リスク: 軍事衝突, 砲撃, 地雷

安全 シェムリアップ・アンコール遺跡群

観光警察が厳重に警備しており比較的安全。ただし、スリや置き引きには注意。

リスク: スリ, 猿による攻撃, 熱中症

注意 ポイペト(タイ国境ゲート周辺)

カジノ業者による詐欺や混乱が絶えないエリア。陸路国境通過時は注意が必要。

リスク: カジノ詐欺, ぼったくり, 混雑トラブル

安全 プノンペン・BKK1地区

大使館や高級住宅が並ぶ比較的安全なエリア。夜間の独り歩きも大通りなら可能。

リスク: 空き巣, 車両盗難

注意 バッタンバン市街地

タイ国境に近く、緊張の影響を受ける可能性がある。郊外は地雷に厳重注意。

リスク: 紛争の影響, 地雷, 交通事故

安全 カンポット

全体的に穏やかで治安が良い。バックパッカーも多いが重大犯罪は稀。

リスク: 深夜の野犬, 軽度のぼったくり

安全 ケップ

リゾート地として整備されており、夜間も比較的落ち着いている。

リスク: 自然災害(洪水)

危険 オダルミエンチェイ州(北西部国境)

タイ国境紛争の最前線の一つ。軍事車両の移動が多く、一般人の渡航は不適切。

リスク: 軍事行動, 地雷

注意 モンドルキリ(セン・モノロム周辺)

自然豊かだがインフラが脆弱。地雷撤去が不完全な地域があり、ガイドなしの散策は危険。

リスク: 未撤去地雷, 野生動物

犯罪・治安情報

犯罪統計

スリ・窃盗

リスク: 5/5

多発エリア: プノンペン・リバーサイド, BKK1地区, セントラルマーケット, シェムリアップ・オールドマーケット

手口:

  • バイクによる背後からのひったくり
  • トゥクトゥク乗車中のスマホ強奪
  • 混雑したマーケットでの組織的なスリ

対策:

  • スマホを外で出さない
  • カバンはタスキ掛けにしてさらに上着を羽織る
  • トゥクトゥクでは中央に座る

報告件数の約40%がひったくり関連。抵抗した際の負傷事例が急増中。

詐欺

リスク: 5/5

多発エリア: 観光地全域, SNS上の求人広告, シアヌークビル, ポイペト

手口:

  • いかさま賭博への誘い
  • 高収入を謳った監禁型求人詐欺
  • 偽警察官による罰金要求

対策:

  • 見知らぬ人の自宅に行かない
  • SNSの好条件求人を信じない
  • 不審な警察官にはID提示を求める

オンライン詐欺拠点の摘発で2025年だけで数千人の外国人が保護・拘束されている。

凶悪犯罪

リスク: 3/5

多発エリア: 深夜の路地裏, シアヌークビルのカジノ街, 地方都市の裏通り

手口:

  • 銃器やナイフを使用した脅迫
  • 監禁・拷問(主にスキャム拠点内)
  • 飲酒に伴う集団暴行

対策:

  • 深夜の独り歩きは厳禁
  • 武器を持った強盗には絶対抵抗しない
  • 治安の悪いエリアに宿泊しない

銃器の不法所持が依然として多く、強盗事件の約2割で武器が使用されている。

薬物関連

リスク: 4/5

多発エリア: ナイトクラブ, ゲストハウス街, プノンペン・リバーサイド

手口:

  • 外国人への路上での声掛け
  • 睡眠薬混入による強盗
  • 違法薬物の密売

対策:

  • 知らない人からもらった飲み物を飲まない
  • 薬物を勧められても無視する
  • 怪しいバーに入らない

2024年の逮捕者は前年比30%増。外国人への厳罰化が進んでおり、死刑はないが無期懲役の可能性がある。

健康・医療情報

ワクチン情報

カンボジア入国時に日本からの直行便であれば通常必須のワクチンはありませんが、黄熱汚染地域からの入国には接種証明書が必須です。現地では食中毒や寄生虫、狂犬病のリスクが依然として高いため、A型肝炎、破傷風、狂犬病の3種は渡航前に接種を完了させることが強く推奨されます。特に地方部への長期滞在や遺跡群での猿との接触が予想される場合は、日本脳炎や狂犬病の優先度が高くなります。2026年現在も医療体制が不十分な地域が多いため、予防接種による自己防衛が不可欠です。

ワクチン 必須/推奨 備考
Yellow Fever 必須 Required if arriving from or transiting through infected areas for more than 12 hours.
Hepatitis A 推奨 Strongly recommended due to risks from contaminated food and water.
Hepatitis B 推奨 Recommended for long-term stays or activities involving potential blood contact.
Tetanus 推奨 Recommended for all travelers as a routine precaution against soilborne infection.
Rabies 推奨 Strongly recommended for those visiting rural areas or interacting with animals.
Japanese Encephalitis 推奨 Recommended for long-term stays in rural/agricultural areas during rainy season.
Typhoid 推奨 Recommended for travelers visiting smaller cities or rural areas with limited sanitation.

健康リスク

最も警戒すべきは蚊媒介性のデング熱で、全土(特に雨季の6月から10月)で発生が見られます。マラリアのリスクは都市部では低いものの、タイやラオス国境の森林地帯では依然として注意が必要です。また、狂犬病は野犬や野生の猿から感染し、発症すれば100%死亡するため、接触は避けてください。鳥インフルエンザ(H5N1)のヒト感染例も散発的に報告されており、生禽市場などでの鳥との不用意な接触は厳禁です。経口感染による食中毒やコレラのリスクを避けるため、加熱された食品の摂取と防蚊対策の徹底が求められます。

医療施設

プノンペンやシェムリアップには、サンライズジャパン病院やロイヤル・プノンペン病院など、日本人医師が常駐または日本語・英語対応が可能な私立総合病院が存在し、一定水準の治療を受けられます。しかし、地方の公立病院は設備・衛生面ともに極めて劣悪です。重大な手術や重症化時には、隣国のタイ(バンコク)への緊急移送が必要となります。これには数百万円単位の費用がかかるため、十分な補償額と緊急移送特約を含む海外旅行保険への加入が必須です。また、多くの私立病院では高額なデポジットを要求されることがあります。

入国・ビザ情報

ビザ要件: 日本国籍者は観光・商用共にビザの取得が必須です。e-Visaは公式サイト(evisa.gov.kh)から事前申請可能で、30日間の観光滞在が許可されます。空港や主要陸路国境でのアライバルビザ取得も可能(約30ドル)ですが、混雑回避のため事前取得を推奨します。また、2024年7月から「Cambodia e-Arrival (CeA)」の登録が全ての入国者に義務付けられており、入国7日前から専用サイトまたはアプリでの登録が必要です。これを行わない場合、入国手続きに大幅な遅延が生じたり入国を拒否されたりする恐れがあります。

パスポート有効期限

カンボジア入国時に、パスポートの有効期間が「6か月以上」残っている必要があります。また、ビザの発給および入国スタンプの押印のために、査証欄に最低2ページ以上の空白(余白)が必要です。残存期間が不足していると搭乗拒否の対象となるため注意してください。

持ち込み禁止・制限品

武器、爆発物、向精神薬、わいせつ物の持ち込みは厳禁です。また、プノンペン市内やアンコール遺跡周辺でのドローン使用は事前の許可が必須で、無許可の飛行は没収や罰金の対象となります。1万ドル相当以上の外貨を持ち込む場合は申告が必要です。骨董品や仏像の国外持ち出しも厳しく制限されています。

緊急連絡先

117
警察
119
救急
118
消防

時間帯別安全情報

早朝

安全

夜明け前は人通りが少なく、市場周辺での仕込み作業が始まる時間帯です。比較的安全ですが、暗い路地では浮浪者や薬物中毒者との遭遇リスクがあります。また、この時間を狙ったバイクひったくりも報告されているため、早朝のジョギングなどは明るい大通りに限定すべきです。

安全な活動:

  • ・ホテル周辺の散歩
  • ・日の出の遺跡観光

避けるべきエリア:

  • ・プノンペン北部の人気のない路地
  • ・空き地周辺

交通: ホテル手配のタクシー

日中

注意

活気がありますが、観光客を狙った軽犯罪が最も多い時間帯です。特にプノンペンのリバーサイドやセントラルマーケット周辺では、バイクによるひったくりが白昼堂々行われます。暑さで注意力が散漫になりがちですが、周囲への警戒を怠らず、貴重品の管理を徹底する必要があります。

安全な活動:

  • ・アンコール遺跡群観光
  • ・ショッピングモールでの買い物

避けるべきエリア:

  • ・シアヌークビルの犯罪拠点付近
  • ・デモ発生中の政府施設前

交通: GrabまたはPassAppで呼んだトゥクトゥク

夕方〜夜

注意

夕食や観光で人出が増える一方、スリや置き引きのリスクが高まります。パブストリートなどでは飲酒に伴うトラブルや、睡眠薬強盗の初期接触が始まります。また、夕方のラッシュ時はバイクの逆走や歩道走行が多いため、歩行中の交通事故やスマホの持ち逃げに最大級の注意を払ってください。

安全な活動:

  • ・レストランでの食事
  • ・ナイトマーケット散策

避けるべきエリア:

  • ・人通りの少ない裏路地
  • ・照明の暗い公園

交通: Grabアプリでの配車

深夜

危険

深夜11時を過ぎると、ひったくりや強盗のリスクが急上昇します。特に独り歩きは標的になりやすく、トゥクトゥクに乗っていても強奪されるケースがあります。睡眠薬を混ぜた飲み物を提供して意識を失わせ、金品を奪う「睡眠薬強盗」や、バーでの過度な請求トラブル、暴力事件が頻発します。この時間の外出は極力避けるべきです。

安全な活動:

  • ・なし(ホテル内で過ごすことを推奨)

避けるべきエリア:

  • ・リバーサイド全域
  • ・シアヌークビルのカジノ街周辺
  • ・郊外の暗い道

交通: 信頼できるホテルの送迎車またはGrabタクシー

季節別ガイド

Spring (Cool Season) (November - February)

気温: 20°C - 30°C

降水: Low (Dry and sunny)

服装: Light cotton clothing, but a light jacket is needed for early mornings or air-conditioned buses.

おすすめ活動:

Visiting Angkor Wat, Cycling around Tonle Sap, City tours in Phnom Penh, Mekong River dolphin watching

リスク:

  • ・High tourist crowds
  • ・Dry skin and dehydration
  • ・Dust in rural areas

Summer (Hot Season) (March - May)

気温: 30°C - 40°C+

降水: Very low (Intense heat)

服装: Breathable fabrics, wide-brimmed hats, and strong UV protection.

おすすめ活動:

Celebrating Khmer New Year, Relaxing at Kep or Kampot beaches, Indoor museum visits, Early morning temple sunrise

リスク:

  • ・Severe heatstroke
  • ・Sunburn
  • ・Power outages due to high energy demand

Fall (Rainy Season Start) (June - August)

気温: 25°C - 33°C

降水: High (Frequent afternoon squalls)

服装: Quick-dry clothing, waterproof jackets, and sturdy sandals.

おすすめ活動:

Photography of lush green temples, Boat trips on Tonle Sap Lake, Visiting waterfalls, Less crowded temple tours

リスク:

  • ・Dengue fever peak
  • ・Slippery temple stones
  • ・Short-term road flooding

Winter (Peak Rainy/Flood) (September - October)

気温: 24°C - 31°C

降水: Very High (Possibility of monsoon floods)

服装: Full waterproof gear, rain boots, and spare dry clothes in dry bags.

おすすめ活動:

Pchum Ben festival observations, Visiting floating villages, Enjoying rural landscapes, Indoor cultural workshops

リスク:

  • ・Major floods
  • ・Landslides in mountainous areas
  • ・Travel delays and road closures

ベストシーズン: 観光に最適なベストシーズンは11月中旬から1月にかけての乾季です。気温が30度を下回る日も多く、湿度が低いため、アンコール遺跡などの屋外観光を快適に楽しめます。晴天率も非常に高く、写真撮影にも最適です。ただし、この時期は世界中から観光客が集まるため、ホテルの予約は早めに行う必要があります。人混みを避け、緑豊かな風景を楽しみたい場合は、雨季の始まりである6月頃も選択肢に入りますが、午後の強いスコールへの備えが必要です。

環境リスク

野生動物のリスク

毒蛇(コブラ、クサリヘビなど)

リスク: 4/5

生息地: アンコール遺跡周辺の草むら, 地方の農村地帯, 夜間の田舎道

草むらや未舗装の道を歩く際は、厚手の靴と長ズボンを着用し、足元に注意してください。ヘビは振動に敏感なため、棒で地面を叩きながら歩くのが有効です。万が一遭遇した場合は、刺激せずに静かに距離を置いてください。夜間は街灯のない場所の歩行を避け、必ずライトを携帯してください。

治療: 噛まれた場合は患部を動かさず、心臓より低い位置に保ってください。直ちにプノンペンのロイヤル・プノンペン病院などの外資系病院へ搬送し、血清治療を受けてください。蛇の種類を特定できるよう特徴を覚えるか写真を撮ることが推奨されます。

野生の猿(マカクなど)

リスク: 3/5

生息地: アンコール・ワット, バイヨン寺院周辺, ワット・プノン

観光地の猿は人間に慣れており、食べ物や持ち物を奪うために攻撃してくることがあります。餌付けは絶対にせず、持ち物をしっかりカバンにしまってください。目を合わせたり、歯を見せて笑ったりする行為は威嚇とみなされるため避けてください。噛まれると狂犬病やBウィルス感染のリスクがあります。

治療: 噛まれたり引っ掻かれたりした場合は、直ちに石鹸と流水で15分以上傷口を洗浄し、即座に暴露後ワクチン(PEP)の接種を受けてください。プノンペンのパスツール研究所等が対応可能です。

野犬

リスク: 4/5

生息地: プノンペン市内の路地裏, 地方の集落全般

カンボジアの野犬は狂犬病を保有している可能性が非常に高く、夜間に群れで行動することがあります。不用意に近づいたり、撫でたりしないでください。もし吠えかけられたら、走って逃げずにゆっくりと後退してその場を離れてください。子供が被害に遭いやすいため、家族連れは特に注意が必要です。

治療: 軽微な傷であっても、直ちに暴露後ワクチンの接種を開始してください。狂犬病は発症後の治療法がないため、一刻も早い医療機関への受診が命を救います。

水の安全性

水道水: 飲用不可

水道水は絶対に飲用しないでください。うがいや歯磨きにもミネラルウォーターの使用を推奨します。必ず密閉されたボトル入りの飲料水を購入し、キャップが開封されていないか確認してください。レストランの給水機や「トラ」と呼ばれる大きな水瓶の水は避けてください。地方部ではヒ素汚染が深刻な地域があるため、特に注意が必要です。

交通安全

事故死亡率: 17.4

歩行者リスク: 歩行者優先の概念はなく、横断歩道であっても車両は止まりません。歩道は駐輪場や屋台として占拠されており、車道を歩かざるを得ない場面が多く危険です。常に車両の動きを注視する必要があります。

公共交通: 都市部のトゥクトゥクや配車アプリ(Grab)の車両は一般的ですが、走行中のひったくり被害が多発しています。長距離バスは、夜間便を避けてGiant Ibisなどの安全評価の高い会社を選ぶことが強く推奨されます。自らバイクや車を運転することは、ルール無視の交通流と事故時の賠償問題を考慮すると避けるべきです。

地域別ガイド

プノンペン周辺(中央部)

レベル 2

政治・経済の中心地。急速な近代化が進む一方で、リバーサイドやマーケット周辺では観光客を狙ったひったくりや詐欺が多発しています。夜間は一部の歓楽街で治安が悪化するため注意が必要ですが、BKK1などの外人居住区は比較的安定しています。

主要都市: プノンペン, ウドン

特有リスク:

  • ・バイクによるひったくり
  • ・いかさま賭博詐欺
  • ・交通事故

西北部(アンコール遺跡圏)

レベル 1

世界遺産アンコールワットを擁する、国内で最も観光に特化した地域。観光警察の巡回が強化されており治安は比較的良好ですが、繁華街パブストリートでのスリや、遺跡周辺での野生動物(猿)による被害、および猛暑による健康リスクに注意が必要です。

主要都市: シェムリアップ

特有リスク:

  • ・観光客向けのスリ・置き引き
  • ・野生の猿による噛みつき
  • ・重度の熱中症

タイ国境地帯(北西部・北部)

レベル 4

2025年末以降、プレアビヒア寺院周辺を含む国境沿いでタイ軍との武力衝突が発生しています。日本外務省はレベル3(渡航中止勧告)を発出。地雷の未撤去地域も多く、軍事活動による民間人の移動制限が行われている極めて危険な地域です。

主要都市: ポイペト, プレアビヒア

特有リスク:

  • ・軍事衝突・空爆のリスク
  • ・未撤去の地雷・不発弾
  • ・人身売買・監禁(ポイペト周辺)

南部海岸・沿岸部

レベル 3

シアヌークビル周辺は中国系資本によるカジノ開発が進みましたが、サイバー詐欺組織の拠点化が国際的な問題となっています。監禁事件や薬物関連のトラブルが頻発しており、一般観光客も「安全なリゾート」と信じて不用意に近づくのは危険です。

主要都市: シアヌークビル, カンポット, ケップ

特有リスク:

  • ・オンライン詐欺拠点への監禁
  • ・薬物犯罪トラブル
  • ・密造酒によるメチルアルコール中毒

東北部(メコン流域・高地)

レベル 2

自然豊かなエコツーリズムの拠点。インフラ整備が遅れており、雨季は道路が冠水し孤立するリスクがあります。狂犬病やマラリア、デング熱などの感染症リスクが都市部より高いため、医療アクセスの悪さを考慮した万全の準備が求められます。

主要都市: クラチェ, バンルン, センモノロム

特有リスク:

  • ・医療アクセスの欠如
  • ・マラリア等の蚊媒介感染症
  • ・雨季の洪水による交通遮断

経済・物価情報

経済概要

2025年の実質GDP成長率は約6.0%前後と、東南アジアでも高い水準を維持しています。主な産業は観光業、縫製品製造、不動産建設ですが、近年はデジタル経済への移行を急いでいます。一方で、中国からの投資への過度な依存や、国内の貧富の差が依然として激しく、プノンペンの超高層ビル群と地方の農村部では生活水準が全く異なります。インフレ率は比較的安定していますが、輸入品の価格上昇が観光客の滞在費に影響しています。

生活費・物価

旅行者にとってのコストは二極化しています。ローカルの屋台や食堂での食事は1.5〜3ドル程度と安価ですが、外国人向けのカフェやレストランでは8〜15ドルと日本並みの出費になります。宿泊費は、ドミトリーが10ドル以下、中級ホテルが40〜70ドル、高級外資系が150ドル以上です。移動はGrabのトゥクトゥク利用で市内数ドル程度。タイやベトナムと比較すると、輸入品が多い分、全体的な物価はやや高めに感じられるでしょう。

通貨情報

通貨はカンボジア・リエル(KHR)ですが、米ドル(USD)が実質的な第2通貨として全土で通用します。レートは1ドル≒4,000〜4,100リエルで固定に近いです。近年、中央銀行主導のQR決済システム「Bakong(バコン)」が急速に普及し、露店でもキャッシュレス決済が可能になりました。ただし、ドル紙幣については、わずかな破れや汚れがあるだけで受け取りを拒否されるため、現金を扱う際は最大限の注意が必要です。

チップガイド

カンボジアに厳格なチップの習慣はありませんが、観光地では一般的になりつつあります。高級レストランやホテルでサービス料が含まれていない場合、支払額の5〜10%程度を置くのがマナーです。タクシーやトゥクトゥクでは不要ですが、親切な対応を受けた際に端数を切り上げて渡すと喜ばれます。アンコール遺跡群のガイドやドライバーには、1日につき2〜5ドル程度を渡すのが一般的です。

予算ガイド

【バックパッカー】1日40ドル。安宿を利用し、食事は屋台中心。観光は徒歩や公共バス、安いトゥクトゥクを併用。【ミドルレンジ】1日100ドル。中級ホテルに滞在し、エアコン付きレストランで食事。観光には専用の車をチャーター。【ラグジュアリー】1日300ドル〜。プノンペンやシェムリアップの5つ星ホテルに滞在。全行程専用ガイド付きで、高級スパや会員制レストランを楽しむ富裕層向けのプランです。

文化・マナー情報

歴史的背景

カンボジアの歴史は、9世紀から15世紀に栄えたアンコール王朝がその象徴です。その後、19世紀半ばからのフランス保護領時代を経て、1953年に独立。しかし1970年代、ポル・ポト率いるクメール・ルージュによる大量虐殺を伴う極端な原始共産主義が国を壊滅させ、知的階層や文化遺産の多くが失われました。1990年代の内戦終結、1993年の王政復古を経て復興を遂げましたが、現代の社会構造や心理には、この悲劇的な内戦時代の爪痕が今なお深く刻まれています。

社会規範・マナー

人々は非常に穏やかで礼儀正しいですが、いくつかの強い社会的タブーがあります。人の「頭」は神聖な場所とされるため、子供であっても他人の頭を触るのは厳禁です。反対に「足」は不浄なものとされるため、足を人や仏像に向けたり、指差したりすることは大きな失礼にあたります。また、公の場で感情を露わにして怒鳴ることは、自身の「メンツ」を失う行為と見なされます。保守的な国民性のため、公共の場所での過度なスキンシップは避けるべきです。

宗教・慣習

国民の約95%が上座部仏教を信仰しており、生活のあらゆる場面に仏教が根付いています。寺院を訪れる際は、肩や膝を露出した服装は厳禁であり、入場を拒否されることもあります。僧侶は非常に尊敬されており、女性が僧侶の体に触れることや、隣に座ることは禁じられています。また、国王と王室は国民に深く敬愛されており、不敬な言動は刑事罰の対象となる可能性があるため、写真やSNS投稿の際も最大限の敬意を払う必要があります。

宿泊・食事ガイド

宿泊ガイド

プノンペンやシェムリアップでは、格安ゲストハウスから超高級ホテルまで選択肢が非常に豊富です。予約はBooking.comやAgodaが一般的。50ドル出せばプール付きのかなり質の良いホテルに泊まれます。注意点として、安宿では窓の鍵が壊れていたり、壁を登って侵入される盗難事件が発生しています。また、地方の宿では蚊帳の有無を確認し、デング熱対策を。プノンペンでは「BKK1地区」、シェムリアップでは「Wat Bo周辺」が静かで治安も良くおすすめです。

食事ガイド

クメール料理は、タイ料理ほど辛くなく、ココナッツミルクや魚のペースト(プロホック)を多用するのが特徴です。代表料理は魚の蒸し料理「アモック」。衛生面では、屋台の氷と生野菜には注意が必要で、特に雨季は食中毒のリスクが高まります。近年、プノンペンには世界レベルのフレンチ、イタリアン、日本食レストランが集結しており、15ドル〜30ドル程度で非常に質の高い食事が楽しめます。地元のビール「アンコール・ビール」は安くて飲みやすく、どこでも提供されています。

実用情報

通信・SIM

Smart、Cellcard、Metfoneの3大キャリアがあります。空港の到着ロビーでSIMカードが5ドル〜10ドル程度で即日購入可能。1週間で20GB以上のデータ通信ができるプランが一般的です。都市部では5Gが展開されていますが、地方や遺跡内、タイ国境地帯では電波が不安定になるため、オフラインマップのダウンロードを推奨します。無料WiFiはほぼ全てのホテルやカフェにありますが、VPNの使用を強く推奨します。

銀行・ATM

都市部にはABA BankやCanadia BankのATMがいたるところにあり、米ドルとリエルの両方を引き出せます。ATM利用手数料は1回につき4ドル〜6ドル程度と高め。VISAやMastercardのデビット・クレジットカードが広く利用できますが、露店や小規模店では現金または「Bakong」のQR決済のみです。多額の現金を持ち歩くのは避け、分散保持を徹底してください。

郵便・配送

プノンペンの中央郵便局(Post Office)から国際郵便(EMS)が送れます。日本までは1週間〜10日程度。民間のDHLも都市部にはありますが、料金は非常に高額です。郵便物の盗難や紛失は以前より改善されましたが、貴重品を送るのは避けたほうが無難です。

電源・アダプター

電圧は230V、周波数は50Hz。プラグ形状は日本と同じA型、またはC型(丸2ピン)が主流です。最近のホテルは両方対応のマルチタイプが多いですが、日本の100V専用機器(古いヘアアイロン等)を使用するには変圧器が必要です。スマホやPCの充電器は大半が240Vまで対応しているため、そのまま使えます。

洗濯サービス

街中のあちこちに「Laundry $1/kg」のような看板があり、翌日には仕上がります。非常に便利で安価ですが、乾燥機で縮んだり、稀に紛失したりすることもあるため、高級な衣類はホテルのランドリーサービス(割高ですが安全)を利用することをおすすめします。

公衆トイレ

観光地の公共トイレは「有料(500〜1,000リエル)」であることが多いです。清掃はされていますが、紙がないことが多いため、常にポケットティッシュやウェットティッシュを携行してください。ショッピングモールや高級ホテルのロビーにあるトイレが最も清潔で使いやすいです。

主要都市ガイド

プノンペン

Phnom Penh

52 注意

カンボジアの首都であり、フランス植民地時代の面影を残すリバーサイドと最新の超高層ビルが混在するダイナミックな都市です。王宮や独立記念塔などの見どころがある一方、王立大学周辺などの学生街は活気にあふれています。治安面ではひったくりが最大のリスクであり、特に夜間の移動は必ずGrab等の信頼できる配車アプリを使用してください。

主な観光地:

王宮・シルバーパゴダ, トゥールスレン虐殺博物館, リバーサイド・プロムナード, 国立博物館

避けるべきエリア:

  • ・夜間のセントラルマーケット周辺
  • ・郊外の未舗装路地
  • ・ダイヤモンドアイランド裏手の暗がり

ベストシーズン: 11月〜1月(涼しく乾燥している時期)

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シェムリアップ

Siem Reap

65 安全

アンコール・ワットの拠点として知られる世界屈指の観光都市。街全体が観光客向けに整備されており、徒歩圏内に多くのカフェやショップがあります。2023年に新空港が開港しアクセスが改善。パブストリートは夜遅くまで賑わいますが、酔っ払いを狙ったスリやボッタクリには一定の注意が必要です。郊外の地雷博物館等へ行く際は公式ガイドを推奨します。

主な観光地:

アンコール・ワット遺跡群, オールドマーケット, トンレサップ湖の水上生活村, カンボジア・サーカス(Phare)

避けるべきエリア:

  • ・夜間の人通りのない遺跡周辺
  • ・深夜のパブストリート路地裏

ベストシーズン: 11月〜2月(遺跡巡りに最適な気温)

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シアヌークビル

Sihanoukville

28 危険

かつてはバックパッカーの聖地でしたが、現在は大規模なカジノ都市へと変貌。サイバー犯罪組織の活動が非常に活発で、日本人を含む外国人が高報酬求人に釣られ監禁される事件が継続的に発生しています。一般の観光旅行で訪れる価値は低くなっており、離島(ロン島等)への中継地としてのみ利用し、市街地での夜間外出や見知らぬ人物の誘いには絶対に乗らないでください。

主な観光地:

ロン島(離島)へのボート乗り場, オトレス・ビーチ(一部エリア)

避けるべきエリア:

  • ・市街地の全域(特に夜間)
  • ・カジノ施設周辺
  • ・建設途中で放棄されたビル群

ベストシーズン: 12月〜1月(離島へ渡る波が穏やかな時期)

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バッタンバン

Battambang

45 警戒

カンボジア第2の都市で、美しいフランス植民地時代の建築が残る農業の拠点。バンブートレインなどが有名ですが、2025年末からのタイ国境紛争により、一部地域で軍の展開が見られ緊張が高まっています。都市部自体の治安は比較的穏やかですが、国境に近い農村部や森林地帯には未撤去の地雷が残っており、ガイドなしで立ち入ることは命に関わります。

主な観光地:

バンブートレイン, プノン・サンポー(コウモリの飛来), エカ・プノン遺跡

避けるべきエリア:

  • ・タイ国境に近い山岳地帯
  • ・案内のないオフロード全域

ベストシーズン: 11月〜1月

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カンポット

Kampot

58 注意

高品質な胡椒の産地として知られる川沿いの町。欧米人の長期滞在者が多く、ゆったりとした時間が流れています。ボコール山国立公園へのドライブが人気ですが、道路状況が悪く、霧や急カーブでの交通事故が多発しています。夜間は街灯が少ないため、川沿い以外の移動には注意が必要ですが、国内では比較的リラックスして滞在できる地域です。

主な観光地:

胡椒農園ツアー, プレ・トウク・チュウ川のサンセットクルーズ, ボコール山国立公園

避けるべきエリア:

  • ・夜間のボコール山への山道
  • ・郊外の孤立したゲストハウス

ベストシーズン: 12月〜2月

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交通詳細ガイド

国内線フライト

カンボジアの国内線は、プノンペン、シェムリアップ、シアヌークビルの主要3都市を結んでいます。フラッグキャリアのカンボジア・アンコール航空(K6)のほか、カンボジア・エアウェイズなどが運航。移動時間は各区間約45分〜1時間で、バスで6時間かかる距離を劇的に短縮できます。2023年にシェムリアップ・アンコール国際空港(SAI)、2025年にテチョ国際空港(新プノンペン国際空港)が稼働し、施設の利便性は向上しましたが、空港から市内までは車で1時間程度かかるため、移動時間の総計には注意が必要です。航空券は片道50〜120ドル程度が相場です。

鉄道・バス

カンボジアには鉄道(ロイヤル鉄道)があり、プノンペンからシアヌークビル(南線)およびポイペト(北線)へ運行していますが、本数が極めて少なく、移動手段としてはバスが一般的です。都市間移動には、観光客向けの大手バス会社「Giant Ibis」や「Vireak Buntham」を強く推奨します。これらはGPS搭載やドライバー交代などの安全対策を講じています。逆に、安価なローカルミニバンは過積載や猛スピード、無謀な追い越しが常態化しており、事故のリスクが非常に高いです。チケットはオンライン予約(BookMeBus等)が可能で、プノンペン〜シェムリアップ間は約15〜25ドルです。

レンタカー・配車サービス

観光客によるレンタカーの自前運転は全く推奨されません。交通ルールは無視されることが多く、事故発生時に外国人が不利になるケースが多いためです。運転手付きの車を1日チャーターするのが一般的で、相場は35〜60ドル(市内・近郊)です。都市部ではGrab(グラブ)またはPassApp(パスアップ)という配車アプリが必須です。行き先を地図上で指定でき、料金も事前に確定するため、言葉の通じないドライバーとの交渉やボッタクリのトラブルを100%回避できます。トゥクトゥク利用の場合も必ずアプリを通じて呼び出すのが現代の鉄則です。

交通リスク評価

カンボジアの交通リスクは、テロよりも交通事故にあります。夜間の長距離移動(特にバスやミニバン)は、照明のない道路、無灯火車両、飲酒運転のリスクがあるため避けてください。また、トゥクトゥク乗車中のひったくり被害が非常に多く、走行中にスマートフォンを操作することは「奪ってください」と言っているに等しい行為です。荷物は体の前に抱え、ストラップをしっかりと持つことを徹底してください。

都市別交通ガイド

Phnom Penh

地下鉄: なし(計画中)

バス: 公営バス(City Bus)が数路線あるが、ルートが限られ時間がかかるため、観光客には不便。

タクシー: GrabおよびPassAppが主流。四輪タクシーと三輪トゥクトゥクの両方が選択可能。

徒歩・自転車: 歩道が駐車場や屋台に占拠されており、歩行は非常に困難。日中は酷暑のため徒歩移動は数分が限界。

費用目安: 市内トゥクトゥク移動で$1.5〜$4程度。

Siem Reap

地下鉄: なし

バス: なし。市内移動はほぼ全てトゥクトゥク。

タクシー: Grabが利用可能。遺跡巡りには1日チャーター($15〜$25)が便利。

徒歩・自転車: 中心部は比較的歩きやすい。レンタサイクル($2〜$5/日)も盛んだが、日差し対策が必須。

費用目安: 市内中心部移動で$1.5〜$3。

大使館・長期滞在情報

在外公館ネットワーク

在カンボジア日本国大使館

Embassy - Phnom Penh

住所: No.194 Moha Vithei Preah Norodom, Sangkat Tonle Bassac, Khan Chamkar Mon, Phnom Penh

電話: +855-(0)23-210-331

管轄: カンボジア全土(シェムリアップ領事事務所管轄を除く)

緊急対応: 24時間受付(夜間・休館日は外部オペレーター対応)

在シェムリアップ日本国領事事務所

Consulate - Siem Reap

住所: Sokha Siem Reap Resort & Convention Center, Floor 2, Road 60, Siem Reap

電話: +855-(0)63-963-801

管轄: シェムリアップ州, バッタンバン州, プレアビヒア州, ウドーミエンチェイ州, パイリン州, バンテアイミエンチェイ州

緊急対応: 開館時間内のみ(緊急時は大使館へ)

領事サービス

日本大使館・領事事務所では、パスポートの紛失・盗難に伴う「帰国のための渡航書」の発行、事件・事故に遭遇した際の助言、重病時の家族への連絡等の支援を行っています。ただし、金銭の貸し付けや弁護士費用・医療費の肩代わり、警察への捜査介入などはできません。2025年の国境紛争を受け、該当地域での救助には制限がかかる可能性があるため、危険地域への立ち入りは自己責任を超えた問題となることを認識してください。

長期滞在ビザ

長期滞在には「Eクラス・ビザ(Ordinary Visa)」を取得し、入国後に延長申請を行います。種類は、就労者向けのEB、定年退職者向けのER、求職者向けのEG、学生向けのESなどがあります。以前は比較的容易に取得できましたが、近年は労働許可証(ワークパーミット)の提示が厳格化されています。30日以内の観光であれば、オンラインのe-Visa(30ドル+手数料)が最も手軽です。オーバーステイは1日10ドルの罰金が課せられます。

リモートワーク・デジタルノマド

カンボジアは生活費の安さとインターネット速度の向上により、デジタルノマドに人気の渡航先となっています。正式なデジタルノマドビザはまだありませんが、ER(退職者)やEB(ビジネス)ビザを柔軟に活用して滞在するケースが多いです。コワーキングスペースはプノンペンのBKK1地区やシェムリアップに集中しており、コミュニティも活発。ただし、2025年からの通信監視強化により、仕事の内容によってはVPNの常用と機密保持への注意が必須となります。

ビジネスビザ

ビジネス渡航の場合、入国時にアライバルまたは事前にEビザ(Ordinary)を取得します。入国後、有効期限の延長(6ヶ月または1年)が可能ですが、これには現地法人からの雇用証明や有効なワークパーミットが必須です。カンボジア政府は外国投資を歓迎していますが、法的手続きが不透明な部分もあり、信頼できる現地の法務エージェントや日本商工会(JBAC)からの情報収集が、ビジネスを安全に進める鍵となります。

推奨防犯装備

ダミー財布

必須

防犯グッズ

ひったくりや強盗に遭遇した際、本物の代わりに差し出すための財布。少額のリエル紙幣と期限切れのカードを入れておきます。

首下げ型貴重品ポーチ

必須

防犯グッズ

パスポートと主要な現金は服の下に隠して保持。バッグはひったくりの標的になりやすいため、分散保持が鉄則です。

ワイヤーロック

推奨

防犯グッズ

長距離バスや安宿での荷物固定に使用。特に夜行バスでの座席下荷物の盗難防止に非常に有効です。

モバイルバッテリー(大容量)

必須

通信機器

Grab等の配車アプリ利用が必須の環境で、電池切れは移動手段を失うことを意味します。常に予備の電源を携行してください。

信頼できるVPNアプリ

必須

通信機器

カンボジアのネット監視強化(NIG計画)に対応。公衆WiFiの安全性確保と、検閲を回避して日本のSNSや銀行へアクセスするために必要。

経口補水液パウダー

必須

衛生用品

40度近い酷暑での熱中症対策、および水あたりによる下痢の際の脱水症状防止に極めて重要です。

強力な蚊よけ剤

推奨

衛生用品

デング熱の媒介となる蚊は都市部にも生息。DEET成分が高配合された日本製、または現地調達の強力なものを使用してください。

防犯ホイッスル

オプション

防犯グッズ

夜間の路地等で身の危険を感じた際に周囲へ知らせるため。声が出ないような緊急事態でも有効です。

旅行者タイプ別ガイド

女性旅行者向けガイド

カンボジアは女性一人旅も可能ですが、夜間の行動には慎重さが求められます。プノンペンのリバーサイド周辺や深夜の路地では、ナンパを装った付きまといや性犯罪のリスクがあります。移動は必ずGrabを利用し、流しのトゥクトゥクは避けてください。また、睡眠薬強盗の報告もあるため、バーなどで見知らぬ人物から提供された飲み物には絶対に口をつけないでください。服装については、都市部では自由ですが、寺院訪問時は肩や膝を隠すのがマナーであり、不必要な性的注目を避けるためにも、あまりに露出の多い格好は控えるのが賢明です。生理用品は都市部のスーパーで日本のブランド(ソフィ等)が手に入りますが、地方では入手困難なため持参を推奨します。

LGBTQ+旅行者向けガイド

カンボジア社会は伝統的にLGBTQ+に対して寛容な傾向にあります。同性愛を禁じる法律はなく、プノンペンやシェムリアップにはゲイバーやフレンドリーなホテル、イベントも存在します。暴力的なヘイトクライムは極めて稀です。ただし、法的な結婚は認められておらず、地方や年配の世代の間では保守的な価値観も根強く残っています。公の場での過度な愛情表現は、異性カップルであっても「不作法」と見なされる文化的な背景があるため、周囲への配慮(PDAの抑制)を心がけることで、トラブルを避けつつ快適に滞在することができます。特に観光地での差別はほとんど感じられないでしょう。

家族・シニア旅行者向けガイド

カンボジア人は子供が大好きで、子連れ旅行者には非常に親切です。ただし、インフラ面ではバリアフリーがほぼ皆無であり、プノンペンの歩道はガタガタでベビーカーの利用は現実的ではありません。移動は全て車かトゥクトゥクになります。シニア旅行者にとっては、アンコール遺跡巡りの際の猛暑と急な階段が最大の壁となります。無理をせず、午前中の数時間だけ観光し、日中の最も暑い時間帯はホテルのプールで休むといった「ゆったりしたスケジュール」が必須です。医療面では、万が一の際にタイへの緊急移送が含まれる高額な海外旅行保険への加入を強く勧めます。主要都市には日本人が常駐する「サンライズジャパン病院(プノンペン)」などがあり、高度な医療を受けることが可能です。

安全に関するよくある質問

プノンペンで夜間にトゥクトゥクに乗っても大丈夫ですか?

Grab等のアプリで呼んだ車両であれば比較的安全ですが、走行中のひったくりには注意が必要です。荷物は足元に置き、スマホを手に持たないようにしてください。

アンコールワット周辺に地雷は残っていますか?

主要な観光ルートは完全に撤去されています。しかし、案内のない茂みやジャングルの奥深くへ勝手に入るのは厳禁です。必ずガイドの指示に従ってください。

タイとの国境紛争地域へ行っても大丈夫ですか?

2026年1月現在、プレアビヒア周辺はレベル3(渡航中止勧告)です。軍事衝突の危険があるため、絶対に近づかないでください。

シアヌークビルの治安が悪いと聞きましたが?

非常に悪化しています。中国系詐欺組織による監禁や暴力事件が多発しており、一般観光客向けの街ではなくなっています。離島への中継以外は避けるべきです。

街中で警察に賄賂を要求されたらどうすればいいですか?

不当な交通違反などで要求されることがありますが、まずは大使館に連絡する姿勢を見せ、毅然と対応してください。ただし、安全を優先すべき場面もあります。

実用的なよくある質問

米ドルはどこでも使えますか?

はい。ただし1ドル未満の端数は現地通貨リエルで支払われます。また、汚れたドル紙幣は受け取りを拒否されるため、綺麗な紙幣のみを携行してください。

水道水は飲めますか?

飲めません。必ず市販のミネラルウォーターを購入してください。氷も生水から作られている可能性があるため、胃腸が弱い方は避けるのが無難です。

ビザはアライバルでも取得できますか?

空港や陸路国境で取得可能ですが、事前にe-Visaをオンライン申請しておくほうがスムーズでトラブルも少ないです。

Grab以外の配車アプリはありますか?

PassApp(パスアップ)が現地で広く使われています。Grabより安価な場合が多いですが、登録には現地の電話番号が必要です。

チップは必要ですか?

義務ではありませんが、ガイドや高級ホテルのスタッフには、良いサービスを受けた際に数ドル渡すと感謝されます。

カンボジアの治安に関するよくある質問

カンボジアの治安は良い?悪い?

2026年現在、カンボジアの治安は東南アジアの中でも特に警戒が必要です。タイとの国境紛争による武力衝突の懸念に加え、都市部では組織的なオンライン詐欺や強引なひったくりが多発しています。プノンペンやシェムリアップ等の観光地であっても、以前に比べて犯罪組織の影響力が強まっており、安全とは言い難い状況です。常に最新の現地情勢を確認し、高度な防犯意識を持って行動することが強く求められます。

カンボジアで危険な地域はどこ?

プレアビヒア周辺のタイ国境地帯は、軍事衝突の再燃により極めて危険なレベル4に指定されています。また、沿岸部のシアヌークビルは犯罪組織による「スキャム・コンパウンド(詐欺拠点)」が密集しており、人身売買や監禁の報告があるレベル3の危険地域です。プノンペンのリバーサイド地区もひったくり等の犯罪が多いため、不用意な立ち入りは避けるべきです。

カンボジア旅行はやばい?本当に行って大丈夫?

渡航先の地域を厳選し、万全の対策を講じれば可能ですが、安易な渡航は非常に「やばい」と言えます。特にカジノ関連の仕事や投資を装った誘い、またタイ国境付近への立ち入りは命に関わるリスクがあります。シェムリアップ等の観光エリアでも、組織犯罪の影響により一般旅行者が予期せぬトラブルに巻き込まれる頻度が上がっており、従来の「のんびりした観光地」という認識は改める必要があります。

カンボジアは女性一人でも怖くない?

女性の一人旅には、多くの「怖い」と感じるリスクが潜んでいます。日中の観光地であっても、バイクによるひったくりで転倒し重傷を負うケースが後を絶ちません。夜間の独り歩きは極めて危険であり、信頼できる配車アプリ以外の交通手段の利用は避けるべきです。また、見知らぬ人物からの日本語による声かけには、睡眠薬強盗やトランプ詐欺の可能性があるため、強い警戒心を持つことが不可欠です。

カンボジアでスリに遭わないための対策は?

カンボジアでは「スリ」よりも、バイクによる「ひったくり」が主流です。歩道ではバッグを車道と反対側に持ち、斜めがけにするか、上着の下に隠すのが有効です。また、トゥクトゥク乗車中もスマホの操作は厳禁です。背後からバイクが近づき、一瞬で奪われる手口が白昼堂々行われています。貴重品はホテルのセーフティボックスに預け、必要以上の現金は持ち歩かないようにしてください。

カンボジアで多い詐欺の手口は?

組織的な「詐欺」が急増しています。特に「高給の求人」や「確実な投資」を装い、被害者を詐欺拠点に誘い込む手口がシアヌークビル等で深刻化しています。また、観光地では親しげに近づき、自宅に招いてから賭け麻雀で大金をむしり取る「トランプ詐欺」も古典的ながら後を絶ちません。公務員や警察官を装い、不当な手数料や罰金を要求されるケースにも注意が必要です。

カンボジアで日本人が巻き込まれやすい犯罪は?

日本人が最も遭遇しやすい「犯罪」は、バイクによるひったくりと睡眠薬強盗です。プノンペンの路上でスマートフォンを奪われる被害が頻発しています。また、SNSで知り合った「自称ビジネスマン」に誘われ、違法なオンラインカジノ運営に加担させられたり、多額の債務を負わされたりする深刻な事例も増えています。警察の汚職により、被害届を出す際にも不当な金銭を要求される二次被害も報告されています。

カンボジア旅行で注意すべきことは?

最大の「注意」点は、政治的な集会やデモに近づかないこと、そしてタイとの国境付近に立ち入らないことです。また、未だに地雷が埋設されている地域があるため、地方部では整備された場所以外の野原や茂みには絶対に入らないでください。警察の腐敗認識指数が高いため、トラブル発生時に公的機関が即座に助けてくれるとは限らないことを前提とした、徹底的な自衛が求められます。

カンボジアで起こりやすいトラブルは?

よくある「トラブル」として、交通事故と薬物関連が挙げられます。交通マナーが極めて悪く、歩行者優先の概念がないため移動には細心の注意が必要です。また、リバーサイド等の繁華街では薬物ディーラーによる勧誘がありますが、所持だけでも厳罰に処されるだけでなく、それ自体が詐欺や強盗の罠であることも多いです。飲酒の際は、飲み物に異物を混入されないよう、グラスから目を離さないことが重要です。

カンボジアで被害に遭ったらどうする?

万が一「被害」に遭った場合は、まず身の安全を確保し、速やかに最寄りの警察署(ツーリストポリス)へ向かってください。保険請求に必要な「ポリスレポート」を作成してもらう必要がありますが、言語の壁や手数料要求があるため、可能な限り在カンボジア日本国大使館にも連絡し、助言を仰いでください。クレジットカードやスマホの盗難の場合は、遠隔での利用停止措置を迅速に行うことが被害拡大を防ぐ鍵となります。

カンボジアの治安詳細

カンボジアの治安概要

2026年現在のカンボジアの治安は、地域によって二面性があり、全体として極めて厳しい警戒状況にあります。2025年末に再燃したタイとの国境紛争により、プレアビヒア州などの北部国境地帯は武力衝突が続く危険地帯となっています。一方で、プノンペンやシェムリアップといった主要都市では、経済格差を背景とした一般犯罪に加え、国際的な組織犯罪グループによるオンライン詐欺や監禁事件が深刻な社会問題となっています。治安当局の腐敗も根深く、外国人旅行者にとっての法的保護や安全網は脆弱です。観光業の再興に向けた警備強化は見られるものの、組織犯罪と国境紛争という二つの大きなリスクが、渡航者の安全を脅かしているのが現状です。

カンボジアは危険?やばい?

カンボジアは現在の情勢下において、不用意な渡航は非常に「危険」であり、状況によっては「やばい」と言わざるを得ません。特にタイ・カンボジア国境地帯は、軍による発砲や局地的な戦闘が発生しており、絶対に関わってはいけない地域です。また、シアヌークビル周辺は「詐欺拠点の聖地」と化しており、一般の観光客が強盗や誘拐の標的になるリスクが飛躍的に高まっています。プノンペン市内でも、白昼堂々のバイクによるひったくりが常態化しており、被害時に転倒して重傷を負うケースも多いです。汚職の蔓延により、警察が必ずしも助けにならないという点も、この国のリスクを一段と「やばい」ものにしています。

カンボジアは怖い?一人旅でも大丈夫?

「カンボジアは怖い?」という不安に対し、特に女性の一人旅や初心者の方は、その直感に従い最大限の警戒をすべきです。実際に、観光地のリバーサイド地区や市場周辺では、外国人女性を狙ったひったくりや強引な客引き、さらには睡眠薬を利用した強盗事件が報告されており、非常に「怖い」体験をする可能性があります。夜間の単独行動は場所を問わず厳禁であり、移動は必ず信頼性の高い配車アプリ「Grab」などを利用し、野良のトゥクトゥクは避けるべきです。また、人懐っこく日本語で話しかけてくる現地人の中には、トランプ詐欺等の組織的な犯罪グループの一員が混ざっていることが多く、親切心を利用した手口に警戒が必要です。

スリ・詐欺・犯罪の実態

カンボジアで最も警戒すべき犯罪は、組織化されたスリ、詐欺、そしてバイクによるひったくりです。プノンペンでは、歩行中にスマートフォンの操作をしていたり、トゥクトゥクの端に座ってバッグを抱えていなかったりすると、背後から急接近したバイクに一瞬で奪われます。この際、引きずられて大怪我をする被害が続出しています。また、組織的詐欺は巧妙化しており、シアヌークビル等のカジノ特区では、高額報酬を謳う架空の求人で外国人を誘い込み、監禁してサイバー犯罪に従事させる「スキャム・コンパウンド」の実態が国際的な問題となっています。観光客に対しては、トランプ詐欺や不当なビザ手数料を要求する国境ゲートでの詐欺、夜の繁華街での睡眠薬強盗などが主な手口です。

地域別の危険度

カンボジアの地域別危険度は、2026年現在非常に鮮明です。タイとの国境にあるプレアビヒア州周辺は、軍事衝突の最前線であり、レベル4(退避勧告)の状態です。カジノと中国系犯罪組織の影響が強いシアヌークビルは、誘拐や監禁のリスクからレベル3(渡航中止勧告)に指定されています。首都プノンペンは、ひったくりや強盗などの一般犯罪が激しいためレベル2となっており、観光地であっても常に警戒が必要です。世界遺産アンコールワットのあるシェムリアップは、観光警察の巡回により比較的安定していますが、夜間のパブストリート等でのスリや薬物トラブルがあるためレベル1です。タイ国境のポイペトは、詐欺や汚職が横行しているため、通過には高度な注意が求められるレベル3相当の警戒が必要です。

カンボジア旅行で注意すべきポイント

カンボジア旅行において注意すべき最大のポイントは「情報収集」と「自衛」です。まず、タイとの国境紛争に関する最新の渡航情報を毎日確認し、危険地域には絶対に近づかないでください。都市部では、自分の手荷物は常に視界に入れ、車道側には持たないことを徹底してください。また、カンボジアの警察は、被害届の作成時に非公式な「手数料」を要求することが一般的であり、公的機関を完全に信頼できないという認識を持つ必要があります。さらに、地方部を訪れる際は、1970年代の内戦時代に埋設された地雷が現在も数百万個残存しているため、ガイドの指示に従い、整備された道以外には絶対に立ち入らないよう細心の注意を払ってください。

よくあるトラブル事例

実際のトラブル事例として多いのは、プノンペンの王宮周辺で夕方にスマホを操作していた観光客が、背後から来たバイクにスマホを強奪され、抵抗した際にコンクリートに叩きつけられ骨折したケースです。また、ポイペトの陸路国境では、正規のビザ料金以上の金額を「手数料」として執拗に要求され、拒否すると入国を拒まれるといった公権力を利用したトラブルも常態化しています。さらに深刻な事例では、SNSで知り合った自称実業家に誘われ、シアヌークビルのカジノを訪れた若者が、そのまま詐欺拠点に監禁され、家族に多額の身代金を要求されるといった、組織犯罪に直結する事件も発生しています。

被害に遭った場合の対応

被害に遭った場合、まず優先すべきは命の安全です。抵抗して凶器で襲われるのを避けるため、ひったくられた際は追わず、すぐに周囲に助けを求めてください。警察(ツーリストポリス)への通報が必要ですが、プノンペンやシェムリアップ以外では対応が遅れることも多いため、迅速に在カンボジア日本国大使館(023-210-331)またはシェムリアップ領事事務所(063-963-801)に連絡し、支援を依頼してください。特にパスポートを盗まれた場合は「帰国のための渡航書」の発給手続きが必要です。また、現地警察とのやり取りで不当な金銭要求があった際も、大使館にその旨を相談することが重要です。クレジットカード等の停止連絡も日本へ即座に行えるよう、連絡先を控えておきましょう。

データソース

公的機関