ミラノ (Milan)

イタリア (Italy)

最終更新: 2026年1月15日

62
安全スコア
C+
身体的安全
A
医療・衛生
D+
詐欺
B
テロ
E+
スリ
C
暴力犯罪

総合評価

ミラノは統計上イタリアで最も犯罪認知件数が多い都市であり、特に観光客を狙った窃盗や詐欺が常態化しています。2026年冬季五輪に向けた警備強化が進む一方、中央駅周辺の夜間治安や若者グループによる路上強盗には厳重な注意が必要です。

身体的安全 (C+)

暴力的な事件は特定の危険地区(中央駅周辺、ロゴレド等)に集中していますが、近年は繁華街でも少年グループによる刃物を用いた強盗事件が報告されており、油断は禁物です。

医療・衛生 (A)

欧州内でも最高水準の医療施設が揃っており、ミラノ・メディカルセンターなど多言語対応の私立病院も充実しています。緊急時の対応も迅速で、医療体制に大きな懸念はありません。

詐欺 (D+)

ドゥオーモ広場やスフォルツェスコ城周辺でのミサンガ詐欺やハトの餌詐欺が極めて多く、観光客を狙った巧妙な手口が後を絶ちません。組織的な犯行が多いため注意が必要です。

テロ (B)

2026年冬季五輪を控え、イタリア政府はテロ警戒レベルを最大に引き上げています。軍・警察による24時間体制の監視が主要駅や広場で実施されており、抑止力は高い状況です。

スリ (E+)

人口10万人あたりの窃盗発生率はイタリア国内ワースト1位です。地下鉄M1・M3線やドゥオーモ周辺では、集団スリによる被害が日本人旅行者からも頻繁に報告されています。

暴力犯罪 (C)

「ベビーギャング」と呼ばれる若者集団による路上強盗が社会問題化しています。特に深夜の歓楽街や駅周辺での暴行を伴う強盗が増加傾向にあり、夜間の単独行動は危険を伴います。

最新インテリジェンスレポート

ミラノはイタリア経済の中心地である一方、2024-2025年の犯罪統計で国内ワースト1位を記録した治安上の課題が多い都市です。特に観光客を標的としたスリ、置き引き、巧妙な詐欺が多発しており、2026年冬季五輪に向けた2000人規模の軍・警察の追加投入による警備強化が急務となっています。物理的な安全に関しては、中央駅周辺や郊外の特定地域を除けば昼間は比較的安定していますが、夜間の治安は地域によって極端に悪化します。

現在の状況

2025年から2026年にかけて、ミラノの治安情勢は二極化しています。当局は犯罪認知件数が前年比で約8-10%減少したと発表していますが、路上での体感治安は依然として厳しい状況です。特に「Maranza(マランザ)」と呼ばれるカルチャーに影響を受けた少年グループ(ベビーギャング)による、高級時計を狙った暴力的な強盗や、SNSでの犯行誇示が深刻な社会問題となっています。地下鉄内では、組織的なスリグループが妊婦を装ったり、乗降時の混雑を利用してスマホや財布を抜き取る手口が洗練されています。2025年末には中央駅前での大規模な乱闘事件や観光客への重傷強盗事件が発生しており、警察は「Zone Rosse(レッドゾーン)」政策を導入して駅周辺やヴィア・パドヴァなどの警戒を強化しています。2026年2月の冬季五輪開催に向け、主要スポットにはバイオメトリクス認証の導入や軍の常駐が進められていますが、混雑を狙った軽犯罪の増加が懸念されます。

背景分析

治安悪化の背景には、経済的格差と若年層の失業、そして移民問題が複雑に絡み合っています。ミラノはイタリアで最も生活費が高い都市の一つであり、その物価格差が社会的孤立を生み、若者たちが「犯罪を富の再分配や自己顕示の手段」として利用する土壌となっています。特にSNSの影響で、犯罪をファッションやエンターテインメントとして捉える「ベビーギャング」文化が10代の間で蔓延しており、従来の「金銭目的の犯罪」から「動機なき暴力」へと変質している点が指摘されています。また、ロゴレド地区の「麻薬の森」に象徴される薬物汚染も、周辺地域の窃盗事件を誘発する一因となっています。不法滞在者の集積地となっている中央駅北側エリアでは、行政の介入が追いついておらず、治安維持と社会統合のバランスが崩れている状況が見て取れます。

政治・社会情勢

政治的には、中東情勢を受けたパレスチナ支持デモや、労働組合による交通ストライキ(Scioperi)が頻繁に発生しています。デモは週末にドゥオーモ広場周辺で実施されることが多く、一部が暴徒化して警察と衝突するケースもあります。また、2026年五輪に向けた巨額のインフラ投資に対する反対運動や、環境活動家による名画・建造物への抗議活動も不定期に行われており、主要観光地での予期せぬ混乱に注意が必要です。ストライキは地下鉄や鉄道に大きな影響を与え、移動困難に乗じた混乱の中でのスリ被害も報告されています。

重要ポイント

  • ! 2026年冬季五輪期間(2月6-22日)前後は、最高レベルの警備体制が敷かれ、身分証の携行が必須となる。
  • ! 「Where ARE U」アプリを導入し、緊急時にGPS位置情報を警察へ即座に送信できる準備をしておくべきである。
  • ! 高級時計(ロレックス等)やブランドバッグの着用は、バイクを利用した「ひったくり」の標的となるため避けるべきである。
  • ! ドゥオーモ広場でのミサンガやハトの餌、署名活動は全て詐欺と見なし、一切の接触を拒否すること。
  • ! 地下鉄M1線(赤)とM3線(黄)の乗降時は、ドア付近での「サンドイッチ型スリ」に最大限の警戒を払うこと。
  • ! ミラノ中央駅は夜間、駅舎内だけでなく周辺広場(ドゥーカ・ダオスタ広場等)の通行を避け、タクシーを利用すること。
  • ! ケチャップや汚れをかけられる「シミ抜き詐欺」に遭遇しても、その場で荷物を置かず、安全な建物内へ移動すること。
  • ! 90番・91番バス(環状線)は薬物中毒者や攻撃的な人物が多く、夜間の利用は強く推奨されない。
  • ! ATM利用時は銀行併設のものを使い、周囲に「親切な助手」を装う人物がいないか確認すること。
  • ! 被害に遭った場合は、速やかに112番通報し、保険請求に必要な警察の被害届(Denuncia)を必ず取得すること。

エリア別安全情報(タクティカルマップ)

ミラノの都市構造は、中心部のドゥオーモから同心円状に広がっています。中心部の1区は観光客狙いのスリ・詐欺が主ですが、外周部に向かうほど「ベビーギャング」や薬物に関連した暴力犯罪のリスクが高まります。特に鉄道網の結節点である中央駅、ガリバルディ駅周辺、および北東部のヴィア・パドヴァ、南東部のロゴレドなどは「治安の空白地帯」が生じやすく、当局も Zone Rosse として重点警戒しています。2026年五輪に向けた軍の展開により、主要スポットの安全性は向上していますが、公共交通機関(特に地下鉄と環状バス)での警戒は依然として不可欠です。

危険エリア
注意エリア
安全エリア

Brera (ブレラ)

安全

ミラノで最も安全な高級地区。24時間の警察巡回があり、夜間も明るく洗練された雰囲気で、女性の単独歩行も比較的安心です。

リスク: 稀に発生する置き引き, 高級車を狙った車上荒らし
特になし

Milano Centrale (中央駅周辺)

危険

最重点警戒区域。夜間は不法滞在者や薬物売買人が集まり、暴力的な強盗や嫌がらせが多発します。駅の北側広場は特に危険です。

リスク: 路上強盗, 薬物取引, 集団スリ, 嫌がらせ
20:00以降の徒歩移動は厳禁。タクシー利用推奨。

Centro Storico / Duomo

注意

観光の中心地。スリや詐欺の主戦場です。ミサンガ、ハトの餌、署名詐欺の犯人が常に徘徊しており、警察の目も届きにくい混雑を利用します。

リスク: 組織的な集団スリ, ミサンガ詐欺, ハトの餌詐欺
混雑する日中から夕方にかけて被害が集中。

Rogoredo (ロゴレド)

危険

「麻薬の森」として知られるイタリア最大の薬物取引地が隣接。銃器や刃物を用いた重犯罪も報告されており、観光客が立ち入るべきではありません。

リスク: 麻薬密売, 重大犯罪, 暴行
終日回避すべき極めて危険なエリア。

Navigli (ナヴィリ)

注意

夜遊びの拠点ですが、深夜は酔客を狙ったスマホひったくりや「ベビーギャング」による恐喝が発生します。運河沿いの路地裏は特に注意。

リスク: スマートフォン窃盗, 泥酔客とのトラブル, 集団強盗
23:00以降の細い路地への立ち入りは避ける。

Via Padova / Loreto

危険

多文化混在地域で、近年「赤地帯」に指定。ギャングの抗争や路上での暴力事件が頻発しており、夜間の通行はリスクが高いエリアです。

リスク: ストリートギャング, 路上暴行, ひったくり
夜間および深夜の徒歩移動は非推奨。

Porta Nuova / Isola

安全

再開発された近代的なビジネス地区。高度な防犯カメラシステムと民間警備員が配備されており、ミラノで最も安全なエリアの一つです。

リスク: レストランでの置き引き, ATMスキミングへの注意
特になし

San Siro (サン・シーロ)

注意

スタジアム周辺。試合開催日はサポーター同士の衝突や、興奮した若者による車上荒らし、スマホ窃盗が多発します。南側の公営住宅街は夜間危険。

リスク: 車上荒らし, 喧嘩・暴動, 集団スリ
イベント開催時の深夜は警備が手薄な場所を避ける。

Porta Venezia

注意

活気あるエリアですが、大規模なデモの出発点となることが多く、政治的緊張が高まると暴徒化のリスクがあります。また集団スリも確認されています。

リスク: 政治デモに伴う混乱, 集団スリ, 酔客のトラブル
デモ予告がある日は回避を推奨。

CityLife (シティライフ)

安全

歩行者専用の高度管理地区。家族連れが多く、夜間も照明が明るく安全です。富裕層向けの警備が厳重に行われています。

リスク: ショッピングモール内での置き引き
特になし

Corvetto (コルヴェット)

危険

貧困層が多く、ギャングの活動や麻薬取引が報告されています。建物の落書きや破壊行為が目立ち、観光客にとって非常に不穏な空気の漂う地区です。

リスク: 暴力犯罪, 強盗, 不法活動
昼夜を問わず不要不急の立ち入りは避ける。

Quadrilatero della Moda

注意

高級ブランド店街。警備は厳重ですが、買い物を終えた富裕層を狙った「待ち伏せ型」の高級時計強盗(スクーターひったくり)に注意が必要です。

リスク: 高級時計狙いのひったくり, 巧妙なスリ
日没後の人気のない裏通りに注意。

脅威プロファイリング

ミラノの犯罪情勢は、殺人などの凶悪犯罪が低い一方で、旅行者を狙った組織的かつ狡猾な街頭犯罪においてイタリア最悪の統計を記録しています。2026年冬季五輪を控え、警察の投入は増えているものの、犯行グループは『ベビーギャング』と呼ばれる若者集団や、ナポリを拠点とするプロの高級時計窃盗団、東欧系の組織的スリなど多岐にわたります。特に中央駅周辺の治安悪化と、観光中心部での巧妙な詐欺が二大脅威です。身体的な危害を加えられるリスクは低いものの、一瞬の隙を突く窃盗技術は極めて高く、徹底した自己防衛装備と警戒心が求められます。

ミサンガ詐欺グループ

Friendship Bracelet Scammers

脅威度: やや低 頻発

グループ規模: 2-5人の男性グループ

ターゲット: ドゥオーモ広場で写真撮影に夢中になっている観光客、特に一人旅や若いカップル。警戒心が薄そうな東洋人旅行者が頻繁に狙われます。

活動場所: Piazza del Duomo, Castello Sforzesco, Galleria Vittorio Emanuele II

活動時間: 10:00-19:00(観光客の多い日中)

手口:

ドゥオーモ広場やスフォルツェスコ城周辺で最も頻繁に遭遇する手口です。犯人は非常にフレンドリーな様子で『フリーギフト(無料の贈り物)』や『アフリカとの友情の証』と言いながら近づいてきます。ターゲットが立ち止まったり、少しでも関心を示したりすると、一瞬の隙に手首を掴み、色鮮やかな刺繍の紐(ミサンガ)を強引に巻き付けます。一度結ばれると容易に解くことができず、その直後に態度は急変し、『材料代』や『寄付』として20ユーロから50ユーロ程度の法外な現金を要求します。支払いを拒むと、近くに潜んでいた仲間が数人で囲い込み、大声で威嚇したり進路を塞いだりして心理的な圧迫を与え、最終的に支払わざるを得ない状況を作り出します。最近では非接触型決済端末を持って無理やりカード決済を迫るケースも報告されており、非常に強引な手口が目立ちます。彼らは警察の巡回を監視しており、パトロールが近づくと瞬時に散らばり、一般人に紛れる訓練もされています。

対策:

最も有効な対策は、近づいてくる人物と絶対に目を合わせないことです。彼らが手を差し出してきたら、即座に手を後ろに隠すか、ポケットに入れてください。万が一腕を掴まれそうになったら、強く『NO』と言いながら歩き続けてください。彼らは立ち止まる人間をカモとして認識します。一度巻かれてしまった場合は、騒ぎを大きくすることを厭わず、周囲の警察官(PoliziaやCarabinieri)の方向に歩き出すジェスチャーを見せてください。決して財布を取り出してはいけません。現金を見せると、仲間のスリに場所を知らせることにも繋がります。

地下鉄サンドイッチ・スリ集団

Metro Sandwich Pickpockets

脅威度: 中 頻発

グループ規模: 3-4人の男女混成グループ

ターゲット: 地下鉄M1/M3線の乗降客。大きな荷物を持つ旅行者や、スマートフォンに集中している通勤客がターゲットになります。

活動場所: Duomo M1/M3 Station, Centrale M2/M3 Station, Cadorna FN Station

活動時間: 朝夕のラッシュ時、および観光客の増える昼間

手口:

非常に組織化された窃盗集団です。主に地下鉄のドア付近で活動します。一人がターゲットの直前を歩き、乗車または下車のタイミングでわざと躓いたり、荷物を落としたりして急に立ち止まり、ターゲットの進行を妨害します。その瞬間、後ろにいる二番目のメンバーが『おっと、失礼』という風を装ってターゲットに強く背後からぶつかります。この物理的な衝撃(サンドイッチ状態)によってターゲットの注意が削がれている数秒の間に、三番目のメンバーがコートのポケットや開いたバッグから財布やスマートフォンを抜き取ります。盗品は即座に四番目のメンバーに手渡され、彼らは別の車両やホームの階段へ散らばります。2025年の最新手口では、乳幼児を抱いた女性(実は精巧な人形)がグループに加わり、ターゲットの善意を利用して注意を逸らす手法も確認されています。彼らはターゲットが被害に気づく頃には、既に次の駅で下車しています。

対策:

地下鉄に乗る際は、バッグを必ず体の正面で抱え、両手で押さえてください。特にドア付近には立たず、車両の中ほどまで進んでください。乗降時に誰かが目の前で不自然に止まったら、即座に自分のバッグのジッパーやポケットを片手で押さえ、周囲に警戒していることを示してください。イヤホンで音楽を聴きながらの移動は周囲の音が聞こえず、背後からの接近に気づかないため厳禁です。万が一ぶつかられたら、即座にその場で貴重品を確認し、もし紛失していれば大声で周囲に知らせてください。

ミラノ・ベビーギャング

Milan Baby Gangs

脅威度: やや高 時々 武装あり

グループ規模: 5-10人の若者グループ

ターゲット: 深夜の繁華街を歩く単独の旅行者や大学生。高価な衣類、スニーカー、スマートフォンを所持している人物。

活動場所: Navigli (Via Gola周辺), Corso Como, Piazza Gae Aulenti周辺

活動時間: 22:00-04:00 (特に週末)

手口:

10代後半から20代前半の若者で構成される犯罪集団で、SNSでの名声(Maranzaカルチャー)を目的に、無差別かつ暴力的な強盗を行います。彼らは主に深夜のナヴィリ地区やコルソ・コモ周辺で、獲物となるターゲットを物色します。手口は非常に大胆で、集団でターゲットを囲み込み、執拗な挑発や侮辱から始まります。ターゲットが反応したり怯えたりすると、一気に暴力を振るい、ブランド品のスニーカー、ジャケット、iPhone、財布などを強奪します。一部のグループはナイフやペッパースプレーを所持しており、抵抗すると重傷を負わされるリスクがあります。特異な点として、犯行の様子をスマートフォンで録画し、TikTokやInstagramにアップロードして自分たちの『強さ』を誇示する傾向があります。彼らにとって犯罪は一種の娯楽や社会的ステータスとなっており、動機が不明確な突発的な暴力が最大の特徴です。

対策:

深夜(23時以降)にナヴィリやコルソ・コモの路地裏を単独で歩くのは絶対に避けてください。移動には必ず正規のタクシーやUberを利用し、ドアツードアでの移動を徹底してください。もし若者の集団に絡まれたら、目を合わせず、反論もせず、速やかにその場を離れて人通りの多い店内に逃げ込んでください。彼らは『反応』を楽しんでいるため、無視することが最善の防御ですが、囲まれた場合は抵抗せず、金品を渡して身の安全を優先してください。派手なブランドロゴが目立つ服装は、彼らの格好の標的になります。

高級時計窃盗団(ナポリ・グループ)

Luxury Watch Snatchers

脅威度: やや高 時々 武装あり

グループ規模: 2人のバイク乗り

ターゲット: ロレックス、パテック・フィリップ等の高級時計を着用している富裕層やビジネスマン。屋外レストランのテラス席利用者。

活動場所: Quadrilatero della Moda, Brera District, Corso Venezia

活動時間: 11:00-20:00 (ショッピング・食事時)

手口:

プロフェッショナルな強盗グループで、高級車が通行する通りや高級ブティック街(モンテナポレオーネ通り等)でターゲットを物色します。最も有名な手口は『ミラー戦術』です。ターゲットが運転する車のサイドミラーをバイクで追い抜きざまにわざと叩いて曲げます。運転手がミラーを直そうとして窓から腕を出した瞬間、背後から接近した別のバイクが腕を掴み、超短時間で時計のバンドを切り離して奪い去ります。歩行者の場合は、狭い歩道でわざとぶつかり、その衝撃で時計を奪うか、背後からバイクで接近して腕ごとひったくります。彼らは数日前からターゲットの行動を監視していることもあり、ホテルから出た直後を狙うケースも報告されています。2025年には、キックボードを使用したより静音で機動力の高い逃走手段を用いるグループも現れています。

対策:

ミラノ市内、特に旧市街を歩く際は、袖に隠れないような高級時計の着用は控えてください。どうしても着用する場合は、移動中は長袖の上着で完全に隠すか、リストバンド等で物理的にガードしてください。車を運転する際は、たとえミラーを叩かれても、その場で窓を開けて腕を出してはいけません。安全な場所まで移動してから確認してください。テラス席で食事をする際は、通路側に時計をはめた腕を出さないように座るなどの工夫が必要です。万が一奪われそうになったら、腕への深刻な負傷(骨折等)を避けるため、無理な抵抗はせず手放してください。

偽警察官詐欺師

Fake Police Officers

脅威度: 中

グループ規模: 2-3人の私服男性

ターゲット: 小綺麗な格好をした観光客、特に年配の夫婦や日本人ビジネスマン。高級ホテルの周辺を歩いている人物。

活動場所: Galleria Vittorio Emanuele II, Via Dante, Porta Venezia周辺

活動時間: 12:00-18:00 (日中の観光時)

手口:

私服警官を装い、偽のIDカード(警察バッジに似た安価なメダルなど)を提示してターゲットを呼び止めます。『このエリアで偽札(または薬物)が流通しており、捜査中だ』と非常にプロフェッショナルな態度で語りかけ、所持品検査への協力を求めます。彼らはターゲットの財布を提示させ、中身をチェックするふりをしながら、驚くべき手捌きで数枚の100ユーロ札を抜き取ります。または、『クレジットカードの磁気チェックが必要だ』と言い、PINコードを聞き出したり、巧妙にカードをすり替えたりします。被害者はその場では気づかず、彼らが立ち去った後に現金の不足やカードの不正利用で初めて被害を知ることになります。彼らはイタリア語、英語、時にはカタコトの日本語を操り、権威を背景にターゲットを心理的に従順にさせます。

対策:

イタリアの私服警官が路上でいきなり財布や現金の提示を求めることは絶対にありません。もし呼び止められたら、まず相手の所属と名前をメモし、『ここではなく、近くの警察署(Questura)へ行きましょう』と提案してください。本物の警察官であれば、この提案を拒否することはありません。また、自身のパスポートのコピーは提示しても良いですが、財布を相手に手渡すことは断固拒否してください。周囲に人がいる場合は、大きな声で『警察ですか?』と周囲に確認を求めるジェスチャーをするだけで、彼らは摘発を恐れて逃走します。

ケチャップ汚れスリ集団

Ketchup/Stain Trick Groups

脅威度: やや低 時々

グループ規模: 2人の男女ペア

ターゲット: スーツケースを持って移動中の旅行者、または高価なコートを着ている観光客。

活動場所: Milano Centrale駅構内, Piazza della Repubblica, Cordusio周辺

活動時間: 10:00-17:00

手口:

ターゲットの服やバッグに、気づかないうちにケチャップ、マスタード、あるいは鳥の糞を模した液体を背後からかけます。その後、もう一人のメンバーが『大変です、汚れていますよ!』と親切を装って駆け寄ります。パニックになったターゲットに対し、ティッシュを取り出して汚れを拭き取る手伝いを買って出ます。この際、ターゲットは汚れを確認するために足元に荷物を置いたり、コートを脱いだりします。この『汚れを拭く』という共同作業によってターゲットの意識が完全にそらされている間に、足元の荷物を持ち去るか、脱いだコートのポケットから貴重品を盗み取ります。犯人は一見すると清潔感のある中高年のカップルの場合が多く、旅行者の警戒心を巧みに解きます。

対策:

路上で不意に『汚れている』と言われても、絶対にその場で立ち止まったり、荷物を地面に置いたりしないでください。礼を言いつつもその場を離れ、最寄りのカフェやホテルのロビー、警察署などの安全な建物内に入ってから汚れを確認してください。もし相手が強引に拭こうとしてきたら、強く拒絶して距離を置いてください。ミラノの街中で見知らぬ他人が過度に親切にしてくる場合、その9割は裏に目的があると考えて間違いありません。

券売機自称助手

Station Assistant Scammers

脅威度: やや低 頻発

グループ規模: ソロまたは2人組

ターゲット: ミラノ中央駅やカドルナ駅で、自動券売機の操作に手こずっている外国人旅行者。

活動場所: Milano Centrale (券売機エリア), Milano Cadorna駅, Garibaldi FS駅

活動時間: 07:00-21:00

手口:

駅の自動券売機の周辺に屯し、操作に不慣れな旅行者に近づき『手伝いが必要か?』と声をかけます。彼らは親切に操作を教えるふりをしながら、お釣り(コインや紙幣)を機械から素早く抜き取る、あるいは、クレジットカードのPINコードを背後から盗み見します。最も悪質なケースでは、高額なチケットを購入させ、そのお釣りを『チップ』として強引に要求したり、出てきたチケットを奪って『正しいチケットではない』と嘘をつき、偽のチケットと交換させたりします。彼らは公式のスタッフを装うために偽のIDを首から下げていることもありますが、多くの場合、身なりが少しだらしなく、特定の場所に長時間留まっています。

対策:

券売機の操作で困った場合、近くにいる見知らぬ『親切な人』ではなく、必ず窓口のスタッフか、制服を着た公式の保安員(Security)に助けを求めてください。操作中は背後に人がいないか確認し、PINコードを入力する際は必ずもう片方の手で隠してください。話しかけてくる人物には『No, thank you』と毅然とした態度で断り、執拗な場合は警察(Polfer)を呼ぶジェスチャーをしてください。可能な限り、チケットは事前にATM公式アプリやオンラインで購入しておくことを強く推奨します。

偽署名詐欺師

Signature Scammers

脅威度: 低 頻発

グループ規模: 2-3人の若い男女

ターゲット: 善良そうな学生や若い旅行者。ドゥオーモ周辺を歩いている歩行者。

活動場所: Piazza del Duomo, Via Torino, Corso Vittorio Emanuele II

活動時間: 11:00-18:00

手口:

『ドラッグ反対』『難民支援』『障害者スポーツ支援』などのボードを持ち、通行人に署名を求めます。署名をすると、活動を継続するための『寄付』として20ユーロ程度の現金を要求されます。署名した以上は支払わなければならないという心理的負い目を利用する手口です。断ろうとすると、『冷酷だ』となじったり、数人で取り囲んで威圧したりします。彼らはNGO団体を装っていますが、公式な許可証を持っていないことがほとんどです。2025年現在、パレスチナ情勢などの政治的トピックを悪用した署名活動も増えており、より感情に訴えかける手法に進化しています。

対策:

路上での署名には一切応じないでください。彼らがボードを突き出してきたら、目を合わせず、無言で通り過ぎるのが最善です。もし署名してしまい現金を要求されたら、『現金を持っていない』『警察を呼ぶ』と言えば、彼らはそれ以上深追いしません。彼らは一日に何百人にも声をかけており、一人のターゲットに執着するよりも、次のカモを探す方が効率的だと考えているからです。

スマホひったくり犯

Phone Grabbers

脅威度: 中 頻発

グループ規模: ソロまたは2人組(電動キックボード使用)

ターゲット: 路上で地図を見ている、または歩きながら通話・操作している旅行者。

活動場所: Porta Venezia, Corso Buenos Aires, Navigli周辺

活動時間: 18:00-23:00 (夜間の繁華街)

手口:

近年ミラノで急増している手口です。犯人は電動キックボードや自転車、あるいは徒歩で背後から無音で近づきます。ターゲットが手に持っているスマートフォンを、追い抜きざまに一瞬でひったくり、そのまま猛スピードで逃走します。特に、地下鉄の入り口付近や、レストランの屋外テラス席でテーブルの上にスマホを置いている客が狙われます。ひったくった直後にパスコードを解除されないよう、電源を切るか電波遮断ポーチに入れる訓練もされており、盗まれたスマホは数時間以内にミラノ郊外や国外へ転売ルートに乗せられます。犯行は数秒で完了し、被害者が叫び声を上げる頃には犯人は視界から消えています。

対策:

路上でスマートフォンを操作する際は、建物の壁を背にし、周囲を警戒しながら短時間で済ませてください。歩きスマホは『奪ってください』と言っているようなものです。スマートフォンには必ず落下防止のストラップやスマホショルダーを装着し、手首や体に固定してください。レストランのテラス席では、テーブルの上にスマホを放置せず、必ずバッグの中かポケットにしまってください。万が一盗まれた場合は、即座に遠隔ロック(Find My iPhone等)を行い、二次被害を防ぐことが重要です。

時間帯別リスク評価

ミラノの治安は時間帯によって劇的に変化します。日中は観光地での狡猾なスリや詐欺が中心ですが、夜間、特に23時以降は中央駅周辺や特定地区で暴力的な犯罪リスクが極めて高まります。2026年五輪に向けた警備強化が進んでいますが、観光客を狙う集団は非常に組織的です。日中は「貴重品管理」、夜間は「場所の選定と移動手段」に徹底して注意を払うことが安全な旅の鍵となります。

早朝

やや安全

05:00-08:00

早朝のミラノは通勤客や市場関係者が動き出す時間帯で、全体的な犯罪リスクは低いものの、ミラノ中央駅周辺や地下鉄の始発直後の車両では注意が必要です。清掃活動や荷物の積み込みが行われており、人目が少ない路地は避けるべきです。2025年以降、中央駅周辺では不法滞在者や薬物中毒者が早朝までたむろしている姿が確認されており、一人歩きは避けるのが賢明です。空港へ向かう旅行者は、駅の周辺で近づいてくる「親切な助っ人」を装った詐欺師に警戒してください。彼らは荷物を運ぶふりをして金品を盗もうとします。公共交通機関は比較的安全に利用できますが、車両の端などの死角を避け、乗客が集まっている車両に乗るようにしてください。

脅威:

  • ・中央駅周辺での薬物中毒者による嫌がらせ
  • ・空港送迎を装う非公認タクシーの引き込み
  • ・人通りの少ない路地での路上強盗
  • ・駅構内での荷物ひったくり

推奨:

  • ・移動は人通りの多い大通りを選ぶ
  • ・中央駅へは徒歩ではなくホテルからタクシーを利用
  • ・非公認の「ポーター」を名乗る人物を無視する
  • ・地下鉄では乗客の多い中間車両に乗る

日中

注意

08:00-18:00

日中はミラノが最も活気づく時間帯であり、ドゥオーモ広場やガッレリア、モンテナポレオーネ通りなどの主要観光地には膨大な数の観光客が集まります。この混雑を狙った「組織的なスリ」や「観光詐欺」が最大の脅威となります。ミサンガを勝手に腕に巻き付けてくる詐欺師、ハトの餌を強引に握らせてくるグループ、署名を求める偽のボランティアなどが至る所に存在します。彼らは単独ではなく数人のチームで行動し、一人が注意を引き、もう一人が財布を抜く「サンドイッチ」戦術を多用します。また、地下鉄M1線(赤線)とM3線(黄線)の車内や乗降時が最も危険です。カバンは必ず体の前に抱え、ファスナーを手で押さえてください。ブランドショップから出た直後の旅行者が尾行され、後に強盗に遭うケースも報告されています。

脅威:

  • ・ドゥオーモ周辺でのミサンガ・ハトの餌詐欺
  • ・地下鉄の乗降時を狙った組織的なスリ
  • ・偽警察官による所持品検査を装った窃盗
  • ・混雑したテラス席でのスマホ置き引き

推奨:

  • ・カバンは必ず体の正面で持ち、手を添える
  • ・知らない人物から手を出されても絶対に無視する
  • ・路上で財布を出さない。スマホはポケットにしまわない
  • ・署名を求められても「No」と言って立ち去る

夕方〜夜

注意

18:00-23:00

アペリティーボ(夕食前の飲み会)の文化が盛んなミラノでは、ナヴィリ地区やコルソ・コモ周辺に多くの人が集まります。この時間帯、特にアルコールが入った人々を狙った窃盗や、若者グループ(ベビーギャング)による強盗が発生しやすくなります。ナヴィリの運河沿いの細い橋の上や、屋外のテーブル席にスマホを置いたまま食事をしていると、一瞬の隙に盗まれます。また、高級時計を狙った「ミラー戦術(バイクでサイドミラーをぶつけ、運転手が腕を出した瞬間に時計を奪う)」も夕刻の渋滞時に発生します。デモ活動が頻発している時期は、ドゥオーモ広場周辺で夕方に警官隊と衝突が起きることもあるため、群衆が集まっている場所には近づかないことが鉄則です。

脅威:

  • ・ナヴィリ地区での集団スリ・強盗
  • ・レストランでの「チラシ隠し」スマホ窃盗
  • ・バイクによる高級時計のひったくり
  • ・酔客同士のトラブルへの巻き込まれ

推奨:

  • ・レストランのテーブルの上に貴重品を置かない
  • ・暗い路地や人通りの少ない運河の端を歩かない
  • ・高級時計は長袖で隠すか、着用を避ける
  • ・デモや騒ぎを見かけたら即座にその場を離れる

深夜

危険

23:00-05:00

深夜のミラノ、特にミラノ中央駅周辺、ヴィア・パドヴァ、ロゴレドなどの郊外、そして治安レッドゾーンに指定されている地域は非常に危険です。統計によれば、深夜の犯罪発生率は他の時間帯の数倍に跳ね上がります。中央駅裏側や北側広場は、薬物取引や不法滞在者による喧嘩が日常化しており、旅行者が一人で歩くことは絶対に避けてください。また、夜間の地下鉄90番・91番バス(環状線)は「恐怖の路線」と呼ばれ、攻撃的な人物が乗車していることが多いため利用してはいけません。深夜の移動には、流しのタクシーを捕まえるのではなく、ホテルのフロントで呼んでもらうか、信頼できる配車アプリ(FreeNow等)を使用してください。路上での「私刑」や暴力的強盗も報告されており、安全なエリア(ブレラなど)に滞在している場合でも、単独歩行は控えるべきです。

脅威:

  • ・中央駅周辺での集団強盗・暴行
  • ・深夜バス・地下鉄内での嫌がらせ・強奪
  • ・薬物依存者による突発的な暴力
  • ・女性を狙った性犯罪の懸念

推奨:

  • ・移動は必ずタクシーまたは配車アプリを利用する
  • ・中央駅付近には夜間絶対に近づかない
  • ・夜遊びをする際は必ずグループで行動する
  • ・人影のない駐車場や公園を通り抜けない

旅行者タイプ別アドバイス

女性一人旅

★★★☆☆

ミラノはファッションの都として女性一人旅にも人気ですが、治安統計ではイタリア国内ワースト1位を記録しており、油断は禁物です。日中の観光エリアやブレラ地区などの安全なエリアでは比較的安心して歩けますが、地下鉄や主要駅でのスリ被害が非常に多く報告されています。また、近年は夜間の「ベビーギャング」と呼ばれる若者グループによる路上での声かけや執拗なナンパ、ひったくりが増加しています。女性一人でいると「道を聞く」「助けを求める」ふりをして近づいてくる詐欺師のターゲットになりやすいため、毅然とした態度が必要です。宿泊先は治安の良いブレラやワグナー地区を選び、夜間の移動はタクシーを基本とすることで、リスクを大幅に下げることができます。2025年現在、女性を狙った性犯罪リスクについても警察が注意を喚起しているため、深夜の単独行動は厳禁です。

特有のリスク:

  • ・地下鉄での集団による囲みスリ
  • ・夜間のナンパを装ったひったくり・暴行
  • ・中央駅周辺での強引な付きまとい
  • ・ホテル周辺での待ち伏せ型窃盗

推奨事項:

  • ・宿泊は治安格付け4以上のエリアに限定する
  • ・夜間の移動は常にタクシー(FreeNowアプリ等)を利用する
  • ・ブランド品のショッパー(紙袋)を持って一人で歩かない
  • ・イヤホンをして歩くのを避け、周囲の音に注意を払う
  • ・見知らぬ男性の「助け」はすべて断る
  • ・Where ARE Uアプリを事前に設定し、位置共有を有効にする

避けるべきエリア:

ミラノ中央駅の北側・裏側周辺, ヴィア・パドヴァ (Via Padova), ロゴレド (Rogoredo), 深夜のサン・シーロ地区南側

おすすめ宿泊エリア: Brera地区のブティックホテル、または女性専用フロアのある4つ星以上のホテル

家族連れ

★★★★☆

ミラノは子供連れにもフレンドリーな街ですが、親が子供に気を取られている隙を狙った窃盗が多発しています。特に、ベビーカーを操作している時、子供が騒いだ時、家族写真を撮っている時が最も危険な瞬間です。組織的なスリグループは、家族連れの「一瞬の油断」をプロの目で狙っています。滞在先としては、公園が多く歩行者専用区画が整備されたCityLifeやPorta Nuova地区が、安全面と利便性の両面から強く推奨されます。これらのエリアは2026年五輪に向けた最新の警備が導入されており、家族で夜間にアペリティーボを楽しむことも可能です。一方で、公共交通機関、特に地下鉄の古い路線の利用は、エレベーターの不在や混雑によるスリのリスクが高いため、移動には定額料金のタクシーや、安全が確保された最新のM4(青線)を優先して利用することをお勧めします。

特有のリスク:

  • ・子供の世話をしている最中のバッグ盗難
  • ・ドゥオーモ広場での強引な写真撮影詐欺
  • ・ベビーカーの荷物入れからの置き引き
  • ・混雑した車内での迷子・盗難の同時発生

推奨事項:

  • ・貴重品は親が腹巻型のポーチなどで分散管理する
  • ・宿泊はCityLifeやPorta Nuovaなど近代的なエリアを選ぶ
  • ・家族写真は三脚を使わず、信頼できる店員などに頼む
  • ・地下鉄利用時は必ずグループの端と端に大人が座る
  • ・子供には常にホテルの連絡先を書いたタグを持たせる
  • ・移動には広く清潔な公式タクシーを活用する

避けるべきエリア:

90番・91番バスの全区間, 深夜のナヴィリ運河沿い, 中央駅構内のエレベーター内(混雑時)

おすすめ宿泊エリア: CityLife周辺のキッチン付きアパートメント、またはPorta Nuovaのモダンホテル

ビジネス

★★★★☆

ビジネス出張者にとってミラノは、高級時計やPCバッグ、ブランド物のスーツを狙った「標的型犯罪」の多い都市です。特に、見本市(ミラノ・サローネ等)の期間中は、世界中から集まるビジネスマンを狙った組織的な窃盗団が流入します。ホテルのロビーでのチェックイン中、空港からの特急列車内でのパソコン作業中、レストランでの会食中など、ビジネスマンが仕事に集中している隙が狙われます。また、2025年には「高級時計のひったくり」がミラノ都心部で急増しており、ロレックスやパテック・フィリップなどの高価な時計を着用しての歩行は、白昼であっても極めて危険です。バイクに乗った犯人が背後から近づき、腕ごと引き抜くような粗暴な手口も報告されています。公式の送迎サービスやハイヤーを利用し、路上での隙を最小限に抑えることが求められます。

特有のリスク:

  • ・ホテルのロビーでの足元バッグ置き引き
  • ・高級腕時計(ロレックス等)の暴力的な強奪
  • ・空港特急(マルペンサ・エクスプレス)内でのPC盗難
  • ・私服警官を装った財布・紙幣の抜き取り詐欺

推奨事項:

  • ・高級時計はミラノ滞在中は着用を避けるか長袖で隠す
  • ・ホテルのチェックイン時もバッグを体から離さない
  • ・マルペンサ・エクスプレス内では貴重品を網棚に置かない
  • ・PCバッグは地味なものを選び、一目でPCと分からないようにする
  • ・偽警察官に止められたら、必ず警察署への同行を主張する
  • ・空港送迎は信頼できるハイヤー会社を事前予約する

避けるべきエリア:

夜間のロレート駅 (Loreto), コルソ・コモの深夜の路地裏, 中央駅北側の低所得者層居住区

おすすめ宿泊エリア: Porta Nuova地区の国際ブランドホテル、またはDuomo近くのセキュリティの厳重なホテル

バックパッカー

★★☆☆☆

低予算でミラノを巡るバックパッカーは、最も犯罪被害に遭いやすいグループです。ミラノ中央駅周辺の安宿街は、ミラノで最も治安が悪いエリアの一つであり、夜間の外出や駅構内での滞留は多大なリスクを伴います。ホステルのドミトリー内での貴重品盗難も多発しており、鍵付きロッカーの使用と自己管理が必須です。また、食費を浮かせるためにスーパーマーケットを利用する際、入り口付近でたむろしているグループによるスリや強引な物乞いに注意してください。地下鉄の最安運賃で移動する際も、大きなバックパックは背負わず体の前に持つことが鉄則です。2025年現在は、SNSで犯罪行為を自慢する「Maranza」カルチャーの影響で、特にバックパッカーのような無防備な若者が、挑発や強盗の対象になりやすい傾向にあります。無理な節約が治安上のコスト(盗難被害)に繋がらないよう、滞在先の選定には慎重さが求められます。

特有のリスク:

  • ・中央駅周辺の安宿での盗難・嫌がらせ
  • ・大きなバックパックを背負った状態での囲みスリ
  • ・夜間の郊外駅での集団強盗被害
  • ・公共交通機関内での「親切な助手」詐欺

推奨事項:

  • ・宿泊先は安さだけで選ばず、WagnerやPorta Venezia周辺の宿を検討する
  • ・中央駅周辺に泊まる場合は、日没後の外出を控える
  • ・貴重品は必ずマネーベルトに入れ、カバンとは別に管理する
  • ・夜間の90/91番バス利用を避け、多少高くても地下鉄か徒歩を選ぶ
  • ・スマホを路上で長時間見ず、紙の地図やオフラインマップを併用する
  • ・ホステルのロッカーには自前の頑丈な南京錠を持参する

避けるべきエリア:

中央駅北側のすべての路地, ロゴレド駅周辺 (Rogoredo), コルヴェット地区 (Corvetto), 深夜のバッジォ (Baggio) 地区

おすすめ宿泊エリア: Porta VeneziaまたはLambrate周辺の評価の高いホステル

安全な宿泊エリア

Brera (ブレラ)

★★★★★

ミラノで最も安全で洗練された高級地区です。高級住宅街であるため住民の質が高く、夜間も人通りが絶えない一方で治安は極めて安定しています。主要な観光スポットであるドゥオーモからも徒歩圏内でありながら、喧騒を離れた落ち着いた滞在が可能です。24時間体制の警察パトロールも頻繁に行われており、夜間の女性一人歩きも比較的安心なエリアとして知られています。石畳の美しい街並みにはブティックやレストランが多く並び、街灯も明るく整備されています。ミラノで治安を最優先にするなら第一の選択肢となります。

価格帯: ¥60,000-150,000
観光地: Duomoまで徒歩15分
交通: Metro Line 2 (Lanza), Line 3 (Montenapoleone)

例: Bulgari Hotel Milano, Mandarin Oriental, Milan

Porta Nuova / Isola (ポルタ・ヌオーヴァ)

★★★★★

ミラノの近代的な再開発地区で、ハイテク企業や高級マンションが集まっています。2025年最新の防犯カメラシステムと民間警備員がエリア全体を監視しており、犯罪発生率が極めて低いのが特徴です。イゾラ地区はかつての労働者街がボヘミアンな雰囲気に生まれ変わった場所で、おしゃれなカフェやバーが多く、非常に活気があります。中央駅に近いながらも、駅周辺の喧騒や治安の悪さとは隔離されており、ビジネスマンや家族連れに最適です。歩行者専用道路が多く、夜間も安全に散策できる数少ないエリアの一つです。

価格帯: ¥35,000-80,000
観光地: Pinacoteca di Breraまで徒歩10分
交通: Metro Line 2, 5 (Garibaldi FS)

例: Hotel Principe di Savoia, NH Collection Milano City Life

CityLife (シティライフ)

★★★★★

広大な公園を囲むように設計された高級住宅・商業地区です。エリア全体が歩行者専用となっており、車両の侵入が制限されているため非常に安全です。モダンな高層ビルと充実したショッピングモールがあり、ミラノの富裕層や家族連れが日常的に利用しています。夜間も管理事務所による警備が行き届いており、不審者の侵入が少ないのが特徴です。公共交通機関でのアクセスも良く、落ち着いた環境で静かな夜を過ごしたい旅行者に推奨されます。特に2026年五輪を控えた現在、周辺警備はさらに強化されています。

価格帯: ¥30,000-60,000
観光地: San Siroまで地下鉄で10分
交通: Metro Line 5 (Tre Torri)

例: Meliá Milano, CityLife Antares

Wagner / De Angeli (ワグナー)

★★★★☆

ミラノの中産階級が好んで住む伝統的な住宅街です。観光地からは少し離れますが、その分「観光客を狙ったプロのスリ」が少なく、現地の日常生活が味わえます。商店街が充実しており、夜遅くまで営業している店も多いため、人通りが適度にあり安全です。住宅街としての落ち着きと、地下鉄赤線(M1)による中心部へのアクセスの良さを両立しています。ホテル代も中心部に比べるとリーズナブルで、治安を確保しつつ予算を抑えたいリピーターや長期滞在者に非常に人気のあるエリアです。

価格帯: ¥18,000-35,000
観光地: Duomoまで地下鉄で10分
交通: Metro Line 1 (Wagner, De Angeli)

例: Hotel Wagner, Antares Hotel Rubens

Porta Venezia (ポルタ・ヴェネツィア)

★★★★☆

活気ある多文化地区であり、ミラノで最もリベラルで開放的なエリアです。ショッピングの目抜き通りであるブエノスアイレス通りに面しており、常に多くの人で賑わっています。人通りが多いため、夜間もメインストリートを歩く分には安全です。LGBTQ+フレンドリーなエリアとしても知られ、多様な人々を受け入れる雰囲気があります。大きな公園(ジャルディーニ・パブリッチ)もあり、日中は市民の憩いの場となっています。深夜の細い路地を除けば治安は良好で、カフェ文化やナイトライフを楽しみたい若い層に最適な滞在拠点です。

価格帯: ¥25,000-50,000
観光地: Galleria d'Arte Modernaまで徒歩5分
交通: Metro Line 1 (Porta Venezia)

例: Sheraton Diana Majestic, Worldhotel Cristoforo Colombo

交通機関の安全情報

地下鉄・メトロ

ミラノの地下鉄、特にM1(赤線)とM3(黄線)は、スリグループにとっての主戦場です。最も危険なのはドゥオーモ駅、セントラル駅、カドルナ駅などの主要乗り換え駅です。特に乗降時の混乱を狙った『サンドイッチ作戦』が多発しています。これは、一人がターゲットの直前で急に立ち止まり、後ろからもう一人がぶつかる衝撃でバッグやポケットから財布を抜き取る手口です。また、2025年からは出口付近で待ち伏せし、ドアが閉まる直前にスマートフォンを奪って逃走する強盗まがいの窃盗も報告されています。夜間(22時以降)の利用は、ホームの端などの死角を避け、できるだけ防犯カメラの近くや乗客の多い車両を選んでください。2024年に導入された地下鉄専用警察『ポルメトロ』が巡回していますが、依然として自身の警戒は必須です。

タクシー・配車アプリ

公式のタクシー(白塗り)は一般的に安全ですが、ミラノ中央駅前などで声をかけてくる『未許可タクシー(白タク)』は高額請求や強盗のリスクがあるため、絶対に利用しないでください。タクシー乗り場から乗るか、'Free Now'や'itTaxi'といったアプリで呼ぶのが安全です。Uberも利用可能ですが、ミラノでは高級車のUber Blackが主流です。支払いはアプリ経由で行い、現金でのやり取りは避けてください。マルペンサ空港から市内へは110ユーロの定額料金(2025年改定)が設定されているため、メーターを回さずにそれ以上の額を請求するドライバーには注意が必要です。乗車前に定額料金であることを確認するジェスチャーを見せてください。

バス

市内バス、特に環状線を走る90番と91番は、現地で『最も危険な路線』として知られており、旅行者は利用を控えるべきです。これらの路線は夜間、薬物中毒者や攻撃的な人物が乗車することが多く、車内でのトラブルや暴力事件が頻発しています。その他の路線も日中は比較的安全ですが、混雑した車内はスリの温床です。バッグは常に前で抱え、特に後ろのドア付近は犯人が逃走しやすいため、避けて座るようにしてください。深夜の移動にはバスではなく、信頼できるタクシーの利用を強く推奨します。

徒歩・自転車

ミラノ中心部は徒歩観光に適していますが、地区によって治安が劇的に変わります。ブレラ地区やシティライフ周辺は夜間も比較的安全ですが、中央駅北側のヴィア・パドヴァ周辺や、ナヴィリの裏通りは夜間の単独歩行を避けてください。自転車(シェアサイクル等)を利用する場合、走行中のスマホ操作を狙ったひったくりに注意してください。また、ミラノは自転車盗難が非常に多いため、短時間の駐輪でも強力なU字ロックが必須です。歩行時は常に周囲に『無音で近づく電動キックボード』がいないか、耳を澄ませておくことがひったくり防止に繋がります。

空港からのアクセス

マルペンサ空港からの『マルペンサ・エクスプレス』は便利ですが、カドルナ駅や中央駅に到着した瞬間からスリに狙われていると意識してください。特に大きなスーツケースを持って移動する際、重い荷物を運ぶのを手伝うふりをして財布を抜く人物が駅構内に潜んでいます。リナーテ空港からは最新の地下鉄M4線が全線開通しており、警備も厳重で最も安全な移動手段です。深夜の空港到着時は公共交通機関を避け、あらかじめ予約したシャトルサービスや定額料金の公式タクシーを利用することで、重い荷物を持って暗い道を歩くリスクを回避できます。

緊急連絡先

112
警察
118
救急
115
消防
112 (Where ARE Uアプリ推奨)
観光警察

イタリアでは112が欧州共通緊急番号となっており、警察・消防・救急のすべてに対応します。オペレーターは多言語に対応しており、英語での通報がスムーズです。ミラノを擁するロンバルディア州では、公式アプリ「Where ARE U」の使用が強く推奨されています。このアプリから通報すると、スマートフォンのGPS情報が自動的に緊急センターに送信されるため、場所を説明できない旅行者でも迅速に発見・救助される確率が高まります。事件や盗難に遭った際は、まずこの番号へ連絡し、指示を仰いでください。また、パスポートの盗難・紛失時には警察での被害届(Denuncia)発行が必須となります。中央駅構内の鉄道警察(Polfer)は観光客の被害対応に慣れています。総領事館は平日の昼間のみの対応ですが、夜間の緊急時には電話ガイダンスに従うことで緊急連絡先へ転送されます。

日本国大使館・領事館

名称: 在ミラノ日本国総領事館

住所: Via Privata Cesare Mangili, 2/4, 20121 Milano

電話: +39-02-6241141

メール: [email protected]

ミラノの治安に関するよくある質問

ミラノの治安は良い?悪い?

ミラノの治安は、イタリア国内の主要都市の中でも「悪い」と言わざるを得ない状況です。2024年から2025年の犯罪統計では国内ワースト1位を記録しており、特に観光客を狙ったスリ、置き引き、詐欺が常態化しています。2026年冬季五輪に向けて軍や警察による警備が2000人規模で強化されていますが、窃盗などの軽犯罪は依然として高水準です。日中の観光エリアは比較的安全に歩けますが、隙を見せると瞬時に貴重品を奪われるリスクがあるため、常に警戒心を持つことが求められます。

ミラノで危険なエリアはどこ?

特に注意が必要なのはミラノ中央駅(Milano Centrale)周辺です。ここは夜間になると不法滞在者や薬物売買人が集まり、強盗事件も頻発する「最重点警戒区域」です。また、ロゴレド(Rogoredo)はイタリア最大級の薬物取引地として知られ、観光客が立ち入るべきではありません。ヴィア・パドヴァ(Via Padova)周辺も治安が悪く、警察の「レッドゾーン」に指定されています。観光地であるドゥオーモ広場やナヴィリ地区も、スリや「ベビーギャング」による窃盗被害が多いため注意が必要です。

ミラノ旅行はやばい?本当に行って大丈夫?

ミラノは「やばい」と言われるほど犯罪認知件数が多いのは事実ですが、適切な対策を講じれば十分に観光を楽しめる都市です。被害の多くは、スリや詐欺といった「隙」を突いた犯行です。多額の現金を持ち歩かない、夜間の中央駅周辺や郊外の路地裏を歩かない、親しげに近づいてくる見知らぬ人を無視するといった基本的な防犯意識を徹底すれば、過度に恐れる必要はありません。冬季五輪に向けて公的な警備も強化されており、安全対策を万全にすることが旅行成功の鍵となります。

ミラノは女性一人でも怖くない?

女性一人旅でも、日中の観光スポットやショッピングエリアであれば、過度に「怖い」と感じる場面は少ないでしょう。ただし、深夜の地下鉄やナヴィリ地区などの繁華街は、若者グループ(ベビーギャング)による執拗な挑発やひったくりのリスクが高まるため避けるべきです。また、ドゥオーモ広場などでミサンガを無理やり付けようとしてくる男たちには、きっぱりと「No」と言う毅然とした態度が必要です。移動には信頼できるタクシーアプリ(FreeNow等)を活用することをおすすめします。

ミラノでスリに遭わないための対策は?

ミラノで最も多い犯罪は地下鉄内や観光地でのスリです。対策として、カバンは必ず体の前で抱え、ファスナーを手で押さえるようにしてください。特に地下鉄のドア付近では、乗降時の混雑を狙った「サンドイッチ型」のスリ(一人が前で立ち止まり、もう一人が後ろから抜き取る)に注意が必要です。スマートフォンをレストランのテーブルの上に置くのも厳禁です。高級ブランドの袋を持っていると狙われやすいため、買い物の後は一度ホテルに戻るか、タクシーを利用して移動するのが安全です。

ミラノで多い詐欺の手口は?

ドゥオーモ周辺で最も有名なのは「ミサンガ詐欺」です。アフリカとの友情などと言ってミサンガを手首に巻きつけ、後から法外な料金を請求します。他にも、ハトの餌を手に乗せてきて金を要求する詐欺、恵まれない子供のための署名を求めるフリをして財布を抜き取る署名詐欺、私服警官を装って所持品検査をする「偽警察官」などが存在します。知らない人に話しかけられたら、一切足を止めずに無視して通り過ぎるのが、ミラノでの詐欺対策の鉄則です。

ミラノで日本人が巻き込まれやすい犯罪は?

日本人は「多額の現金を持っている」「NOと言えない」と思われており、特に狙われやすい傾向にあります。具体的には、レストランでの置き引きや、観光スポットでのミサンガ詐欺、地下鉄内での集団スリが挙げられます。また、最近では高級時計を狙った暴力的な強盗(バイクで追い抜きざまに時計を奪う等)も発生しており、日本人の富裕層がターゲットになるケースもあります。派手な服装や高価なアクセサリーは避け、周囲の状況に常に気を配ることが犯罪防止に直結します。

ミラノ旅行で注意すべきことは?

ミラノ旅行での最大の注意点は「中央駅周辺の夜間歩行」です。駅ビル内は警備がありますが、駅の外(特に北側)は非常に雰囲気が悪くなります。また、2026年五輪に向けた工事により見通しの悪い場所も増えているため、工事現場周辺にも注意してください。地下鉄では、スマホを操作しながらドア付近に立たないようにしましょう。一瞬の隙にひったくられます。さらに、若者グループ(ベビーギャング)を見かけたら、目を合わせずにその場を離れることがトラブル回避につながります。

ミラノで起こりやすいトラブルは?

タクシーでのぼったくりや、レストランでの会計トラブル(頼んでいないメニューが請求される等)も散見されます。また、電車の自動券売機付近で親切を装って操作を手伝い、お釣りを奪っていくトラブルも中央駅で多発しています。さらに、ナヴィリ地区などでは深夜に酔客同士の乱闘に巻き込まれるケースや、マランザと呼ばれる若者文化に影響を受けた少年たちによる恐喝事件も報告されています。夜の外出時は人通りの少ない路地に入らないよう細心の注意を払ってください。

ミラノで被害に遭ったらどうする?

万が一犯罪被害に遭った場合は、すぐに緊急通報番号「112」に連絡してください。英語が通じない場合もありますが、警察(Polizia)やカラビニエリ(憲兵)の詰め所へ向かいましょう。パスポートを盗まれた場合は、ポリスレポート(被害届)を提出した後、在ミラノ日本国総領事館へ連絡して「帰国のための渡航書」の手続きが必要です。クレジットカードの停止連絡も即座に行ってください。旅行前に海外旅行保険に加入し、緊急連絡先を控えておくことが、被害を最小限に抑える鍵となります。

ミラノの治安詳細

ミラノの治安概要

ミラノはイタリア経済の中心地として繁栄していますが、治安面では国内で最も犯罪認知件数が多い都市の一つです。2024-2025年の統計では、観光客を狙った窃盗事件が多発しており、特に中央駅周辺や主要観光地での警戒が必須となっています。一方で、2026年冬季五輪の開催に向け、当局は数千人規模の軍・警察を追加投入し、主要スポットへのバイオメトリクス認証導入や監視カメラの増設を進めています。日中の人通りが多いエリアは警察の巡回も多く、基本的な防犯意識を保てば安全に滞在できますが、夜間の治安悪化や組織的なスリグループの存在には注意が必要です。

ミラノは危険?やばい?

ミラノは統計的に「イタリアで最も危険な都市」に数えられることがあり、特に中央駅周辺の夜間や、ロゴレド、ヴィア・パドヴァなどの特定地域は「やばい」と言えるほど治安が不安定です。これらのエリアでは暴力的な強盗や薬物絡みの犯罪が報告されています。一方で、ドゥオーモ周辺などの観光地における「危険」は、主に身体への危害ではなく、スリや詐欺といった金品を狙った軽犯罪に集中しています。しかし、近年は「マランザ」と呼ばれる若者グループによる暴力的な恐喝が増加傾向にあり、高級時計やスマホを強引に奪う手口が社会問題化しているため、無防備な状態で歩くのはリスクが高いと言えます。

ミラノは怖い?一人旅でも大丈夫?

ミラノを「怖い」と感じる理由の多くは、中央駅周辺の不穏な空気感や、観光地で強引に付きまとう詐欺師の存在にあります。特に女性一人旅や初めての海外旅行では、集団で取り囲もうとするミサンガ売りなどに恐怖を感じるかもしれません。対策としては、まず「隙を見せない」ことが重要です。スマホを見ながら歩かない、多額の現金を見せない、毅然とした態度で接する、といったことを徹底すれば、暴力的な事件に巻き込まれる確率は大幅に下げられます。宿泊先は中央駅の北側を避け、人通りの多い明るいエリア(ブレラ地区やコルソ・ブエノスアイレス等)を選ぶことで、心理的な不安も解消されます。

スリ・詐欺・犯罪の実態

ミラノでの犯罪は、非常に組織化され洗練されているのが特徴です。地下鉄内では「サンドイッチ・スリ」と呼ばれる集団が活動し、乗客の進路を阻む隙に背後から財布を抜き取ります。また、ドゥオーモ広場やスフォルツェスコ城では「ミサンガ詐欺」や「署名詐欺」が常態化しており、親しみやすい態度で接近してきます。高級住宅街やモンテナポレオーネ通り周辺では、バイクを使った「ミラー戦術」による高級時計強盗(車のミラーを叩いて運転手が窓を開けた瞬間に腕から時計を奪う)というプロの犯罪グループも存在します。近年は10代の若者による「ベビーギャング」が、SNSでの誇示を目的に通行人を集団で襲う事件も発生しており、警戒が必要です。

ミラノ旅行で注意すべきポイント

旅行者がミラノで注意すべき最大のポイントは、貴重品の管理と「見知らぬ人からの接触」への対応です。現金は分散して持ち、クレジットカードの利用を主軸にしてください。バッグは常に斜めがけにして前で持ち、レストランやカフェでは椅子にかけたり足元に置いたりせず、常に体に触れる位置で管理しましょう。また、中央駅周辺での券売機操作のヘルプ、ミサンガのプレゼント、署名活動など、善意を装って近づいてくる者は100%詐欺だと判断し、一切反応せずその場を離れてください。公共交通機関ではドア付近を避け、周囲に怪しい動きをする人物がいないか常に確認することが重要です。

よくあるトラブル事例

実際のトラブル事例として、中央駅前で夜間に若者グループに囲まれ、スマートフォンと財布を強奪される事件や、地下鉄内でわざと躓いた人物を助けようとした隙にバッグの中身をすべて抜かれるケースが多発しています。また、ドゥオーモ前で「無料」と言われてミサンガを手首に結ばれ、後から50ユーロ以上を執拗に請求され、断ると周囲の仲間が威圧してくるといった事例もあります。最近では、私服警察官を装った男に「薬物の捜査中だ」と呼び止められ、財布の中身をチェックされるふりをして数枚の紙幣を抜き取られたという、プロの詐欺師による被害も報告されています。

被害に遭った場合の対応

ミラノで被害に遭った際は、まず安全を確保し、最寄りの警察署(Questura)や憲兵隊(Carabinieri)に届け出てください。緊急時は「112」に電話します。盗難の場合は、保険請求のために必ず「Denuncia(被害届)」を作成してもらい、控え(ポリスレポート)を受け取ることが必須です。パスポートを紛失・盗難された場合は、在ミラノ日本国総領事館(Via Larga, 10)を訪問してください。ここでは、パスポートの再発行や、帰国のための渡航書の発行手続きをサポートしてくれます。また、カード盗難時は不正利用を防ぐために即座に日本のカード会社へ連絡し、回線を停止することが最優先事項です。

その他の情報

ベストシーズン

治安と快適性の観点から、ミラノを訪れるベストシーズンは4月〜6月、および9月〜10月です。この時期は気候が安定しており、日照時間が長いため夜遅くまで明るく、独り歩きの安全性が高まります。また、11月や1月は観光客が少なく、スリのターゲットになりにくいというメリットがあります。一方で、最も避けるべきは2026年2月の冬季五輪期間です。この期間は治安当局の警戒が最大レベルに引き上げられますが、同時にテロのリスク、会場周辺の極度の混雑、交通の混乱、宿泊費の異常な高騰が予想され、一般的な観光には不向きです。イベントのない平穏な時期を選ぶことが、物理的な安全を確保する上で重要です。

言語のヒント

ミラノの観光地では英語が広く通じますが、緊急時にイタリア語の単語を知っていると対応が早まります。 助けて! : Aiuto! (アイウート!) / 警察 : Polizia (ポリツィア) / 泥棒! : Al ladro! (アル・ラードロ!) / 病院 : Ospedale (オスペダーレ) / 私のバッグが盗まれました : Mi hanno rubato la borsa. (ミ・アンノ・ルバート・ラ・ボルサ)。 また、詐欺師に対しては毅然とした態度で「No!」「Vai via! (ヴァイ・ヴィーア! / あっちへ行け!)」と言うことが効果的です。現地の人に助けを求める際は「Mi può aiutare, per favore? (ミ・プオ・アイウターレ、ペル・ファヴォーレ? / 助けていただけますか?)」と丁寧かつ緊急性を伝えてください。

文化・マナー

ミラノは「見られる」ことを意識する文化が強く、服装や持ち物がその人のステータスとして判断されやすい街です。高級ブランド品を身に着けていると、敬意を払われる一方で、スリや強盗の「優良なターゲット」として即座にロックオンされます。特に高級レストランから出た後の路上では、バイクによる待ち伏せ強盗に注意してください。また、イタリア人は親切ですが、ドゥオーモ広場などで過剰に親しげに近づいてくる現地人(または現地人を装った外国人)は100%詐欺です。アペリティーボの時間帯はリラックスした雰囲気になりますが、テーブルの上にスマホを置くのはミラノっ子でも避ける行為です。公共の場での「隙」を見せないことが、ミラノの文化に溶け込みつつ身を守る最善の方法です。

データソース

公的機関