総合評価
主要観光地は厳重な警備により安定していますが、経済悪化に伴う詐欺や窃盗が頻発しています。地域によりリスクの差が極端で、シナイ半島等の特定地域は非常に危険です。
身体的安全 (C+)
凶悪犯罪の発生率は低いものの、2024年にはアレクサンドリアで警察官による観光客銃撃事件が発生するなど、政治的・宗教的背景を持つ突発的な暴力リスクが完全に排除できません。
医療・衛生 (C-)
水道水は飲用不可で、ナイル川での住血吸虫症リスクや食中毒(ピラミッド・ベリー)が一般的です。カイロ等の大都市を除き、地方の医療水準は低く、緊急輸送が必要になる場合があります。
詐欺・スリ (D+)
ギザのピラミッド周辺や市場での詐欺、強引な客引きは世界最悪レベルです。無料を謳うギフトやラクダ乗り、偽のチケット確認など、旅行者を標的にした金銭トラブルが絶えません。
テロリスク (D)
シナイ半島北部でのIS系組織の活動や、リビア国境付近での武装勢力のリスクが継続しています。都市部でも単独犯による宗教施設や軍・警察施設への攻撃に対して高度な警戒が必要です。
最新インテリジェンスレポート
エジプトの治安情勢は、エルシーシ政権の強力な治安維持政策により、主要都市や紅海沿岸のリゾート地では表面的な平穏を保っています。しかし、ガザ紛争や周辺国の不安定化、国内の極度なインフレという三重苦が治安の潜在的な不安定要素となっています。観光地ではツーリスト・ポリスが広範囲に配置されていますが、これは主に凶悪犯罪や政治的な混乱を防ぐためのものであり、旅行者を日常的に悩ませる詐欺や軽犯罪の抑止には十分機能していません。2025年後半の大エジプト博物館(GEM)全面開館に向けて警備はさらに強化される見通しですが、経済困窮に伴う一般市民の不満が軽犯罪の動機となっており、特に単独の女性旅行者やアジア系旅行者に対する嫌がらせや金銭トラブルが深刻な課題となっています。
背景分析
政治面では、2023年末に再選されたエルシーシ大統領が軍の支持を背景に強固な支配を維持しており、大規模なデモや暴動は法律で厳しく制限されています。一方で、経済状況は深刻で、通貨エジプト・ポンドの急落と30%を超える記録的なインフレが国民生活を圧迫しています。この経済的不安定さは、観光客を「外貨獲得の源」とみなす風潮を強め、執拗な客引きや詐欺的行為の増加に直結しています。地域情勢では、隣接するガザ地区の戦闘がエジプト国内の宗教感情を刺激しており、特にイスラエル関連施設や欧米系チェーン店周辺での緊張が高まっています。また、スーダン内戦による難民流入やリビア国境からの武器密輸も潜在的なリスクです。社会的には、依然として女性に対する性的嫌がらせが社会問題となっており、外国人女性も例外ではありません。当局はデジタル監視を強化しており、SNSでの政府批判や社会不安を煽る投稿は、外国人であっても逮捕・強制送還の対象となる厳格な管理体制が敷かれています。
重要ポイント
- 移動にはUberやCareem等の配車アプリを強く推奨。流しのタクシーは料金トラブルが不可避。
- ギザのピラミッド周辺では『親切な案内』は全て有料の勧誘と心得て無視を貫くべき。
- 軍・警察施設、橋、運河、公共施設の写真撮影は厳禁。スパイ容疑で拘束される恐れがある。
- ドローンの持ち込みは国防省の許可がない限り没収・逮捕の対象となる非常に重い犯罪行為。
- 女性の一人歩きは昼夜を問わずリスクを伴う。可能な限り集団で行動し、保守的な服装を。
- バクシーシ(チップ)の習慣を理解し、少額の紙幣を常に常備しておくことが円滑な旅のコツ。
- ナイル川や運河の水に触れることは住血吸虫症の感染リスクが高いため、絶対に避けること。
- ラマダン期間中は日中の飲食店の営業が制限され、日没直後は交通が極端に混雑する。
- 緊急時は『126』の観光警察へ。一般的な警察より英語が通じ、外国人保護に協力的。
- 処方薬を持ち込む場合は英文の診断書が必須。鎮痛剤が麻薬扱いされるケースがある。
各国政府の渡航情報
| 情報源 | 警戒レベル |
|---|---|
| 日本外務省 | レベル1〜3 |
| 米国務省 | Level 2: Exercise Increased Caution |
| 英国外務省 | Travel Advice Apply |
| カナダ政府 | Exercise a high degree of caution |
| ドイツ外務省 | Teilreisewarnung |
| フランス外務省 | Vigilance renforcée / Déconseillé |
地域別リスク評価
北シナイ県 (North Sinai)
極めて危険リスクISシナイ州(IS-SP)などのテロ組織が活発に活動しており、軍・警察との衝突が常態化。誘拐や爆発物による攻撃のリスクが極めて高く、立ち入りは厳禁です。
リビア国境地帯
極めて危険リスク国境から20km圏内は武器・薬物密輸の温床であり、テロリストの侵入経路となっています。エジプト軍が厳重に監視しており、誤爆や拘束の恐れがあるため非常に危険です。
西部砂漠 (Western Desert)
渡航自粛推奨リスク軍事作戦地域が含まれ、過去に観光客が軍による誤爆を受けた事件が発生しています。許可なく立ち入ることは不可能であり、ガイド付きであってもリスクが伴います。
ギザ・ピラミッド周辺
詐欺・軽犯罪多発リスク物理的危険は低いものの、強引な客引き、馬・ラクダ乗り詐欺、高額なバクシーシ要求が絶えません。精神的な負担が非常に大きく、警察の監視下でもトラブルが続発しています。
カイロ中心部(タハリール広場等)
十分注意リスクスリ、ひったくり、性的嫌がらせが多発。また、政治的敏感な時期には突発的な抗議活動や、治安当局による厳しい検問・所持品検査が行われることがあります。
南シナイ県リゾートエリア(シャルム等)
比較的安定リスクシャルム・エル・シェイクやダハブは検問により隔離された安全地帯ですが、内陸部への移動にはテロのリスクが伴うため、空路での移動が推奨されます。
ルクソール・アスワン
比較的安定リスク観光ポリスによる警備が最も厳重な地域です。詐欺的な勧誘は非常にしつこいですが、身体に危害が及ぶような凶悪犯罪は極めて稀なケースに限定されます。
アレクサンドリア
注意が必要リスク過去に外国人狙いの襲撃事件が発生。ガザ紛争に関連した抗議デモの拠点になりやすく、宗教施設や外国人向け施設の周辺では予期せぬトラブルに注意が必要です。
国内安全マップ
エジプト全土の治安は、政府による強力な軍・警察の支配下にあります。観光客は外貨獲得の重要資源として保護の対象となりますが、これは同時に詐欺師たちの格好の標的になることも意味します。地域ごとの危険度の差が激しく、特にシナイ半島北部やリビア・スーダン国境などの紛争隣接地域への接近は死活的なリスクを伴います。主要都市では物理的な凶悪犯罪よりも、交通事故や不衛生な飲食物、そして精神的な疲弊を招く客引きへの対策が実用的な安全管理となります。
政治・経済の中心地。スリや詐欺、交通事故が非常に多いです。特定の地区(ザマレク等)は安全ですが、大通り以外は注意が必要です。
リスク: スリ多発, 交通事故, 性的嫌がらせ
詳細ページへ →詐欺と強引な客引きのメッカ。物理的な暴力は少ないですが、金銭的なトラブルが絶えず、精神的な疲弊を伴うエリアです。
リスク: 観光詐欺, 不当なチップ要求, 強引な勧誘
詳細ページへ →テロ組織ISシナイ州の活動拠点。エジプト軍による対テロ作戦が継続中で、外国人への誘拐や攻撃のリスクが極めて高い立ち入り厳禁エリアです。
リスク: テロ攻撃, 誘拐, 戦闘巻き込み
武器密輸や武装勢力の侵入経路となっており、エジプト軍が厳戒態勢を敷いています。不法侵入と見なされ射殺・拘束される恐れがあります。
リスク: 武装勢力との遭遇, 軍による拘束, 地雷リスク
シナイ半島南端のリゾート地。周囲を検問所と壁で囲まれた要塞都市であり、観光客の安全は全土で最も高く保たれています。
リスク: サメ襲撃(一部ビーチ), 飲酒トラブル
詳細ページへ →ナイル川沿いの遺跡密集地。観光ポリスが密に配置されており非常に安全ですが、客引きのしつこさはピラミッドに次ぐレベルです。
リスク: 強引な客引き, 熱中症, 食中毒
詳細ページへ →地中海側の主要都市。宗教的な対立背景を持つ突発的な襲撃事件が過去に発生しており、公共の場での政治的・宗教的な言動は厳禁です。
リスク: 宗教的ヘイトクライム, 抗議デモ, 海難事故
詳細ページへ →観光地としては安全ですが、アクセスルートが軍の管理下にあり、常に検問と許可証が必要です。個人での勝手な行動は軍に拘束される原因となります。
リスク: 軍による制限, 遭難リスク, サソリ・蛇
南部の拠点。人々は比較的穏やかですが、観光警察の監視は必須です。アブシンベルへの移動はコンボイ(車列)を組む場合があります。
リスク: 長距離移動事故, 日射病, ナイル川の住血吸虫
詳細ページへ →犯罪・治安情報
犯罪統計
詐欺
リスク: 5/5多発エリア: ギザのピラミッドエリア, ハン・ハリーリ市場, ルクソール神殿周辺, カイロ考古学博物館入口
手口:
- 『今日は閉まっている』と嘘を教えて知人の店に誘導する
- 無料と言ってラクダに乗せ、降りる際に法外な額を請求する
- 親しげに握手をして小物を握らせ、受け取ったから買えと強要する
対策:
- 知らない人物からの声掛けには一切反応せず、目を合わせない
- 料金交渉は必ずサービスを受ける前に明確に行い、周囲に証人を置く
- 公的な身分証を持っていない自称警官の指示には従わない
観光地でのトラブル報告の約8割が詐欺や不当な請求に関連しています。
スリ・窃盗
リスク: 4/5多発エリア: カイロ地下鉄(メトロ)車内, ギザ駅・ラムセス駅, 混雑した市場, 観光バスの乗降場
手口:
- 複数人で取り囲み、一人が注意を逸らしている間に鞄から盗む
- 追い抜きざまにバッグのストラップを切り、バイクで逃走する
- ケチャップや泥を服にかけ、親切を装って拭いている間に盗む
対策:
- 貴重品は腹巻タイプのマネーベルトに入れ、外から見えないようにする
- 混雑した場所ではバッグを前抱えにする
- 多額の現金や高級時計を身につけない
経済悪化に伴い、特に都市部の公共交通機関での被害が増加傾向にあります。
性犯罪
リスク: 4/5多発エリア: 混雑した通り, 夜間の人通りの少ない路地, ビーチリゾートの周辺, 一部の安宿
手口:
- すれ違いざまの痴漢行為
- 執拗な付きまといや卑猥な言葉攻め
- マッサージやツアー案内を装った不適切な身体接触
対策:
- 肩や膝を隠す保守的な服装(長袖・長ズボン)を徹底する
- 地下鉄では必ず女性専用車両を利用する
- 夜間の一人歩きは避け、移動には信頼できる配車アプリを使う
女性旅行者の9割以上が何らかの嫌がらせを経験しているとの統計があります。
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リスク: 5/5多発エリア: カイロ市内主要幹線道路, 砂漠を横断する長距離道路, 紅海沿岸の沿岸道路
手口:
- 信号無視や車線無視による衝突
- 長距離バスのスピード出し過ぎと整備不良
- 歩行者の無理な横断による跳ね飛ばし
対策:
- 夜間の長距離バス移動は避け、信頼できるバス会社(Go Bus等)を選ぶ
- 道路を横断する際はエジプト人の後ろに付いて一緒に渡る
- 自分で運転することは避け、運転手付きの車両をチャーターする
エジプトでの死亡事故の主要な原因は交通事故であり、犯罪被害より確率が高いです。
健康・医療情報
ワクチン情報
エジプト入国に際して、黄熱汚染地域からの渡航者には黄熱予防接種証明書(イエローカード)が義務付けられています。それ以外の日本人渡航者には法的な義務はありませんが、現地の衛生環境や医療事情を考慮し、A型肝炎、B型肝炎、破傷風の接種が推奨されます。特にナイル川流域や地方都市へ訪問する場合は、経口感染症のリスクが極めて高いため、チフス等の予防も検討すべきです。また、野犬による狂犬病リスクも無視できないため、動物との接触を避けることが重要です。
| ワクチン | 必須/推奨 | 備考 |
|---|---|---|
| 黄熱病 | 必須 | 感染リスクのある国から入国、またはそれらの国の空港で12時間以上トランジットした9ヶ月以上の渡航者は、イエローカードの提示が必須です。入国時に提示できない場合は隔離対象となる可能性があるため、必ず携行してください。 |
| ポリオ | 必須 | アフガニスタン、パキスタン、ナイジェリアなどポリオ発生国から入国する場合、過去1年以内に接種した国際証明書が求められることがあります。日本からの直行便では通常不要ですが、経由地によっては注意が必要です。 |
| A型肝炎 | 推奨 | エジプト全土で経口感染のリスクがあります。特に屋台での食事や生野菜の摂取、不衛生な水を通じて感染するため、渡航前の接種が強く推奨されます。 |
| 破傷風 | 推奨 | 遺跡観光や砂漠でのアクティビティ中に怪我をした際、傷口から感染する恐れがあります。最後のアジュバント接種から10年以上経過している場合は、追加接種を推奨します。 |
| 狂犬病 | 推奨 | 都市部・地方問わず野犬や野良猫が多く、噛まれた場合のリスクが非常に高いです。地方ではワクチンや血清の入手が困難な場合があるため、長期滞在者は事前接種を検討してください。 |
| 傷寒(チフス) | 推奨 | 汚染された飲食物から感染します。衛生状態が十分でない地域へ行く場合や、現地の一般家庭で食事をする予定がある場合に推奨されます。 |
健康リスク
最も頻繁に見られるのは、不衛生な飲食物による下痢や食中毒、通称「ピラミッド・ベリー」です。アメーバ赤痢やA型肝炎のリスクも高く、加熱されていない食品の摂取には細心の注意が必要です。また、ナイル川や運河には住血吸虫が生息しており、泳ぐことはもちろん、手足を浸すだけでも皮膚から感染し、深刻な臓器障害を引き起こす可能性があります。デング熱については、ハルガダなど紅海沿岸部で散発的な発生が報告されており、蚊の対策が必要です。マラリアのリスクは極めて低いですが、砂漠地帯のサソリや毒蛇による被害も稀に報告されています。
医療施設
カイロやアレクサンドリアなどの大都市には、国際基準を満たした高度な民間病院(Dar Al Fouad等)が存在し、英語での受診が可能です。しかし、地方の病院や公立病院は設備・衛生面ともに著しく劣ります。民間病院では外国人価格が適用され、治療費が非常に高額になる傾向があるため、十分な補償額の海外旅行保険加入が必須です。日本語対応可能な医療機関はほぼ存在せず、通訳の手配が必要になる場合が多いです。また、救急車の到着には時間がかかることが常態化しており、緊急時は自力で民間病院へ向かうことが推奨されます。
入国・ビザ情報
ビザ要件: 日本国籍者は、カイロ空港などの主要空港到着時に「アライバルビザ」を25米ドルで購入可能です。現金での支払いが基本となります。また、事前にオンラインで申請する「e-Visa」も利用可能ですが、出発の7日前までに手続きを完了させる必要があります。観光目的の滞在可能期間は通常30日間です。商用等の場合は事前に大使館での査証取得が必要となる場合があります。
パスポート有効期限
エジプト入国時点で、パスポートの残存有効期間が6ヶ月以上必要です。また、査証(ビザ)の貼付や入国スタンプのために、パスポートの見開きページに少なくとも1〜2ページの空白があることを確認してください。有効期限が短い場合は搭乗拒否の対象となります。
持ち込み禁止・制限品
ドローンの持ち込みは厳禁されており、国防省の許可なしに持ち込もうとすると空港で没収され、拘束される恐れがあります。また、100年以上前のアンティーク(骨董品)の持ち出しは法律で厳しく禁じられており、レプリカであっても疑わしい場合は鑑定のため没収されることがあります。通貨の持ち込みは1万米ドル相当額を超える場合は申告が必要です。
緊急連絡先
時間帯別安全情報
早朝
安全日の出直後の観光地は比較的静かで、客引きも少なく安全に観光できます。ただし、人通りの少ない路地では野犬の群れに遭遇するリスクや、稀に浮浪者による接触があるため、主要な通りを歩くのが賢明です。
安全な活動:
- ・ピラミッド等の観光地への早朝訪問
- ・ナイル川沿いの散策
- ・ホテル周辺での朝食
避けるべきエリア:
- ・照明のない細い路地
- ・建設中のビル周辺
交通: 事前に予約した配車アプリ(Uber)
日中
注意観光のゴールデンタイムですが、詐欺やスリ、強引な客引きのリスクが最大になります。特に日中の酷暑により思考能力が低下した隙を突かれます。ツーリスト・ポリスの姿は多いですが、軽犯罪を完全には防げません。
安全な活動:
- ・博物館の見学
- ・主要な観光施設でのツアー参加
- ・ショッピングモールでの買い物
避けるべきエリア:
- ・極端に混雑した地下鉄駅
- ・政府機関周辺の抗議デモが発生しやすい場所
交通: Uber、エアコン付きの観光バス
夕方〜夜
注意日没後は街が活気に溢れ、市場などは非常に混雑します。ひったくりや痴漢のリスクが高まる時間帯です。一方で、地元の人々も外出するため、大通りを歩く分にはそれほど危険ではありませんが、所持品への警戒を強める必要があります。
安全な活動:
- ・中心部のレストランでの食事
- ・ライトアップされた遺跡の鑑賞
- ・大型市場での買い物(複数人推奨)
避けるべきエリア:
- ・公共交通機関の激しい混雑エリア
- ・スラムに近い居住区
交通: 配車アプリ、ホテルのタクシー
深夜
危険観光客が歩くべき時間帯ではありません。特に女性の一人歩きは極めて危険です。タクシー運転手による誘拐や強盗の報告もあり、孤立した状況は避けるべきです。大都市でも深夜は治安部隊の検問が厳しくなり、不審者として職務質問を受ける可能性もあります。
安全な活動:
- ・ホテル内施設でのリラックス
- ・空港への直接移動
避けるべきエリア:
- ・ほぼ全ての屋外路地
- ・深夜営業の怪しいクラブ
- ・砂漠境界エリア
交通: ホテルの手配車以外は避けるべき
季節別ガイド
春 (March - May)
気温: 15°C - 30°C
降水: ほとんどなし、稀ににわか雨
服装: 昼間は半袖、朝晩や砂嵐対策として長袖の羽織りもの。マスクとサングラスが必須。
おすすめ活動:
カイロ市内観光, ギザのピラミッド見学, ナイル川クルーズ
リスク:
- ・砂嵐(カムシーン)による呼吸器疾患
- ・激しい寒暖差
- ・交通機関の遅延
夏 (June - August)
気温: 25°C - 45°C+
降水: 皆無
服装: 通気性の良い綿やリネンの服。日差しが強いため長袖での防護も有効。帽子と日傘。
おすすめ活動:
紅海でのダイビング, シャルム・エル・シェイクでの滞在, 屋内博物館巡り
リスク:
- ・重度の熱中症・脱水症状
- ・強烈な紫外線による火傷
- ・食中毒リスクの増加
秋 (September - November)
気温: 20°C - 32°C
降水: 極めて稀(南部は皆無)
服装: 日本の夏服に薄手のジャケット。夕方以降は涼しくなります。
おすすめ活動:
ルクソール・アスワンの遺跡巡り, 砂漠キャンプ, アブシンベル神殿訪問
リスク:
- ・鉄砲水(10月以降)
- ・観光地の混雑開始
- ・蚊によるデング熱リスク
冬 (December - February)
気温: 8°C - 20°C
降水: 北部(アレクサンドリア等)で時折雨
服装: 日本の春秋物。カイロや砂漠では厚手のコートやダウンジャケットが必要です。
おすすめ活動:
全土の歴史遺跡観光, カイロの市場(ハン・ハリーリ)散策, フェルッカ(帆船)体験
リスク:
- ・夜間の厳しい冷え込み
- ・雨天時の道路の冠水
- ・観光ピークによる料金高騰
ベストシーズン: 観光に最適な時期は10月から4月にかけてです。この時期は気温が20度前後で安定しており、ピラミッドや王家の谷などの屋外遺跡を快適に歩いて回ることができます。特に11月と3月は、酷暑も極端な冷え込みもなく、全土を周遊するのに最も適した気候です。ただし、この時期は世界中から観光客が集まるため、2025年オープンの大エジプト博物館(GEM)を含め、チケットの事前予約やホテルの確保を早めに行うことが重要です。紅海でのマリンアクティビティを主目的とする場合は、水温が上がる5月〜6月、または9月〜10月が適しています。
環境リスク
野生動物のリスク
エジプトコブラ・クサリヘビ
リスク: 4/5生息地: 西部砂漠, シナイ半島, ナイル川流域の農地
砂漠地帯でのキャンプや夜間の歩行は、毒蛇の活動が活発になるため避けてください。歩行時は厚手の靴を履き、岩場や茂みに手を入れないようにします。万が一遭遇した場合は、刺激せずに静かにその場を離れてください。エジプトには致命的な猛毒を持つ種が多く、噛まれた場合は直ちに医療機関での血清投与が必要です。
治療: 直ちに最寄りの総合病院へ搬送し、抗蛇毒血清の投与を受けてください。その際、蛇の特徴を伝えると治療がスムーズです。
サメ(メジロザメ等)
リスク: 3/5生息地: シャルム・エル・シェイク, ハルガダ, 紅海沿岸全域
紅海のリゾート地では、近年遊泳中のサメによる襲撃事件が発生しています。指定された遊泳区域外での水泳やシュノーケリングは絶対に避けてください。また、出血している状態や、夕暮れ・夜間の遊泳もリスクを高めます。現地のライフガードの指示に従い、サメの目撃情報がある場合は海に入らないようにしてください。
治療: 受傷した場合は直ちに止血を行い、救急搬送を要請してください。紅海の主要都市には外科治療が可能な病院があります。
野犬
リスク: 4/5生息地: カイロ市内, ギザ周辺, 全土の路地裏
エジプトの都市部には多くの野犬が群れをなしており、狂犬病のウイルスを保有している可能性があります。可愛らしく見えても絶対に近づいたり、餌を与えたりしないでください。特に夜間の路地裏では攻撃的になることがあるため、一人歩きは避けます。もし噛まれた場合は、傷口を石鹸と流水で15分以上洗い流し、速やかに病院へ向かってください。
治療: 狂犬病の暴露後ワクチン接種(PEP)が直ちに必要です。大都市の私立病院であればワクチンを備蓄しています。
水の安全性
水道水: 飲用不可
水道水は飲用、調理用ともに絶対に使用しないでください。市販のミネラルウォーター(封がされていることを確認)を購入して利用してください。うがいや歯磨きも、胃腸が弱い方はボトル入りの水を使用することを推奨します。また、果物や野菜も水道水で洗われている可能性があるため、皮を剥いて食べるもの以外は注意が必要です。
交通安全
事故死亡率: 10万人あたり約12〜15人
歩行者リスク: 歩行者優先の概念は皆無です。横断歩道であっても車両が止まることはなく、命がけで車の間を縫って渡る必要があります。カイロ市内では車両の交通量と速度が極めて高く、歩行者の事故が多発しています。可能な限り歩道橋やメトロの地下通路を利用してください。
公共交通: ミニバス(ミクロバス)は非常に無謀な運転をするため推奨されません。メトロは比較的安全ですが、混雑時のスリに注意が必要です。長距離バスは大手会社(Go Bus等)であれば比較的整備されていますが、深夜便は事故リスクが高まります。移動にはUberなどの配車アプリを利用するのが最も安全で透明性が高い手段です。
地域別ガイド
カイロ・ギザ圏
レベル 2エジプトの政治経済の中心。ピラミッドやエジプト考古学博物館、イスラム地区など見どころが集中します。交通渋滞が激しく、観光地特有の詐欺や強引な客引きが最も多いエリアです。
主要都市: カイロ, ギザ
特有リスク:
- ・ピラミッド周辺のラクダ・馬乗り詐欺
- ・ハン・ハリーリ市場でのスリ
- ・違法タクシーによる料金水増し
ナイル渓谷(南部)
レベル 2ルクソールやアスワンを含む古代遺跡の宝庫。観光警察による警備が非常に厳重で、治安は比較的安定しています。気候は極めて乾燥しており、夏季の酷暑への対策が不可欠です。
主要都市: ルクソール, アスワン
特有リスク:
- ・西岸地区での無許可ガイドによる勧誘
- ・熱中症および日射病のリスク
- ・ファルーカ(帆船)利用時の料金トラブル
紅海リゾートエリア
レベル 1シャルム・エル・シェイクやフルガダを含むビーチリゾート。厳重な検問により外部からの侵入が制限されており、エジプトで最も安全に過ごせる地域です。欧米文化が浸透しています。
主要都市: ハルガダ, シャルム・エル・シェイク
特有リスク:
- ・マリンスポーツ中のサメ遭遇事故
- ・未公認ツアーによるダイビング事故
- ・日焼けによる重度の火傷
地中海沿岸・デルタ地帯
レベル 2アレクサンドリアを中心とした港湾都市群。カイロに比べて開放的な雰囲気ですが、近年は政治的デモが稀に発生することがあります。冬場は降雨があり、防寒対策が必要です。
主要都市: アレクサンドリア, ポートサイド
特有リスク:
- ・海岸線付近での不審な勧誘
- ・冬季の鉄砲水(フラッシュフロッド)
- ・深夜の路地裏でのひったくり
西部砂漠・オアシス
レベル 4広大な砂漠地帯に点在するオアシス村。軍事上の制限エリアが多く、観光には特別な許可が必要です。リビア国境に近づくほどテロや密輸のリスクが高まり、渡航は推奨されません。
主要都市: シーワ・オアシス, バフレイヤ・オアシス
特有リスク:
- ・軍の作戦行動への巻き込み
- ・砂嵐による遭難
- ・不発弾や地雷の残存エリア
シナイ半島北部・中部
レベル 5IS傘下の武装勢力が活動を続けている極めて危険な地域。軍と武装組織の衝突が頻発しており、外国人旅行者の立ち入りは固く禁じられています。通過することも不可能です。
主要都市: アリーシュ
特有リスク:
- ・テロ攻撃および誘拐
- ・軍の検問所での銃撃戦
- ・即席爆発装置(IED)による被害
経済・物価情報
経済概要
エジプト経済は中東・北アフリカ地域で最大級の規模を誇りますが、近年は深刻な外貨不足とインフレに直面しています。2024年以降、IMFや近隣諸国からの巨額融資により安定化を図っていますが、物価変動が非常に激しいのが特徴です。観光業はスエズ運河収益と並ぶ外貨獲得の柱であり、政府による強力な観光振興策が進められています。経済格差が大きく、庶民の生活は厳しい状況が続いています。
生活費・物価
旅行者にとっての物価は、エジプト・ポンドの暴落により外貨ベースでは比較的安価です。食事は地元の食堂(コシャリ等)なら200〜400円、観光客向けレストランなら1,500〜3,000円程度です。宿泊は3つ星クラスで4,000〜7,000円。交通はUberが非常に安く、市内移動なら数百円で済みます。ただし、遺跡の入場料は外国人価格が設定されており、経済状況に応じて頻繁に値上げされる傾向があります。
通貨情報
通貨はエジプト・ポンド(EGP/LE)。硬貨は少なく、ほぼ紙幣が流通しています。2024年の変動相場制移行によりレートが大きく変動したため、最新情報の確認が必須です。主要ホテルや遺跡の窓口ではクレジットカードが利用可能ですが、市場やチップ、小規模な店では現金が不可欠です。ATMは都市部に多く、海外カードでの引き出しも比較的容易ですが、手数料がかかる場合があります。
チップガイド
「バクシーシ」と呼ばれるチップ文化が深く根付いています。トイレの清掃員、荷物運び、レストランのウェイターなど、サービスを受けた際は少額(10〜20ポンド程度)を渡すのが一般的です。過剰に渡す必要はありませんが、円滑なコミュニケーションの手段として小銭や小額紙幣を常に用意しておくことが推奨されます。
予算ガイド
バックパッカーなら1日3,000円〜5,000円(ドミトリー、地元食)で滞在可能です。ミドルレンジは1日8,000円〜15,000円で、Uber利用や中級ホテル、観光ガイドを含めた快適な旅ができます。ラグジュアリー層は1日30,000円以上で、ナイル川沿いの高級ホテルやプライベートツアー、高級レストランを網羅できます。遺跡入場料が予算の大きな割合を占めるため、余裕を持った予算設定が必要です。
文化・マナー情報
歴史的背景
5,000年以上の歴史を持つ世界最古の文明の一つです。古代のエジプト文明、ヘレニズム文化、ローマ帝国時代を経て、7世紀以降にイスラム化が進みました。近代ではオスマン帝国、イギリスの植民地支配を経て1953年に共和制へ移行。ナセル、サダト、ムバラクといった強力な大統領による統治が続き、2011年の「アラブの春」を経て現在のエルシーシ政権に至ります。各時代の遺跡が混在する、重層的な文化が最大の特徴です。
社会規範・マナー
イスラム教の価値観が社会の基盤です。服装は保守的で、特に女性は肩や膝が出る服を避けることが敬意の象徴とされます。公共の場での親密な身体接触(キスや抱擁)は不適切とみなされます。写真は軍事施設や政府庁舎、橋、スエズ運河の撮影が厳禁で、人物を撮る際も必ず許可を得る必要があります。また、左手は不浄とされているため、握手や食事、物の受け渡しは右手で行うのがマナーです。
宗教・慣習
人口の約90%がイスラム教徒(主にスンニ派)、10%がキリスト教徒(コプト教徒)です。金曜日は安息日で、正午の礼拝時は店が閉まることがあります。ラマダン(断食月)期間中は日中の飲食が制限され、観光地の営業時間も短縮されますが、日没後は「イフタール」という祝宴で活気づきます。モスクを訪問する際は靴を脱ぎ、女性は髪を隠すスカーフの着用が求められます。
宿泊・食事ガイド
宿泊ガイド
エジプトの宿泊施設は、世界の超一流ホテルから1泊数百円の安宿まで幅広いです。観光の利便性を考えるなら、カイロならピラミッドが見えるギザ地区か、交通の便が良いタハリール広場周辺、安全性を重視するならザマレク地区がおすすめです。予約サイト(Booking.com等)での口コミ確認は必須です。特にシャワーのお湯が出るか、騒音がひどくないかを確認してください。また、チェックイン時にパスポートをコピーされますが、これは現地の法律に基づく通常の義務です。
食事ガイド
エジプト料理は日本人の口に合いやすいものが多いです。国民食の「コシャリ」(パスタと米にトマトソース)、豆のペースト「フムス」、肉料理の「ケバブ」や「コフタ」などが定番です。ただし、衛生面には注意が必要で、生野菜や水道水で洗ったフルーツは避け、加熱調理されたものを選びましょう。また、ナイル川の魚は寄生虫のリスクがあるため、信頼できる高級レストラン以外での注文は避けてください。飲み物はボトル入りのミネラルウォーターを必ず購入しましょう。
実用情報
通信・SIM
主要空港(カイロ等)の到着ロビーにOrange、Vodafone、Etisalatのカウンターがあり、パスポート提示で即座にSIMカードを購入できます。30日間有効で数十GB使える旅行者プランが1,000〜2,000円程度と安価です。街中では電波が安定していますが、砂漠の長距離移動中は途切れることがあります。WiFiはホテルでも低速なことが多いため、独自の通信手段を持つことが不可欠です。
銀行・ATM
都市部の主要通りやショッピングモール、銀行には必ずATMがあり、Visa/Mastercardでのキャッシングが可能です。一度の引き出し限度額は2,000〜4,000ポンド程度に制限されていることが多く、複数回操作が必要な場合があります。銀行の窓口での両替にはパスポートが必要で、待ち時間が非常に長いため、空港かATMでの調達が最も効率的です。地方へ行く前には十分な現金を確保しておきましょう。
郵便・配送
郵便局(Egypt Post)は全国にありますが、日本への到着には2〜4週間ほどかかります。確実に荷物を送りたい場合は、DHLやFedExなどの国際宅配便を利用すべきですが、料金は非常に高額です。また、骨董品やそれに類するレプリカを送る際は、文化財保護の観点から検閲を受けることがあり、没収されるリスクもあるため注意が必要です。
電源・アダプター
電圧は220V、周波数は50Hzです。プラグ形状は丸い2ピンの「Cタイプ」または「Fタイプ」が主流です。日本の家電(100V専用)をそのまま使うと故障・発火の恐れがあるため、必ず変圧器を使用するか、全世界対応の製品を持参してください。スマートフォンの充電器は多くが対応していますが、事前に仕様を確認してください。
洗濯サービス
主要ホテルにはランドリーサービスがありますが、料金は高めです。街中には小規模な「マクワ(アイロン屋)」兼クリーニング店があり、格安で洗濯してくれますが、紛失や色落ちのリスクはあります。自分で洗濯する場合は、乾燥した気候のため室内干しでも数時間で乾きます。洗剤を少量持参すると非常に便利です。
公衆トイレ
観光地の公衆トイレは有料(10〜20ポンド程度)であることが多く、入り口にトイレットペーパーを持った清掃員が立っています。紙が設置されていないことも多いため、ポケットティッシュの常備は必須です。ホテルのロビーや高級レストランのトイレは清潔で無料で利用できることが多いですが、ここでも小額のチップを渡すのがスマートです。
主要都市ガイド
カイロ
Cairo
エジプトの首都であり、アフリカ最大級のメガシティです。歴史的なイスラム地区と現代的な高層ビルが混在し、街全体が巨大な博物館のような活気を持ちます。観光警察が至る所に配置されていますが、軽犯罪や悪質な客引きへの警戒が常に必要です。
主な観光地:
エジプト考古学博物館, サラーフ・アッディーンのシタデル, ハン・ハリーリ市場, カイロ・タワー
避けるべきエリア:
- ・ブラーク・アル・ダクルール地区
- ・深夜のマンシュイヤ・ナーセル地区(ゴミの街)
- ・郊外の貧困地区全般
ベストシーズン: 10月から4月
詳細ページへ →ルクソール
Luxor
「屋外博物館」と称される世界屈指の遺跡都市。ナイル川を挟んで東岸に神殿、西岸に王家の谷が広がります。観光客向けの勧誘は非常にしつこいですが、凶悪犯罪は少なく、警察の監視下で安全に観光可能です。
主な観光地:
カルナック神殿, ルクソール神殿, 王家の谷, ハトシェプスト女王葬祭殿
避けるべきエリア:
- ・深夜の西岸居住地区
- ・主要観光ルートから外れた未舗装路
ベストシーズン: 11月から3月
詳細ページへ →アレクサンドリア
Alexandria
地中海に面した美しい港町。古代アレクサンドリア図書館の面影を残す近代的な図書館や、海沿いの遊歩道「コルニッシュ」が象徴的です。カイロより涼しく、夏場の国内避暑地として人気です。
主な観光地:
新アレクサンドリア図書館, カーイト・ベイの要塞, コム・エル・シュカファのカタコンベ, モンタザ宮殿
避けるべきエリア:
- ・港湾施設付近の立入禁止区域
- ・夜間のコルニッシュの一部暗いエリア
ベストシーズン: 3月〜6月、9月〜11月
詳細ページへ →アスワン
Aswan
ナイル川で最も美しいとされる上流の都市。ヌビア文化の色濃い雰囲気と、穏やかな川の流れが特徴です。アブ・シンベル神殿への拠点でもあり、観光客に対して温厚な人々が多い地域です。
主な観光地:
フィラエ神殿, アスワン・ハイ・ダム, 切りかけのオベリスク, エレファンティネ島
避けるべきエリア:
- ・夜間のダム周辺監視区域
- ・ナセル湖付近の未指定遊泳エリア
ベストシーズン: 12月から2月
詳細ページへ →フルガダ
Hurghada
紅海沿岸の巨大リゾート地。世界的なダイビングスポットとして知られ、透明度の高い海が魅力です。観光特区として高度な安全が確保されており、家族連れやカップルに最適です。
主な観光地:
ギフトゥン島, フルガダ・マリーナ, 紅海水族館, エル・グーナ(近郊の高級リゾート)
避けるべきエリア:
- ・内陸砂漠地帯の無許可通行
- ・深夜の主要道路から外れた路地
ベストシーズン: 4月〜10月(マリンスポーツ)
詳細ページへ →交通詳細ガイド
国内線フライト
広大なエジプトを効率よく移動するには国内線が最適です。フラッグキャリアのエジプト航空(EgyptAir)がカイロを拠点に、ルクソール、アスワン、フルガダ、シャルム・エル・シェイクなどの主要都市を網羅しています。飛行時間は1時間〜1時間半程度と短く、料金も早めに予約すれば片道1万円前後から購入可能です。カイロ国際空港の国内線ターミナルは国際線と異なる場合があるため、事前に確認が必要です。また、近年はAir CairoなどのLCCも路線を拡大しており、予算に応じた選択が可能です。
鉄道・バス
鉄道はカイロ〜ルクソール〜アスワンを結ぶ路線が観光客に人気です。特に外国人向けの寝台列車(Abela Egypt)は個室と食事が提供され、安全かつ快適に移動できます。座席特急もありますが、オンライン予約が難しく、駅の窓口で並ぶ必要があります。長距離バスはGo BusやSuper Jetが一般的です。Go Busの「Business Class」や「Elite」クラスは座席が広く、主要都市間を安価に結んでいます。ただし、砂漠の道路は速度超過による事故のリスクが僅かにあるため、信頼できる大手バス会社を選ぶことが重要です。
レンタカー・配車サービス
カイロやアレクサンドリアでの市内移動には、配車アプリの「Uber」または「Careem」の利用を強く推奨します。アプリ上で目的地を指定し、料金が事前に確定するため、流しのタクシーで頻発するぼったくりや価格交渉のストレスを完全に回避できます。一方、レンタカーは一般的ではありません。エジプトの運転マナーは極めて荒く、信号無視や車線変更の強引さが常態化しています。また、検問での書類チェックが煩雑なため、慣れない外国人の運転は推奨されません。遠出の場合は、運転手付きのチャーター車を手配するのが一般的です。
交通リスク評価
エジプトの交通安全リスクは、モードによって大きく異なります。最も安全なのは「配車アプリ(Uber)」と「飛行機」です。逆に最もリスクが高いのは「夜間の長距離バス」と「無許可の白タク」です。砂漠の道路は夜間に照明がない場所が多く、事故率が高まるため、移動は可能な限り日中に済ませるべきです。また、歩行者は「車が止まらない」という前提で、現地の人に紛れて道路を横断するなどの工夫が必要です。
都市別交通ガイド
Cairo
地下鉄: アフリカ唯一の地下鉄があり、3路線が運行。渋滞回避に非常に有効です。
バス: 公営バスと民営のミニバスがあるが、混雑が激しく観光客には難易度が高い。
タクシー: UberとCareemが非常に普及。流しの「白タク」は交渉が必須。
徒歩・自転車: 交通量が多く排気ガスも激しいため、サイクリングや長距離歩行は不向き。
費用目安: 地下鉄は10ポンド〜、Uberは30分走行で150〜300ポンド。
Alexandria
地下鉄: 地下鉄はないが、海沿いを走るレトロなトラム(路面電車)が市民の足。
バス: マイクロバスが頻繁に運行しているが、ルート把握が困難。
タクシー: Uberが利用可能。海沿いのコルニッシュを走るタクシーが多い。
徒歩・自転車: 海沿いの遊歩道(コルニッシュ)は散歩に適しているが、車道横断に注意。
費用目安: トラムは数ポンド、タクシーは市内移動で50〜150ポンド。
Luxor
地下鉄: なし。
バス: なし。観光客は主にタクシーや馬車(カレッタ)を利用。
タクシー: Uberは未普及。流しのタクシーとの交渉が基本。ナイル川横断のフェリーが重要。
徒歩・自転車: 西岸地区でのレンタサイクルが人気だが、暑さ対策が必須。
費用目安: フェリー対岸渡し5〜10ポンド、タクシーチャーター1日500〜800ポンド。
Aswan
地下鉄: なし。
バス: なし。主にタクシーかファルーカ(帆船)での移動。
タクシー: Uber不可。タクシーは事前にホテル等で相場を確認して交渉。
徒歩・自転車: 起伏があり、徒歩移動は中心部のみに限られる。
費用目安: 空港送迎300〜500ポンド、ファルーカ1時間150〜250ポンド。
Hurghada
地下鉄: なし。
バス: リゾート間を結ぶマイクロバスが頻繁に巡回。
タクシー: UberとCareemが利用可能で、リゾートホテルから市街地への移動に便利。
徒歩・自転車: リゾート内は安全に歩けるが、砂漠地帯への徒歩移動は厳禁。
費用目安: Uberで市内移動100〜200ポンド。リゾートバスは一律料金(10ポンド程度)。
大使館・長期滞在情報
在外公館ネットワーク
在エジプト日本国大使館
Embassy - カイロ
住所: 81 Corniche El Nil St., Maadi, Cairo
電話: +20 (0)2-2528-5903
管轄: エジプト全土
緊急対応: 24時間対応(夜間・休日は緊急連絡先へ転送)
領事サービス
在エジプト日本国大使館では、パスポートの紛失・盗難時の「帰国のための渡航書」の発給、戸籍関係の証明、在外選挙の登録などのサービスを提供しています。また、事件や事故に遭った際の現地警察への連絡方法のアドバイスや、信頼できる弁護士・医師情報の提供を行っています。ただし、金銭的な援助、航空券の手配、民間トラブルの仲裁、通訳・ガイド業務などは大使館の業務範囲外であるため、自己責任での対応が求められます。
長期滞在ビザ
観光目的以外の長期滞在(就労、留学など)には、事前の適切なビザ取得が必須です。観光ビザでの入国後に延長を申請する場合、カイロ市内の「モガンマ(行政ビル)」などの入国管理事務所での手続きが必要ですが、非常に混雑し、数日を要することもあります。2024年以降、オーバーステイに対する管理と罰金が強化されているため、滞在期限には細心の注意が必要です。長期滞在者は、到着後速やかに「オンライン在留届」を提出することが法律で義務付けられています。
リモートワーク・デジタルノマド
エジプトには現在、デジタルノマド専用のビザはありませんが、観光ビザの延長(最大6ヶ月等)を繰り返して滞在するノマドワーカーが存在します。カイロのザマレク地区やダハブ(シナイ半島)などは、安価な生活費とコミュニティの存在から人気があります。ただし、インターネット速度が不安定なエリアが多く、WhatsApp通話などのVoIPが断続的に制限されることがあるため、VPNの使用が事実上の必須条件となります。また、現地での収入を伴う仕事は就労ビザが必要です。
ビジネスビザ
ビジネス目的の渡航には商用ビザが必要です。現地の受入企業からの招待状が必要となる場合が多く、日本国内の大使館での事前申請が推奨されます。エジプトは官僚主義的な側面が強く、手続きに時間がかかる傾向があるため、余裕を持ったスケジュールが必要です。また、商談や契約の際は、公証人(Notary Public)による認証や、必要に応じて日本大使館での署名証明が求められることがあります。
推奨防犯装備
セキュリティマネーベルト
必須防犯グッズ
服の下に装着し、パスポートと高額紙幣を物理的に守ります。エジプトの混雑した市場や地下鉄でのスリ対策に最も効果的です。
スキミング防止カードケース
必須防犯グッズ
非接触決済を悪用した不正読み取りを防ぎます。特にカイロなどの大都市での公共交通機関利用時に役立ちます。
携帯用ドアアラーム
推奨防犯グッズ
安宿や中級ホテルの内鍵が不安な場合、ドアが開いた際に大音量で警告します。単独旅行者の夜間の安全確保に適しています。
大容量モバイルバッテリー
必須通信機器
Uberの利用や地図確認でスマートフォンの電池消費が激しいため必須です。停電リスクのある地域でも役立ちます。
携帯浄水器またはフィルター付ボトル
推奨衛生用品
エジプトの水道水は飲用不可です。緊急時や長旅でミネラルウォーターが手に入らない際の健康被害を防止します。
除菌ウェットティッシュ
推奨衛生用品
食事前や公共施設利用後の衛生確保に。エジプトは砂埃が多く、また感染症対策としても非常に重宝します。
VPNサービス
推奨通信機器
公共WiFi利用時の暗号化と、地域制限のあるサービスへのアクセスを確保。検閲や監視からプライバシーを守ります。
高耐久スカーフ/ストール
必須衛生用品
砂嵐対策、日差し避け、また宗教施設入場の際の肌の露出制限に対応。エジプト旅行における多目的アイテムです。
トラベル防犯ワイヤーロック
推奨防犯グッズ
寝台列車やバスでの移動中、荷物を柱などに固定して置き引きを防ぎます。目を離す隙を作らないための基本装備です。
予備の英文処方箋/診断書
オプション保険
特定の鎮痛剤が麻薬扱いされるリスクを回避。常用薬を持ち込む際の法的な証明として、トラブルを未然に防ぎます。
旅行者タイプ別ガイド
女性旅行者向けガイド
エジプトでの女性の一人旅は、一定の配慮があれば可能ですが、他国以上の警戒が必要です。統計的に90%以上の女性が何らかの嫌がらせ(ナンパ、執拗な視線、混雑時の身体接触)を経験しています。対策の第一は「服装」です。肩や膝、胸元を露出する服は避け、ゆったりとした長袖・長ズボン、スカーフの携行を推奨します。地下鉄では必ず「女性専用車両」を利用し、Uberでは助手席ではなく後部座席に座ってください。もし嫌がらせを受けた場合は、大声で周りに助けを求める(ハラース!=やめて!と叫ぶ)のが効果的です。エジプトの一般市民は正義感が強く、助けてくれることが多いです。また、夜間の移動は信頼できるホテルの送迎かUberに限定し、一人歩きは最小限に留めてください。
LGBTQ+旅行者向けガイド
エジプトでは同性愛そのものを直接禁じる法律はありませんが、「道徳違反」や「放逸」といった広義の法律を適用してLGBTQ+の人々が拘束される事例が過去にあります。社会的には非常に保守的であり、同性カップルが公共の場で手をつないだり、愛情表現をすることは、逮捕や激しい差別を受けるリスクを伴います。旅行者として訪れる場合は、プライベートな空間であっても慎重に振る舞い、自身の性的指向や性自認を公にすることは避けるべきです。ホテル予約の際は、大手国際チェーンなどの外国人慣れした施設を選ぶことで、トラブルを最小限に抑えられます。アプリ等での出会いも、当局の囮捜査の可能性があるため非常に危険です。
家族・シニア旅行者向けガイド
家族連れやシニア旅行者にとって、エジプトは魅力的な反面、体力的負担が大きい国です。遺跡の多くは足場が悪く、エレベーターやスロープの設置は極めて限定的です。シニアの方は、カイロからルクソール・アスワンへ飛行機で移動し、ナイル川クルーズ船を利用するプランが最も負担が少なく推奨されます。クルーズ船は移動の手間がなく、食事の衛生面も管理されています。子供連れの場合、ギザのピラミッドや砂漠での体験は素晴らしい思い出になりますが、夏季の酷暑(40度超)は子供の脱水症状を引き起こしやすいため、10月〜3月の涼しい時期を選ぶことが必須です。また、ベビーカーは街中の段差や砂地で使い物にならないため、抱っこ紐を持参してください。移動は全てUberの広い車両を予約すると、快適さと安全を確保できます。
安全に関するよくある質問
夜間に一人で外出しても大丈夫ですか? ▼
カイロの中心部などは深夜まで賑やかですが、女性一人や人通りの少ない路地は避けるべきです。移動は必ずUberを利用してください。
テロの危険性はどの程度ありますか? ▼
主要観光地は厳重な警備下にありますが、宗教施設や警察拠点が標的になるリスクはあります。シナイ半島北部など危険地域には近づかないでください。
水は飲めますか? ▼
いいえ、水道水は飲用不可です。歯磨き程度なら可能ですが、飲用には必ず密封されたボトル入りの水を使用してください。
デモを見かけたらどうすればいいですか? ▼
興味本位で近づいたり撮影したりせず、直ちにその場を離れてください。外国人が拘束されるリスクがあります。
客引きを断るコツは? ▼
目を合わせず、止まらず、「La Shokran(いいえ、結構です)」と一度だけ毅然と言って無視し続けるのが最も有効です。
ドローンを持ち込んでもいいですか? ▼
絶対にダメです。空港の税関で見つかると、即没収または逮捕・拘束されます。
タクシーでぼったくられたら? ▼
その場での激しい口論は避け、ツーリスト・ポリスを呼ぶ素振りを見せるか、Uberを利用してリスクを事前に回避してください。
女性専用車両はありますか? ▼
はい、カイロの地下鉄には女性専用車両があります。ピンクのステッカーが目印です。積極的に利用してください。
軍の施設を撮ってしまいました。 ▼
警察に見つかるとスパイ容疑をかけられる恐れがあります。速やかに削除し、政府関連施設の撮影は厳禁であると自覚してください。
砂嵐に遭遇したら? ▼
視界不良と呼吸器への影響があるため、屋内へ避難してください。外出が必要な場合はマスクとサングラスが必須です。
実用的なよくある質問
アライバルビザはどこで買えますか? ▼
カイロ空港等の入国審査前の銀行カウンターで25米ドルで購入し、パスポートに貼ります。
チップ(バクシーシ)の相場は? ▼
荷物運びで10〜20ポンド、レストランで総額の10%程度が目安です。
日本円は両替できますか? ▼
カイロ空港の一部銀行で可能ですが、米ドルかユーロの方が圧倒的にレートが良く便利です。
Uberはどこでも使えますか? ▼
カイロ、アレクサンドリア、フルガダ等で使えますが、ルクソールやアスワンでは利用できません。
プラグの形は? ▼
Cタイプ(またはFタイプ)です。日本のAタイプは使えません。
遺跡の中は撮影可能ですか? ▼
基本可能ですが、一部の王家の谷の墓などでは別途「撮影チケット」が必要です。
クレジットカードはどこで使えますか? ▼
ホテル、高級店、遺跡のチケット窓口では使えます。市場では現金のみです。
寝台列車の予約は? ▼
「Abela Egypt」の公式サイトでオンライン予約可能です。早めの予約を推奨します。
WiFi環境はどうですか? ▼
あまり良くありません。空港で現地SIMカード(Orange等)を購入するのが一番確実です。
ラマダン中の観光は? ▼
遺跡は通常通り開いていますが、閉館が早まることがあり、日中は飲食店が閉まっています。
エジプトの治安に関するよくある質問
エジプトの治安は良い?悪い? ▼
エジプトの治安は、カイロやルクソールなどの主要観光地では厳重な警備体制により、凶悪犯罪に関しては比較的安定しています。しかし、経済情勢の悪化を受けて、観光客を狙ったスリやひったくり、執拗な客引きなどの軽犯罪は非常に多いのが現状です。ツーリスト・ポリスが各所に配置されていますが、金銭トラブルを完全に防ぐことは難しいため、常に警戒心を持つ必要があります。治安が良いと言い切れる状況ではなく、特に夜間の独り歩きや人通りの少ない場所は避けるべきです。
エジプトで危険な地域はどこ? ▼
最も危険なのは北シナイ県で、テロ組織と治安部隊の衝突が続いているため、渡航中止勧告が出ています。また、リビア国境地帯も武器密輸やテロの温床となっており、極めて危険です。西部砂漠地帯は軍事作戦地域が含まれ、過去に観光客が誤爆に巻き込まれた例があるため、許可のない立ち入りは厳禁です。主要都市の中でも、カイロ中心部のタハリール広場周辺などは、政治的な集会が行われやすく、突発的な混乱に巻き込まれる恐れがあるため注意が必要です。
エジプト旅行はやばい?本当に行って大丈夫? ▼
「エジプトはやばい」という噂の多くは、ピラミッド周辺での強引な客引きや詐欺的行為に対する精神的ストレスに起因します。観光自体は可能ですが、客引きを無視する精神力と、怪しい誘いに乗らない慎重さが求められます。また、経済困窮により、親切を装って近づき、後から高額な代金を請求するトラブルが「やばい」レベルで多発しています。適切な対策を講じ、危険地域を避ければ観光は楽しめますが、日本と同じ感覚で過ごすことはできません。
エジプトは女性一人でも怖くない? ▼
女性の一人旅には一定の「怖さ」やリスクが伴います。エジプトでは女性に対する性的嫌がらせ(セクハラ)が社会問題となっており、外国人女性も執拗に声をかけられたり、身体を触られたりする被害が報告されています。特に一人で歩いているとターゲットになりやすいため、露出の少ない服装を心がけ、毅然とした態度で接することが重要です。夜間の移動は避け、信頼できるガイドを雇うか、公共交通機関ではなく配車アプリを利用するなどの防犯対策を強く推奨します。
エジプトでスリに遭わないための対策は? ▼
カイロの地下鉄やバザール(ハン・ハリーリ)などの混雑した場所では、スリが多発しています。リュックは体の前で持ち、貴重品はポケットに入れず、マネーベルトなどで肌身離さず管理しましょう。また、スマホを操作しながらの歩行は、ひったくりの標的になります。エジプトの経済状況が悪化しているため、観光客の持ち物は非常に目立ちます。バッグの口を常に閉じ、周囲を警戒していることをアピールするだけでも、スリの被害に遭う確率を下げることができます。
エジプトで多い詐欺の手口は? ▼
ピラミッド周辺での「ラクダ乗り詐欺」が有名です。「無料だ」と言って乗せ、降りる際に見合わない高額な料金を要求する手口です。また、観光施設のスタッフを装い、勝手にガイドを始めてチップ(バクシーシ)を要求するケースや、偽の「今日は閉まっている」という嘘で自分の店に連れて行く詐欺も一般的です。公式のチケット売り場以外での支払いは拒否し、金額は必ずサービスを受ける前に明確に合意し、できればメモに残すなどの対策が必要です。
エジプトで日本人が巻き込まれやすい犯罪は? ▼
日本人は「金持ちで押しに弱い」と思われており、過剰な請求やチップの強要といった金銭トラブルに最も巻き込まれやすいです。また、親切心を逆手に取った寸借詐欺や、お釣りをごまかすといった犯罪も日常的に発生しています。凶悪な強盗事件は稀ですが、空港や駅での荷物運びを強引に手伝い、法外な報酬を求めるトラブルも絶えません。見知らぬ人からの日本語での声かけには特に注意し、安易に個人情報を教えたり、同行したりしないようにしてください。
エジプト旅行で注意すべきことは? ▼
まず、政治的な批判をSNS等で発信しないよう注意してください。当局によるデジタル監視が厳しく、逮捕される恐れがあります。また、宗教的・文化的な背景を尊重し、特にモスク見学時の服装や、ラマダン期間中の飲食には配慮が必要です。軍事施設や政府機関の建物は撮影禁止で、違反するとカメラを没収されるだけでなく、拘束されることもあります。さらに、水道水は飲用不可のため、必ず密閉されたボトル入りのミネラルウォーターを購入するようにしてください。
エジプトで起こりやすいトラブルは? ▼
タクシーの料金トラブルが頻発しています。メーターを使わなかったり、到着後に最初に言った金額の数倍を要求されたりすることがあります。これを避けるには、Uberなどの配車アプリを利用するのが最も確実です。また、レストランでのメニューにない料金の加算や、土産物店での執拗な呼び込みもストレスとなるトラブルです。NOとはっきり言う勇気を持ち、不要なトラブルを避けるためには、信頼できるホテルを通じてツアーを手配することをお勧めします。
エジプトで被害に遭ったらどうする? ▼
まずは周囲にいる「ツーリスト・ポリス」を頼ってください。観光地には白い制服の警察官が配置されています。盗難被害に遭い、保険請求が必要な場合は、現地の警察署でポリスレポートを発行してもらう必要がありますが、手続きには時間がかかります。パスポートを紛失した場合は、速やかにカイロにある日本大使館に連絡し、再発行の手続きを行ってください。緊急時に備え、現地の緊急連絡先や大使館の場所、電話番号を事前に控えておくことが非常に重要です。
エジプトの治安詳細
エジプトの治安概要
エジプトの治安は、エルシーシ政権による強力な治安維持政策により、カイロ、ルクソール、アスワンなどの主要観光都市や紅海沿岸のリゾート地では表面的な平穏が保たれています。2025年の大エジプト博物館(GEM)全面開館に向けて警備はさらに強化されており、テロなどの重大犯罪に対する抑止力は高まっています。しかし、国内の深刻なインフレと経済困窮により、一般市民による観光客を狙った軽犯罪が急増しています。ツーリスト・ポリスは凶悪犯罪の防止には機能していますが、日常的な金銭トラブルや執拗な客引きの排除には至っておらず、旅行者には常に自己防衛の意識が求められます。
エジプトは危険?やばい?
エジプト旅行は、特定の危険地域を除けば「危険でやばい」というわけではありませんが、精神的な警戒を緩めることはできません。ギザのピラミッド周辺などでは、詐欺的な客引きが「やばい」ほど執拗であり、これに不慣れな旅行者は強いストレスを感じるでしょう。また、ガザ紛争や周辺国の不安定化といった地政学的リスクが潜在しており、イスラエル関連施設周辺などでは緊張が高まることがあります。物理的な身の危険よりも、経済的困窮を背景とした詐欺や、政治的発言による当局とのトラブル、不衛生な環境による健康被害の方が現実的なリスクとして認識すべきです。
エジプトは怖い?一人旅でも大丈夫?
「エジプトは怖い」と感じる要因の多くは、女性への性的嫌がらせや、見知らぬ男性からの過剰な声かけにあります。特に女性の一人旅や女性のみのグループは、現地男性からターゲットにされやすく、不快な思いをすることが少なくありません。対策としては、現地の文化に合わせた露出の少ない服装(長袖・長ズボン)を選び、サングラスをかけて視線を合わせないようにすることが有効です。また、公道での客引きには一切反応せず、無言で通り過ぎるのが基本です。移動には信頼性の高い配車アプリを利用し、夜間の外出を控えることで、多くの「怖い」場面を回避することが可能です。
スリ・詐欺・犯罪の実態
エジプトでの犯罪の主流は、暴力的なものではなく、知能的または執拗な詐欺と窃盗です。ピラミッドでは、ラクダや馬に乗せてから法外な料金を要求する「乗り物詐欺」や、勝手に写真を撮ってチップを要求する行為が横行しています。カイロのバザールや地下鉄では、組織的なスリグループが活動しており、観光客の注意をそらしている隙に貴重品を盗み取ります。また、ATMの利用時に暗証番号を盗み見たり、カードをすり替えたりする詐欺も報告されています。最近では、SNSを通じて知り合った現地人に高額な商品を売りつけられるといった、親切を装った巧妙な詐欺も増えており、警戒が必要です。
地域別の危険度
エジプト国内の危険度は地域によって鮮明に分かれています。北シナイ県およびリビア国境から20km圏内は、テロや軍事衝突のリスクが極めて高い「レベル4:退避勧告」地域です。理由の如何を問わず立ち入りは控えてください。西部砂漠地帯は「レベル3:渡航中止勧告」となっており、軍による監視が厳しく、不測の事態に巻き込まれるリスクがあります。これに対し、カイロ、ギザ、ルクソール、アスワン、アレクサンドリア、シャルム・エル・シェイクなどの主要観光地は「レベル2:不要不急の渡航自粛(または注意喚起)」に留まっています。観光は可能ですが、これらの地域でもテロの潜在的脅威や、経済不安に伴う一般犯罪、女性への嫌がらせに対する最大限の警戒が必要です。
エジプト旅行で注意すべきポイント
エジプト渡航で最も注意すべきは、写真撮影と政治的な言動です。軍、警察、橋、公共施設などの撮影は厳禁で、最悪の場合スパイ容疑で拘束される恐れがあります。ドローンの持ち込みも厳しく制限されています。また、SNSでの政府批判や社会不安を煽る投稿は、外国人であっても処罰の対象となります。衛生面では、生水や加熱不十分な食事による激しい下痢(ピラミッド・ベリー)に注意が必要です。経済面では、バクシーシ(チップ)の習慣が根強く、あらゆる場面で小銭を要求されます。多額の現金は持ち歩かず、少額紙幣を常に用意しておくことが、トラブルを防ぐ賢明な方法です。
よくあるトラブル事例
実際のトラブル事例として多いのは、タクシー料金の二重請求です。乗車前に合意した金額が「一人当たり」だったと後から主張されたり、ポンドではなくドルでの支払いを強要されたりします。また、ピラミッドで「親切な係員」を装った人物に誘導され、立ち入り禁止区域に入らされて賄賂を要求されるケースも発生しています。女性の事例では、マッサージ店や土産物店の奥に連れて行かれ、身体を触られるといった深刻なトラブルも報告されています。さらに、偽のパピルス(紙)を本物として高額で売りつけられる、といった伝統的な詐欺も今なお絶えません。
被害に遭った場合の対応
被害に遭った場合は、まず現場近くのツーリスト・ポリスに届け出てください。彼らは観光客のトラブル対応を専門としています。ただし、言語の壁や手続きの煩雑さがあるため、重要な盗難被害などの場合は、宿泊先のホテルのスタッフに同行してもらうか、信頼できるガイドに仲介を頼むのがスムーズです。パスポートの紛失や事件・事故に巻き込まれた際は、在エジプト日本国大使館(カイロ)へ連絡してください。24時間体制で緊急連絡を受け付けています。海外旅行保険に加入している場合は、保険会社のサポートラインに連絡し、提携病院や手続きの指示を受けることが被害を最小限に抑える鍵となります。