総合評価
東南アジア屈指の物理的な安全性を誇りますが、観光客を狙った軽犯罪やオンライン詐欺、そして深刻な大気汚染と交通トラブルがスコアを押し下げています。
身体的安全 (B+)
強盗や殺人などの凶悪犯罪は非常に稀で、政治中枢としての警察の監視体制が機能しています。しかし、無謀なバイク走行による交通事故リスクは常に存在します。
医療・衛生 (D+)
冬季の深刻な大気汚染(PM2.5)は健康に重大な影響を及ぼすレベルに達します。また、衛生管理が不十分な屋台での食中毒や、蚊を媒介するデング熱への警戒が必要です。
詐欺 (C-)
旧市街周辺での靴磨きや天秤棒詐欺、タクシーの運賃吊り上げが常態化しています。近年はSNSを通じた投資詐欺やマッチングアプリ詐欺が急増しており要注意です。
テロ (A)
当局による監視社会的な体制と厳格な警備により、テロ組織の活動余地は極めて限定的です。2026年の党大会期間中はさらに警戒が強化され、発生リスクは皆無に近いです。
スリ (C+)
週末のホアンキエム湖周辺やドンスアン市場などの混雑地では、集団スリやバッグの切り裂き被害が報告されています。スマホの歩きスマホ中のひったくりも増加傾向です。
暴力犯罪 (A-)
銃器規制が厳しく、銃器を用いた犯罪はほぼありません。夜間の独り歩きも主要エリアであれば比較的安全ですが、薬物使用者が関わる偶発的な暴力事件には注意が必要です。
最新インテリジェンスレポート
ハノイは安定した政治基盤のもと、物理的な治安は良好に保たれていますが、2025年以降はデジタル空間やSNSを起点とした知的犯罪が新たな脅威となっています。公安当局は『141部隊』による強力な取り締まりで街頭犯罪を抑え込んでいますが、観光地特有の古典的な詐欺(靴磨き、ボッタクリ)は根絶に至っていません。渡航者は物理的な身の安全よりも、金銭的な詐欺と環境リスク(大気汚染)に最大限の注意を払うべき状況にあります。
現在の状況
2026年1月の第14回共産党大会を控え、ハノイ市公安は特別部隊を動員した厳戒態勢を敷いています。これにより、夜間の検問やパトロールが大幅に強化されており、一般的な路上犯罪の発生率は低下しています。しかし、SNSを悪用した投資勧誘や、マッチングアプリで誘い出した後の美人局、高額な飲食代請求(バー詐欺)が後を絶ちません。また、iPhone 16等の最新ガジェットの売買を装ったすり替え詐欺など、物欲や利得心を狙った犯罪が巧妙化しており、現地の未確認の人物との接触は極めて高いリスクを伴います。
背景分析
経済成長の一方で、若年層の失業や格差、薬物問題が潜在的な犯罪の温床となっています。2024年には市内で1.3トン以上の薬物が押収されており、ナイトクラブや一部のバーエリアでは薬物汚染が指摘されています。また、監視カメラの普及が進む一方で、それを逃れるオンライン決済の不備を突いた詐欺(偽の振込完了画面を見せる手口)が一般化しています。交通面では、地下鉄路線の開通が進んでいますが、依然としてバイク中心の社会であり、歩行者の安全確保はインフラ的に未成熟なままです。
政治・社会情勢
ベトナム共産党による一党支配のもとで政治的に極めて安定していますが、2026年の党大会に向けた内部の綱紀粛正や公安による監視が強化されています。政治批判や集会、デモは一切許容されず、不審な行動や当局の指示に従わない場合は即座に拘束される可能性があります。外国人も政治的な議論やSNSでの書き込みには慎重であるべきです。党大会期間中は主要道路の封鎖や検問が頻繁に行われ、市内交通に大きな影響が出ることが予想されます。
重要ポイント
- ! GrabやXanh SM以外の『流しのタクシー』や『バイタク』は価格トラブルが多いため利用しない。
- ! 路上で声をかけてくる『靴磨き』や『果物売り』には一切反応せず、視線を合わせずに通り過ぎる。
- ! SNS(Tinder等)で知り合った人物が指定するバーやレストランへは絶対に行かない。
- ! 12月から2月の冬季はAQIを確認し、必要に応じてN95規格のマスクを着用する。
- ! 支払いや両替時にはベトナムドンの桁数を慎重に確認し、相手に財布を触らせない。
- ! バイクによるスマホひったくりを避けるため、路上でスマホを操作する際は建物を背にする。
- ! 政治的イベント期間中はパスポートを常時携行し、警察の検問に協力的な態度を示す。
- ! 113番(警察)は英語が通じないことが多いため、ホテルのスタッフを介して通報する。
エリア別安全情報(タクティカルマップ)
ハノイはフランス植民地時代の面影を残す迷路のような路地が多く、一度迷い込むと犯罪被害に遭いやすくなります。移動は常にGrab等のライドシェアを利用し、徒歩移動は主要な歩道があるエリアに限定してください。また、2026年の党大会期間中はバディン広場周辺への立ち入りが制限されるため、事前の情報確認が必須です。
ホアンキエム旧市街 (Old Quarter)
注意観光のメッカですが、靴磨き詐欺や天秤棒詐欺が多発。週末の歩行者天国は集団スリの温床です。夜間のバーエリア『ターヒエン通り』での過剰請求に注意。
バディン地区 (Ba Dinh)
安全官公庁や大使館が集まる政治の中心地。24時間体制で厳重な警備が行われており、ハノイで最も安全なエリアです。デモや政治的行為は厳禁。
タイホー地区 (Tay Ho)
安全外国人居住区で治安は非常に良好です。ただし、夜間の湖沿いの街灯が少ない道では、稀にバイクによるひったくりが報告されています。
ザップバット・バスターミナル周辺
危険長距離バスターミナルがあり、浮浪者やスリが集まるハノイ屈指の危険スポット。偽タクシーの勧誘や置き引きが頻発しています。
キンマー・リンラン地区 (Kim Ma/Linh Lang)
安全日本人街。多くの日本食レストランがあり夜間も賑やかで安全です。ただし、Tinder等で知り合った人物による美人局詐欺が近年報告されています。
ロンビエン橋 (Long Bien Bridge)
注意夜間は照明が極端に少なく、バイクによる追い越しざまの強盗やひったくりが過去に発生しています。徒歩での夜間通行は推奨されません。
ナムトゥリエム地区 (Nam Tu Liem)
安全近代的な高層マンションが立ち並ぶ新興開発区。道幅も広く交通事故リスクが比較的低い。ビジネス詐欺(不動産・外貨両替)にのみ注意。
ハノイ駅周辺
注意『列車が遅れている』と嘘をついて偽の旅行代理店へ誘導する詐欺や、睡眠薬詐欺の報告があります。公式なチケット売り場以外は信じないこと。
脅威プロファイリング
ハノイの犯罪状況は、公安当局の「141部隊」による厳格なパトロールにより、強盗や殺人などの凶悪犯罪は減少傾向にあります。しかし、観光地特有の「靴磨き」や「天秤棒」といった古典的な詐欺は根強く残っており、2025年からはSNSやマッチングアプリを起点としたデジタル・知能犯罪(iPhoneすり替え、投資詐欺、美人局)が急増しています。物理的な安全性は確保されているものの、金銭を狙った巧妙な誘導型犯罪には最大級の警戒が必要です。また、2026年1月の共産党大会に向けた厳戒態勢により、警察による検問や身分証確認が強化されている点も特徴的です。
ハノイ靴磨き詐欺師
Hanoi Shoe Shiner Scammers
グループ規模: 通常1名または数名の緩やかな連携
ターゲット: スニーカーやサンダルを履き、旧市街を散策している外国人観光客。特に足元に注意を払わず歩いている一人旅の旅行者が標的になりやすい。
活動場所: Old Quarter (旧市街), Hoan Kiem Lake周辺, Dong Xuan Market周辺
活動時間: 日中の観光客が多い時間帯(10:00-18:00)
手口:
観光客が歩いていると、突然足元にブラシを当てたり、勝手に靴を脱がせて修理を始めたりします。断っても「靴が壊れている」「接着が必要だ」と嘘をつき、粗悪な接着剤を勝手に塗り込みます。作業が終わると「修理代」として50万〜85万VND(約3,000円〜5,000円)という現地物価では法外な高額料金を請求します。一人が注意を逸らしている間に仲間が近づくケースもあり、心理的に断りづらい状況を作り出します。2025年の報告でもホアンキエム湖周辺で継続的に確認されており、強引な手法が目立ちます。
対策:
最も効果的な対策は、近づいてくる靴磨き業者を完全に無視して歩き続けることです。目を合わせたり、立ち止まって交渉を始めたりしてはいけません。万が一、靴を触られそうになったら、はっきりと「NO」と拒絶し、物理的な距離を保ってください。もし靴を脱がされてしまった場合は、周囲に助けを求めるか、近くのホテルや店舗の中に逃げ込んでください。決して相手が提示する法外な金額を全額支払わないことが重要です。
天秤棒フォトトラップ詐欺
Photo Trap Fruit Vendors
グループ規模: ソロ(周囲にサクラがいる場合あり)
ターゲット: カメラやスマートフォンを手に持っている観光客。特にベトナムらしい景観を撮影しようとしている初見の旅行者が狙われます。
活動場所: Temple of Literature (文廟), Old Quarter, St. Joseph's Cathedral (大教会)
活動時間: 日中(観光施設の開館時間)
手口:
伝統的な天秤棒を担いだ果物売りが、「写真を撮らせてあげる」「体験してみて」と親切を装って近づいてきます。観光客が興味を示すと、天秤棒を肩に載せさせ、帽子(ノンラー)を被らせて撮影を促します。撮影が終わった途端、天秤棒から果物を取り出し、無理やり袋に詰めて渡してきます。その後、市場価格の10倍以上の20万〜50万VNDを要求します。親切心を利用した手口で、断ると「果物を傷つけた」「手間をかけた」と騒ぎ立てて周囲の注目を集め、恥をかかせて支払わせる戦術をとります。
対策:
笑顔で近づいてくる天秤棒の物売りとは、一定の距離を保ってください。天秤棒を担ぐように促されても、絶対に手を出してはいけません。写真撮影が目的であれば、公式な施設や許可を得た相手以外には頼まないようにしましょう。もし強引に果物を渡されたら、受け取らずにその場を立ち去ってください。毅然とした態度で無視を貫くことが、この種の詐欺を回避する唯一の手段です。
ニセ配車アプリ運転手
Fake Grab/Taxi Drivers
グループ規模: 単独、または呼び込み役とのペア
ターゲット: ノイバイ空港やハノイ駅に到着したばかりの旅行者。大きな荷物を持ち、移動手段を探してスマートフォンを操作している人物。
活動場所: Noi Bai International Airport, Hanoi Railway Station, My Dinh Bus Station
活動時間: 24時間(特に深夜・早朝の到着便時間帯)
手口:
「Grab?」と親しげに話しかけ、スマートフォンで偽のGrabアプリ画面や、それらしい配車リストを見せて安心させます。正規の予約車だと思い込み車に乗ると、メーターが異常に速く回る「超高速メーター」を使用されるか、到着時に本来の5〜10倍の法外な固定料金を請求されます。2024年12月には日本人旅行者が、ドアをロックされた状態で支払いを強要される事件も発生しています。正規のGrab車と見分けがつかないようなステッカーを貼っている車両もあり、手口が巧妙化しています。
対策:
配車アプリ(GrabやXanh SM)を使用する場合は、必ずアプリ上でマッチングされた車両のナンバープレートと運転手の顔写真を照合してください。向こうから「Grab?」と声をかけてくる運転手は100%偽物です。空港では公式のタクシー待機列(Mai LinhやVinasun等)を利用するか、86番の空港バスを利用するのが最も安全です。呼び込みは完全に無視し、正規のカウンター以外で交通手段を契約しないでください。
iPhone最新機種すり替え詐欺団
iPhone Swap Fraudsters
グループ規模: 2人組(カップルを装うケースあり)
ターゲット: 最新のスマートフォンを所持している、または売買を検討している若年層。SNSやフリマアプリでの取引を好む外国人や現地の若者。
活動場所: Dong Da District, Nam Tu Liem District, Cau Giay District
活動時間: 午後から夜間にかけて
手口:
2025年にドンダー地区などで多発している新手の詐欺です。SNSや質屋の売買を装い、本物のiPhone 16 Pro Maxなどの最新機種を提示して信用させます。取引の最終段階、あるいは動作確認の隙を見て、外見が酷似した精巧な模造品(ダミー)に一瞬ですり替えます。犯行は2人組で行われ、一人が注意を逸らしている間にもう一人がすり替えを実行します。逮捕された20代のカップルは、同様の手口で7件以上の余罪が判明しており、ハノイ公安局が特に警戒を強めている知能犯罪の一つです。
対策:
路上や非正規の店舗、SNSを通じて知り合った個人からの高額製品の購入・売却は絶対に避けてください。iPhoneなどの高額デバイスは、必ず正規代理店(FPT ShopやApple正規店等)で購入してください。どうしても個人間取引を行う場合は、信頼できる現地人を同行させ、中身を最後の最後まで確認し、支払いの瞬間に製品を自分の手から離さないように徹底する必要があります。
市場集団スリ集団
Market Pickpocket Gangs
グループ規模: 3-5名のグループ
ターゲット: リュックを背負っている、またはカバンを無防備に肩にかけている買い物客。スマートフォンをズボンの後ろポケットに入れている人物。
活動場所: Dong Xuan Market, Weekend Night Market, Nuoc Ngam Bus Station
活動時間: 19:00-23:00(ナイトマーケット)、日中(市場)
手口:
ドンスアン市場や週末のナイトマーケットなどの極めて混雑する場所で活動します。一人がターゲットの進路を塞ぐように急停止し、別の仲間が背後や横からカバンに接触します。鋭利なカッターでカバンの底や側面を切り裂く、あるいは熟練した技術でファスナーを開けて貴重品を盗み取ります。犯行後はすぐに別の仲間に盗品を渡し、リレー形式で現場から消し去ります。2025年の公安統計でも、観光エリアでの軽犯罪の主流として報告されており、集団での連携が非常にスムーズです。
対策:
混雑した場所では、カバンを必ず体の前に抱えてください。リュックサックを背負ったまま歩くのは厳禁です。ファスナーには小さな南京錠をかけるか、貴重品は服の下のマネーベルトに収納してください。また、路上でスマートフォンを取り出して操作する際は、必ず建物の壁を背にして、周囲の状況を確認してください。万が一被害に気づいても、相手が刃物を持っている可能性があるため、深追いせず周囲に助けを求めてください。
バイクひったくり犯
Motorcycle Phone Snatchers
グループ規模: 2人乗り(運転手と実行役)
ターゲット: 車道に近い歩道で歩きながらスマートフォンを操作している、またはバッグを車道側に持っている歩行者。
活動場所: Tay Ho (西湖沿い), Hai Ba Trung District, Old Quarter
活動時間: 早朝および夜間の人通りが少ない時間帯
手口:
2人乗りのバイクでターゲットの背後から音もなく近づき、追い越しざまに手に持っているスマートフォンや肩にかけているバッグを一瞬でひったくります。歩道に乗り上げて犯行に及ぶケースもあり、転倒による重傷のリスクが非常に高い危険な犯罪です。ハノイでは警察の「141部隊」による取り締まりで減少傾向にありますが、依然として旧市街の入り組んだ路地やタイホー湖周辺の静かな通りで報告されています。犯人は犯行後、複雑な路地を利用して高速で逃走します。
対策:
路上でスマートフォンを操作しないことが最大の防御です。地図を確認する際は、必ず建物の中や壁際に移動してください。バッグは車道とは反対側の肩にかけ、ストラップを斜めがけにしてください。また、バイクのエンジン音が背後から近づいてきたら、振り返って警戒心を示すだけでも抑止力になります。被害に遭った際、無理にバッグを掴み返そうとすると引きずられて大怪我をする恐れがあるため、安全を最優先してください。
ハノイ美人局詐欺
Hanoi Honey Trap Scammers
グループ規模: 実行役の女性1名と強喝役の男性数名
ターゲット: Tinderなどのマッチングアプリを利用している外国人男性。特に駐在員や一人旅の旅行者で、現地の女性との交流を求めている人物。
活動場所: Kim Ma District, Linh Lang District, Old Quarter (Ta Hien Street周辺)
活動時間: 21:00-03:00
手口:
アプリで知り合った女性に「おすすめのバーがある」と誘われ、旧市街やキンマー地区の指定された店へ行きます。飲食中に、突然「女性の夫」や「兄」を自称する男たちが現れ、不貞行為やトラブルを理由に示談金を要求してきます。店側もグルであるケースが多く、法外な飲食代と示談金を同時に請求されることもあります。2025年の傾向として、暗号資産での支払いを要求するなどデジタル化が進んでおり、密室での脅迫を伴うため精神的・経済的ダメージが大きい凶悪な手口です。
対策:
アプリで知り合った初対面の相手が指定する店には絶対に行かないでください。会う場合は、自分が選んだ明るい公共の場所や、多くの外国人が利用する有名なレストランを指定してください。相手が「家族の店」や「静かなプライベート空間」を提案してきたら、100%詐欺だと判断して連絡を絶ってください。万が一トラブルに巻き込まれたら、支払いに応じる前に隙を見て逃げ出すか、すぐに日本大使館や113(警察)に通報する姿勢を見せてください。
外貨両替強奪犯
Currency Exchange Snatchers
グループ規模: 単独または2人組
ターゲット: SNSを通じて非公式な両替(日本円からドンなど)を希望している在留外国人や旅行者。
活動場所: Nam Tu Liem District, Cau Giay District, Hanoi Station周辺
活動時間: 日中の人通りがある時間帯
手口:
2025年1月にナムトゥリエム地区で発生した最新の手口です。SNS上で「有利なレートで両替する」と持ちかけ、対面での取引を提案します。ターゲットが100万円相当の現金を提示した瞬間、それを奪って待機していたバイクで逃走します。また、偽の銀行振込完了画面を見せて「今送金した」と信じ込ませ、現金だけを受け取って逃げるデジタル詐欺との併用も確認されています。信頼性の低い非正規の両替ルートを狙った非常に計画的な犯罪です。
対策:
両替は必ず銀行(Vietcombank等)または旧市街のHa Trung通りにある政府公認の両替所で行ってください。SNSで知り合った個人との両替取引は、どれほどレートが良くても絶対に行ってはいけません。100%詐欺か強奪目的と考えて間違いありません。特に「対面での確認」を強調する相手には注意が必要です。多額の現金を持ち歩くこと自体が最大のリスクとなるため、可能な限りクレジットカードや公式のATMキャッシングを利用してください。
時間帯別リスク評価
ハノイの治安は時間帯によって性質が変わります。日中は「詐欺と交通安全」、夜間は「人混みでの窃盗とSNS起点の対人犯罪」に焦点を当てるべきです。特に2026年の党大会前後は深夜のパトロールが強化されますが、それに甘んじず、深夜の独り歩きや非公式な移動手段の使用は避けるのが鉄則です。大気汚染という特有の環境リスクも忘れずに管理してください。
早朝
やや安全05:00-08:00
早朝のハノイは、地元住民の活動が活発で物理的な犯罪リスクは低いものの、健康リスクと交通事故に最大限の注意が必要です。2025年のデータでは、冬季を中心にAQI(空気質指数)が300を超える「危険」レベルに達することが多く、屋外活動は呼吸器系に悪影響を及ぼします。また、霧やスモッグによる視界不良が原因で、通勤バイクとの接触事故が多発しています。早朝の散歩は人気のある公園(ホアンキエム湖周辺など)に限定し、マスク着用と反射材の利用を推奨します。人通りの少ない路地では、夜通し活動していた不審者による偶発的なトラブルの可能性も完全には排除できません。
脅威:
- ・深刻な大気汚染(PM2.5)
- ・視界不良による交通事故
- ・通勤バイクの歩道走行
- ・夜勤明けの不審者
推奨:
- ・AQIを確認し高い場合は外出を控える
- ・高機能マスク(N95推奨)を着用する
- ・道路横断時はバイクの挙動に注視する
- ・人気の多い大通りを歩く
日中
やや安全08:00-18:00
日中は観光客を狙った「軽微な詐欺」と「スリ」の全盛時間帯です。旧市街やホアンキエム湖周辺では、親しげに近づいてくる靴磨きや天秤棒を担いだ果物売りに注意してください。2025年の報告では、観光スポットでの「iPhoneすり替え詐欺」や「チャリティ署名を装った募金詐欺」が巧妙化しており、善意を装ったアプローチが目立ちます。また、路肩でスマートフォンを操作している最中にバイクから奪い去られる「ひったくり」も依然として発生しています。人混みの中ではリュックを前に抱え、スマートフォンの使用は建物の壁を背にして行うなどの対策が不可欠です。物理的な暴行リスクは極めて低いですが、金銭的なトラブルに巻き込まれやすい時間帯です。
脅威:
- ・靴磨き・押し売り等の古典的詐欺
- ・バイクによるスマホひったくり
- ・混雑した市場での集団スリ
- ・タクシーのメーター細工
推奨:
- ・見知らぬ人物からの親切な申し出を無視する
- ・バッグは必ず体の前で保持する
- ・スマホは路上で露出させない
- ・移動にはGrabまたは大手タクシーを利用する
夕方〜夜
注意18:00-23:00
夜のハノイは活気に溢れますが、ナイトマーケットやビール通り(ターヒエン通り)などの密集地では犯罪密度が上昇します。特に週末の歩行者天国では、グループによる組織的なスリが多発しており、バッグを切り裂く手法も報告されています。また、この時間帯から「マッチングアプリ詐欺」への警戒が必要です。SNSで知り合った地元住民にバーへ誘われ、後から高額な請求をされたり、示談金を要求されたりするケースが2025年後半から急増しています。飲食店での過剰請求トラブルも多く、注文前に必ず明細と最終価格(税込か)を確認することが身を守る鍵となります。飲酒による判断力の低下を狙った犯行に十分注意してください。
脅威:
- ・ナイトマーケットでの組織的スリ
- ・マッチングアプリによる誘い出し詐欺
- ・飲食店での高額過剰請求
- ・酔客を狙った置き引き
推奨:
- ・知らない相手に指定された飲食店に行かない
- ・会計時は必ずレシートの明細を確認する
- ・貴重品はホテルのセーフティボックスに預ける
- ・人混みでは周囲の不審な動きに警戒する
深夜
警戒23:00-05:00
深夜になると、政治拠点であるバーディン地区などを除き、街灯が少ないエリアや路地裏での危険性が高まります。2025年の事件統計では、深夜の携帯電話販売店襲撃や、バイク窃盗、外国人による薬物関連のトラブルが報告されています。特にザップバット・バスターミナル周辺やロンビエン橋付近など、夜間に照明が不足する場所での一人歩きは強盗のリスクを伴います。また、深夜に営業しているバーやクラブでは薬物使用の摘発が行われることがあり、巻き込まれないよう注意が必要です。移動には流しのタクシーやバイクタクシー(Xe Om)を絶対に使用せず、必ず信頼できる配車アプリで車両を呼んでください。アプリを使わずに声をかけてくるドライバーは、ボッタクリや強奪の危険性が極めて高いです。
脅威:
- ・暗い路地での強盗・ひったくり
- ・違法タクシーによるボッタクリ・監禁
- ・薬物関連の摘発トラブル
- ・バイク集団による暴走行為
推奨:
- ・深夜の徒歩移動を避け必ずGrabを利用する
- ・照明のない路地裏には立ち入らない
- ・薬物疑惑のある場所には近づかない
- ・常にGPSで現在地を確認し他者と共有する
旅行者タイプ別アドバイス
女性一人旅
★★★★☆ハノイは女性一人旅にとって、東南アジアの中でも比較的安全な都市です。物理的な暴力犯罪は稀ですが、2025年のトレンドとしてSNSやマッチングアプリを悪用した誘導型の金銭被害が増加しています。親切を装って「日本に興味がある」「家族に会わせたい」と近づいてくる人物には注意が必要です。夜間のタクシー移動は必ずGrabを利用し、乗車情報を友人と共有するなどのデジタル自衛が効果的です。また、伝統的な衣装を着た果物売りとの写真撮影などは高額請求に繋がりやすいため、笑顔で断る毅然とした態度が求められます。全体として、警戒心を持ちつつ行動すれば、文化的な魅力を安全に楽しむことができます。
特有のリスク:
- ・SNSでの甘い誘いによる詐欺被害
- ・旧市街の暗い路地での不安感
- ・強引な押し売りやボッタクリ
- ・バイクによるひったくり
推奨事項:
- ・Grabの共有機能で現在地を家族に送る
- ・知らない人からの飲み物の提供を受けない
- ・夜間は必ず大通りを選んで歩く
- ・大使館の連絡先を短縮ダイヤルに登録する
- ・華美な装飾品を路上で露出させない
- ・宿泊先は評価の高い日系ホテルや大手を選ぶ
避けるべきエリア:
ロンビエン橋(夜間), 旧市街の無照明な路地裏, ザップバット・バスターミナル周辺
おすすめ宿泊エリア: タイホー地区の高級サービスアパート、またはキンマー地区の日系ビジネスホテル
家族連れ
★★★★★ハノイは家族連れに優しい都市ですが、最大の脅威は「複雑な交通事情」と「大気汚染」です。ベトナムの交通マナーは独特で、歩道をバイクが走行することも珍しくありません。子供と歩く際は必ず手をつなぎ、車道側を歩かせないようにしてください。また、2025年のAQI(空気質)悪化を受けて、子供向けの屋内遊び場や空気清浄機完備のホテルの需要が高まっています。食中毒のリスクも考慮し、露店での食事よりも衛生管理の行き届いたモール内のレストランやホテルでの食事を推奨します。治安面では、家族連れがターゲットにされる凶悪犯罪はほぼありませんが、迷子にならないよう混雑地では細心の注意を払ってください。
特有のリスク:
- ・バイクとの接触事故
- ・深刻な大気汚染による呼吸器疾患
- ・衛生状態の悪い食べ物による食中毒
- ・混雑地での迷子・置き引き
推奨事項:
- ・道路横断時は手を挙げてゆっくり渡る
- ・子供用マスクを常備する
- ・宿泊先は空気清浄機完備の部屋を指定する
- ・ウェットティッシュを常に携帯し除菌する
- ・Grabの4人乗り/7人乗りタクシーをフル活用する
- ・緊急時に備えて日本語対応病院を把握する
避けるべきエリア:
週末のドンスアン市場内, 交通量の激しい交差点周辺, 建設工事現場の近く
おすすめ宿泊エリア: バーディン地区またはコウザイ地区の大型プール付き外資系ホテル
ビジネス渡航者
★★★★★ビジネス渡航者にとってハノイは非常に安全で快適な都市ですが、2025年以降、日本人ビジネスマンを標的とした「高度な投資詐欺」や「接待に伴うトラブル」が報告されています。SNSグループや会食の場で知り合った人物からの非現実的な不動産投資や仮想通貨の勧誘には関わらないでください。また、夜の接待では「美人局(つつもたせ)」のようなトラブルも散見されるため、初対面の相手が指定する馴染みのないバーへ行くのは控えるべきです。セキュリティの面では、公衆WiFiを通じた情報漏洩のリスクにも注意が必要で、VPNの使用や重要情報の管理を徹底してください。政治的に敏感な時期は官公庁周辺での写真撮影が制限されることがあるため、現地の法規制にも留意が必要です。
特有のリスク:
- ・SNSや対面での投資・暗号資産詐欺
- ・夜の繁華街での美人局・高額請求
- ・公衆WiFi経由のサイバー攻撃
- ・政治的イベントに伴う交通規制
推奨事項:
- ・信頼できるVPNを必ず使用する
- ・投資の勧誘は即座に断り、深入りしない
- ・移動はXanh SM(高品質EVタクシー)を指定する
- ・iHanoiアプリで現地の最新規制をチェックする
- ・重要な会議や食事は日系エリアまたは高級ホテルで行う
- ・タクシー内での現金支払いは避け、アプリ決済する
避けるべきエリア:
深夜のターヒエン通り, 政治的なデモ・集会場所(稀だが発生時), 非公式な両替商(Ha Trung通り以外)
おすすめ宿泊エリア: キンマー地区の日系ホテル(Hotel du Parc等)またはバーディンの高級ホテル
バックパッカー
★★★☆☆ハノイの旧市街はバックパッカーの聖地ですが、同時に最も多くの軽犯罪が集中する場所でもあります。安宿周辺での「睡眠薬詐欺」や「偽ガイド」、格安ツアーでの「代金持ち逃げ」などが頻繁に報告されています。特に2025年は、偽のGrabドライバーによる高額請求が空港や駅で横行しており、アプリを介さない移動は非常にリスクが高いです。また、ドミトリー内での貴重品管理も重要で、鍵のかからないロッカーは使用せず、常に身につけるか信頼できる預け先を確保してください。低予算旅行者ほど、少しの節約が大きな詐欺被害に繋がることを意識し、公式な窓口やアプリを利用する「情報の精査」が安全への近道です。
特有のリスク:
- ・偽Grabドライバーによるボッタクリ・脅迫
- ・宿泊施設内での貴重品盗難
- ・安価な偽造品や粗悪品による健康被害
- ・睡眠薬等を用いた知能犯罪
推奨事項:
- ・空港からは86番バスまたは公式Grabで移動する
- ・ツアー予約はホテルのフロントか公式デスクで行う
- ・貴重品はマネーベルトに入れて服の中に隠す
- ・他人の靴に触ろうとする靴磨きは完全に無視する
- ・天秤棒を肩に載せられたら即座に下ろして立ち去る
- ・飲み物は必ず自分で開けたものを飲む
避けるべきエリア:
ハノイ駅周辺の非公式旅行代理店, ザップバット・バスターミナル, 旧市街の客引きが激しいマッサージ店
おすすめ宿泊エリア: 旧市街内の口コミ評価が非常に高く、セキュリティボックス完備のホステル
安全な宿泊エリア
バーディン地区(Ba Dinh)
★★★★★ハノイの政治的中心地であり、各国大使館や官公庁が集中しているため、市内最高レベルの治安を誇ります。2026年の党大会期間中も最も厳重な警備が敷かれるエリアです。通りは広く街灯も整備されており、夜間の一人歩きも比較的安全です。喧騒を避けて静かに過ごしたい旅行者や、セキュリティを最優先する政府・ビジネス関係者に最適な滞在先です。
例: Lotte Hotel Hanoi, Pan Pacific Hanoi
キムマー/リンラン地区(Kim Ma / Linh Lang)
★★★★★「日本人街」として知られるエリアで、日系ホテルやサービスアパートメントが多数存在します。日本語が通じる店舗も多く、トラブル時の心理的ハードルが低いのが特徴です。2025年の最新統計でも街頭犯罪の発生率が極めて低く、深夜まで営業している日本食レストランが多いため、夜間でも人通りがあり安心感があります。ビジネス渡航者や初めてハノイを訪れる日本人に最も推奨されるエリアです。
例: Hotel du Parc Hanoi, Super Hotel Candle
タイホー地区(Tay Ho - 西湖北東部)
★★★★★富裕層や欧米系駐在員が多く居住する高級住宅街です。西湖沿いの景観が美しく、旧市街のような雑多な雰囲気がないため、落ち着いた滞在が可能です。居住者の防犯意識が高く、私設警備員を配置する施設も多いため、空き巣やひったくりへの対策がなされています。長期滞在や女性一人旅で、リラックスした環境と安全性の両立を求める場合に最適です。
例: Sheraton Hanoi Hotel, InterContinental Hanoi Westlake
フレンチクォーター(French Quarter - ホアンキエム湖南側)
★★★★★ホアンキエム湖の南側に位置し、高級ホテルやブランドショップ、官公庁が並ぶ洗練されたエリアです。旧市街の北側(バックパッカー街)に比べて道幅が広く、歩道も整備されているため、物理的な安全性や交通事故のリスクが低減されています。警察の巡回も頻繁に行われており、ボッタクリや強引な客引きもこのエリアではほとんど見られません。優雅な観光を楽しみたい層に最適です。
例: Sofitel Legend Metropole Hanoi, Hilton Hanoi Opera
コウザイ地区(Cau Giay)
★★★★☆近代的な高層ビルやオフィスが並ぶ新市街エリアです。道が広く都市計画に基づいた設計のため、ハノイ特有の入り組んだ路地が少なく、防犯カメラの設置率も高いのが特徴です。2025年の警察発表でも治安改善地区として挙げられています。比較的新しいホテルが多く、コストパフォーマンスに優れた宿泊施設が見つかりやすいため、家族連れや中長期の出張者に適した安全な選択肢です。
例: Novotel Suites Hanoi, JW Marriott Hotel Hanoi (周辺)
交通機関の安全情報
地下鉄・メトロ
2024年に開通したメトロ3号線(高架区間)と2A号線は、ハノイで最も清潔かつ安全な移動手段です。駅構内には多数の監視カメラが設置され、ガードマンも常駐しています。現在のところ目立った犯罪報告はありませんが、朝夕の通勤ラッシュ時の混雑に乗じたスリには注意が必要です。切符の購入方法が不慣れな観光客を狙って「教えてあげる」と近づく人物には警戒し、公式窓口を利用してください。夜間の利用も現在のところ安全ですが、終電間際の駅周辺は人通りが少なくなるため、速やかな移動を心がけてください。
タクシー・配車アプリ
ハノイでのタクシー利用は「Grab」または「Xanh SM (GSM)」アプリの利用が鉄則です。これらは料金が事前に確定し、GPSで走行ルートが記録されるため、ボッタクリや偽タクシーのリスクをほぼゼロにできます。反対に、空港や駅で客引きをしている「白タク」は非常に危険です。2025年も、日本人旅行者が白タクに乗車し、法外な料金を支払うまでドアをロックされる事件が発生しています。正規のタクシー(Mai Linh, Vinasun)を利用する場合も、メーターが正しく回っているか、運転手のIDが掲示されているかを必ず確認してください。
バス
市内バス(特に86番の空港バス)は安価で実用的ですが、通勤時間帯(7:00-9:00, 17:00-19:00)の激しい混雑時はスリの温床となります。バス停で並んでいる際や、乗降時の混乱に乗じてポケットやカバンからスマートフォンを抜き取る「集団スリ」が報告されています。大きな荷物を持っている場合は特に狙われやすいため、必ずカバンは体の前に抱えて保持してください。長距離バスターミナル(Giap Bat, Nuoc Ngam)周辺は浮浪者や偽タクシーの客引きも多いため、バスを下車した後は速やかにその場を離れることが重要です。
徒歩・自転車
ハノイの歩道はバイクの駐輪場や露店として利用されており、歩行者は車道を歩かざるを得ない場面が多く、交通事故リスクが非常に高いです。また、渋滞時にバイクが歩道を走行することもあるため、常に周囲の音に注意を払う必要があります。旧市街の暗い路地や、夜間のロンビエン橋、西湖(タイホー)周辺の静かな道では、バイクによる追い越しざまのひったくりが頻発しています。夜間の一人歩きは可能な限り避け、移動には必ず配車アプリを利用してください。自転車は盗難リスクが非常に高く、短時間の駐輪でも厳重なロックが必要です。
空港からのアクセス
ノイバイ空港からの移動は、86番バス(オレンジ色の車体)が最も推奨される安全な公共交通機関です。タクシーを利用する場合は、必ず到着ロビー外にある公式のタクシー待機列から乗車してください。到着ロビー内で「Grab?」と声をかけてくる人物や、「予約車の迎えだ」と嘘をつく人物は、100%詐欺師です。2024年末には「ホテルから頼まれた」と嘘をつき、市内に向かう車内で高額請求を行う事件が日本人を標的に発生しています。不安な場合は、宿泊先ホテルに送迎を依頼するか、Grabアプリで呼び出した車両のナンバーを厳格に照合してください。
緊急連絡先
ハノイでの緊急時には、まず現地の113番(警察)へ連絡しますが、言語の壁があるため、宿泊ホテルのフロントを通じて通報してもらうのが最も確実です。盗難被害に遭った場合は、必ず「ポリスレポート(被害届)」を現地の管轄警察署で作成してください。これは保険請求やパスポート再発行に不可欠です。2025年からはハノイ市政府公式アプリ「iHanoi」を通じて問題報告も可能になっていますが、重篤な怪我や事件の場合は、提携している日系病院や日本大使館へ即座に電話し、指示を仰いでください。特にパスポート紛失時は、大使館で「帰国のための渡航書」を申請する必要がありますが、警察発行の証明書がないと手続きが進みません。常に大使館の連絡先をメモし、貴重品の予備コピーをクラウドに保存しておくことを強く推奨します。
日本国大使館・領事館
ハノイの治安に関するよくある質問
ハノイの治安は良い?悪い? ▼
ハノイの治安は東南アジアの中でも比較的良好で、物理的な安全性は高いと言えます。特に2026年1月の党大会に向けた『141部隊』による取り締まり強化により、夜間のパトロールが頻繁に行われています。しかし、観光客を狙った軽犯罪や詐欺は根絶されておらず、金銭的なトラブルに対する警戒は依然として必要です。
ハノイで危険なエリアはどこ? ▼
特に注意が必要なのはザップバット・バスターミナル周辺で、スリや偽タクシーの勧誘が頻発しています。また、夜間のロンビエン橋は照明が少なく、強盗の発生リスクがあるため徒歩での通行は避けてください。旧市街のターヒエン通りなどは、夜間の過剰請求トラブルが多いため注意が必要です。
ハノイ旅行はやばい?本当に行って大丈夫? ▼
命に関わるような凶悪犯罪は極めて稀ですが、交通状況の悪さと大気汚染、そして巧妙な詐欺の多さは「やばい」と感じるかもしれません。特にバイクの波を横断する際は細心の注意が必要です。詐欺対策と環境対策(マスク等)をしっかり行えば、観光自体は十分に安全に楽しむことができます。
ハノイは女性一人でも怖くない? ▼
女性一人旅でも日中の観光は特に怖がる必要はありませんが、親しげに日本語で話しかけてくる人物には警戒してください。夜間は人通りの少ない路地を避け、移動には必ずGrabなどの配車アプリを利用しましょう。また、マッチングアプリを介した美人局的なトラブルも報告されているため、現地での出会いには慎重になるべきです。
ハノイでスリに遭わないための対策は? ▼
ドンスアン市場やナイトマーケットなどの混雑した場所では、バッグを体の前に持ち、ファスナーを手で押さえるようにしましょう。カッターでバッグを切り裂く手法も存在するため、貴重品は内ポケットやマネーベルトに分散させるのが効果的です。また、歩道でのスマートフォン操作はバイクによるひったくりの標的になります。
ハノイで多い詐欺の手口は? ▼
代表的なのは靴磨き詐欺や天秤棒フォト詐欺です。勝手に靴を磨き始めたり、写真を撮らせた後に高額請求をしてきます。また、2025年からはSNSを通じたiPhoneの最新機種すり替え詐欺が急増しています。路上や非公式な場所での電子機器の売買、身元の分からない人物からの誘いには絶対に乗らないでください。
ハノイで日本人が巻き込まれやすい犯罪は? ▼
「Grab?」と声をかけてくる偽配車アプリ運転手による不当請求や、ハノイ駅周辺での偽旅行代理店への誘導が目立ちます。日本人は「断りきれない」と思われやすく、靴磨き詐欺などのターゲットになりがちです。また、夜のバーでの睡眠薬強盗や過剰請求などの知的犯罪も増加傾向にあります。
ハノイ旅行で注意すべきことは? ▼
物理的な犯罪以外に、深刻な大気汚染への注意が必要です。高機能なマスクを着用することをお勧めします。また、路上で天秤棒を担がせてくる果物売りや、親切を装って近づいてくる見知らぬ人物には「No」とはっきり伝える勇気を持つことが、トラブルを未然に防ぐ最大のポイントとなります。
ハノイで起こりやすいトラブルは? ▼
タクシーのメーターが異常に速く回る「超高速メーター」や、注文していない料理を出されるレストランでのトラブルが散見されます。また、交通ルールが守られていないため、歩行中のバイクとの接触事故も非常に多いトラブルの一つです。必ず正規の配車アプリを利用し、移動の安全を確保してください。
ハノイで被害に遭ったらどうする? ▼
万が一被害に遭った場合は、速やかに「113」(警察)に連絡するか、最寄りの公安(警察署)へ向かってください。パスポート紛失時は在ベトナム日本国大使館への連絡が必須です。言葉の壁があるため、トラブルの内容をスマートフォンの翻訳アプリで提示したり、ホテルのスタッフに助けを求めるのが現実的です。
ハノイの治安詳細
ハノイの治安概要
ハノイは安定した政治基盤と厳格な警察機構により、物理的な治安は東南アジア諸国の中でもトップクラスの安定を誇ります。2026年の共産党大会に向けた治安維持活動の影響で、街頭での強盗や暴力的犯罪の発生率は低下傾向にあります。しかし、その一方で観光客の不注意や善意を逆手に取った軽犯罪や詐欺、SNSを利用したデジタル犯罪が巧妙化しています。旅行者は身体的な危険よりも、金銭的なトラブルや大気汚染、混沌とした交通状況といった環境的リスクに重点を置いた対策が求められる都市と言えます。
ハノイは危険?やばい?
ハノイは「危険」という言葉から連想される凶悪犯罪の心配は少ないですが、詐欺の巧妙さにおいては「やばい」レベルと言えます。特にザップバット・バスターミナル周辺や深夜のロンビエン橋、旧市街の混雑エリアはリスクが高まります。また、2025年以降はiPhoneの最新機種を狙った、あるいはそれを利用した「すり替え詐欺」が急増しており、路上での不用意な取引や見知らぬ人物との接触は極めてリスクが高い状況です。命の危険は低いものの、財布や精神的なダメージを受ける可能性は常に隣り合わせであると認識すべきです。
ハノイは怖い?一人旅でも大丈夫?
ハノイは女性一人旅でも、基本的な防犯意識があれば過度に「怖い」と感じる必要はありません。現地の人々は概ね親切ですが、過剰に馴れ馴れしい人物や日本語で執拗に話しかけてくる人物には注意が必要です。夜間の移動は必ずGrabなどの正規配車アプリを使用し、暗い路地に入らないようにすれば、夜の観光も楽しめます。一人旅で最も注意すべきは、マッチングアプリ等を介した「美人局」や「投資詐欺」です。現地での出会いを求める際は、相手の素性が確認できない限り、個室や人気のない場所へ行くのは避けてください。
スリ・詐欺・犯罪の実態
ハノイの犯罪は「隙」を突くものが中心です。特に「靴磨き詐欺」は巧妙で、断っても勝手に作業を始め、数分で数千円相当の額を要求します。「天秤棒詐欺」も同様で、写真を撮らせた後に法外な果物代を請求します。また、最新の「iPhoneすり替え詐欺」は2人組で行われ、一人が注意を逸らしている隙に精巧なダミー機に替えられる手口が報告されています。スリに関しては、ドンスアン市場などの混雑地でカッターを使いバッグを切り裂く集団スリが活動しており、単なる注意だけでは防げないほど熟練した手口も存在するため、物理的な防犯対策が不可欠です。
ハノイ旅行で注意すべきポイント
ハノイ滞在で最も注意すべきは「移動手段」と「大気」です。路上で「Grab?」と声をかける個人バイクやタクシーは避け、必ず公式アプリから予約した車両のナンバーを確認して乗車してください。また、世界最悪レベルになることもある大気汚染は、呼吸器に深刻な影響を与えるため、現地仕様の強力なマスク(N95等)の着用を強く推奨します。さらに、歩道であってもバイクが走行してくることが珍しくないため、常に周囲の音と動きに注意を払う必要があります。金銭面では、桁数が多いベトナムドン(VND)の読み間違いを狙ったお釣り詐欺にも注意してください。
よくあるトラブル事例
実際のトラブル事例として、日本人旅行者が「Grabの予約車だ」と嘘をつく男の車に乗車し、わずか数キロの移動で数百ドンの支払いを求められ、拒否すると車内に閉じ込められるケースがありました。また、旧市街で靴磨きを承諾していないのに強引に接着剤を塗られ、ボロボロになった靴の修理代として80万ドンを請求された事例も絶えません。2025年には、SNSで知り合った現地人と最新スマホの個人売買を試みた日本人が、確認の隙に偽物へすり替えられ、現金を奪われるという「すり替え詐欺」の被害も報告されています。
被害に遭った場合の対応
万が一被害に遭った場合、ベトナムの警察(公安)は日本語が通じないことが多いため、まずは宿泊先のホテルのフロントに相談し、通訳やサポートを依頼するのが賢明です。盗難などで保険請求が必要な場合は、必ず警察署で「紛失・盗難届(ポリスレポート)」を発行してもらう必要があります。緊急連絡先は警察が113、消防が114、救急が115です。また、パスポートの紛失や重大な事件に巻き込まれた際は、バディン地区にある「在ベトナム日本国大使館」へ連絡してください。トラブル発生時は感情的にならず、冷静に状況を記録することが重要です。
その他の情報
ベストシーズン
安全面と健康面から見たベストシーズンは、10月から11月です。この時期は気候が穏やかで台風のリスクが低く、何より2025年以降深刻化している「冬季の大気汚染」が本格化する前であるため、屋外観光を安全に楽しめます。逆に避けるべきは1月下旬から2月の「テト(旧正月)」期間です。この時期はほとんどの商店や病院が休業し、ATMの現金不足や、テト前後の犯罪(ひったくり・空き巣)の急増、飲酒運転による交通事故の増加が報告されており、旅行者にとってのリスクが年間で最大になります。
言語のヒント
ハノイの観光地では英語が比較的通じますが、緊急時に備えて以下のベトナム語をメモしておくと役立ちます。警察を呼んでください:『Lam on goi Cong an (ラム・オン・ゴイ・コンアン)』、助けて!:『Cuu toi voi! (クゥ・トイ・ヴォイ)』、私は日本人です:『Toi la nguoi Nhat (トイ・ラ・グイ・ニャッ)』、病院へ行きたい:『Toi muon di benh vien (トイ・ムオン・ディ・ベン・ヴィエン)』。ハノイの人々は『Toi khong can (トイ・ホン・カン / 結構です)』とハッキリ断る人に対しては無理強いしません。曖昧な笑顔は「検討の余地あり」と誤解されるため、詐欺や客引きを断る際は、目をしっかり見て毅然とした口調で断ることが重要です。
文化・マナー
ハノイは政治の街であり、ホーチミン廟や官公庁周辺での振る舞いには注意が必要です。政治的なデモや批判的な議論、軍事・政府施設の撮影は厳禁で、即座に拘束されるリスクがあります。また、寺院参拝時は肩や膝を出さない露出を控えた服装が礼儀です。2026年の党大会期間中は特に検問や身分証確認が頻繁になるため、常にパスポートのコピー(または原本)を携帯してください。ハノイの人々はメンツを重んじるため、ボッタクリ等のトラブル時も大声で怒鳴り散らすのは逆効果です。落ち着いて「警察を呼ぶ」と告げるか、ホテルのスタッフを仲介させるのが、解決への最もスムーズな文化的アプローチです。また、地元の人との距離が近い街ですが、過度な馴れ馴れしさは詐欺への警戒対象であることを忘れないでください。