主要都市ガイド
総合評価
犯罪率は歴史的な低下傾向にありますが、銃器の普及率の高さと特定地域の極端な治安悪化、テロリスクがスコアを押し下げています。観光地は概ね安全ですが、常に警戒が必要です。
身体的安全 (B-)
殺人は大幅に減少しましたが、銃乱射事件が散発しており、特定の都市(メンフィス等)では凶悪犯罪が依然として高水準です。身なりに気を配り、危険な通りを避ける判断力が必須です。
医療・衛生 (A-)
医療水準は世界最高峰ですが、医療費は極めて高額で救急搬送だけでも数十万円を要します。高額補償の保険加入が前提条件です。水道水は概ね飲用可能ですがボトル水が推奨されます。
詐欺・スリ (B)
車上荒らしやデジタル強盗が流行しています。特にサンフランシスコ等の観光地では短時間の駐車でも被害に遭います。押し売りや偽僧侶などの軽微な詐欺は主要都市で頻発しています。
テロリスク (C+)
IS等の国際組織に加え、国内のローンウルフ型テロのリスクが常に「高」と評価されています。2026年ワールドカップや建国記念イベントを控え、公共交通機関での警戒強化が続いています。
最新インテリジェンスレポート
2026年現在、全米の暴力犯罪は減少傾向にあり、殺人は前年比約15%減と歴史的な低下を記録しています。しかし、銃器を使用した犯罪の発生率は依然として他国と比較して高く、主要都市の特定地域(インナーシティ)では深刻な治安悪化が継続しています。第2次トランプ政権下での厳格な入国管理や法執行の強化が治安維持に寄与する一方、政策を巡る抗議活動が主要都市や大学周辺で散発的に発生しています。旅行者にとっては、観光地そのものは概ね安全ですが、車上荒らし(Bipping)やスマートフォンの強奪、デジタル送金アプリを狙った強盗といった新たな手口が拡大しており、多角的な警戒が求められます。特に2026年ワールドカップに向けたインフラ整備と警備強化が進む中、混雑した場所でのテロリスクにも十分な注意が必要です。
背景分析
政治面では2025年に発足した第2次トランプ政権により、不法移民の抑制や「トラベルバン」の再導入を含む厳格な国境政策が推進され、社会の分断が継続する一方、連邦政府による都市部への法執行支援が強化され犯罪抑止に一定の効果を上げています。経済面では、失業率は4.4%と低水準を維持していますが、過去数年のインフレによる生活費の高騰が低所得層を圧迫しており、万引きや車上荒らしといった財産犯罪増加の背景となっています。社会的には、大麻の州レベルでの合法化が進む一方で、フェンタニル等の合成麻薬による依存症問題が深刻化し、サンフランシスコやフィラデルフィアの特定地区を「オープン・ドラッグ・マーケット」化させる要因となっています。2026年6月のFIFAワールドカップ開催を控えた全米11都市では、史上最大規模のセキュリティ予算が投じられ、AI監視システムの導入や地下鉄の警備強化が進んでおり、治安面での転換期にあります。日米関係は高市首相との会談を経て「黄金時代」と称される良好な関係にあり、日本人に対する親和性は極めて高いですが、アジア系へのヘイトクライムには引き続き注意を要します。
重要ポイント
- 凶悪犯罪統計は改善傾向にあるが、銃器犯罪の絶対数は日本より遥かに多い。
- 車上荒らし(Bipping)は数秒で完了するため、短時間でも荷物を車内に放置しない。
- 高級時計や宝飾品を身につけていると「Follow-home robbery」の標的になる。
- 送金アプリ(Venmo等)を悪用した「デジタル強盗」が新たな脅威となっている。
- 警察との接触時は、絶対に急な動きをせず、常に手を見える位置に置くこと。
- 大麻は一部の州で合法だが、連邦施設(空港や国立公園)への持ち込みは厳禁。
- 2026年ワールドカップ開催都市では宿泊費の高騰とセキュリティチェックの厳格化が予想される。
- アジア系への差別的言動は減少しているが、公共交通機関内では引き続き警戒が必要。
- 医療費が天文学的高額になるため、クレジットカード付帯保険では不十分。
- 子供の放置(車内、ホテル)は、短時間でも逮捕・親権剥奪の対象となる可能性がある。
各国政府の渡航情報
| 情報源 | 警戒レベル |
|---|---|
| 日本外務省 | レベル1: 十分注意してください |
| 米国国務省(国内評価) | Level 1: Exercise Normal Precautions |
| 英国外務省 | Check Travel Advice |
| カナダ政府 | Take normal security precautions |
| ドイツ外務省 | Normal |
| フランス外務省 | Vigilance normale |
地域別リスク評価
テネシー州メンフィス
極めて危険リスク全米最悪級の犯罪率を維持しており、特に暴行や殺人などの凶悪犯罪が多発しています。昼間でも指定の観光ルートを外れるのは非常に危険です。
サンフランシスコ テンダーロイン地区
極めて危険リスク深刻な薬物中毒者とホームレスが密集し、白昼でも強盗や窃盗が頻発しています。観光地のユニオンスクエアから数ブロックの距離ですが、立ち入りは厳禁です。
フィラデルフィア ケンジントン地区
極めて危険リスク「全米最大の薬物市場」と呼ばれ、治安が完全に崩壊しています。車での通過も避けるべきであり、夜間の接近は命に関わるリスクがあります。
ミズーリ州セントルイス
危険リスク殺人率が非常に高く、都市中心部でも夜間の一人歩きは厳禁です。治安の悪いブロックが点在しているため、常にUber等での移動を推奨します。
オークランド(カリフォルニア州)
危険リスク走行中の車両を狙った「窓割り強盗」や、停車中の強奪が常態化しています。空港周辺のガソリンスタンドでも襲撃事件が発生しており、高い警戒が必要です。
ニューヨーク タイムズスクエア周辺
注意リスク警備は非常に厳重ですが、スリ、押し売り、偽僧侶などの観光客を狙った軽犯罪が多発。夜遅くの地下鉄利用は避けるのが賢明です。
フロリダ州マイアミビーチ
注意リスク夜間の賑わいに紛れて薬物関連のトラブルや窃盗が発生。特に春休みシーズン(スプリングブレイク)は混乱しやすく、夜間のビーチは危険です。
カリフォルニア州アーバイン
比較的安全リスク全米で最も安全な都市の一つとして知られ、夜間の活動も比較的低リスクです。ただし、最低限の防犯意識(車内の施錠等)は必要です。
国内安全マップ
2026年現在のアメリカは、2020年比で犯罪統計は大幅に改善していますが、日本との比較では依然として高い犯罪率の中にあります。特に「所得格差による地域差」が顕著であり、一本道を曲がるだけで治安が急変することがあります。第2次トランプ政権下の法執行強化により大都市の警備は厚くなっていますが、2026年FIFAワールドカップを狙ったテロやサイバー犯罪、建国250周年祭典の混乱には警戒が必要です。最新の入国制限(トラベルバン)やESTA要件の確認、そして何より高額な医療費に対応する保険加入が、安全な米国渡航の生命線となります。
警備は極めて厳重ですが、タイムズスクエア等でのスリや押し売り詐欺が多発。ミッドタウンでの銃撃事件の記憶も新しく、常に周囲を警戒する必要があります。
リスク: スリ・置き引き, 押し売り詐欺, 地下鉄内での暴行
薬物中毒者やホームレスが密集し、治安が極端に悪化。白昼の強盗や車両破壊が常態化しており、旅行者の立ち入りは絶対にお勧めしません。
リスク: 薬物犯罪, 白昼強盗, 車上荒らし
全米最大のオープンな薬物市場と呼ばれ、治安当局の手が十分に行き届いていません。迷い込むと命の危険があるため、車での通過も推奨されません。
リスク: 薬物過剰摂取現場の遭遇, 凶悪犯罪, 武装強盗
セキュリティレベルは国内最高ですが、政治的デモや州兵襲撃事件など、予期せぬ社会的混乱のリスクが常にあります。夜間は一部地域で治安が悪化します。
リスク: 政治デモ, 交通遮断, ローンウルフテロ
昼間は活気に満ちた観光地ですが、夜間は薬物中毒者やホームレスが増え、強盗事件が発生しやすくなります。偽の配車アプリ勧誘にも注意が必要です。
リスク: 夜間強盗, 観光詐欺, 車上荒らし
全米で最も犯罪率が高い都市の一つ。日中の観光ルート以外は極めて危険で、夜間の徒歩移動は命に関わるリスクがあります。
リスク: 殺人・暴行, 銃犯罪, 車両強盗
治安維持が徹底されており、夜間の活動も比較的安全です。家族連れやビジネス渡航者にとって最も推奨される滞在エリアの一つです。
リスク: 低水準の財産犯罪, 交通違反取り締まり
全米の中では非常に安全な観光地ですが、ビーチでの置き引きや車上荒らしは多発しています。夜間のクヒオ通り裏などは警戒を怠らないでください。
リスク: 置き引き, 車上荒らし, 酔客とのトラブル
金融・高級住宅街ですが、富裕層を狙ったFollow-home robberyが相次いでいます。高級車や時計の露出は犯罪を招くため、控えめな行動が推奨されます。
リスク: 追跡強盗, 高級品窃盗, ホテル侵入窃盗
ギャング関連の抗争と銃犯罪が日常的に発生している地域です。旅行者が立ち入るべき理由はありません。ループ地区(中心部)との治安差が激しいです。
リスク: 銃乱射, 集団暴力, カージャック
犯罪・治安情報
犯罪統計
凶悪犯罪
リスク: 4/5多発エリア: 地方都市のインナーシティ, 夜間の公共交通機関, 深夜のガソリンスタンド
手口:
- 銃器を使用した威嚇・暴行
- 複数人による包囲襲撃
- ドラッグ関連の抗争に巻き込まれる
対策:
- 危険地域を事前に地図で確認し、絶対に立ち入らない
- 移動には必ずUber等のライドシェアを利用する
- 夜間のATM利用は避ける
2024年の暴力犯罪は4.5%減少、殺人は14.9%減少したが、他国比では依然として高水準。
スリ・窃盗
リスク: 5/5多発エリア: 観光地の駐車場, 地下鉄の車内, 有名ブランドの路面店前
手口:
- Bipping(駐車車両の窓を割って荷物を奪う)
- 集団で注意を逸らしている隙にスリ
- 置き引き(レストランの椅子に掛けたバッグ等)
対策:
- 車内には見える位置に一切の物を置かない
- バッグは常に前で抱え、ファスナーを閉める
- ホテルの朝食会場でも貴重品を手放さない
自動車盗難は18.6%減少したが、万引きや商業エリアでの窃盗は8.9%増加。
強盗
リスク: 4/5多発エリア: 高級ショッピング街の裏通り, ホテルの入り口付近, 夜間の駅周辺
手口:
- Follow-home robbery(帰宅・帰館者を追跡し襲撃)
- 銃器を突きつけて送金アプリを操作させる
- 複数台の車両でターゲットを包囲
対策:
- 路上で高価な所持品を露出させない
- 背後からの追跡者に常に注意を払う
- 万が一襲われたら抵抗せず、金品を渡す
強盗全体は8.9%減少したが、日本人旅行者が狙われやすい手口が高度化している。
詐欺
リスク: 3/5多発エリア: タイムズスクエア, ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム, ラスベガス・ストリップ
手口:
- 偽僧侶によるブレスレット配布と寄付強要
- CDの押し売りとサイン後の脅迫
- ベディキャブ(自転車タクシー)の法外な請求
対策:
- 知らない人から手渡される物を絶対に受け取らない
- 不審な声掛けは目を合わせず無視して立ち去る
- 乗車前に必ず料金を確定させる
観光再開に伴い、古典的な手口が再び増加傾向にある。
健康・医療情報
ワクチン情報
2026年現在、短期観光目的の日本人には必須の予防接種はありません。しかし、麻疹や百日咳の散発的な流行が確認されているため、母子手帳を確認し定期接種の完了を推奨します。トランプ政権下の新方針でも、短期滞在者への強制接種は導入されていませんが、移民や長期ビザ申請者は厳格な予防接種証明が求められます。高額な医療費リスクを鑑み、健康状態は万全にしておくべきです。
| ワクチン | 必須/推奨 | 備考 |
|---|---|---|
| 麻疹(はしか) | 推奨 | 全米で散発的な流行が見られるため、渡航前の追加接種が強く推奨されます。 |
| 新型コロナウイルス | 推奨 | 2025年に全ての入国制限が撤廃されましたが、最新のブースター接種を推奨します。 |
| A型肝炎 | 推奨 | 長期滞在や地方での衛生的環境が不確かな場所へ行く場合に推奨されます。 |
| B型肝炎 | 推奨 | 医療従事者や現地での医療行為の可能性がある長期滞在者に推奨されます。 |
| 破傷風・ジフテリア | 推奨 | 国立公園でのハイキングやアウトドア活動を予定している場合に推奨されます。 |
| 狂犬病 | 推奨 | 野生動物(コウモリやアライグマ等)との接触リスクがある場合に検討してください。 |
健康リスク
全米で最も警戒すべきは、夏から秋に発生するウエストナイル熱や、北東部・中西部の森林地帯で多発するライム病などのマダニ媒介疾患です。また、狂犬病はコウモリやアライグマなどの野生動物から感染するリスクがあり、発症すれば致死率がほぼ100%となるため、動物への接触は厳禁です。フロリダ等南部ではデング熱の限定的な発生も見られます。さらに、2025年末より一部の都市部で薬物中毒者の増加に伴う公衆衛生上の懸念も報告されています。
医療施設
アメリカの医療水準は世界最高峰ですが、自由診療を基本とするため医療費は極めて高額です。救急車(有料)の利用や1日の入院で数百万円が請求されることも珍しくありません。大都市には日本語対応可能な医師もいますが、基本的には英語での診療となります。十分な補償額(無制限を強く推奨)の海外旅行保険への加入は、アメリカ渡航において必須の準備と言えます。
入国・ビザ情報
ビザ要件: 観光・商用目的で90日以内の滞在であれば、日本人はビザ免除プログラムを利用できますが、出発の72時間前までにESTA(電子渡航認証)の取得が必須です。2025年以降、トランプ政権下での入国審査が厳格化されており、滞在先、帰路の航空券、十分な滞在資金の証明を求められるケースが増えています。目的が不明確な場合や不法就労を疑われた場合は、入国拒否の対象となるため注意が必要です。
パスポート有効期限
日本はアメリカの「6ヵ月ルール」の例外国(Six-Month Club)に含まれるため、入国日から出国予定日まで有効であれば受入可能です。ただし、航空会社が独自の基準で残存期間を求める場合があるため、余裕を持つことが望ましいです。
持ち込み禁止・制限品
肉類(生、乾燥、エキス入りカップ麺含む)、果物、種子類の持ち込みは厳しく禁止されており、申告漏れは高額な罰金の対象となります。現金や小切手等を合計1万ドル以上持ち込む場合は申告が必要です。また、処方薬を持ち込む際は英文の処方箋コピーを携行してください。
緊急連絡先
時間帯別安全情報
早朝
安全早朝はジョギングをする住民も多く、比較的穏やかですが、ホームレスの移動時間と重なることがあります。主要都市のビジネス街は安全ですが、人通りが少なすぎる裏路地は避けるべきです。清掃車両の稼働により交通規制がある場合もあります。
安全な活動:
- ・公園でのウォーキング
- ・カフェでの朝食
- ・主要駅への移動
避けるべきエリア:
- ・公園の奥まった場所
- ・人通りのない路地裏
交通: 主要道路を通るタクシーまたは徒歩
日中
安全観光に最適な時間帯です。警察のパトロールも活発で、主要な観光スポットは非常に安全に保たれています。ただし、車上荒らしやスリは昼夜を問わず発生するため、貴重品の管理と駐車場所の選定には細心の注意を払う必要があります。
安全な活動:
- ・美術館・博物館巡り
- ・ショッピング
- ・野外イベント参加
避けるべきエリア:
- ・治安の悪いとされている特定地区(スキッドロウ等)
交通: 公共交通機関(地下鉄、バス)、Uber
夕方〜夜
安全夕食やエンターテインメントで賑わう時間帯です。観光地周辺は明るく安全ですが、日没と共に街の雰囲気が急変するエリアがあります。特に地下鉄の駅周辺やバス停での待ち時間には注意が必要です。人通りのある大通りを選んで歩くようにしましょう。
安全な活動:
- ・シアター観賞
- ・レストランでの食事
- ・夜景観賞(指定スポット)
避けるべきエリア:
- ・閉鎖された公園
- ・シャッターの閉まった商業地区
交通: Uber、Lyft、信頼できるタクシー
深夜
危険深夜の一人歩きは、エリアを問わず推奨されません。薬物依存者やホームレスとの遭遇率が急増し、予期せぬトラブルに巻き込まれるリスクが高まります。バーやクラブ周辺では暴力事件も発生しやすくなります。移動はドア・ツー・ドアを徹底してください。
安全な活動:
- ・ホテル内での休息
- ・信頼できる送迎付きのイベント
避けるべきエリア:
- ・深夜の地下鉄
- ・ガソリンスタンド
- ・無人の市街地
交通: Uber(ホテルから直接乗車)
季節別ガイド
Spring (春) (March - May)
気温: 5°C - 25°C
降水: 北東部では雨が多く、南部では乾燥が始まります。
服装: 重ね着ができるジャケット、長袖、薄手のセーター。
おすすめ活動:
ワシントンD.C.の桜鑑賞, 国立公園でのハイキング, 野球観戦(開幕戦)
リスク:
- ・中西部の竜巻
- ・深刻な花粉症(ポレンアレルギー)
Summer (夏) (June - August)
気温: 20°C - 40°C
降水: 全域で高温。南部や東海岸は湿度が高く、雷雨が頻発します。
服装: 通気性の良い夏服、サングラス、帽子、日焼け止め。
おすすめ活動:
ビーチ(カリフォルニア・マイアミ), キャンプ, 野外フェスティバル
リスク:
- ・熱中症
- ・ハリケーンの発生
- ・山火事の開始
Fall (秋) (September - November)
気温: 10°C - 25°C
降水: 晴天が多く乾燥します。東海岸ではハリケーンの影響を受けることがあります。
服装: セーター、軽いコート、歩きやすいブーツ。
おすすめ活動:
ニューイングランド地方の紅葉, ワインテイスティング(ナパ), 感謝祭のパレード
リスク:
- ・乾燥による火災
- ・急激な気温低下(寒暖差)
Winter (冬) (December - February)
気温: -20°C - 15°C
降水: 北部は積雪、南部は穏やかな気候です。
服装: 厚手のダウンコート、手袋、ニット帽、防寒靴。
おすすめ活動:
コロラドでのスキー, NYCのカウントダウン, フロリダでの避寒旅行
リスク:
- ・猛烈なブリザード
- ・交通機関の麻痺
- ・凍結による転倒事故
ベストシーズン: 観光に最適なのは、天候が安定し気温も快適な春(4月〜6月)と秋(9月〜10月)です。特に春は国立公園の緑が美しく、秋は東海岸の紅葉や西海岸のワイン収穫シーズンを楽しめます。盛夏は極端な酷暑、厳冬期は寒波による移動制限のリスクが高まるため、特定のイベント目的以外は避けるのが無難です。
環境リスク
野生動物のリスク
クマ(グリズリー・黒熊)
リスク: 4/5生息地: イエローストーン国立公園, ヨセミテ国立公園, アラスカ州
国立公園等でのハイキング中は、クマ鈴や会話で人間の存在を知らせることが重要です。万が一遭遇した場合は、大声を上げず静かに後退してください。食料の匂いはクマを引き寄せるため、指定された防獣容器(ベアボックス)に厳重に保管することが法律で義務付けられている地域が多く、違反すると罰金の対象となります。熊よけスプレーの携行も有効です。
治療: 直ちに安全な場所へ避難し、911へ通報して救急搬送と狂犬病の曝露後ワクチン接種を受けてください。
毒蛇(ガラガラヘビ等)
リスク: 3/5生息地: アリゾナ州, テキサス州, カリフォルニア州の乾燥地帯
トレイルから外れないように歩き、岩場や草むらの中に不用意に手を入れないでください。足元を保護する厚手の登山靴の着用を推奨します。ガラガラヘビは威嚇音を出すことがありますが、音が聞こえたら直ちにその場を離れてください。夜間の行動時は必ずライトを点灯し、地面をよく確認するようにしてください。
治療: 噛まれた部位を心臓より低く保ち、安静を維持したまま直ちに911へ通報し、血清のある病院へ搬送を依頼してください。
ワニ(アリゲーター)
リスク: 3/5生息地: フロリダ州, ルイジアナ州の湿地帯
水辺には近づかないことが鉄則です。ワニは水辺に潜んでいることが多く、特に夜間の水辺での活動は極めて危険です。ペットを連れている場合は特に注意が必要で、ワニを引き寄せる原因となります。餌付けは違法であり、ワニが人間に慣れてしまうことで事故のリスクが高まるため、決して行わないでください。
治療: 深刻な外傷を伴うため、速やかな止血処置を行い、一刻も早く911へ連絡して外科治療を受けてください。
水の安全性
水道水: 飲用可能
アメリカの水道水は基本的に飲用可能ですが、石灰分を多く含む硬水が多いため、日本の軟水に慣れている方は胃腸を壊す可能性があります。市販のボトル入りミネラルウォーターの購入を強く推奨します。また、一部の地域では配管の老朽化による水質低下が懸念されているため、蛇口から出る水を直接飲む前にホテルの注意書き等を確認してください。
交通安全
事故死亡率: 12.8
歩行者リスク: 歩行者優先が基本ですが、郊外や幹線道路では歩行者が想定されておらず、横断歩道がない場所も多いです。都市部では信号無視による右折車(赤信号でも右折可能なルール)との接触に十分注意が必要です。夜間の暗い色の服装での歩行は、ドライバーから視認されにくく非常に危険です。
公共交通: ニューヨークの地下鉄などは警備が強化されていますが、深夜は依然として強盗やホームレス・薬物中毒者との接触リスクが高く、安全とは言えません。移動には配車アプリ(UberやLyft)の利用が推奨され、乗車前に車種とナンバープレートが一致しているか必ず確認してください。
地域別ガイド
北東部 (Northeast)
レベル 2ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィアを含むアメリカの政治・経済・文化の中心地です。歴史的な街並みが残り、公共交通機関が発達しています。観光客にとっては比較的歩きやすい地域ですが、都市部ではホームレス問題や軽犯罪に注意が必要です。
主要都市: New York City, Boston, Philadelphia
特有リスク:
- ・地下鉄内でのスリ
- ・タイムズスクエア等での詐欺
- ・冬期の猛吹雪による交通麻痺
西部沿岸 (West Coast)
レベル 3ロサンゼルス、サンフランシスコ、シアトルを含むハイテク・エンターテインメントの集積地。美しい海岸線と多様な文化が魅力ですが、近年は一部地域での治安悪化が社会問題となっています。車上荒らしが極めて多発しています。
主要都市: Los Angeles, San Francisco, Seattle
特有リスク:
- ・自動車の窓割り盗難 (Bipping)
- ・特定地区の薬物中毒者問題
- ・山火事による煙害
南部 (The South)
レベル 3フロリダ、テキサス、ジョージアなど、急速な経済成長を遂げている地域。温かいもてなし「サザン・ホスピタリティ」と美食が有名です。広大な土地のため車移動が必須。銃器の所持率が他地域より高く、特定の都市では犯罪率が非常に高いため警戒が必要です。
主要都市: Miami, Houston, Atlanta
特有リスク:
- ・ハリケーンの襲来 (6-11月)
- ・都市部インナーシティの暴力犯罪
- ・極端な猛暑と湿度
中西部 (Midwest)
レベル 3シカゴを中心とした「アメリカの心臓部」。農業と工業が盛んで、人々は友好的です。シカゴのループ地区などは観光に適していますが、サウスサイドなどの特定地域は全米屈指の危険地帯。冬の寒さは極めて厳しく、氷点下20度以下になることも珍しくありません。
主要都市: Chicago, Detroit, Minneapolis
特有リスク:
- ・シカゴ南部の暴力犯罪
- ・春の竜巻 (Tornado)
- ・厳冬期の寒波
南西部 (Southwest)
レベル 2グランドキャニオンなどの国立公園が集中する乾燥地帯。ラスベガス、フェニックスが主要都市です。自然環境の美しさが際立ちますが、夏場の酷暑は生命に関わるレベルです。国境付近では不法入国者や麻薬密売に関する警戒が行われています。
主要都市: Las Vegas, Phoenix, Santa Fe
特有リスク:
- ・砂漠地帯での脱水・熱中症
- ・フラッシュフラッド (鉄砲水)
- ・ラスベガスでのカジノ周辺トラブル
経済・物価情報
経済概要
アメリカは2026年現在も名目GDPで世界第1位を維持しており、29兆ドルを超える規模を誇ります。2025年に発足した第2次トランプ政権の経済政策により、関税引き上げや規制緩和が進んでおり、国内製造業の回帰と株価の変動が続いています。失業率は4.4%前後と低水準で推移していますが、過去数年のインフレの蓄積により生活コストは構造的に高止まりしています。特に先端技術や金融分野が牽引する一方、サービス業では賃金上昇に伴う価格転嫁が激しく、観光客への影響も顕著です。
生活費・物価
アメリカの生活コストは世界最高水準にあり、日本人旅行者にとっては円安の影響も加わり非常に高価に感じられます。都市部(NY, SF)での一般的なランチはチップ込みで$25-35(約4,000円〜)、ディナーは$50-80(約8,000円〜)が目安です。宿泊費も高騰しており、中級ホテルでも1泊$300以上、マンハッタンなどでは$500を超えることも珍しくありません。交通費については地下鉄が1回約$3ですが、移動の主流であるライドシェアは15分の乗車で$25前後かかります。日用品や外食にかかるコストは、日本の感覚の2.5倍から3倍を見込む必要があります。
通貨情報
通貨は米ドル(USD)。現在はほぼ完全なキャッシュレス社会となっており、カードまたはスマートフォン決済(Apple Pay, Google Pay)が必須です。1セントや5セントなどの硬貨はチップやお釣りで発生しますが、実生活で使う場面は極めて限られています。一方で、現金が必要なのは小規模な露店、あるいは一部のホテルでのハウスキーピング用チップ($1-5)程度です。セキュリティの観点から、高額紙幣($50, $100)は受け取りを拒否される店も多いため、最小限の現金を$1, $5, $10などの小額紙幣で持っておくのが賢明です。
チップガイド
アメリカのチップ習慣は2026年現在、さらに上昇傾向にあります。レストランでの食事では、合計額(税引前)の18%から25%を支払うのが標準的です。レジの端末で「18%, 20%, 25%」から選択する形式が主流となっています。タクシーやライドシェアは15%から20%、ホテルのポーターは荷物1個につき$2-5、ハウスキーピングは1泊につき$2-5をベッドサイドに置くのがマナーです。セルフサービスの店ではチップは任意ですが、サービスを受けた場合は支払うのが社会的な合儀となっています。
予算ガイド
アメリカ旅行の予算プランニングは「高コスト」を前提にすべきです。バックパッカー予算でも1日$150(約23,000円)は必要で、ホステルのドミトリーやファストフード中心の生活となります。ミドルレンジでは1日$400-600を見込み、標準的なホテルの個室と1日2回のレストラン利用が可能です。ラグジュアリープランでは1日$1,200以上となり、5つ星ホテルやファインダイニングを楽しみ、移動もプライベート送迎が中心となります。特に2026年のワールドカップや建国250周年などのイベント期間は、これら目安の1.5倍から2倍に跳ね上がるため早期予約が必須です。
文化・マナー情報
歴史的背景
アメリカ合衆国は1776年の独立宣言以来、民主主義と自由主義を建国の理念としてきました。19世紀の領土拡大(マニフェスト・デスティニー)、南北戦争による奴隷制廃止を経て、20世紀には二度の世界大戦と冷戦を通じて世界唯一の超大国となりました。2026年は建国250周年(Semiquincentennial)という大きな節目を迎え、その歴史の多層性が再認識されています。移民が築いた「人種のるつぼ」から、近年は「サラダボウル」と呼ばれる多様性を尊重する社会へと変遷しましたが、一方で政治的な分断や歴史認識を巡る議論も活発に行われており、ダイナミックな社会変革の中にあります。
社会規範・マナー
社交において「プライバシー」と「個人の権利」を極めて重視します。対面ではアイコンタクトを保ちながら笑顔で挨拶することが信頼の証とされ、公共の場では「Excuse me」や「Sorry」を頻繁に使い周囲への配慮を示します。レディーファーストの習慣や、列を守る、大きな音を立てないといった基本的なマナーは厳格です。一方で、政治、宗教、人種、LGBTQ+に関する話題は非常にセンシティブであり、親しい間柄でない限り避けるのが賢明です。また、公共の場での飲酒規制や喫煙ルールは州ごとに非常に厳しく、日本の感覚で路上で飲酒すると逮捕の対象になるため注意が必要です。
宗教・慣習
キリスト教(プロテスタント、カトリック)が最大の宗教勢力ですが、ユダヤ教、イスラム教、仏教、ヒンドゥー教など、世界中のあらゆる宗教が共存しています。日曜日の礼拝時間は多くの教会が信者で賑わい、ユダヤ教の安息日(シャバット)には特定の地域で活動が制限されることもあります。また、感謝祭(11月)やクリスマス、独立記念日(7月4日)は国民的な祝祭であり、多くの店舗や公共施設が閉鎖されます。宗教的多様性への配慮は「ポリティカル・コレクトネス」の一部として重視されており、特定の宗教儀礼を揶揄することや不適切な服装で礼拝所に入ることは固く禁じられています。
宿泊・食事ガイド
宿泊ガイド
アメリカのホテルは部屋単位の料金設定(1室あたりの価格)が一般的で、1室に最大4名まで泊まれる場合が多いです。大手チェーン(Marriott, Hilton, Hyatt)は品質が安定していますが、リゾート地では「リゾート料金(Resort Fee)」が1泊$30-50別途加算されることが一般的。予約時は総額を確認してください。また、チェックインにはクレジットカードが必須で、デポジット(預り金)として1泊あたり$100程度が一時的に枠取りされます。近年はAirbnbなどの民泊も普及していますが、治安の悪い地域に位置する場合もあるため、レビューと周辺環境の徹底的な確認が必要です。
食事ガイド
アメリカの食事は「多様性」と「ボリューム」が特徴です。世界中の本格的な料理を楽しめるほか、分厚いステーキや本場のバーガーといったアメリカ料理も魅力。2026年現在は健康志向の高まりから、ビーガン、グルテンフリー、オーガニックの選択肢がどこにでもあります。外食時は「チップ、税金」で表示価格の約3割増しになると考えるべきです。節約にはスーパーマーケット(Whole Foods, Trader Joe's)のデリコーナーやフードトラックが有効。レストランの食べ残しは「To-go box」をもらって持ち帰るのが一般的で、恥ずかしいことではありません。
実用情報
通信・SIM
アメリカでの通信はeSIMが最も便利で安価です(Airalo, Holafly等)。現地のT-MobileやAT&TのプリペイドSIMも空港や街中で購入可能。無料WiFiはスターバックス、マクドナルド、公共図書館、空港などで提供されていますが、セキュリティのため必ずVPNを使用してください。2026年現在は5G網が全米をカバーしていますが、国立公園や広大な田舎道では圏外になることが多いため、オフラインマップのダウンロードが必須です。
銀行・ATM
ATM(現金自動預け払い機)は銀行内、コンビニ、ガソリンスタンドなど至る所にあります。利用には$3-7の手数料がかかり、さらに日本の銀行側でも手数料が発生します。多額の現金を引き出すのは強盗のリスクがあるため避け、基本はカード決済に頼るべきです。デビットカードやクレジットカードが使えない店は「Cash Only」と掲示されています。スキミング防止のため、可能な限り銀行内にあるATMを利用してください。
郵便・配送
郵便局(USPS)は青い看板が目印。ポストへの投函も可能ですが、紛失が多いため重要なものはFedExやUPSの利用を推奨します。日本へのハガキは$1.50程度、小包の送付は非常に高額ですが、UPS等では追跡サービスがしっかりしており信頼性が高いです。Amazonなどのオンライン購入品をホテルのロッカー(Amazon Locker)で受け取ることも可能で、旅行者には非常に便利です。
電源・アダプター
電圧は120V、周波数は60Hz。プラグ形状は日本と同じAタイプですが、片方の穴が少し大きい極性付きのものがあります。日本の家電(100V)は短時間なら使えますが、過熱して故障や火災の原因になるため、精密機器やドライヤーなどは海外対応のものか変圧器の使用を推奨します。コンセントにはアース穴のあるBタイプも混在していますが、Aタイプのプラグはそのまま挿入可能です。
洗濯サービス
中級以上のホテルにはランドリーサービスがありますが、非常に高額です。街中のコインランドリー(Laundromat)は$5-10程度で洗濯・乾燥が完了します。最近はカード対応や専用アプリ決済の店舗が増えていますが、一部で25セント硬貨(クオーター)のみの古い機械も残っています。洗濯中、その場を離れると洗濯物を盗まれる、または勝手に出されるトラブルがあるため、極力店内に留まってください。
公衆トイレ
「Restroom」と呼びます。デパート、ホテル、図書館、大きなスーパーマーケット内は比較的清潔です。路上や地下鉄駅のトイレは治安が悪く、不潔なことが多いため避けるのが賢明。スターバックスなどのカフェでは、商品購入後のレシートに記載された暗証番号(Code)を入力しないとドアが開かないシステムが一般的。トイレのドアは上下の隙間が大きく開いていますが、これは犯罪防止と生存確認のための米国標準仕様です。
主要都市ガイド
オースティン
Austin
テキサス州の州都であり、ハイテク産業とライブミュージックの聖地として知られます。全米で最も急速に成長している都市の一つで、住民はリベラルで友好的です。治安は概ね良好ですが、近年はダウンタウンのホームレス増加が課題となっています。
主な観光地:
テキサス州議会議事堂, 6th ストリート, レディー・バード湖
避けるべきエリア:
- ・I-35高架下付近
- ・深夜のダウンタウン東側
ベストシーズン: 3月〜5月 (SXSW開催時期など)
詳細ページへ →デンバー
Denver
ロッキー山脈の麓に位置する「マイル・ハイ・シティー」。アウトドア好きに人気の拠点で、クラフトビール文化が盛んです。治安は比較的安定していますが、公共交通機関や特定の通りでの薬物問題には注意が必要です。
主な観光地:
レッドロックス野外劇場, デンバー美術館, ユニオン駅
避けるべきエリア:
- ・イースト・コルファックス・アベニュー
- ・深夜のシビックセンターパーク
ベストシーズン: 6月〜9月
詳細ページへ →ボストン
Boston
アメリカで最も歴史のある都市の一つで、ハーバード大学やMITが集まる教育・研究の拠点。ヨーロッパのような雰囲気があり、治安は全米の主要都市の中でもトップクラスに安全です。夜間の公共交通機関も比較的安心して利用できます。
主な観光地:
フリーダムトレイル, クインシーマーケット, フェンウェイパーク
避けるべきエリア:
- ・ドーチェスター地区の一部
- ・ロクスベリーの一部
ベストシーズン: 9月〜10月 (紅葉の時期)
詳細ページへ →マイアミ
Miami
ラテン文化が融合した華やかなビーチリゾート。夜遊びのメッカですが、観光地を一歩外れると治安が急激に悪化する場所があります。富裕層を狙った強盗事件が散発しており、高級時計や宝飾品の着用には細心の注意が必要です。
主な観光地:
サウスビーチ, アールデコ歴史地区, リトルハバナ
避けるべきエリア:
- ・オーバタウン
- ・リトルハイチ
- ・リバティシティー
ベストシーズン: 12月〜3月
詳細ページへ →アトランタ
Atlanta
CNNやコカ・コーラの本社がある南部のハブ。公民権運動の歴史が深く、豊かな文化を持ちますが、凶悪犯罪率は依然として全米平均より高い水準にあります。観光地周辺は警備が厳重ですが、移動には必ず車やライドシェアを利用してください。
主な観光地:
ジョージア水族館, ワールド・オブ・コカ・コーラ, マーティン・ルーサー・キング・ジュニア国立歴史公園
避けるべきエリア:
- ・ダウンタウンの特定ブロック
- ・バンクヘッド地区
ベストシーズン: 4月〜5月
詳細ページへ →交通詳細ガイド
国内線フライト
アメリカは広大であるため、州をまたぐ移動には国内線航空機が不可欠です。アメリカン、デルタ、ユナイテッドの3大キャリアが全米を網羅し、サウスウエストやジェットブルーなどのLCCも高い利便性を誇ります。2026年現在はワールドカップの影響で予約が混み合うため、数ヶ月前の早期予約が推奨されます。注意点として、LCCだけでなく大手航空会社でも受託手荷物が有料(1個$30-50)となる運賃形態が一般的です。TSA(運輸保安局)の検問は非常に厳格で、靴を脱ぐ、電子機器を出すなどの手続きに時間を要するため、出発の2時間前には空港に到着しておくべきです。
鉄道・バス
鉄道はアムトラック(Amtrak)が唯一の全米ネットワークを提供しています。北東回廊(ワシントンD.C.〜ニューヨーク〜ボストン)のアセラ・エクスプレスは高速で信頼性が高く、ビジネス客にも多用されますが、それ以外の長距離路線は観光目的が強く、数時間の遅延が常態化しています。バスはグレイハウンド(Greyhound)やメガバス(Megabus)が格安移動手段として機能しています。都市間の主要ターミナルは治安が悪い場所に位置することが多いため、深夜の発着は避け、昼間の利用を強く推奨します。バス車内にはWiFiやコンセントが備わっていますが、荷物の管理には細心の注意が必要です。
レンタカー・配車サービス
ニューヨークなどの一部都市を除き、アメリカ観光には車の利用が最も効率的です。ハーツ、エイビス、エンタープライズなどの大手レンタカー会社が主要空港に拠点を置いています。21歳からレンタル可能ですが、25歳未満には「ヤングドライバー料金」が加算されます。また、UberとLyftのライドシェアは全米で完全に定着しており、一般のタクシーよりも清潔で安価、かつ決済がアプリ内で完結するため安全です。2026年現在はサンフランシスコやフェニックスなどで完全自動運転タクシー(Waymo等)の商用利用も広がっており、旅行者でもアプリ一つで体験が可能です。
交通リスク評価
アメリカの公共交通機関における最大のリスクは、車両そのものの安全性よりも、利用客同士のトラブルやプラットフォームでの強盗・暴行です。特に深夜の地下鉄や長距離バスの待合室は、ホームレスや精神的に不安定な人物、薬物中毒者が集まりやすいため、22時以降の利用は強く推奨されません。移動はドア・トゥ・ドアで完結するUber等のライドシェアを優先し、降車時は周囲に不審者がいないか確認してから車を出るようにしてください。また、レンタカー利用時は、赤信号での停車中に窓を割られる強盗(窓割り強盗)を防ぐため、常にドアをロックし、貴重品は外から見えない位置に隠すことが鉄則です。
都市別交通ガイド
New York City
地下鉄: 24時間運行の地下鉄網。MTAカードまたは非接触決済(OMNY)で利用可能。利便性は最高ですが、車両間の移動や深夜の利用には警戒が必要。
バス: 各駅停車の各路線。地下鉄よりも安全な雰囲気があり、短距離移動に適しています。
タクシー: イエローキャブが至る所で拾えますが、Uber/Lyftの方が料金が明確で推奨されます。
徒歩・自転車: シティバイク(Citi Bike)が普及。マンハッタン内は歩行者が多いですが、自転車専用レーン以外での走行は危険です。
費用目安: 地下鉄1回$2.90。Uberマンハッタン内$30-50。
San Francisco
地下鉄: BART(広域鉄道)とMuni(市内交通)。Muni Mobileアプリでの決済が便利。BARTの駅周辺は一部治安が悪い。
バス: 市内を網羅。ケーブルカーは観光用ですが、一般バスも坂道の多い市内では重宝します。
タクシー: Uber発祥の地であり、捕まりやすさは抜群。自動運転タクシーWaymoも主流。
徒歩・自転車: 坂道が多いため徒歩は体力が必要。駐輪した自転車の盗難が極めて多いため注意。
費用目安: Muni1日券$5。Uber市内$20-30。
Chicago
地下鉄: CTA 'L' (高架鉄道)。ループ地区を中心に全方向へ延びています。ブルーラインはオヘア空港直結で便利。
バス: グリッド状の道路に沿って正確に運行。夜間は地下鉄よりバスの方が安全と感じる住民も多い。
タクシー: アプリでの手配が主流。空港からの定額制タクシーもあります。
徒歩・自転車: Divvyバイクシェアが発達。ミシガン湖沿いのトレイルは快適なウォーキングコース。
費用目安: 1日乗車券$5。Uber市内$25-40。
大使館・長期滞在情報
在外公館ネットワーク
在アメリカ合衆国日本国大使館
Embassy - Washington, D.C.
住所: 2520 Massachusetts Avenue NW, Washington D.C. 20008
電話: +1-202-238-6700
管轄: D.C., MD, VA, WV
緊急対応: 24時間受付(夜間・休日は緊急連絡先へ転送)
在ニューヨーク日本国総領事館
Consulate General - New York
住所: 299 Park Avenue, New York, NY 10171
電話: +1-212-371-8222
管轄: NY, NJ, CT, PA, DE, PR
緊急対応: 24時間受付
在ロサンゼルス日本国総領事館
Consulate General - Los Angeles
住所: 350 South Grand Avenue, Suite 1700, Los Angeles, CA 90071
電話: +1-213-617-6700
管轄: Southern CA, AZ
緊急対応: 24時間受付
領事サービス
在外公館では、パスポートの紛失・盗難に伴う「帰国のための渡航書」の発給、事件・事故に巻き込まれた際の邦人援護、現地の弁護士や医師のリスト提供、逮捕された際の領事面会などを行っています。ただし、領事は弁護人として法廷に立つことや、金銭の貸し付け、民事トラブルの介入はできません。緊急時には24時間体制で対応していますが、通訳者の派遣等は原則行っておらず、あくまでも解決のための助言と支援が中心となります。事前に「たびレジ」に登録しておくことで、緊急事態発生時に領事館から直接メールで安全情報を受け取ることができます。
長期滞在ビザ
アメリカの長期滞在ビザ(留学のF/M、就労のH/L/E等)の取得プロセスは非常に厳格です。面接予約まで数ヶ月を要することもあり、早期の準備が不可欠です。入国審査官は「移民の意図」がないかを厳しくチェックするため、帰国を証明する書類や十分な資金証明が求められます。2025年以降のトランプ政権下では、提出書類の審査がより精密化されており、SNSのアカウント情報の提供を求められる場合もあります。一度ビザが却下されると、将来的にESTAでの入国が困難になるリスクがあるため、専門の弁護士や留学エージェントを通じた正確な申請が強く推奨されます。
リモートワーク・デジタルノマド
アメリカには「デジタルノマドビザ」という特定のビザは存在しません。短期の滞在で海外の企業のためにリモートワークを行う場合、ESTAでの入国が一般的ですが、入国審査で「仕事をする」と伝えると「就労」とみなされ入国拒否されるリスクがあります。あくまで「観光」の一環として行う必要があります。長期で滞在する場合は、投資家ビザ(E-2)や特殊技能ビザ(O-1)などの検討が必要です。全米にコワーキングスペース(WeWork等)が充実しており、高速インターネット環境は抜群ですが、時差(日本と13-16時間)が最大の壁となります。生活コストの高さから、中南米や東南アジアほどノマドには選ばれにくい傾向にあります。
ビジネスビザ
商用目的(会議、市場調査、契約締結など)の短期滞在は、90日以内であればESTA(B-1/B-2相当)で可能です。ただし、米国内で報酬を得る活動や、肉体労働を伴う作業はできません。入国審査時には、出張の目的、訪問先企業名、滞在期間を明確に説明できる準備が必要です。会社からの英文の推薦状や旅程表を携行しておくとスムーズです。2026年のワールドカップなど、大規模イベントに関連する出張の場合は、入国審査が通常より厳格化される可能性があるため、必要書類の完備がより重要となります。
推奨防犯装備
ドア・ジャマー / ポータブルドアロック
必須防犯グッズ
ホテルのセキュリティが不十分な場合や、侵入を防ぐために内側から固定する器具。特に地方のモーテルや格安宿での安全確保に極めて有効です。
マネーベルト / シークレットポーチ
推奨防犯グッズ
パスポートや予備のクレジットカードを衣類の下に隠して携行。都市部での強盗被害(デジタル強盗含む)に遭った際の被害を最小限に留めます。
VPNサービス(月額・年間契約)
必須通信機器
公共WiFiを通じた情報の抜き取りを防ぐため。米国のカフェや空港のWiFiはサイバー犯罪の標的になりやすく、暗号化通信は不可欠です。
大容量モバイルバッテリー
推奨通信機器
Uberなどのライドシェア利用が前提の移動では、スマホの電池切れは命取り。緊急時の連絡手段確保のため、10000mAh以上の携行を推奨します。
パーソナル防犯アラーム
推奨防犯グッズ
夜間歩行中や不審者に遭遇した際、大音量で周囲に知らせる。米国では周囲の反応が速いため、音による威嚇は有効な抑止力となります。
RFIDブロッキング・カードケース
必須防犯グッズ
非接触型のスキミングを防ぐ。完全キャッシュレスの米国では、バッグの外側からカード情報を盗む犯罪が横行しているため重要です。
個人用救急セット(ファーストエイド)
オプション衛生用品
消毒液、絆創膏、鎮痛剤。米国での医療費は極めて高額なため、軽微な怪我や体調不良を自力で対処できる準備があると安心です。
海外旅行保険(治療費無制限)
必須保険
物理的な装備ではありませんが、米国渡航の最優先事項。救急車1台、入院1日で数百万円単位の請求が来る現実に備える盾となります。
旅行者タイプ別ガイド
女性旅行者向けガイド
アメリカは女性の権利が尊重されている社会ですが、都市部での街頭ハラスメント(キャットコーリング)やナンパ、つきまといには注意が必要です。無視を貫くのが基本で、反応するとエスカレートすることがあります。夜間の移動は必ずドア・トゥ・ドアのライドシェアを利用し、乗車前にはアプリに表示されたナンバープレートと運転手の顔が一致するか必ず確認してください。また、バーやクラブでは自分の飲み物から目を離さない(薬物混入防止)ことが徹底されています。服装については、観光地では自由ですが、治安の悪い地域を通過する際は、過度に露出の多い服装や高価なブランドバッグの所持を避けることで、ターゲットになるリスクを下げることができます。
LGBTQ+旅行者向けガイド
アメリカはLGBTQ+に対して非常に先進的で寛容な国ですが、地域による差が大きいのが現実です。ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどの大都市や「ブルー・ステート(民主党支持基盤)」では、同性カップルが手を繋いで歩くことは日常的であり、多くのホテルや店舗がレインボーマークを掲げて歓迎しています。一方、南部や中西部の田舎、あるいは保守的な地域では、依然として否定的な見方を持つ人々も存在します。2025年以降、一部の州でトランスジェンダーの権利に関する規制法案が議論されている背景もあり、滞在先の州の最新情勢を確認しておくことが推奨されます。有名なゲイ・ネイバーフッド(カストロ地区やチェルシー等)は観光地としても非常に安全で楽しめます。
家族・シニア旅行者向けガイド
家族連れにとってアメリカは非常にフレンドリーな国です。ベビーカーでの移動、レストランでの子供向けメニュー、おむつ替えスペースの充実など、インフラは整っています。ただし、アメリカの法律では12歳以下の子供を短時間でも一人にすること(車内放置、ホテルの部屋への置き去り、公園での一人遊び)は「児童虐待・放置」として逮捕される重大な犯罪となります。シニア旅行者については、アメリカの主要な観光地や国立公園はバリアフリー化が徹底されており、車椅子での観光も非常に容易です。一方で、医療費のリスクが最も高いため、持病の英文診断書と予備の薬を携行し、キャッシュレス決済への習熟、そして高額な海外旅行保険への加入が、安心して旅を楽しむための必須条件となります。
安全に関するよくある質問
銃犯罪が心配ですが、どれくらい危険ですか? ▼
統計上の発生率は高いですが、多くは特定の危険地域やギャング間のトラブルです。観光地や昼間の人通りが多い場所では遭遇する確率は極めて低いですが、「Run, Hide, Fight」の基本を理解しておくことは必須です。
夜間に一人で歩いても大丈夫ですか? ▼
エリアによりますが、主要都市のダウンタウンであっても夜間(22時以降)の一人歩きは推奨されません。移動には必ずUberやLyftなどのライドシェアを利用してください。
地下鉄は安全ですか? ▼
昼間は一般的な移動手段ですが、ホームレスや不安定な言動をする人物がいる場合があります。目を合わせず、不審者がいる車両からはすぐに移動してください。深夜は利用を避けるのが賢明です。
実用的なよくある質問
ESTAはいつまでに申請すべきですか? ▼
出発の72時間前までが公式な推奨ですが、審査に時間がかかる場合や保留されることがあるため、航空券を手配したらすぐに申請することをお勧めします。
チップを払わないとどうなりますか? ▼
法的な罰則はありませんが、アメリカのサービス業ではチップが賃金の重要な一部です。払わないことは非常に失礼な行為とみなされ、トラブルの原因にもなります。最低18%は支払うのがマナーです。
現地の医療費が非常に高いと聞きましたが本当ですか? ▼
本当です。風邪の診察で数万円、救急車利用で10万円以上、入院すれば数百万円の請求が来ます。必ず治療費が無制限または高額補償の海外旅行保険に加入してください。
アメリカの治安に関するよくある質問
アメリカの治安は良い?悪い? ▼
全米の暴力犯罪は歴史的な低下傾向にありますが、日本と比較すると依然として犯罪率は高い水準です。特に銃器を使用した犯罪の発生率は、他国と比べても際立っています。観光地は概ね安全ですが、一歩路地に入ると雰囲気が一変する場所も多いため、常に警戒が必要です。
アメリカで危険な地域はどこ? ▼
メンフィス、サンフランシスコのテンダーロイン地区、フィラデルフィアのケンジントン地区などは、全米でもトップクラスの危険地域です。薬物中毒者やホームレスが密集し、凶悪犯罪が多発しているため、これらのエリアへの立ち入りは絶対に行わないでください。
アメリカ旅行はやばい?本当に行って大丈夫? ▼
渡航禁止レベルの国ではありませんが、地域の選び方を間違えると非常に「やばい」状況に陥ります。ワールドカップ開催に向けて警備は強化されていますが、インフレの影響による財産犯罪や特定地域での治安崩壊が続いています。事前の情報収集と正しい移動手段の確保が不可欠です。
アメリカは女性一人でも怖くない? ▼
観光地や昼間の人通りが多い場所では過度に怖がる必要はありませんが、夜間の一人歩きや地下鉄の利用は避けるべきです。特にサンフランシスコやセントルイスなど、治安が不安定な都市では、タクシーや配車アプリを利用してドア・ツー・ドアで移動することを強く推奨します。
アメリカでスリに遭わないための対策は? ▼
混雑した観光地や公共交通機関では、バッグを体の前に持ち、スマートフォンを手に持ったまま歩かないことが重要です。最近は「Bipping」と呼ばれる車上荒らしや、歩行中のスマホ強奪が流行しているため、周囲への注意を怠らないようにしましょう。
アメリカで多い詐欺の手口は? ▼
観光客を狙った偽ガイドや、デジタル送金アプリを悪用した送金詐欺、路上での執拗な物売りなどが一般的です。また、ATM利用時のスキミングや、警察官を装った所持品検査詐欺にも注意が必要です。見知らぬ人からの親しげな接触には常に警戒してください。
アメリカで日本人が巻き込まれやすい犯罪は? ▼
スリやひったくり、車上荒らしといった財産犯罪に加え、アジア系住民に対するヘイトクライムのリスクも無視できません。また、銃規制が緩いため、突発的な発砲事件や強盗に遭遇する可能性もあります。深夜の移動や危険な地域への立ち入りは避けてください。
アメリカ旅行で注意すべきことは? ▼
最も注意すべきは「移動手段」と「場所の選択」です。目的地までのルートを事前に確認し、危険な地区を通過しないようにしてください。また、政治的な抗議活動や集会には近づかないこと、不法薬物が蔓延しているエリアには車でも立ち入らないことが身を守る鉄則です。
アメリカで起こりやすいトラブルは? ▼
レンタカーの窓を割られる車上荒らし、スマートフォンの強奪、不当な高額請求、ドラッグ関連のトラブルなどが挙げられます。また、パスポートの盗難も頻発しており、再発行には多大な手間がかかるため、貴重品の管理には細心の注意を払いましょう。
アメリカで被害に遭ったらどうする? ▼
緊急時には「911」に通報してください。警察への被害届(ポリスレポート)は、保険請求やパスポートの再発行に必要です。また、現地の日本国大使館や領事館の連絡先をメモしておき、事件発生時には速やかに支援を求めることが重要です。
アメリカの治安詳細
アメリカの治安概要
2026年現在、全米の犯罪率は歴史的な低下傾向にあり、殺人は前年比約15%減を記録しています。しかし、銃器の普及率が高いため、突発的な発砲事件や凶悪犯罪への警戒は依然として必要です。第2次トランプ政権による法執行の強化が治安維持に寄与している一方、インフレによる生活費の高騰が低所得層を圧迫し、万引きや車上荒らしといった財産犯罪の増加を招いています。2026年ワールドカップに向けた警備強化が進む観光地は概ね安全ですが、主要都市のインナーシティでは深刻な治安悪化が継続しており、エリアごとの安全性の差が非常に激しいのが現状です。
アメリカは危険?やばい?
アメリカは特定の地域において「極めて危険」であり、無計画な渡航は「やばい」状況を招きます。メンフィスやサンフランシスコの一部地区はレベル4のリスクがあり、命に関わる犯罪が日常的に発生しています。一方で、厳重なセキュリティが敷かれた観光エリアは安全性が確保されていますが、全米共通のリスクとして銃犯罪があり、ショッピングモールや広場などの不特定多数が集まる場所での銃乱射や、スマホ強奪を目的とした暴力事件には常に警戒が必要です。「アメリカはどこでも危険」というわけではありませんが、路地一つで治安が変わるという意識を持つべきです。
アメリカは怖い?一人旅でも大丈夫?
「アメリカは怖い」と感じる女性や一人旅の方は多いですが、適切な対策を講じればリスクを大幅に下げられます。最大のポイントは「夜間の一人歩きを絶対にしない」ことと「信頼できる配車アプリを活用する」ことです。公共交通機関、特に地下鉄は昼間でも治安の悪い路線があるため、現地の情報を事前に収集してください。また、スマートフォンに夢中になって周囲への注意を疎かにするのは厳禁です。アジア系へのヘイトクライムのリスクを考慮し、政治的な集会や騒動の兆候がある場所には近づかないようにしましょう。常に「周囲の状況を把握している」という態度で歩くことが、犯罪者に隙を見せない秘訣です。
スリ・詐欺・犯罪の実態
現在のアメリカでは、伝統的なスリや詐欺に加え、新たな手口の犯罪が急増しています。特に「Bipping」と呼ばれる、停車中の車の窓を瞬時に割って荷物を奪う車上荒らしが都市部で常態化しており、空港周辺やガソリンスタンドもターゲットになっています。また、スマートフォンの強奪や、デジタル送金アプリ(Venmo等)を操作させて現金を奪う「デジタル強盗」も増加しています。詐欺では、観光地での偽ガイドや法外なチップ要求、スキミングのほか、フェンタニル等の合成麻薬が蔓延するエリアでの薬物絡みのトラブルも深刻です。これらは観光客も巻き込まれる可能性が高く、物理的な金品だけでなくデジタル資産の保護も重要となっています。
地域別の危険度
アメリカ国内の危険度は地域によって極端に異なります。テネシー州メンフィスは全米最悪の犯罪率を記録しており、殺人や暴行が多発するレベル4相当の危険地帯です。サンフランシスコのテンダーロイン地区やフィラデルフィアのケンジントン地区は、深刻な薬物汚染と治安崩壊により、観光客の立ち入りは極めて危険です。ミズーリ州セントルイスも高い殺人率を維持しており、夜間の移動には細心の注意が必要です。カリフォルニア州オークランドでは窓割り強盗が常態化しています。これらの都市では、観光地(ユニオンスクエア等)のすぐ近くに危険エリアが隣接していることが多く、エリアの選別が文字通り「身の安全」に直結します。
アメリカ旅行で注意すべきポイント
渡航者が最も注意すべきは「エリアの境界線」です。アメリカの都市は1ブロック先で治安が劇的に変わることが珍しくありません。事前に現地の雰囲気(落書きの多さ、窓の格子、人通り)を確認し、少しでも不穏な空気を感じる場所には入らないでください。また、車を利用する際は、外から見える場所にバッグやスマホを絶対に放置しないこと。公共の場での政治的な議論や、アジア系への偏見を含む言動を避けることもトラブル回避に繋がります。ワールドカップなどの大規模イベント時は、混雑に乗じたテロやスリのリスクが非常に高まるため、現地の警備当局の指示に従い、常に警戒を怠らないようにしましょう。
よくあるトラブル事例
典型的なトラブル事例として、サンフランシスコの観光地付近で、一瞬目を離した隙にレンタカーの窓を割られ、全ての荷物を盗まれたケースがあります。また、フィラデルフィアの観光中に誤って治安の悪いエリアに迷い込み、昼間にも関わらず集団強盗に遭うといった事例も報告されています。他にも、路上で親切に声をかけてきた人物にスマートフォンを貸したところ、そのまま走り去られたり、デジタル送金アプリを操作され残高を全て転送されたりするトラブルが多発しています。これらの事例は「自分は大丈夫」という油断や、現地の危険エリアに関する知識不足が原因となっていることがほとんどです。
被害に遭った場合の対応
万が一、犯罪被害に遭った場合は、抵抗せずに身の安全を最優先してください。その後、速やかに「911」へ通報し、警察官から被害届の控え(ポリスレポート・ナンバー)を受け取ります。これは海外旅行保険の請求やパスポートの再発行に不可欠です。パスポートを紛失・盗難された場合は、最寄りの日本大使館または総領事館へ連絡し、必要な手続きを行います。クレジットカードの盗難であれば直ちにカード会社へ連絡して利用を停止させてください。言葉に不安がある場合は、ホテルのスタッフや信頼できる現地の人に助けを求めるとともに、外務省の「たびレジ」を通じて支援情報を得るようにしましょう。