総合評価
南米で最も安定した治安を維持してきたが、近年は国際犯罪組織の流入により凶悪犯罪が増加。サンティアゴ東部や南部パタゴニアは安全だが、北部国境地域やサンティアゴ中心部の治安悪化には警戒が必要。2026年3月の政権交代に伴う一時的な混乱やデモにも注意を払うべき状況にある。
身体的安全 (B-)
組織犯罪による銃器使用の強盗が増加傾向。特に車両強奪(エンセローナ)や高速道路出口での待ち伏せが報告されており、南米諸国の中では安全とはいえ、夜間や人通りの少ない場所での警戒レベルは引き上げる必要がある。
医療・衛生 (A-)
サンティアゴ等の都市部には欧米並みの最新設備を備えた私立病院が多く、医療水準は非常に高い。ただし地方の公立病院はリソース不足が目立つ。また、全土に生息するクロステカグモや南部のハンタウイルスなど、特定の動植物・感染症への注意が必要。
詐欺・スリ (C+)
空港の偽タクシーやケチャップ詐欺、路上でのパンクを装う強盗、カードのすり替えが横行している。観光客を狙った組織的な手口が高度化しており、特にサンティアゴ中心部やバルパライソなどの主要観光地では見知らぬ人物からの過度な親切には警戒が必須。
テロリスク (B)
国際テロのリスクは低いが、アナーキストによるバス停等での小規模な爆破事件が散発的に発生。また、南部アラウカニア州等では先住民マプチェ過激派による林業関係者への襲撃や放火事件が継続しており、非常事態宣言下にある地域が存在する。
最新インテリジェンスレポート
チリは2026年1月現在、政治的・治安的な転換期にあります。2025年12月の選挙で当選した右派ホセ・アントニオ・カスト氏の新政権が3月に発足する予定で、治安強化政策(鉄拳政策)への移行が注目されています。全体的な治安は中南米では良好ですが、ベネズエラ系犯罪組織「トレン・デ・アラグア」等の活動により殺人や誘拐といった凶悪犯罪が過去5年で急増しました。観光客にとっては、日中の主要観光地は依然として安全ですが、サンティアゴ中心部の特定地区やバルパライソの路地、北部国境都市、南部紛争地域でのリスクが明確に高まっており、目的地に応じたきめ細かなリスク管理が求められます。
背景分析
チリの治安悪化の背景には、近年の経済停滞、移民流入の急増、そして組織犯罪の質的変化があります。2019年の社会暴動以降、警察(カラビネーロス)の権威低下が一時的に見られましたが、現在は治安維持への国民の期待が高まり、法執行機関の強化が進んでいます。経済面では、銅とリチウムに支えられた安定があるものの、インフレと失業率の高止まりが一部の層で犯罪への誘因となっています。人口動態としては、北部を中心に非正規移民が激増し、これに国際的な麻薬カルテルが便乗することで、従来のチリにはなかった「雇い殺人」や「車両強奪」が一般化しました。南部では歴史的な先住民マプチェの土地問題が過激化しており、政治的な解決が難航しています。新政権は不法移民の強制送還や国境警備の軍事化を掲げており、2026年はこれらの政策に対する左派支持層の反発やデモが発生する可能性が高いです。しかし、伝統的に法治主義が浸透している国であり、警察への賄賂は一切通用せず、司法制度も機能している点は他の中南米諸国との大きな違いです。
重要ポイント
- サンティアゴ空港では正規タクシー(Transvip等)以外の勧誘を無視し、配車アプリの利用を徹底すること。
- 「エンセローナ」と呼ばれる車両強奪を避けるため、夜間の高速道路出口や人通りの少ない交差点での運転に注意。
- 南部アラウカニア州やビオビオ州の農村部では、マプチェ過激派による襲撃リスクがあるため不要な立ち入りを避ける。
- サンティアゴ東部(ラス・コンデス等)は夜間も歩行可能だが、中心部(アルマス広場等)は日没後に急速に危険になる。
- 「ケチャップ詐欺」の手口を熟知し、服を汚されてもその場で立ち止まらず、安全な建物内へ移動すること。
- 北部(アリカ、イキケ)では移民・組織犯罪の影響で治安が不安定。夜間の単独行動は厳禁。
- 水道水は飲用可能だが、ミネラルが多く胃腸に負担がかかるため、短期旅行者はボトル入りの水が推奨される。
- 毒蜘蛛「クロステカグモ」が家屋の隅に潜んでいるため、古い建物やタンスの裏などに素手で触れないこと。
- 警察(カラビネーロス)への賄賂提示は即座に逮捕される重罪。信頼性は高いのでトラブル時は即通報。
- 2026年3月の新大統領就任式前後は、サンティアゴとバルパライソで大規模なデモや交通規制が予測される。
各国政府の渡航情報
| 情報源 | 警戒レベル |
|---|---|
| 日本外務省 | レベル1:十分注意してください |
| 米国国務省 | Level 2: Exercise Increased Caution |
| 英国外務省 | High degree of caution (equivalent) |
| カナダ政府 | Exercise a high degree of caution |
| ドイツ外務省 | Landesspezifische Sicherheitshinweise |
| フランス外務省 | Vigilance renforcée |
地域別リスク評価
サンティアゴ首都圏(中心部)
警戒が必要な地域リスクアルマス広場、メイグス地区周辺では組織的なスリやひったくりが多発。夜間は武装強盗のリスクが急増するため、徒歩移動は避けるべきです。
サンティアゴ首都圏(東部:ラス・コンデス等)
比較的安全な地域リスク警察の巡回が多く治安は良好。ただし、住宅侵入や高級車を狙った待ち伏せ強盗には最低限の注意が必要です。
バルパライソ港湾・観光地区
警戒が必要な地域リスク世界遺産だが、観光ルートを外れると強盗に遭う確率が非常に高い。特にセロ・ポランコ等の特定の丘付近は極めて危険。
アリカ・イキケ(北部国境地域)
高い警戒が必要な地域リスク非正規移民と国際犯罪組織の拠点となっており、銃器犯罪や誘拐が増加。夜間の外出や未舗装路の走行は控えてください。
アラウカニア州(南部マクロソナ・スール)
極めて危険な地域リスク先住民過激派による焼き討ち、銃撃、道路封鎖が頻発。非常事態宣言が継続しており、主要幹線道路以外への立ち入りは推奨されません。
イースター島(ラパ・ヌイ)
非常に安全な地域リスク本土の犯罪傾向とは無縁で、治安は極めて良好。デング熱の媒介となる蚊への対策以外、特筆すべきリスクはありません。
パタゴニア・マゼラン地域
安全な地域リスク犯罪率が低く、観光客にとって非常に安全。自然災害(山火事や強風)のリスク管理が中心となります。
アントファガスタ(北部鉱業都市)
注意が必要な地域リスク労働者が多く活気があるが、中心部での夜間のひったくりや車上荒らしに注意が必要。
国内安全マップ
チリは地理的に非常に長く、治安状況も南北で大きく異なります。中部のサンティアゴ首都圏やバルパライソは、組織犯罪による強盗や窃盗という「都会型リスク」が中心です。一方、北部は移民問題に起因する犯罪組織の台頭が深刻で、南部はマプチェ問題という「政治的紛争リスク」が支配的です。全体として、観光客が巻き込まれる可能性が最も高いのは窃盗と強盗であり、これらは場所と時間帯を慎重に選ぶことで大幅に軽減できます。警察は信頼できますが、言葉の壁があるため、トラブル時は自ら積極的に証拠(監視カメラ映像の有無など)を確保し、早期に報告することが重要です。
日中は観光の拠点ですが、スリやひったくりが非常に多い。日没後は一気に治安が悪化し、武装強盗のリスクが高まります。アルマス広場周辺は常に警戒が必要。
リスク: ケチャップ詐欺, 夜間の武装強盗, 大規模デモ
詳細ページへ →チリで最も安全なエリアの一つ。高級ホテルや大使館が集まり、夜間の徒歩移動も比較的安全です。ただし、住宅街での空き巣や車上荒らしには注意。
リスク: 高級車強奪(エンセローナ), 車上荒らし
詳細ページへ →卸売市場が集まる混雑地帯。組織犯罪グループが活動しており、白昼堂々のひったくりや強盗が多発しています。観光客の立ち入りは推奨されません。
リスク: 組織的な窃盗, 暴力犯罪, 非正規露店でのトラブル
詳細ページへ →世界遺産の美しい街並みですが、観光ルートを外れると強盗のリスクが急増。特に日没後の「セロ(丘)」は、特定の場所以外は立ち入り禁止レベルです。
リスク: 武装強盗, 路地裏での刺傷事件, 観光客狙いの窃盗
詳細ページへ →ペルー国境の都市。非正規移民の流入とトレン・デ・アラグア等の組織犯罪が集中しており、殺人や人身売買、強盗のリスクが非常に高い状態です。
リスク: 組織犯罪, 誘拐・強盗, 夜間の無秩序
先住民マプチェの土地紛争地帯。林業車両への放火や幹線道路での銃撃戦が発生しており、非常事態宣言下。主要観光地以外の田舎道は極めて危険。
リスク: 放火・襲撃, 道路封鎖, テロ的暴力行為
トーレス・デル・パイネ国立公園の玄関口。治安は極めて良好で、自然災害や遭難、野生動物(ピューマ)への注意が中心となります。
リスク: 急激な天候変化, 山火事, 道迷い
本土から離れた絶海の孤島。犯罪はほぼ皆無で、平和な観光が可能です。考古学的遺産を傷つけないよう注意が必要。
リスク: デング熱, 医療施設の限定, 文化遺産保護規則
北部の観光都市だが、組織犯罪の影響を受け治安が悪化中。夜間のビーチや中心部での外出には強い警戒が必要です。
リスク: 薬物関連犯罪, ひったくり, 夜間の武装強盗
北部の中心都市。経済的に活気があるが、貧富の差が激しく、車上荒らしや夜間の路上強盗が発生。夜間の独り歩きは避けるべき。
リスク: 車上荒らし, 路上ひったくり
バルパライソの隣接都市。日中は安全なリゾート地だが、夜間のビーチや特定の丘(セロ)では強盗被害が報告されています。
リスク: 夏季の山火事, スリ・ひったくり, 夜間のビーチ強盗
南部の学生都市・工業都市。政治的デモが激しくなりやすく、夜間の学生街や中央市場周辺での窃盗に注意が必要です。
リスク: 政治的デモ, 夜間のひったくり
犯罪・治安情報
犯罪統計
スリ・窃盗
リスク: 5/5多発エリア: 地下鉄(サンティアゴ)車内および駅構内, サンティアゴ中心部(アルマス広場周辺), 長距離バスターミナル(エストシオン・セントラル), バルパライソの観光用エレベーター付近
手口:
- 「ケチャップ詐欺」:汚れをかけた隙に盗む
- 「ランサソ」:バイク等で一瞬にして奪う
- 混雑した車内でのグループによる囲い込み
対策:
- 路上でスマートフォンを操作しない
- リュックサックは混雑した場所では前に抱える
- 多額の現金を持ち歩かず、カードと分散させる
窃盗は全犯罪の約6割を占め、特に観光客が集まるエリアでは日常的に発生している。
強盗
リスク: 4/5多発エリア: 夜間のサンティアゴ中心部, バルパライソの細い路地, 高速道路のジャンクションおよび出口, ビーチ(日没後のビーニャ・デル・マル等)
手口:
- 「エンセローナ」:車を前後で塞いで強奪する
- ナイフや銃器を突きつけての金品要求
- ATM利用直後の待ち伏せ
対策:
- 強盗に遭遇したら絶対に抵抗せず、金品を渡す
- 夜間は配車アプリを利用し、徒歩移動を避ける
- 派手な服装や高価な持ち物を避ける
2024年の調査では、武装強盗の発生率が過去5年で約1.5倍に増加している。
凶悪犯罪
リスク: 3/5多発エリア: 北部都市(アリカ、アルト・オスピシオ), サンティアゴ中心部のスラム(ポブラシオン), 南部紛争地帯の農道
手口:
- 犯罪グループ間の抗争に伴う銃撃
- 強盗時の過剰な暴力行使
- 政治的デモ時の衝突
対策:
- 現地メディアでデモ情報を事前に収集する
- 危険とされる「ポブラシオン」には近づかない
- 深夜の外出を最小限にする
殺人率は10万人あたり約6人と南米では低いが、質的に凶悪化している点が懸念されている。
詐欺
リスク: 4/5多発エリア: サンティアゴ空港の到着ロビー, 市内のATM, 観光地の安食堂, オンライン宿泊予約サイト
手口:
- 偽タクシー:カード決済時に金額を桁違いに操作
- カードすり替え:親切を装って操作を助け、カードを奪う
- 偽のホテル予約サイトによる支払い搾取
対策:
- 空港では公式カウンターのタクシーのみ利用する
- ATMは銀行内の個室タイプを使用する
- カード決済時は端末から目を離さない
空港での非正規タクシーによる被害額は1件数千ドルに達するケースも報告されている。
健康・医療情報
ワクチン情報
チリ入国時に義務付けられている予防接種はありません。しかし、都市部を離れる場合や長期滞在を予定している場合は、A型・B型肝炎、破傷風、傷寒の接種が強く推奨されます。特に南部パタゴニア等でのアウトドア活動を予定している場合は、破傷風の免疫を確認しておくことが重要です。狂犬病については、野犬が多いためリスクはゼロではありませんが、優先度は上記より低めです。新型コロナウイルスについても、最新のブースター接種を済ませておくことが、現地でのスムーズな医療受診に繋がります。
| ワクチン | 必須/推奨 | 備考 |
|---|---|---|
| A型肝炎 | 推奨 | 生ものや水道水を通じた感染リスクがあるため、長期滞在や地方渡航者に強く推奨されます。 |
| B型肝炎 | 推奨 | 医療処置や事故の際の血液感染を防ぐため、長期滞在者には接種が推奨されます。 |
| 破傷風 | 推奨 | 冒険旅行や野外活動(トレッキング等)を行う場合、怪我からの感染を防ぐため推奨されます。 |
| 狂犬病 | 推奨 | 地方部での野犬や野生動物との接触リスクがある活動を行う場合に検討してください。 |
| 傷寒(タイフイド) | 推奨 | 地方の衛生環境が不十分な地域での飲食による感染リスクを低減するために推奨されます。 |
| インフルエンザ | 推奨 | 冬季(5月〜8月)に流行するため、この時期に渡航する場合は接種が望ましいです。 |
健康リスク
チリ全土で注意すべきは、ナガコテネズミを介したハンタウイルス感染症です。特に中部から南部の農村やキャンプ場での宿泊時に、未清掃の小屋や糞尿に触れないよう注意が必要です。また、イースター島(ラパ・ヌイ)ではデング熱の発生リスクがあるため、蚊への対策が必須となります。北部から中部にかけては、サシガメが媒介するシャーガス病のリスクもあります。都市部では、冬場(5月〜8月)にサンティアゴ盆地の大気汚染が深刻化し、呼吸器疾患を悪化させる可能性があるため、喘息等の持病がある方は注意が必要です。
医療施設
サンティアゴにはClinica AlemanaやClinica Las Condesなど、先進国と同等水準の高度な私立病院が複数存在し、英語対応も可能です。しかし、公立病院は混雑しており、設備も限られています。地方都市では医療水準が大きく下がるため、重症時はサンティアゴへの移送が必要となります。医療費は非常に高額で、無保険の場合は簡単な手術や数日の入院で数百万円に達することが珍しくありません。日本語対応はほぼ期待できないため、十分な補償額を備えた海外旅行保険への加入が、物理的・心理的リスク管理として不可欠です。
入国・ビザ情報
ビザ要件: 日本国籍者は、観光、商用、外交、公用の目的で、90日以内の滞在であればビザ(査証)は不要です。入国時に、入国審査官からツーリストカード(Tarjeta de Turismo)が発行されます。現在は多くの場合電子化されていますが、紙で渡された場合は出国時に提出が必要となるため、紛失しないようパスポートと一緒に厳重に保管してください。90日以上の滞在や就労を目的とする場合は、事前にチリ領事館にて適切な査証を取得する必要があります。現地での滞在延長は、移民局にて1回に限り申請可能ですが、手続きに時間を要します。
パスポート有効期限
チリ入国時に、パスポートの有効期間が滞在予定期間以上残っている必要があります。ただし、不測の事態や周辺国への移動、航空会社の規定を考慮し、入国時点で6ヶ月以上の残存有効期間があることが強く推奨されます。
持ち込み禁止・制限品
チリの農牧局(SAG)による検疫は世界でもトップクラスに厳格です。生の果物、野菜、肉製品(ハム・ソーセージ含む)、蜂蜜、種子、未加工の木製品などは一切持ち込めません。入国時に提出する申告書で、持ち込み品の有無を問われた際、迷った場合は必ず「申告あり」を選択してください。未申告で禁止品が発見された場合、故意でなくとも数百ドル以上の高額な即金罰金が科せられます。市販の加工品(未開封の菓子等)であっても、申告を行うのが最も安全です。
緊急連絡先
時間帯別安全情報
早朝
安全早朝(5時〜8時)は、通勤客が増えるまでは人通りが少なく、強盗のリスクがやや高い。特に地下鉄の始発前後や長距離バス駅周辺では、浮浪者や夜通し酒を飲んでいた人物に注意が必要。主要道路は警察のパトロールが始まっているが、路地裏は避けるべきである。
安全な活動:
- ・ホテル内での朝食
- ・主要幹線道路を利用した空港への移動
- ・人通りのある大通りでの散策
避けるべきエリア:
- ・バルパライソの路地裏
- ・サンティアゴのメイグス地区周辺
- ・人影のない公園
交通: 信頼できる配車アプリ(Uber, Cabify)またはホテルの送迎車。
日中
安全日中(9時〜17時)は最も安全な時間帯。観光地には多くの警察官が配置され、家族連れや観光客で賑わう。ただし、この時間帯は「スリ」や「ひったくり」のゴールデンタイムでもある。特にサンティアゴ中心部や地下鉄、市場など、人が密集する場所では手荷物への細心の注意が必要。
安全な活動:
- ・美術館・博物館巡り
- ・ワイナリーツアー
- ・主要観光スポットの訪問
避けるべきエリア:
- ・デモが発生している広場(イタリア広場等)
- ・治安の悪いとされる「ポブラシオン」
交通: メトロ(地下鉄)は清潔で安全。ただし混雑時のスリには注意。
夕方〜夜
注意夕方から日没後(18時〜22時)にかけて、治安状況は一変する。オフィス街は閑散とし、代わりに人通りの少ない路地が増える。サンティアゴ中心部のアルマス広場付近などは、ホームレスや怪しい人物が増えるため、徒歩移動は推奨されない。レストランが集まる地区(ラス・コンデス等)は比較的安全。
安全な活動:
- ・ラス・コンデス区等でのディナー
- ・ショッピングモール内での買い物
- ・ホテルのバーでの利用
避けるべきエリア:
- ・日没後のサンティアゴ中心部(Centro)
- ・サンタ・ルシアの丘の周辺
- ・バルパライソの観光ルート外の丘
交通: 必ず配車アプリを利用し、ドアツードアでの移動を推奨。
深夜
危険深夜(23時〜4時)の徒歩移動は、どのエリアであっても極めて危険である。武装強盗や車両強奪(エンセローナ)が最も発生しやすい時間帯であり、観光客が巻き込まれる可能性が高い。サンティアゴ東部の安全な地区であっても、一人歩きは避けるべき。酒場周辺でのトラブルや薬物関連の犯罪も集中する。
安全な活動:
- ・ホテル内での休息
- ・夜間営業の信頼できるレストラン(車移動が前提)
避けるべきエリア:
- ・全土のあらゆる路地
- ・サンティアゴのベラビスタ地区(バー街)の細い道
- ・ビーチ周辺
交通: 流しのタクシーは絶対に使用せず、Cabify等の信頼できるアプリのみ使用。
季節別ガイド
春 (September - November)
気温: 10°C - 23°C
降水: 少ない。時折小雨が降る程度。
服装: 重ね着が基本。日中は半袖でも過ごせるが、朝晩は冷え込むためジャケットが必要。
おすすめ活動:
ワイナリー巡り(セントラルバレー), サンティアゴ市内観光, ワイルドフラワーの鑑賞(北部砂漠), バルパライソの散策
リスク:
- ・花粉症(プラタナスの木が多い)
- ・急な天候の変化(南部)
夏 (December - February)
気温: 15°C - 33°C
降水: 極めて乾燥しており、雨はほとんど降らない。
服装: 風通しの良い夏服。日差しが非常に強いため、サングラス、帽子、日焼け止めが必須。
おすすめ活動:
パタゴニアのトレッキング, 湖水地方でのウォータースポーツ, ビーチリゾート(ビーニャ・デル・マル), アタカマ砂漠での天体観測
リスク:
- ・強い紫外線(オゾンホールの影響)
- ・山火事
- ・熱中症
秋 (March - May)
気温: 8°C - 22°C
降水: 5月に入ると降水量が増え始める。
服装: 厚手のセーターや秋物コート。朝晩の冷え込みに対応できる服装が必要。
おすすめ活動:
ブドウ収穫祭(ベインディミア)への参加, 南部の紅葉鑑賞, アタカマ砂漠の観光, 博物館・美術館巡り
リスク:
- ・サンティアゴの大気汚染の始まり
- ・季節の変わり目の風邪
冬 (June - August)
気温: 3°C - 15°C
降水: 1年で最も多い。サンティアゴではまとまった雨、山岳部は雪。
服装: しっかりとした防寒着、防水ジャケット、マフラー、手袋。室内でも冷えることが多い。
おすすめ活動:
アンデス山脈でのスキー・スノーボード, 温泉巡り(南部・中部), アタカマ砂漠(冬でも晴天が多い), 伝統料理の堪能
リスク:
- ・深刻な大気汚染(サンティアゴ)
- ・道路の冠水・通行止め
- ・インフルエンザ
ベストシーズン: チリ全土を網羅的に楽しむためのベストシーズンは、10月から12月(春〜初夏)または3月から4月(秋)です。この時期はサンティアゴの大気汚染も少なく、気温も適度で観光に最適です。パタゴニアを目的地に含む場合は、12月から3月の夏季が唯一の選択肢となります(それ以外は閉鎖されるルートが多い)。一方で、スキー目的であれば7月から8月の冬季がベストです。ワイナリーを楽しみたいなら、ブドウの収穫祭が行われる3月から4月が最も活気に満ちており、美しい紅葉も楽しめます。
環境リスク
野生動物のリスク
クロステカグモ(Aranha de rincón)
リスク: 4/5生息地: チリ全土の住宅内, クローゼット, 家具の隙間
チリで最も身近かつ危険な毒蜘蛛です。家屋の隅や衣類、靴の中に潜む習性があります。予防策として、壁と家具の間に隙間を空ける、脱ぎ捨てた服や靴を履く前に必ず振って中を確認する、定期的に掃除機をかけることが重要です。夜間に壁を這うこともあるため、就寝前に周囲を確認してください。咬まれると激痛があり、組織壊死や腎不全を引き起こす可能性があります。見た目は茶色くバイオリンのような模様が特徴です。
治療: 咬まれた場合は、直ちに最寄りの救急外来を受診してください。可能であれば蜘蛛を捕獲(または写真撮影)して持参すると診断がスムーズです。主要病院には専用の血清が備蓄されています。
ピューマ
リスク: 3/5生息地: パタゴニア地方, トーレス・デル・パイネ国立公園, アンデス山脈麓
パタゴニアなどの国立公園に生息しています。遭遇した際は、決して背中を向けて走って逃げないでください。走ると獲物と認識され追われます。体を大きく見せるために腕を上げ、大声を出しながら、ゆっくりと後退して距離を取るのが正解です。子供はピューマのターゲットになりやすいため、常に大人のそばに離さず置いてください。トレッキングの際は指定されたルートから外れないことが最大の予防策となります。
治療: 負傷した場合は傷口を洗浄し、直ちに国立公園の管理官に報告し、病院で抗生物質や破傷風、必要に応じて狂犬病の処置を受けてください。
野犬
リスク: 2/5生息地: サンティアゴ市内, 地方都市の路上, ビーチ周辺
チリの都市部には非常に多くの野犬がいます。多くは大人しいですが、集団でいる場合や夜間は攻撃的になることがあります。無暗に触ろうとしたり、食べ物を見せたりしないでください。目を合わせすぎず、一定の距離を保って通り過ぎるのが賢明です。狂犬病のリスクは他の中南米諸国より低いとされていますが、咬傷による感染症や寄生虫のリスクがあるため、接触は避けるべきです。
治療: 咬まれた場合は石鹸と流水で15分以上洗浄し、速やかに病院を受診してください。狂犬病ワクチンの追加接種が必要か医師の判断を仰ぎます。
水の安全性
水道水: 飲用可能
主要都市の水道水は公衆衛生基準を満たしており飲用可能ですが、ミネラル分が非常に多いため、飲み慣れない旅行者は下痢や腹痛を起こす可能性が高いです。また、独特の塩素臭や硬水の味がします。胃腸への負担を避けるため、滞在中は市販のガスなしミネラルウォーター(Agua sin gas)を購入することを強く推奨します。料理や歯磨きには水道水を使用しても問題ありません。
交通安全
事故死亡率: 12.4人
歩行者リスク: 歩行者優先の意識は中南米の中では高い方ですが、サンティアゴ等の都市部では右折車が歩行者を無視して突っ込んでくることが多々あります。横断歩道であっても車両が完全に停止したことを確認してから渡ってください。また、信号無視をする車両も散見されるため、夜間の横断は特に注意が必要です。
公共交通: 地下鉄(メトロ)は非常に近代的で整備状況も良好ですが、駅構内や車内でのスリが多発しています。長距離バスは車両の質が高いものの、ターミナルでの荷物盗難(足元に置いたバッグを盗まれる等)が頻発しています。夜間の長距離移動では、信頼できる大手バス会社(TurBusなど)を選び、貴重品は常に身につけてください。
地域別ガイド
サンティアゴ首都圏 (Región Metropolitana)
レベル 3チリの政治・経済・文化の中心地です。近代的な高層ビルが立ち並ぶラス・コンデス地区と、歴史的な建造物が残るセントロ地区が共存しています。世界的なワイナリーも近郊にあり、都市機能は極めて高いです。しかし、近年の組織犯罪の増加により、セントロ周辺や夜間の治安は警戒が必要です。
主要都市: サンティアゴ, プエンテ・アルト, サン・ベルナルド
特有リスク:
- ・路上でのスマホひったくり (Lanzazo)
- ・ケチャップ詐欺などの組織的窃盗
- ・夜間の中心部での武装強盗
アタカマ砂漠・北部 (Norte Grande)
レベル 3世界で最も乾燥した砂漠が広がるエリアです。サン・ペドロ・デ・アタカマを拠点に、月の谷や間欠泉、美しい星空を楽しむことができます。アリカやイキケは海岸沿いの観光地ですが、ペルー・ボリビア国境に近く、非正規移民や薬物密売ルートとなっているため、治安が悪化している都市もあります。
主要都市: アントファガスタ, イキケ, アリカ
特有リスク:
- ・国境付近の組織犯罪リスク
- ・夜間のバスターミナルでの荷物盗難
- ・高山病や極度の乾燥による健康被害
バルパライソ・中央海岸 (Zona Central)
レベル 4世界遺産に登録された港町バルパライソと、高級リゾートのビーニャ・デル・マルが有名です。バルパライソは坂道に並ぶカラフルな家々とストリートアートが魅力ですが、近年は観光客を狙った凶悪強盗が多発しており、チリで最も警戒を要する地域の一つとなっています。
主要都市: バルパライソ, ビーニャ・デル・マル, カサブランカ
特有リスク:
- ・観光ルートを外れた路地での武装強盗
- ・夜間の海岸沿いや階段付近での襲撃
- ・車上荒らしやタクシー料金トラブル
湖沼地帯・中南部 (Zona Sur)
レベル 3火山、湖、森林が広がる風光明媚な地域で、ドイツ移民の影響を受けた美しい街並みが残っています。アウトドア活動が盛んで、比較的治安は安定していますが、アラウカニア州など一部地域では先住民マプチェ族の過激派による土地紛争に関連した襲撃事件が継続しています。
主要都市: テムコ, プエルト・モント, バルディビア
特有リスク:
- ・アラウカニア州周辺での車両焼き討ち・封鎖
- ・火山活動の活発化による入山規制
- ・夏季の乾燥による大規模な森林火災
パタゴニア (Zona Austral)
レベル 1トーレス・デル・パイネ国立公園や氷河を抱える、世界中のハイカーが憧れる地です。都会の喧騒から離れており、チリで最も治安が良い地域と言えます。プエルト・ナタレスやプンタ・アレナスを拠点に大自然を満喫できますが、天候が非常に厳しく、自然の脅威に対する準備が必要です。
主要都市: プンタ・アレナス, プエルト・ナタレス, コヤイケ
特有リスク:
- ・突発的な強風や悪天候による遭難
- ・ピューマなどの野生動物との遭遇
- ・医療施設までのアクセスの悪さ
経済・物価情報
経済概要
チリは南米で最も安定し、豊かな経済を持つ国の一つです。主要産業は世界最大の生産量を誇る銅の採掘で、近年はリチウムなどのクリーンエネルギー素材の輸出も拡大しています。OECD加盟国であり、高い所得水準と一人当たりGDPを維持していますが、国内の所得格差が社会問題の背景にあります。2025年以降、インフレ率は4%台で推移しており、物価は他の中南米諸国と比較して高めに設定されています。経済成長は鉱業の市況に左右されやすい側面がありますが、金融政策の透明性は高く評価されています。
生活費・物価
旅行者にとってのコストは南米で最高水準です。食事に関しては、安食堂のランチセット(Colacion)で約7,000〜10,000ペソ(約1,100〜1,600円)、標準的な夕食は20,000ペソ以上かかります。宿泊はホステルのドミトリーで15,000ペソ〜、中級ホテルで70,000ペソ〜が目安です。交通費は、サンティアゴの地下鉄やバスが1回800ペソ程度と比較的安価ですが、長距離バスや国内線は移動距離が長いため、早期予約をしないと予算を圧迫します。パタゴニア地方は輸送コストがかかるため、サンティアゴの1.5倍程度の物価になります。
通貨情報
通貨はチリ・ペソ(CLP)です。紙幣は1,000、2,000、5,000、10,000、20,000ペソの5種類。クレジットカードはVisaとMastercardが広く普及しており、都市部のスーパーや小さな商店でも利用可能です。両替は銀行よりも市中の「Casas de Cambio」の方がレートが良い傾向にあります。ATMでのキャッシングも一般的ですが、1回につき5,000〜8,000ペソ程度の高いATM手数料が発生する場合が多いです。偽札対策として、タクシーなどでは大きな額の紙幣ではなく小額紙幣を常に用意しておくことが推奨されます。
チップガイド
レストランでは、合計金額に10%のサービス料(Propina Sugerida)が自動的に含まれることが一般的です。これは「推奨」であり強制ではありませんが、特別な不満がない限り支払うのがマナーです。タクシーでのチップは基本的に不要ですが、端数を切り上げて支払うとスマートです。ホテルのポーターやツアーガイドには、サービスの内容に応じて1,000〜3,000ペソ程度を渡すのが一般的です。セルフサービスの店やスーパーではチップの必要はありません。
予算ガイド
バックパッカー予算(1日50〜70ドル): ドミトリー宿泊、市場や自炊、地下鉄利用。ミドルレンジ予算(1日120〜200ドル): 中級ホテル、毎日レストランでの食事、主要な有料ツアー参加、国内線移動。ラグジュアリー予算(1日400ドル以上): 5つ星ホテルやワイナリー直営の宿泊施設、高級車によるプライベート送迎、パタゴニアでのオールインクルーシブ宿泊。イースター島やトーレス・デル・パイネ国立公園を訪れる場合は、航空券や入園料で別途大きな支出が必要になるため、余裕を持った計画が求められます。
文化・マナー情報
歴史的背景
チリの歴史は、先住民マプチェ族がアンデス南部を支配していた時代に遡ります。16世紀にスペインによる植民地化が始まりましたが、マプチェ族は激しく抵抗し続けました。1818年のベルナルド・オヒギンスらによる独立達成後、チリは近代国家として成長。20世紀後半にはピノチェト将軍による軍事独裁政権(1973-1990年)を経験し、この時期の政治的分断は今なお社会に深い影を落としています。1990年の民主化以降は経済成長と安定を追求してきましたが、2019年の大規模な社会騒乱を経て、現在は新しい憲法制定や社会改革を巡る議論が続いており、国民の政治意識は非常に高いです。
社会規範・マナー
チリ人は一般的におもてなしの精神に溢れ、親切です。挨拶は非常に重要で、親しい間柄では頬に一度キスをする(女性同士、または男女間)のが一般的です。時間に関しては「チリ・タイム」と呼ばれるほど寛容で、プライベートな集まりでは予定より30分から1時間遅れて到着するのが普通ですが、ビジネスやツアーの出発は比較的正確です。注意すべき点として、政治(特にピノチェト時代)や宗教、2019年のデモに関する議論は非常にセンシティブであるため、旅行者が安易に立ち入るべきではありません。また、公共の場での過度な飲酒や大声での会話は避けるべきとされています。
宗教・慣習
キリスト教カトリックが約6割を占めており、カトリックの価値観が社会や法律(離婚、中絶の制限など)に強く影響を与えてきました。しかし近年は世俗化が進み、特に都市部では宗教への関心が薄れています。日曜日は多くの商店が閉まり、家族と過ごす日とされています。カトリックの祭日は祝日となり、特に9月の独立記念日(フィエスタス・パトリアス)は一年で最大の祝祭として、伝統料理の「エンパナーダ」を食べ、「クエカ」と呼ばれるダンスを踊ります。教会を訪問する際は、静粛に保ち、露出の多い服装を避けるのが礼儀です。
宿泊・食事ガイド
宿泊ガイド
都市部では高級ホテルからブティックホテル、バックパッカー向けホステルまで多様です。サンティアゴではラス・コンデスやプロビデンシア地区の宿泊が治安面で推奨されます。パタゴニア地方では、国立公園内のホテルは数ヶ月前から予約が埋まり、非常に高額です。ホステルを利用する場合は、ロッカーが完備されているか、口コミでセキュリティ状況を確認してください。チェックイン時にパスポートと入国時のツーリストカードを提示することで、宿泊費にかかる19%の消費税(IVA)が免除される仕組みがあるため、必ず原本を提示しましょう。
食事ガイド
チリ料理は新鮮なシーフードと肉、ワインが主役です。「パステル・デ・チョクロ(トウモロコシのグラタン)」や「エンパナーダ」は必食です。また、チリ流のホットドッグ「コンプレト(アボカドたっぷり)」は国民的な軽食です。レストランでは10%のチップが期待されます。水道水は飲用可能ですが、石灰分が多いためボトル入りのミネラルウォーター(Agua mineral)を推奨します。ガス入り(Con gas)かガスなし(Sin gas)かを選んで注文します。また、夕食の時間は20時以降と遅めなのが一般的です。
実用情報
通信・SIM
チリの通信環境は南米最高水準です。主要な通信会社はEntel、Movistar、WOMです。プリペイドSIMカード(Chip)はスーパーや薬局、空港で購入可能。10GB程度のデータプランが数千ペソで利用できます。購入時に身分証登録が必要な場合があるため、パスポートを持参しましょう。主要都市では4G/5Gが安定していますが、パタゴニアや砂漠の深部では圏外になることが多いため、オフラインマップの準備が必須です。
銀行・ATM
ATM(Redbanc)はどこにでもあります。キャッシング1回につき4,000〜9,000ペソの手数料がかかるため、一度に引き出せる最大額(通常20万ペソ程度)を引き出すのが効率的です。スキミング被害を防ぐため、銀行併設のATMを昼間に利用し、背後には十分注意してください。クレジットカード決済(Transbank)は非常に普及しており、屋台以外ではカードが使えることが多いため、多額の現金を持ち歩く必要はありません。
郵便・配送
公営郵便のCorreos Chileが主要です。ハガキを日本に送る場合、到着まで2〜4週間かかります。荷物の発送も可能ですが、紛失リスクや遅延があるため、重要な書類や高価なものはDHLやFedExの利用を推奨します。郵便局の窓口ではスペイン語のみの対応が多いです。
電源・アダプター
電圧は220V、周波数は50Hz。日本の電化製品をそのまま使うと故障・発火の恐れがあるため、変圧器が必要です(最近のスマホ充電器などは対応済)。プラグ形状はC型(丸2ピン)またはL型(丸3ピン)で、日本とは異なります。変換アダプターを準備してください。
洗濯サービス
都市部には「Lavanderia」と呼ばれるクリーニング店が多数あります。キロ単位で料金が決まることが多く、朝出すと夕方には畳まれた状態で返ってきます。ホステルでも洗濯サービスを提供していることが多いです。
公衆トイレ
「Baño publico」と呼ばれます。ショッピングモールやガソリンスタンドで利用可能ですが、多くの場合有料(300〜500ペソ程度)で、トイレットペーパーを入口で購入または受け取る形式です。紙は流さず、備え付けのゴミ箱に捨ててください。
主要都市ガイド
サンティアゴ
Santiago
アンデス山脈の麓に広がるチリの首都。高層ビルが並ぶ金融街サンハタン(ラス・コンデス)から、サンタ・ルシアの丘などの歴史スポットまで見所が多い。地下鉄は非常に清潔で効率的だが、車内や主要駅(Estacion Central等)でのスリが多発。夜間の旧市街やプラサ・デ・アルマス周辺は浮浪者や犯罪者が増えるため、一人歩きは避けるべきである。
主な観光地:
サン・クリストバルの丘, プラサ・デ・アルマス, プレコロンビア美術館, スカイ・コスタネラ
避けるべきエリア:
- ・エスタシオン・セントラル(中央駅)周辺
- ・夜間のメイグス地区
- ・バリオ・ユンガイの路地裏
ベストシーズン: 3月〜5月(秋)および9月〜11月(春)
詳細ページへ →バルパライソ
Valparaiso
「太平洋の真珠」と称される港町。急斜面に張り付く色鮮やかな家々と迷路のような階段、多数の壁画が美しいが、治安はチリ最悪レベル。観光客を狙った武装強盗が昼夜問わず発生しており、高価な機材を見せて歩くのは厳禁。特定の Cerro(丘)以外に迷い込むと非常に危険。特に港周辺や古い教会付近は死角が多く、警戒が必要。
主な観光地:
アセンソール(昇降機), パブロ・ネルーダの家(ラ・セバスティアーナ), コンセプシオンの丘, ストリートアート巡り
避けるべきエリア:
- ・夜間の海岸通り全域
- ・セロ・ポランコなどの非観光地化された丘
- ・プラサ・エチャウレン周辺
ベストシーズン: 12月〜3月(夏)
詳細ページへ →サン・ペドロ・デ・アタカマ
San Pedro de Atacama
アタカマ砂漠観光の拠点となる小さな村。住民の多くが観光業に従事しており、治安は極めて良好。夜間の星空観察ツアーなども安心して参加できる。ただし、砂漠ツアー中に車を離れる際は車上荒らしに注意。また、ボリビアへの国境越えルートでは非正規の動きがあるため、公式なツアー以外は利用しないことが鉄則。
主な観光地:
月の谷, タティオ間欠泉, セハス湖, アルマ天文台(要予約)
避けるべきエリア:
- ・村外れの未舗装路(夜間)
- ・非公式な国境越えルート
ベストシーズン: 通年(特に3月〜12月)
詳細ページへ →交通詳細ガイド
国内線フライト
南北に長いチリでは、国内線航空機が主要な移動手段です。最大手のLATAM、格安航空会社のSky Airline、JetSmartの3社が競合しており、主要都市間を頻繁に結んでいます。サンティアゴ空港(SCL)がハブとなり、地方都市へは1〜4時間で到着します。航空券は早期予約でバス並みに安くなることがありますが、LCCは機内持ち込み手荷物のサイズ制限が非常に厳しく、空港での追加料金は高額です。また、天候が厳しいパタゴニア方面への便は遅延や欠航が発生しやすいため、乗り継ぎには十分な余裕を持たせる計画が必要です。空港への移動は公式タクシーまたは配車アプリが推奨されます。
鉄道・バス
チリには長距離旅客鉄道がほとんど存在せず(サンティアゴ〜チルラン間のみ運行)、長距離バスが国民の足となっています。TurBusやPullman Busなどの大手運行会社があり、座席クラスは「Semi-Cama(リクライニングあり)」や「Salon Cama(ほぼフルフラット)」から選べます。特に夜行バスのSalon Camaは非常に快適で、移動費と宿泊費を節約できます。バスターミナル(Terminal de Buses)はサンティアゴに複数あり、目的地によって異なります。ターミナル内は非常に混雑し、置引きやスリの温床となっているため、荷物から目を離さないことが重要です。チケットはオンラインでの事前購入が一般的です。
レンタカー・配車サービス
主要都市や空港でレンタカーの利用が可能です。主要道路(Ruta 5)は整備されており運転しやすいですが、高速道路料金は電子タグ(TAG)方式のため、返却時に精算が必要です。パタゴニアや北部砂漠では4WD車が必須で、ガソリンスタンドの間隔が非常に長いため、給油タイミングに注意が必要です。都市部ではUber、Cabify、DiDiなどの配車アプリが広く普及しており、流しのタクシーより安く、安全で、行き先の説明も不要なため、旅行者には強く推奨されます。特にサンティアゴやバルパライソでは、登録外のタクシーによるぼったくりやカード詐欺を避けるため、アプリ利用が事実上の標準です。
交通リスク評価
航空機は極めて安全。長距離バスも事故率は低いが、車内での手荷物盗難(足元に置いたバッグを後ろから抜き取る等)が多発しています。公共交通機関利用時は、貴重品を抱えて寝る、ワイヤーロックで固定するなどの対策が必要です。夜間のバスターミナル周辺は極めて治安が悪いため、到着・出発時の移動は配車アプリを利用し、ターミナル内での滞在時間を最小限にしてください。
都市別交通ガイド
Santiago
地下鉄: 南米で最も近代的で清潔な地下鉄。5路線以上あり。利用にはbip!カードが必須。
バス: Redと呼ばれる公営バス。メトロと共通のbip!カードで乗車可能。現金不可。
タクシー: 公式の黒と黄色のタクシー。ただしUberやCabifyの方が確実で安全。
徒歩・自転車: プロビデンシア周辺は自転車道が整備されている。歩きスマホは厳禁。
費用目安: 地下鉄1回約800ペソ。Uber市内移動 4,000〜8,000ペソ。
大使館・長期滞在情報
在外公館ネットワーク
在チリ日本国大使館
Embassy - Santiago
住所: Av. Ricardo Lyon 520, Providencia, Santiago
電話: +56-2-2232-1807
管轄: チリ全土
緊急対応: 24時間対応(閉館後は緊急電話窓口へ転送)
領事サービス
大使館では、日本人の安全確保、パスポートの更新・紛失対応、証明書の発行、戸籍事務などを行っています。チリで犯罪被害に遭った場合、大使館は直接の捜査権はありませんが、現地警察への届出方法のアドバイスや、日本語ができる弁護士・医師の紹介などの支援を提供します。特にパスポート盗難時には、帰国のための渡航書発行に「警察の発行する紛失届原本」が必要となるため、速やかな連絡が求められます。メールマガジンや「たびレジ」による治安情報の配信も重要なサービスです。
長期滞在ビザ
日本人は観光目的で90日以内の滞在であればビザ不要です。滞在の延長(さらに90日)は、チリ国内の移民局(Servicio Nacional de Migraciones)のオンラインサイトで申請し、手数料約100ドルを支払うことで可能です。90日以上の就労や留学を目的とする場合は、必ず日本出国前に在日チリ大使館で適切な一時滞在ビザ(Residencia Temporal)を取得する必要があります。入国後のビザ切り替えは以前より厳格化されており、専門的なアドバイスが必要です。オーバーステイには高額な罰金が科せられます。
リモートワーク・デジタルノマド
チリはデジタルノマドに非常に適した環境です。サンティアゴやバルパライソには高速WiFi完備のコワーキングスペースが多数あり、インフラが安定しています。2024年現在、特定の「ノマドビザ」制度はありませんが、90日間の観光ビザ(またはその延長)の範囲内でリモートワークを行うことが一般的です。ラス・コンデス地区などは治安が良く、長期間の滞在に向いています。生活費は中南米では高めですが、生活の質(食、ワイン、インフラ)はそれに見合う水準です。
ビジネスビザ
短期の出張や商談であれば、観光目的と同じビザ免除(90日以内)の範囲内で活動可能です。ただし、現地で報酬を得る場合や長期のプロジェクトに従事する場合は、就労ビザの取得が必須となります。チリのビジネス慣習は中南米の中では非常にフォーマルで、スーツの着用や名刺交換が重視されます。契約書や公的書類には公証人(Notaria)の署名が必要なケースが多く、手続きには時間がかかることを念頭に置く必要があります。
推奨防犯装備
マネーベルト・セキュリティポーチ
必須防犯グッズ
サンティアゴやバルパライソでのひったくり対策として、パスポートや予備のカード、高額紙幣を肌身離さず衣服の下に隠して保持するために必要です。
ダミー財布
推奨防犯グッズ
万が一、武装強盗に遭遇した際に差し出すための財布です。少額の現金と期限切れのカードを入れておくことで、被害を最小限に抑えつつ相手を納得させます。
ワイヤーロック・南京錠
推奨防犯グッズ
長距離バスでの移動中、網棚や足元に置いた荷物が盗まれるのを防ぐために、座席や車体の一部に固定するために使用します。
モバイルバッテリー(高容量)
推奨通信機器
配車アプリでの移動が基本となるため、スマートフォンの電池切れは命取りになります。パタゴニアなどの寒冷地では電池消耗が早いため特に重要です。
スペイン語会話帳・オフライン辞書
必須通信機器
警察や医療機関では英語が通じないことが多いため、緊急時の意思疎通に不可欠です。Google翻訳のオフラインパックもダウンロードしておきましょう。
スキミング防止カードケース
推奨防犯グッズ
地下鉄や混雑した市場で、非接触型決済を悪用したカード情報の抜き取り(スキミング)を防ぐために、RFIDブロック機能付きのケースが必要です。
消毒用アルコール・除菌ウェットティッシュ
オプション衛生用品
地方都市や山岳地帯のトイレ、あるいは屋台で食事をする際の衛生管理に役立ちます。チリの薬局でも入手可能ですが、持参すると安心です。
海外旅行保険の付帯カード・英文証明書
必須保険
チリの私立病院は医療水準が高い一方で費用が非常に高額です。治療前に支払能力を確認されるため、保険の英文証明書を携帯してください。
旅行者タイプ別ガイド
女性旅行者向けガイド
チリは女性一人旅も可能ですが、中南米特有の男性優位主義(マチスモ)が残っており、路上での執拗な視線や声掛け(Piropo)を受けることがあります。これらは無視するのが一番の対策です。夜間の移動は必ず配車アプリを利用し、一人での歩行は避けてください。サンティアゴのラス・コンデスやプロビデンシアといった治安の良い地区に滞在し、ホステルを選ぶ際は女性専用ドミトリーがあるかを確認しましょう。また、飲み物から目を離さない(薬物混入対策)といった基本的な自己防衛も不可欠です。万が一の際は、女性専用の支援ライン(電話1455)もありますが、対応はスペイン語のみです。
LGBTQ+旅行者向けガイド
チリは南米の中でLGBTQ+の権利が比較的守られている国の一つです。2022年には同性婚も法制化されました。サンティアゴのプロビデンシアやベジャビスタ地区には、フレンドリーなバーやクラブが多数存在します。公の場での愛情表現も、都市部では一般的に受け入れられていますが、保守的な地方都市や農村部では、過度な表現は控えめにするのが無難です。物理的なヘイトクライムは稀ですが、治安が悪化しているエリアでは「目立つこと」自体が犯罪のターゲットになるリスクを高めるため、夜間の行動範囲には注意が必要です。全般的に、偏見よりも一般犯罪への警戒の方が重要です。
家族・シニア旅行者向けガイド
家族旅行やシニア世代にとって、チリは非常に魅力的な目的地です。地下鉄や公共施設には優先席があり、子供連れや高齢者に対して社会全体が寛容で親切です。パタゴニアやアタカマ砂漠へのツアーも、体力に合わせて選べるプライベートオプションが充実しています。健康面では、アンデス山脈や北部の高地を訪れる際の「高山病」に注意し、余裕のあるスケジュールを組むことが重要です。また、チリの歩道は凸凹が多く、バルパライソのような坂の多い街は足腰への負担が大きいため、移動にはタクシーを多用することをお勧めします。私立病院の質は高く、万が一の際も安心ですが、高齢者の場合は既往症に対する十分な補償がある海外旅行保険への加入が絶対に不可欠です。
安全に関するよくある質問
夜にタクシーを拾うのは安全ですか? ▼
流しのタクシーは避けるべきです。UberやCabifyなどの配車アプリを利用してください。これらはルートが記録され、ドライバー情報も明確なため、犯罪抑止力になります。
バルパライソでの観光は本当に危険ですか? ▼
非常に注意が必要です。観光客が多く歩く特定の丘(Cerro Alegre等)は日中であれば警察もいますが、カメラやスマホを出しっぱなしにするのは厳禁です。夜間は極めて危険です。
実用的なよくある質問
bip!カードはどこで買えますか? ▼
地下鉄駅の窓口や自動販売機で購入可能です。カード自体の価格は1,550ペソで、それに運賃をチャージして使用します。バスとメトロの乗り継ぎ割引もあります。
イースター島へ行く際の注意点は? ▼
現在は入島前にオンラインでの「FUI」登録、往復航空券、Sernatur認定の宿泊予約、ガイド同伴が必要です。検疫も非常に厳しいため、生ものの持ち込みは一切できません。
チリの治安に関するよくある質問
チリの治安は良い?悪い? ▼
チリは中南米諸国の中では比較的良好な治安を維持していますが、2026年現在は転換期にあります。警察の組織力は高く法治国家として機能していますが、近年は国際犯罪組織の進出により、サンティアゴなどの都市部で殺人や強盗といった凶悪犯罪が増加傾向にあります。以前ほどの「絶対的な安全」はないと考え、常に周囲を警戒する必要があります。
チリで危険な地域はどこ? ▼
特に注意が必要なのは、サンティアゴ中心部(メイグス地区、アルマス広場周辺)、バルパライソの観光ルート外、北部国境都市のアリカやイキケです。これらの地域では強盗や組織犯罪のリスクが高まっています。また、南部のアラウカニア州では先住民過激派による焼き討ちや道路封鎖が頻発しており、非常に危険なエリアとされています。
チリ旅行はやばい?本当に行って大丈夫? ▼
適切にリスクを管理すれば旅行は可能ですが、一部の「やばい」エリアには近づかないことが鉄則です。サンティアゴ東部のラス・コンデス地区や、南部パタゴニア地方は依然として安全に観光を楽しめます。ただし、2026年3月の政権交代に伴う抗議デモや、社会的な混乱が発生する可能性があるため、渡航直前まで最新の情勢を確認することが重要です。
チリは女性一人でも怖くない? ▼
日中の明るい時間帯に主要な観光地を巡る分には、過度に「怖い」と感じる必要はありません。ただし、夜間の独り歩きは都市部では避けるべきです。移動には信頼できる配車アプリ(Uber等)を利用し、公共交通機関での居眠りは厳禁です。地元の女性も避けるような治安の悪い路地には迷い込まないよう、宿泊先の選定には十分な予算をかけることを推奨します。
チリでスリに遭わないための対策は? ▼
スリ対策として、スマートフォンを路上で露出させないことが最も重要です。バッグは体の前に抱え、ファスナーに鍵をかけるか、人混みでは常に手を添えてください。ケチャップのような液体をかけられる「汚し屋」の手口にも注意が必要です。親切を装って近づいてくる人物がいても、決して隙を見せず、速やかにその場を離れることが最大の防御となります。
チリで多い詐欺の手口は? ▼
偽警察官による所持品検査を装った盗難や、タクシーの不当な高額請求、ATMでのスキミングなどが報告されています。特に空港やバスターミナルでの非正規タクシーには注意が必要です。また、親切を装ってパンク修理を申し出、その隙に車内の荷物を奪う手口も増えています。怪しい誘いには応じず、正規のサービスを利用することを徹底してください。
チリで日本人が巻き込まれやすい犯罪は? ▼
日本人は「多額の現金を持っている」「警戒心が薄い」と見なされやすく、スリやひったくりの標的になりがちです。また、レストランで椅子にかけたバッグを盗まれる「置き引き」や、歩行中に背後からバイクで近寄ってバッグを奪う「ひったくり」も多発しています。最近では、夜間の路上で銃器や刃物を用いた強盗被害に遭うケースも出ており、抵抗しないことが命を守るために不可欠です。
チリ旅行で注意すべきことは? ▼
最大の注意点は、警察への賄賂が一切通用せず、逆に逮捕されるという点です。チリの警察(カラビネーロス)は非常に厳格です。また、政治的なデモや集会には絶対に近づかないでください。2026年の政権交代期は衝突が予想されます。さらに、野犬が多い地域では狂犬病のリスクがあるため、動物には触れないよう心がけてください。標高の高い地域では高山病への対策も必要です。
チリで起こりやすいトラブルは? ▼
バスターミナルや地下鉄での荷物紛失、ストライキによる交通機関の麻痺、南部での道路封鎖などが代表的なトラブルです。特にサンティアゴ中心部では、突然のデモにより地下鉄駅が閉鎖されたり、催涙弾が使用されることもあります。また、レンタカーの車上荒らしも非常に多いため、短時間の停車でも車内に貴重品を放置しないよう徹底してください。
チリで被害に遭ったらどうする? ▼
速やかに最寄りの警察署(Carabineros)へ行き、被害届(Parte Policial)を作成してもらってください。これは保険請求や再発行手続きに必須です。緊急時は133番(警察)に電話しましょう。また、パスポートを紛失した場合は、サンティアゴにある在チリ日本大使館に連絡し、帰国に向けた手続きを行ってください。言葉に不安がある場合は、ホテルのスタッフに協力を仰ぐのがスムーズです。
チリの治安詳細
チリの治安概要
チリは長年、南米で最も安定した治安を誇ってきましたが、2026年現在は組織犯罪の流入により警戒が必要な状況です。法治主義が浸透しており警察への信頼は厚いものの、国際犯罪組織による殺人や強盗が急増しています。サンティアゴの一部や北部国境地帯を除けば、パタゴニアなどの観光地は依然として比較的安全ですが、以前のような過信は禁物です。政権交代に伴う社会情勢の変化も注視すべき点であり、基本的な防犯意識を常に維持することが求められる国となっています。
チリは危険?やばい?
「チリは危険?やばい?」という疑問に対し、特定の地域では「非常にやばい」と言わざるを得ません。サンティアゴのメイグス地区やアルマス広場などの中心部は、組織的なスリや武装強盗が昼夜を問わず発生しており警戒レベルが高いです。また、南部のアラウカニア州は、先住民の土地問題に関連した過激派によるテロに近い行為(焼き討ちや銃撃)が続いているため、非常に危険です。一方で、高級住宅街や自然豊かな観光地は、注意を払えば安全に過ごせるため、行き先選びが命運を分けます。
チリは怖い?一人旅でも大丈夫?
南米一人旅で「怖い」と感じる女性や初心者の方にとって、チリはインフラが整っているため比較的扱いやすい国ですが、防犯の徹底が前提です。夜間の独り歩きや、人通りの少ない裏通り、中心部のバスターミナル周辺は、実際に犯罪のリスクが高く「怖い」場所になり得ます。宿泊先をラス・コンデスなどの安全な東部地区に設定し、移動には信頼できる配車アプリ(Uber等)を徹底して利用することで、リスクは大幅に下げられます。現地の情勢に敏感になり、現地の人が警戒している場所には近づかないことが肝要です。
スリ・詐欺・犯罪の実態
チリでの主な犯罪は、組織化されたスリ、ひったくり、車両強奪、そして巧妙な詐欺です。特に「汚し屋」と呼ばれる、通行人に液体をかけて動揺した隙に荷物を奪う手口は古典的ながら今も多発しています。近年深刻なのは「トレン・デ・アラグア」等の国際組織犯罪による影響で、銃器を用いた車両強奪(エンボスカータ)や誘拐、強盗事件が増加しています。バルパライソなどの世界遺産都市でも、一本路地を入ると武装した強盗が待ち構えていることがあり、観光ルートを外れることは極めて危険です。また、公共交通機関での組織的な集団スリにも警戒が必要です。
地域別の危険度
地域別の危険度サマリーとして、サンティアゴ中心部はスリ・強盗多発の「レベル3」警戒区域です。対照的に東部のラス・コンデスなどは「レベル1」で比較的平穏です。北部国境のアリカやイキケは移民問題と組織犯罪が絡み、夜間の外出が極めて危険な「レベル3」です。港町バルパライソは観光地でありながら強盗が非常に多いため、路地裏への進入は厳禁です。最も深刻なのは南部のアラウカニア州を中心とした地域で、非常事態宣言が継続しており、主要国道以外での移動は焼き討ちや銃撃のリスクがあるため、事実上の渡航中止勧告レベルの注意が求められます。
チリ旅行で注意すべきポイント
旅行者が注意すべき第一のポイントは、警察官(カラビネーロス)に決して賄賂を渡そうとしないことです。チリの警察は清廉で、賄賂は即逮捕につながります。次に、2026年3月の新政権発足に伴う大規模なデモや集会です。平和的な集会であっても、暴徒化や警察との衝突が発生しやすいため、デモ隊を見かけたら即座に避難してください。また、財布やスマートフォンをズボンのポケットに入れるのは「盗んでください」と言っているようなものです。貴重品はセキュリティポーチに入れ、衣服の下に隠すなどの物理的な対策が必須です。
よくあるトラブル事例
実際のトラブル事例として、サンティアゴの地下鉄で複数の人物に囲まれ、一人がわざと足元にコインを落とし、注意を逸らされた一瞬にバッグの中の財布を盗まれたケースがあります。また、レンタカーで観光中、信号待ちの際に窓ガラスを割られ、助手席のバッグを強奪される事件も報告されています。南部では、レンタカーで走行中に倒木による道路封鎖に遭遇し、過激派グループに車両を没収・焼き討ちされるといった、生命に関わる重大なトラブルも発生しており、特定の地域への立ち入りがいかに危険かを物語っています。
被害に遭った場合の対応
被害に遭った際は、すぐに警察(Carabineros)へ連絡し、盗難証明書などの公的書類を作成してもらってください。緊急通報は「133」です。チリの警察は比較的協力的ですが、スペイン語でのやり取りが必要になるため、翻訳アプリやホテルの通訳サポートを活用してください。パスポート紛失時は、サンティアゴの日本大使館で「帰国のための渡航書」等の発行が必要です。クレジットカードの停止手続きも早急に行いましょう。また、精神的なショックが大きい場合は、海外旅行保険の付帯サービスで日本語での相談や医療機関の紹介を受けることを強くお勧めします。